【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第九幕 6 『クラブ見学3』

 魔道具研究会を見たあとは、同じ実験棟を活動の場にしている『化学クラブ』を見学に行った。

 

 様々な化学実験を通してモノの性質を明らかにするという、実に真面目な活動だったのだが…

 私のイメージ的には『錬金術』だった。

 いや、前世の錬金術って化学のはしりと言えるんだけど、この世界って魔法があるから変化がより劇的で…これが中々面白いんだよね。

 

 これには最初に興味を示していたステラの食い付きが良く、入会を真剣に考えていた。

 どうやら乗馬クラブとどっちにするか悩んでいるらしかったんだけど、掛け持ちしたら?と言ったらキョトンとしてた。

 別に掛け持ちは禁止されてないのだけど、そういう考えは無かったらしい。

 

 と言うことで、一応乗馬クラブも見学してから入会する事にしたみたい。

 これはアレだね…『ステラのア○リエ』だ。

 

 

 

 

 

 続いては、実験棟の隣の実習棟に場所を移して…ここでは『アパレル同好会』、『料理研究会』を見学することに。

 前者は私なんだけど、後者はシフィルのリクエストだ。

 

 

 

 

 

 で、アパレル同好会なんだけど、活動内容は結構多岐にわたる。

 アパレル業界、流行の動向を研究したり、既製品を組み合わせてのファッションを追求したり、自分たちでデザインから縫製まで行ったり…

 

 ハッキリ言って、めっちゃ楽しそう!

 

 演劇クラブの衣装もここで作ってるらしいので、そっちと掛け持ちしても良いかも?

 

 前向きに検討します、って会長に伝えたら、血走った目で『是非お願いします!』って言われた。

 ちょっと怖かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして『料理研究会』である。

 これは、まぁ、そのまんまだ。

 

 私も興味を持ったんだけど…

 

「えっ!?カティアって料理できるの!?」

 

 などとレティに驚かれた。

 失礼な。

 

 私的にはシフィルの方が意外だよ。

 それも失礼な感想だけど。

 

「カティアさんは料理お上手ですわよ。私は簡単なものなら…」

 

「シフィルも凄く上手なんですよ。私は人並みには…」

 

 ルシェーラとステラがそれぞれフォローしてくれる。

 …なんか私とシフィルって脳筋扱いになってない?

 一度みんなとオハナシをしないと…

 

「わ〜、二人の手料理食べてみたいな〜!」

 

「メリエルちゃんは作らないの?」

 

「私は食べる専門だよ!」

 

 元気一杯に答えるメリエルちゃん。

 う〜ん、可愛いなぁ…ナデナデ。

 

 

「で?そう言うレティはどうなの?」

 

「わ、わたし?……一回家族に振る舞ったことがあるんだけど。……しばらく厨房への出入りが禁止されたわ!文句ある!?」

 

 …逆ギレか。

 

 どうやら料理チートは出来なかったようだ。

 と言うか、この世界って前世と比べても遜色ないくらいに食文化が豊かだから、出る幕はなかったと思うけど。

 

 しかし厨房出禁って…一体どんな劇物(りょうり)を作ったのさ。

 そんなんでよく駅弁とかのイメージを伝えられたね…

 

 

 ともかく料理研究会なんだけど、実際に先輩たちが作ったものを試食させてもらった。

 

 

 ふむ…これは中々…

 

「ふわ〜、美味しいよ〜!」

 

 メリエルちゃんが至福の表情で、ひょいぱくっ!ひょいぱくっ!と、アレコレつまんでる。

 ホントに幸せそうだよ。

 

「この味は…どうやって出してるのかしら?こっちも…味もさることながら盛り付けも素晴らしい……それに栄養バランスも考えられて……もぐもぐ…」

 

 シフィルもすっかり夢中になって、ちょっとキャラが変わってる。

 

「は〜い、良かったらこちらもどうぞ〜」

 

 と、会長さんが飲み物を勧めてくれる。

 間延びした喋り方がちょっと姉さんと被るね。

 

「あ、ありがとうございます!ちょうどのどが渇いてて…」

 

 と、受け取ったものをゴクッと喉を鳴らして飲む……って!?

 

「こ、これ!?お酒!?」

 

「そうよ〜。美味しい料理には美味しいお酒。そういうところもこだわってるのよ〜」

 

 その前にアルコールが大丈夫かどうかくらいは聞いて!?

 

 ま、まずい!?

 このままじゃ…!!

 

「れ、レティ…解毒…おね…が……」

 

 

 ………

 ……

 …

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はっ!?

 

「あ、おはよ〜、カティア」

 

「わ、私は一体……?」

 

 確か、不意打ちでお酒を飲んでしまって…

 取りあえずはおかしな状況ではなさそうだけど…

 

「カティア…」

 

「な、なに?ステラ…?」

 

「元気を出してくださいね。私たちはいつでもカティアの味方ですよ!」

 

「一体何があったの!!??」

 

 ふぁいとっ!みたいな感じで励ましてくれるのはなんで!?

