【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十一幕 17 『公演再開』

 今日の夕方からエーデルワイス歌劇団の公演が開始となる。

 随分久しぶりになるが、演目も一新されて街はその話題でもちきりだとか。

 

 そしてなんと言っても今回は目玉があるのだ。

 私も非常に楽しみにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業が終わり、今日このあと公演のため劇場に向かうのだが……その前に寄るところがある。

 

 やってきたのは1年7組の教室だ。

 

 

「アリシアさん、迎えに来たよ〜」

 

「あ…カティア様!」

 

「あ、『様』付けはダメ〜。学園はみんな平等なんだからね」

 

 私はその辺は建前で終わらせませんとも。

 

「は、はい…。カティア…さん」

 

 う〜ん…まだちょっと硬いなぁ…

 私としてはもっと、こう…フレンドリーな感じだと嬉しいんだけど。

 まぁ、それはこれからもっと仲良くなれば自然とそうなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 そう。

 今日の公演でアリシアさんは鮮烈デビューを飾るのだ!

 正式に入団したと言うわけではないので、いわば特別ゲストみたいな扱いなんだけど。

 だが、こうやって既成事実を積み上げていけば、押しに弱いアリシアさんなら……ふふふ。

 

 おっと…少々黒い面が出てしまった。

 

 それに、無理強いは出来ないけど…何だかんだ言っても舞台に立てば楽しんでくれると思うんだよね。

 この間の野外実習の時もそうだったし。

 

 彼女は少し恥ずかしがりやな所があるから誰かが後押ししてあげなければならないのだ!

 

 

 

 

「それじゃあ行きましょうか!」

 

「は、はい、よろしくお願いします」

 

 公演は夕方からだけど、出演者は衣装合わせとか色々準備があるから、時間的な余裕はそれほどあるわけではない。

 ということで、私とアリシアさんはこのまま劇場に直行する。

 

 

 教室を出て、校門で護衛の二人と合流し徒歩で劇場へと向かう。

 道行く人から注目を浴びるのは、もうすっかり慣れてしまった。

 

 アリシアさんは居心地悪そうにしてるけど…明日からはアナタもこちら側の人間だよ〜。

 

 

 

 

 

 そうして暫く歩いて、国立劇場へとやって来た。

 すっかりホームグラウンドとなったこの劇場……最近はエーデルワイス専用みたいになっているが、時々ウチ以外のイベントも催されたりもする。

 昨日までの休演期間には色々やってたらしい。

 

 一時期は集客に苦労していたこの劇場も、今となっては演芸の聖地とまで呼ばれているらしい。

 この劇場で公演すると言うのがステータスになってるのだ。

 そうなるまでにエーデルワイスが果たした役割は大きく、とても誇らしいと思う。

 

 

「うう…こんな立派な劇場で歌うなんて……ホントに私で大丈夫なのかしら……」

 

「何言ってるの、自信を持ちなさいって!あなたの歌声は絶対に観客を虜にするんだから!」

 

「は、はい……自信はありませんが、精一杯頑張ります」

 

 とにかく、彼女には場数を踏んでもらって自信を付けさせないと。

 歌に関しては全く心配していないから、あとは彼女自身が舞台を楽しめるようになって欲しい。

 あの、煌めく照明の中で観客たちの拍手喝采を浴びる事の素晴らしさを知ればきっと…

 

 

 

「おや、カティア。それに…よく来てくれたね、アリシア」

 

 関係者用の扉から中に入ると、ちょうどミディットばあちゃんが通りがかった。

 裏方の仕事は開演の準備で今がピークだと思われるので、ばあちゃんも忙しそうだ。

 

「は、はい。今日はよろしくお願いします」

 

「ああ、こちらこそ頼むよ。アンタの歌は今日の目玉と言ってもいい。自信を持つんだよ」

 

「自信は……ですが、精一杯頑張ります!」

 

「それでいいさ。しかし、アンタの歌を初めて聞いたときは衝撃だったね。何せ…カティアと同等の歌い手なんて、この世にゃ居ないと思ってたからね、あたしゃ」

 

「大袈裟だよ、ばあちゃん。この世は広いんだからさ」

 

「ほんと、その通りだねぇ……この歳になってもそう思うことがあるんだから。…おっと、話し込んでるは場合じゃなかったね。あたしゃこれで失礼するよ。二人とも、頑張るんだよ」

 

「うん。またね、ばあちゃん」

 

「失礼します」

 

 そうして、ばあちゃんは慌ただしく通路の向こうへと行ってしまった。

 

 

「じゃ、私達も行こう。楽屋はこっちだよ」

 

 私達も出演の準備をするべく楽屋へと向かうのだった。

 

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