【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

346 / 664
第十一幕 3 『酔っぱらい』

 

「では次は我だな。お初にお目にかかる。我の名はイクセリアスという。以後、よしなに」

 

 古風な喋り方をするイクセリアス様は『時を司る神』と言われている。

 黒髪黒目、中肉中背の余り目立った特徴の無い方だけど、落ち着いた大人の雰囲気。

 ……時を司るとか、もしかして最強だったりしないだろうか?

 

「ふむ…『司る』とか『最強』と言われるほど万能では無いな。時の流れに逆らって遡る事は出来ぬし、完全に止めることも出来ぬ。我に出来ることはたかが知れている」

 

 …心を読まないで?

 

 

 

 

 

 

「……(それがし)はヘリテジア。よろしく」

 

 ……無口な神様(ひと)だね。

 フードを目深に被って外見がよく分からない…

 ヘリテジア様は『知恵の神』だ。

 実は『学園』に小さな神殿…と言うか(やしろ)があったりする。

 そう言えば、アスティカントにも大きな神殿があった。

 

 

 

 

 

「おっす!俺はシャハルってんだ!よろしくな!」

 

 どこかの戦闘民族の人みたいな挨拶をするのはシャハル様。

 金髪でツンツンした髪に紅い瞳。

 上半身は裸にベストだけ羽織って、ゆったりとしたズボン…ターバンはしていないけど、アラビア風みたい?

 『空間を司る神』と言われている。

 イクセリアス様と対になる感じなのかな。

 

 

 

 

 

「私が最後かしら。私はシェラフィーナと言います。シャハルの妹で、『魔を司る神』と呼ばれてますわ。よろしくお願いしますね」

 

 最後ににこやかに挨拶をしてくれたのは、シェラフィーナ様。

 ルシェーラみたいに丁寧な口調。

 黒髪黒目で服装も黒ずくめ。

 見た目はリナ姉さんと同じくらいの少女だ。

 とんがり帽子の、いわゆる魔女みたいな格好。

 魔……つまり魔法全般を司る神様ということだね。

 レティはこの方の加護とか貰ってたりするんじゃないかな…

 

「いいえ?最近は特に誰かに加護を与えたりはしてませんわよ」

 

 だから…心を読まないで……

 

 

 

 

 

 こうして、私達は12神の全員と邂逅を果たすのだった。

 …改めて考えても凄いことだよ。

 

 

 

 お互いに紹介も終わったところで、神々の宴は本格的に始まる。

 

 こうして皆で集まってワイワイ騒ぐのは私達人間とそう変わらず、最初は緊張したけど次第に打ち解けることができた。

 

 ミーティアは言わずもがな。

 皆に可愛がられてたくさん食べ物を勧められてご満悦の様子。

 

 テオは私よりも緊張した様子だったけど、大分慣れてきたかな?

 

 

 

 

「おぅ、カティア。飲んでるかぁ?ほれ、まぁ一杯やんな」

 

 すっかり出来上がった(神様も酒に酔うんだね…)オキュパロス様が、私に酒を勧めてきた。

 

 う〜ん……神界の精神体の状態でも酔うのかな?

 神様たちはほろ酔い加減って感じだけど。

 …肉体が無いんだし、心の持ちよう次第かも?

 だったら試してみても…

 

「じゃあ、一口だけ…」

 

「お、おい!カティア!!」

 

「んふ〜、テオちゃんはこっちよ〜」

 

「うわ!?ちょ、ちょっと…!」

 

 テオが私を止めようとするが、リヴェティアラ様に捕まって行ってしまった。

 むむむ…あっちも気になるけど…

 お酒飲みたい!!(反省なし)

 

 

「よし、ぐいっと行きな!!こいつぁ、美味ぇ酒だからな、よく味わうんだぞ」

 

 オキュパロス様の持つ酒瓶には、『銘酒神殺し』って書いてある…

 え?ヤバくない!?

 

 だが、ここまできて断ることは出来ない。

 私は意を決して盃に口を付ける…

 

「……こくっ……あ、美味しい」

 

 なんだか日本酒みたいなんだけど(酒瓶もそんな感じだった)、口当たりが爽やかで甘すぎず辛すぎず飲みやすい感じ。

 

「そうだろう!ディザールの取って置きの一本だからよ。ほれ、もっと飲みな」

 

 あ、ディザール様が持ってきたんだ。

 やっぱり和風好みなんだね。

 

 そして、私は勧められるままに注がれたものを飲み干す。

 喉からお腹の奥の方までカッと熱くなった。

 かなり度数があるみたい。

 

 ……今更ながら、大丈夫だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら〜、オキュピー!もっろのみなさい〜!」

 

「お、おうよ(こいつ、酒癖悪ぃな…)」

 

 あはは〜!

 お酒おいしぃ〜!

 

 気分もふわふわ〜

 

 

「ねえ、カティア…そのへんにしておいたら?少し飲みすぎよ」

 

「らいじょ〜ぶらよ、リルねぇさん!まらまら、わらしはのめますよ〜!ヒッく!」

 

「うわ〜…すっかり出来上がってるねぇ…。精神体でここまで酔えるものなんだ…」

 

「勧めた俺が言うのも何だが…やべぇな、こいつ」

 

「だが、少し羨ましいな。我らはそこまで酔えないからな。地上にいた頃が懐かしくなる」

 

 ん〜?

 なんだか私のことを生暖かい目で見てるね〜。

 ちょっとお酒が足りないんじゃないの?

 

「ほら〜、みんなもっろのみなさい〜」

 

 

「……やはりこうなるのか」

 

 あ、テオだ!

 んふ〜、ごろごろすりすり。

 

 

「まあ…お二人は本当に仲が良いのですわね」

 

「私に恋愛相談してた頃からは想像もつかない姿よね」

 

「そうね…でも、そろそろ何とかした方が良いんじゃないかしら…?」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。