【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

244 / 664
第九幕 18 『週末休み』

 学園に入学する前はあまり曜日を意識したことがなかったが、この国…と言うかこの大陸では【俺】の前世とは異なり6日で一週間である。

 

 曜日は光、地、水、火、風、闇の6つだ。

 職種にもよるが、大抵は光がお休み。

 闇曜日も半日お休みだったりする。

 

 そして1ヶ月は5週間で30日。

 1年が12ヶ月なのは前世と同じだが、日数は360日だ。

 ちょっとだけ地球とは公転周期が違うってことだね。

 自転周期…一日の時間は感覚的には多分同じくらいだと思うが、比較のしようがないので正確なところは分からない。

 

 一週間の日数で割り切れるので毎年日付と曜日の関係は変わらない。

 1月1日は必ず光曜日だ。

 

 月は数字で表すのが一般的だが、それぞれ12の神々に因んだ名前で表したりもする。

 今日は10月13日光曜日。

 10月は『豊穣神の月』…つまりリル姉さんの月だ。

 

 この世界の天体観測技術はそれなりだと思うけど、暦にずれが生じるという話は聞いたことがないので、閏年というものも存在していないのだろう。

 現在の暦である神隠歴…神々が地上から姿を消した年を紀元とする暦…で今年は1,756年なので、もしかしたらそれよりも長いスパンではズレが生じるのかもしれない。

 

 

 

 

 と言うことで今日は学園が休みなのだが、先日約束した通り皆で街に遊びに行く事になっている。

 私がアズール商会に用事があるくらいで、他にどこに行くかは決まっていない。

 女の子同士だから服やアクセサリーのお店を見回ったりとか、美味しいお店でランチしたりとかかな?

 

 待ち合わせは西大広場の噴水前。

 レティ曰く、待ち合わせの定番らしい。

 前世みたいにスマホとかが無いから、ちゃんと場所と時間を決めておかないといけない。

 もしかしたら数年後とかは、あの通話の魔道具が普及してるかもしれないけど。

 

 西大広場には以前祭りの時に行ったモーリス商会や、今日の目的であるアズール商会の他にもブティックやお洒落なレストランもあるので、そこを見回るだけでも一日潰せそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し早めに来たのだが、待ち合わせ場所には既にレティがいた。

 仲良さそうに話してるその相手は…

 

「おはよう、レティ。それに…リディーさん?」

 

「あ!カティア、おはよ〜!」

 

「おはようございます、カティア様」

 

 何で彼がここにいるんだろう?

 と、疑問が顔に出ていたのか、リディーさんが察して答えてくれた。

 

「ああ…朝レティが商会の方に顔を見せて、皆さんとお出かけすると聞いたので、折角だからご挨拶を…と思いまして」

 

「律儀よね〜。兄さんみたい」

 

 いや〜、どちらかと言うと恋人じゃないかな〜?

 そして、ちょっとレティも嬉しそう。

 

 

 しかし、またルシェーラが喜ぶね、これは。

 

 と、思っていたら、当の本人(ルシェーラ)がやって来た。

 

「おはようございます、カティアさん、レティシアさん…それに、リディーさん?」

 

「「おはよ〜」」

 

「おはようございます、ルシェーラ様」

 

 そして、私にしたのと同じ説明をすると、ルシェーラは満面の笑みを浮かべた。

 

 

(ええ、ええ、良い心がけですわね。……もしや、友人と出かけると聞いて、殿方がいないかチェックされるのかしら?)

 

(…いえ、別にそう言うつもりでは。ただ単に、レティがお世話になってる方へご挨拶を、と)

 

(あ、安心してくださいね。今日は皆同級生の女子ですから)

 

(ですから私は別に…はぁ、まあ良いです)

 

 

「…?3人でなにをコソコソ話してるの?」

 

「「何でもないよ(ですわ)!」」

 

 

 

 

 

 

 

 そして、もうすぐ集合の時間になるかという頃…

 ステラ、シフィル、そしてメリエルちゃんの寮生組が一緒にやって来た。

 

「あ、3人とも、おはよう」

 

 

「みんな!おはよう!」

 

「おはようございます…」

 

「はぁ〜、何とかギリギリ間に合ったわね…みんな、おはよう…」

 

 ん?

 なんだかステラと…特にシフィルが疲れた様子だ。

 

「どうしたの、シフィル?なんだか疲れてるみたいだけど…ステラも」

 

「いや、気づいたらメリエルが途中でいなくなってて…それで慌てて探してたから」

 

 ああ、そう言えば…

 何故か同行者がいるのに迷子になるという…時空を超越した方向オンチだったね。

 入学してから一週間しか経ってないのに、もう何度もその場面を見た。

 もう既に一年生の間では伝説になりかけてるよ。

 

 

「あはは〜……ごめんね、シフィル。自分でも不思議なんだよねぇ……手まで繋いでたのに、何でなんだろ?」

 

 完全に幼女扱いだよね。

 そして、なぜそれで逸れるんだ…

 もはや怪異だよ。

 

「私の方が不思議だよ…っていうか、ちょっとホラーなんだけど…」

 

 怪奇体験そのものだよね。

 メリエルちゃんって、実は妖怪の類なんではなかろうか……座敷童子みたいな。

 

 

 

 

 

 

「ま、まあ、とにかくこれでみんな揃ったことだし…先ずはアズール商会本店に行きましょうか」

 

「じゃあ、リディー。行ってくるね〜」

 

「ああ、気をつけてな。みなさんも、行ってらっしゃいませ」

 

「「「行ってきま〜す!」」」

 

 私達に挨拶するために来ていたリディーさんとはここでお別れ。

 彼は今日も仕事があるらしい。

 

 

 

「…モーリス商会ってブラックなの?」

 

「…失礼な。リディーが好きで仕事してるだけだよ。ウチは従業員第一のホワイト企業だから!」

 

 

(…まあ、リディーさんの仕事と言うのは口実だと思いますわよ)

 

 と、ルシェーラがレティに聞こえないように小さな声で呟くのが私には聞こえた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。