 

 他の先輩たちや同級生も生暖かい目で見てるし!!

 

 

 

 結局、私が何をしでかしたのかは教えてくれないまま……料理研究会を後にした。

 まさか学校の中で飲酒をすすめられるとは思わなかったよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に向かったのは、『馬術クラブ』の活動場所である馬場だ。

 

 屋外施設は、ここと演習場がある。

 王都の中とは思えないくらいに広大な敷地を持っている。

 

 馬場の片隅に厩舎があって、そこに人が集まっているが、どうやらクラブ見学はそこで行われてるらしい。

 馬も何頭か厩舎から出てきているようだ。

 

 しかし、授業とクラブ活動のためにこんな施設まで用意されてるとは。

 馬は退役した軍馬で予備役も兼ねてるらしいけど、それでもかなりコストがかかってると思うよ。

 

 

 乗馬は以前スオージの森に向かった時に初めて体験したんだけど…馬は可愛いし、高い視線でのあの疾走感は凄く楽しかった。

 

 

「こんにちは。馬術クラブの見学に参りました」

 

 と、ここの見学を希望していたステラが代表してあいさつする。

 

「ようこそ、馬術クラブへ!僕が代表のユーマだ」

 

「「「よろしくお願いします!」」」

 

 

 

 馬術クラブは、当然ながら乗馬技術の向上が目的だ。

 だが、一口に乗馬と言っても様々な競技があるのは前世と一緒だ。

 速さを競う競馬だったり、障害物競技だったり。

 もちろん単に乗馬を楽しむだけでも良いし、馬を愛でるのも良し。

 

「君たちは馬に乗ったことはあるのかな?」

 

「私はあります」

 

「私も」

 

 私とステラは乗馬経験あり。

 

 

「ないです」

 

「走ったほうが早いわ」

 

「落馬して死にそうになったよ!」

 

 レティはともかく…

 シフィル、そういう事じゃない。

 そしてメリエルちゃんは……やめておいたほうが懸命だね。

 

 

「じゃあ折角だから乗ってみるかい?ここの子たちは皆おとなしい子ばかりだから初心者でも安心だよ」

 

「わあ〜、良いんですか?」

 

「ぜひ!」

 

「「「私たちはパス」」」

 

 

 と言う事で、私とステラだけ乗ることに。

 

 ん〜、どの子が良いかな?

 やっぱり生き物相手だから相性って重要だよね。

 

 そうやって悩んでいると、一頭だけ私の方にやって来て鼻を擦り寄せてきた。

 うむうむ、可愛いやつよ。

 よし、キミに決めた!

 

 

「よろしくね〜」

 

「私はこの子がいいです」

 

 ステラも決めたみたい。

 顔を撫でながらご満悦の様子。

 馬が大好きなんだね。

 

 

 颯爽と馬に跨って……って、流石に制服のスカートだとマズイので乗馬用のズボンを借りたよ。

 

 はじめはゆっくりと歩かせて、並足で少しづつ慣らし、徐々にスピードを上げて駆け足まで。

 ステラも隣に並んで馬場の周回コースを巡る。

 

 

「いいね〜!ちょっと障害も跳んでみようか?」

 

「ヒヒンッ!!」

 

 よし相棒、行くよっ!

 

 

「あっ!カティアさん!障害は…!?」

 

 

「それっ!!」

 

 何か先輩が言ってた気がするけど、次々と障害を跳び超えて行く。

 退役したって言うけどまだまだやれるじゃないの。

 

 

「わあ〜…カティア凄いわ!」

 

 私のスキル[乗馬4]は、一流の一歩手前くらいのレベルだし、ちゃんと訓練を積んだ人と比べたらそれほど凄い訳ではないのだけど。

 学生レベルだと十分な技量と言えるだろうね。

 

 

 そうして暫くは人馬一体の感覚を楽しんでいたのだけど…あまりここだけで時間は割けないので、名残惜しくも終了となった。

 

 

 

「いや〜、二人とも素晴らしい技量だね。カティアさんはすぐにでも競技に出られそうだよ」

 

「ホント、この娘は何でも出来るよねぇ…流石はチートキャラ」

 

「何言ってるの。それに、冒険者としては割と必要なスキルだよ」

 

 とは言っても、元の【私】(カティア)は不思議と乗馬経験が無かったんだけど。

 

 

「ステラさんも、かなり慣れてる感じでしたわ」

 

「ええ…好きなんです、乗馬。と言うか馬が好きで…可愛くないですか?」

 

「あ〜、分かる分かる。慣れると鼻を擦り寄せてきたりして…目もキレイだよね」

 

 こんなに大きな身体なのに、甘えん坊みたいな感じでね。

 

 

 

 と言うことでここでの見学は終わり。

 ステラは化学クラブとの掛け持ちも含めて、かなり前向きに考えてるみたいだった。

 

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