【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十幕 22 『対面』

 王城に到着した私達を乗せた馬車は、車寄せに停車した。

 最初にテオが降りて、母様と私の手を取って降ろしてくれる。

 ミーティアは抱っこで降ろ…さないで、そのまま抱きかかえてもらってる。

 パパに抱っこされてご満悦の様子。

 

 私達の到着と同時に城の中から護衛騎士や使用人を伴って現れたのは、テオの義兄(おにい)さん…アルノルト王太子殿下だった。

 王太子殿下自らお出迎えとは。

 

「カーシャ様、カティア様、遠路遥々ようこそおいでくださいました。皆様を心より歓迎いたします」

 

「王太子殿下御自らお出迎え頂き、嬉しく思います」

 

「アルノルト殿下、ご無沙汰しております。これから暫くお世話になります」

 

 先ずは挨拶を交わす。

 アルノルト殿下とは私のお披露目パーティーの時にお会いして人となりもある程度は分かっているので、それ程堅苦しくはならない。

 

 

「そちらの御仁は…カティア様の育ての父であるダードレイ殿とお見受け致します。私はレーヴェラントの王太子、アルノルトと申します。よろしくお願いします」

 

「…お初にお目にかかります。私はダードレイと申します。しがない平民の身で、いと貴きお方にお目通り出来たこと、誠に光栄の至りでございます」

 

 ……誰?

 いや、流石に一国の王太子殿下相手なんだから、父さんだってちゃんと弁えてるんだろうけどさ。

 

「カティア様は我々レーヴェラント王家とも家族になるお方。そのカティア様のお父上なのですから、気軽に接して頂ければと思います」

 

「私ごときに過分かと思いますが…ご配慮に感謝いたします……まぁ、俺も礼儀作法だ何だは苦手なもんで。お言葉に甘えさせてもらいますよ」

 

「ふふ、そうしてもらえると私も嬉しいです」

 

 ああ…流石は父さん。

 誰が相手でも緊張しないのは凄いことだよねぇ…

 アルノルト様も懐が深いというか、流石は次期王の器の大きさだね。

 

 

 

「テオ、ご苦労だったね。良くぞ皆様をお護りしてくれた」

 

「いえ、私は最後に何とか役に立てたくらいで…護衛隊を労ってやって下さい」

 

「ああ、もちろんだ。皆、よく職務を全うしてくれた。諸君らの働きを誇りに思う」

 

「ハッ!王太子殿下にお褒めの言葉を頂き、誠に光栄でございます!」

 

「うむ。……さて、こんなところで長話していては身体が冷えてしまいますね。長旅の疲れもございましょうから、父王にお会いいただく前に、先ずはお部屋の方にご案内します」

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルノルト様の指示を受けた使用人に案内され、私達は滞在場所となる部屋にやって来た。

 

 母様、私とミーティア、父さんで、それぞれ別室を充てがわれた。

 各部屋に大きな違いはなく、恐らくは賓客をもてなすための最上級の部屋と思われる。

 父さんが「マジかよ…」って呟いてるのが聞こえたよ。

 

 

 部屋に入って直ぐのところには使用人の控室もあるので、私付きのマリーシャもここで一緒に過ごす。

 当然母様も私と同じように専属の世話役がいる。

 父さんにはこの城の使用人が付くみたいで、やっぱり落ち着かない様子だった。

 

 

 

 部屋に入った私は旅装を解いて、国王陛下との謁見に望むべく準備をすることに。

 …あれ?王族同士だと謁見とは言わないのかな?

 でも国主と王妃・王女では、向こうの方が目上だろうし、謁見でいいのか?

 ん〜、まだその辺りよく分からないな…

 ま、ちゃんと礼儀を弁えていれば問題ないか。

 

 

 マリーシャに手伝ってもらいながら支度を進める。

 一旦髪を解いて梳いてからドレスに合うように再びアップに纏め上げ、普段はあまりしていない化粧もしっかりと行う。

 いくつか持ってきたドレスの中から、やや大人し目なものを選んで着替える。

 

 

 マリーシャは流石の手際で手早く、しかし丁寧に身支度を整えてくれる。

 

 そうしてちょうど準備も終わったところで、もうすぐで約束の時間となった。

 

 

 よし。

 準備万端、いざ勝負!

 

 …いや、気合い入れないと緊張でどうにかなりそうで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 案内されたのは広々とした応接室。

 国王陛下を始めとしたレーヴェラント王家の面々は既に部屋の中で私達を待っていた。

 テオも一緒にいる。

 

 私達が挨拶をしながら入室すると、彼らはソファから立ち上がって迎え入れてくれる。

 皆表情はにこやかで、幾分緊張も和らいだ。

 

 

「よくぞ参られた。カーシャ殿は久しぶりだな。カティア姫には初めてお会いする。私がレーヴェラント国王のハンネスだ。よろしく頼む」

 

「お久しぶりですね、ハンネスさま。以後、娘のこともよろしくお願いします」

 

「は、はじめまして。イスパル国王ユリウスの長女でカティアと申します。これからよろしくお願いします」

 

 ちょっと緊張で上手く舌が回らなかった。

 まあ、普通に挨拶することはできたと思う…

 

 

「ふむ…話には聞いていたが、本当にお美しい……テオではなく私の妻になr…ぶふぉっ!!??」

 

「あなた?殴りますわよ?」

 

 ……もう殴ってますがな。

 

 え?

 この人がテオのお父さん?

 私の義理の父親になる人?

 

 

 あ、テオもアルノルトさんも頭を抱えてるよ。

 …一人だけお腹を抱えて笑ってる女の人がいるけど。

 

 

 

 ちょ、ちょっと不安が……

 

 大丈夫!?

 レーヴェラント王家!?

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