【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う! 作:O.T.I
料理の殆どは無くなって、今は皆まったりと寛いでる。
そろそろ宴会も終わりかな?
今日は突然参加することになったけど、とても楽しかった。
「ミーティア、もうお腹いっぱいでしょう」
「うにゅう…もう食べられないの…」
精神体でも満腹感があるんだね。
じゃなければ幾らでも食べてただろうね、この娘は。
「もう、食べ過ぎだよ…おデブちゃんになっちゃうよ?」
「……」
あ、固まった。
それを気にするあたり、小さくてもレディなんだねぇ…
「…つぎはがまんするの」
「そうしなさい」
そのやり取りにテオが苦笑していたよ。
「そろそろシメか……エメリール、最後に一曲歌ってくれねぇか?」
と、オキュパロス様がリクエストした。
リル姉さんの歌かぁ…確かに聞いてみたいね。
「ええ、構わないけど……今日は本職が来てるわよ?」
ん?私のこと?
「ああ…確かにな。カティアの歌は神がかっていたぜ」
「ほぅ、それは是非聞いてみたいものだな」
オキュパロス様の言葉に、他の方々も期待の眼差しを向けてくる。
これは、断れない流れだね。
まあ、断るつもりもないけど。
でも、リル姉さんの歌も聞きたいので…
「リル姉さんも一緒に歌おうよ」
「そうね、だったら…ミーティアとテオもどうかしら?」
と、何処からともなくリュートを出してテオに渡しながら言う。
「やる!」
「俺の演奏で良ければ」
二人とも快くその申し出を受ける。
すると、楽しそうなことには目がないリナ姉さんも黙ってるはずもなく…
「じゃあ私も!歌は得意じゃないけど、踊りなら!ね、リリアお姉ちゃん?」
「む…私もか?…まあ、それも悪くないな」
と、バックダンサー(?)を買って出てくれた。
これは中々豪華なステージだね。
気合が入るよ。
「ふむ、ではワシがステージを造ってやろうではないか」
そう言ってオーディマ様が手を振るうと、宴会場近くの地面が隆起し始め……瞬く間に石造りの立派な舞台が出来上がった。
「よし!音響はオレに任せておけ!」
そう言うのはシャハル様。
おそらく空間系の魔法とかでホールみたいな音響効果を作り出してくれるのだろうか?
…思いがけず大掛かりになってしまったが、私達は舞台に上がって演奏を始める。
リル姉さんから(お手軽学習で)教わった神代の歌や、逆に私が教えてあげた今地上で歌われている歌を何曲も披露した。
テオの演奏に合わせて、リル姉さん、私、ミーティアの歌声が美しいハーモニーを奏で、リナ姉さんとリリア姉さんの華麗な舞が華を添える。
宴はこの日一番の盛り上がりを見せ…
そして楽しいひと時は終わりを告げたのであった。
「?……ああ、そうか。戻ってきたんだね」
一瞬状況が分からなくなったが、どうやら地上に意識が戻ってきたらしい。
神界に行く前の姿勢のまま…神界で過ごした時間の長さに関わらず、地上ではほんの一瞬の出来事なのはこれまでと同じだった。
「どうしましたか?おねえさま?」
私の呟きを聞いたクラーナが不思議そうに訪ねてきた。
ん〜、この子も一緒に行ければ良かったけどね…
「ううん、何でもないよ。クラーナはちゃんとお祈り出来たかな?」
ちょっと申し訳ないなと思いつつそう誤魔化す。
「はい!みんながしあわせにくらせますようにとおいのりしました!」
「そう、えらいわね」
元気よく答えるクラーナ。
ナデナデ。
「テオもミーティアもお祈りは済んだ?」
「ああ、大丈夫だ」
「うん!」
一緒に神界に行っていた二人とも、何事もなかったように自然に答える。
「じゃあ、後ろで並んでる人もいるし、邪魔にならないように引き上げますか」
新年早々に楽しい思い出が出来て良かった。
また神様方に会える日を楽しみにしながら…私達は神殿を後にするのだった。