【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十一幕 6 『新学期』

 新年を祝う武神祭も終わり、もうすぐ新学期が始まる。

 今回の祭の期間は、夜会やら式典やら…王女としての仕事で忙しく過ごしていた。

 

 テオや学友達と祭を見て回ることができなくて残念ではあったが……普段から割と好きにさせてもらってるし、しっかり王族の責務を果たさなければならない。

 

 

 そしてエーデルワイス歌劇団の休演期間も終わり、新たな演目によって公演再開となる。

 

 私は学園生、劇団の歌姫、そして王女として忙しくも充実した日々を過ごすことになるだろう。

 

 

 グラナ侵攻の懸念は未だ燻り続けているが、新たな動きがあるまでは情報収集と共有、軍備増強、及び各国との連携強化を進めていくことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、カティアさん」

 

「おはようルシェーラ。久しぶりだね、元気だった?」

 

「ええ、問題ありませんわ」

 

 新学期ということで気分も新たに少し早めに教室にやってきたけど、既にルシェーラが登校していた。

 帰国してから通信魔道具(スマホ)で近況報告はしていたが、特に変わりない様子に安心する。

 

 

「カティアさんの方は大変だったみたいですわね…」

 

「そうだね、色々あったけど…こうして元気に戻ってくることができたよ。テオとも正式に婚約出来たし」

 

「ふふ、おめでとうございます。良かったですわね」

 

「…う、うん」

 

 自分で話題を振っておいて、恥ずかしくなってしまった…

 

 

「そ、そうだ、ルシェーラは……休みの間は皆で冒険者やってたんだよね。どうだった?」

 

 気恥ずかしさに話題を変える。

 レイラさんと再会して一緒にパーティーを組んで、ダンジョンにチャレンジしたということは聞いている。

 王都に来ているなら私も久しぶりに彼女に会いたいな…と思った。

 

 

「ええ、中々いい経験をさせてもらいましたわ。結構良いペースで攻略して…10階層まで到達したんですのよ」

 

「へえ〜…随分潜ったんだね」

 

 王都ダンジョンはその全容は明らかになっておらず、確か最深の到達記録は38階層…研究者の予測だと50〜100階層くらいはあるのではないかと言われている。

 1〜5階層あたりまではそうでもないが、階層が進めば面積も広くなり、深部ほど攻略には時間がかかるらしい。

 

 安定期にあるダンジョンなので地形が変わることはほぼ無く、有料で地図なんかも出回ってたりするが、ランダムで宝箱が配置されたり一時的な隠し部屋が発生したりするので、何度も潜って稼ぐ迷宮探索者(ダンジョン・エクスプローラー)なんて専門家がいたりする。

 

 

 

「ええ。それで実は…カティアさんに見てもらいたいものがありまして」

 

「私に…?何かレアアイテムでも手に入れたの?」

 

 今の話の流れだと、そう言う事だと思うのだが。

 

「それが…良く分からなくて。初日に挑んだ時に、魔物部屋(モンスターハウス)のトラップに掛かった方たちの救援を行ったのですが」

 

「…初日でそんな罠が出るような階まで行ったの?」

 

 魔物部屋(モンスターハウス)と言えば、かなり危険な罠だ。

 低層階で発生する事はないと思うのだけど…

 

「いえ、それが…第三階層でしたわ」

 

「序盤も序盤じゃない……そんなことがあるんだ」

 

 王都ダンジョンはかなり大規模になるので、三階層といえば最序盤と言っても良い。

 そんな場所で危険度の高い罠が発生するとは…

 

「幸いにも、フリードさん達のパーティーも救援に入っていましたので、事なきを得たのですが」

 

「あ、フリード達も挑戦してたんだ」

 

 聞けば、フリード、ユーグ、ガエル君のパーティーらしい。

 あの三人もかなり仲良くなったね。

 

 

「それで、その時のドロップアイテムの中に『本』があったのです」

 

「本?そんなのが出るなんて聞いたことないね…」

 

「はい。しかも、私達が全く見たことも無いような文字で書かれていて…内容もさっぱり分からず」

 

 ……全く見たことのない文字。

 まさか?

 

 そう言えば、賢者リュートはダンジョンに並々ならぬ興味を持っていた…とヘリテジア様から聞いたばかりだ。

 

「そ、その本は?」

 

「ギルドに鑑定してもらってるところですわ。やはりその場では結果が分からず、時間を頂きたいとのことでしたので。それも丁度終わる頃かと思いますので、放課後に一緒にギルドに行きませんか?」

 

「う、うん。今日は用事もないし、是非一緒に行くよ!」

 

 そんな気になる話……是非、この目で確認しなければ。

 

 

 

 

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