【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十幕 36 『解放の力』

 

「とにかく、今の状況が賢者の予言…ゲームのイベントに向かっている可能性は高いと思う」

 

「グラナ侵攻はある…と」

 

「その前に軍勢(レギオン)の侵攻があるかどうか……それで本当にイベント通りのことが起きるのか、ある程度の証左になると思う」

 

 昨日の軍議で早急に魔境を調査するように指示がされたので、何れ明らかになるだろう。

 

 

「レーヴェラントの魔境ね。どれどれ……」

 

 そう言ってリヴェティアラ様が目を閉じて何かに集中する様子を見せる。

 もしかして、魔境の様子を探ってくれてるのか…?

 

「ん〜………確かに、魔物の活動が活発な感じはするわね。…でも、一口に魔境と言っても広いからねぇ。軍勢(レギオン)を統率するような個体が居るのかまでは、パっと見では何とも…」

 

「何か分れば私かリヴィが神託を降ろすようにするわ」

 

「そうしてもらえると助かるよ。ありがとう、リル姉さん」

 

 もし、軍勢(レギオン)が襲来するなら…私も力添えする必要があるだろう。

 『絶唱』があれば大きな力になれると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、テオちゃんは(シギル)の力は十全に使えているのかしら?」

 

「……そ、その、自分の潜在能力を解放する、という事であれば…」

 

 テオちゃんって……

 

 

「それは基本中の基本ね。私の力の本質はあらゆる事象における『束縛からの解放』よ」

 

 あ〜…だからそんなに解放的な恰好なんですか。

 と、心の中だけで呟く。

 

「つまりね、その力の及ぶ範囲は自身だけに留まらないのよ。……せっかく会えたのだから、その辺の概念を教えてあげるわ」

 

「ありがとうございます……って!?」

 

 ああ、また!?

 

 さっきと同じようにテオに近づいたと思ったら、止めるまもなく顔を近付けて…

 おでこをくっつけた。

 

「ななな!?」

 

「あら、あなたも知ってるでしょ。お手軽学習」

 

「え?いや、それは手でちょん、ってやってたような…」

 

 私が狼狽えていると、直ぐに顔を離してそう言うリヴェティアラ様。

 直接知識を刷り込んでもらうのは私も経験があるけど、おでこ同士では無かったよ…

 

 そんなやり取りをしてるのをよそに、当のテオ自身は頭を手で抑えて驚きの表情で呟く。

 

「これは……ああ、これなら確かに…凄い力だ。俺にもこれが出来る……のだろうか?」

 

「それはあなた次第だけど、何となくは分かるでしょう?」

 

「え、ええ……。何とかモノにしてみせます」

 

「うんうん、その意気ね」

 

 ……何だか私が妬いているのが馬鹿みたいじゃないか。

 

 でも、テオが凄い力と言うほどだ。

 きっと、これからの戦いの中で大きな助けとなってくれるに違いない。

 

 

「そうだ、カティアちゃんにも……」

 

「え?私にも…ですか?」

 

 おでこ、する?

 

「ディー君の剣はテオちゃんに譲ってくれたのよね。だったら、私の武器はあなたに譲ろうかしら、と思ってね」

 

「リヴェティアラ様の武器、ですか?」

 

「そう。私の武器は『聖杖リヴェラ』。様々な武器と魔法を使うあなたにはピッタリだと思うわ」

 

 そして教えてもらった、その武器の能力……確かに私にとって凄く使い勝手が良さそうだと思った。

 

 

「そんな凄いものを…ありがとうございます!」

 

「どういたしまして。で、それは私の神殿に保管されてるはずだから、巫女ちゃんに神託を降ろしておくわね」

 

「リヴェティアラ神殿総本山はエメリール神殿からそれほど離れていないから寄っていこう」

 

「うん、そうだね。式典の時間までは、まだあるよね。あ、もしかして……試練とかあったりします?」

 

 聖剣を入手する時は試練を攻略する必要があったけど。

 

「いいえ、厳重に保管されてるみたいだけど、ディー君とこみたいなものではないみたいよ」

 

 それなら良かった。

 神託が降りたからと言って直ぐに渡してもらえるとは限らないけど、帰りに寄って確認しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、私達はそろそろ行きます」

 

「リル姉さん、またね。リヴェティアラ様も…今回は色々とありがとうございました」

 

「またね、カティア、テオフィルス」

 

「じゃあね、テオちゃん、カティアちゃん。色々頑張って」

 

 

 こうして私達は神界を後にするのだった。

 

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