【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十一幕 18 『演者たち』

 公演が始まった。

 先ずはいつも通り前座が行われ、続いて演劇となる。

 

 今回の演目は……

 

 

「お〜〜ほっほっほっ!!その身に刻みなさい!『天地一閃』!!」

 

 

 はい。

 今日も絶好調のロゼッタさんである。

 

 以前好評だった、リディア姫の冒険活劇の第二弾。

 思いの外ハマり役だったらしく、彼女が演じるリディア姫は大好評だったらしい。

 私としては少々複雑なんだけど……

 

 

 他のメインキャストも前回と同じで、侍女のハンナちゃんと仲間の魔導士役のアネッサ姉さん、それに脇役ではあるがリィナやミーティアも舞台の上だ。

 

 そして、この前は最後だけちょい役で出演していたテオフィール役のテオ(紛らわしい)は準主役と言った感じ。

 出来る男であるテオは、シクスティンさんからお墨付きを貰えるほど演技もバッチリだ。

 その演技力、少し私にも分けて!

 

 因みにテオは、エーデルワイスで活動するときは今もカイトと名乗って変装もしてる。

 だから、私の婚約者であるテオフィルスその人と知る者はそれほど多くない。

 

 なので…

 

『きゃ〜っ!!カイトさま〜っ!!』

 

 …黄色い声援があちこちから飛ぶのだ。

 ウチは基本的にムサい男共が多いから、若くてイケメンな彼は既にティダ兄よりも人気だったりして……

 

 

 ぐぬぬ……この、むしけry

 

 …はっ!?

 いけない…!!

 これでは黒アネッサと同じになってしまう!? 

 

 嫉妬の炎が燃え上がるのを何とか自制する。

 

 

 

 

 と、ともかく…

 今日も大いに盛り上がっていると言う事だ。

 

 

「ふわぁ〜……こんな所から見られるなんて」

 

 舞台袖で私と一緒に観劇していたアリシアさんが、顔を紅潮させてそう呟く。

 団員じゃないと中々見られない視点だからね。

 

「どう?こんど演劇の方にも出演してみる?」

 

 私がそう言うと、とんでもないとばかりに首を激しく横に振る彼女。

 

 …まぁね。

 話を振っておいて何だけど…これ以上後進に抜かれるのは、私としてもダメージが大きい。

 また、orzになっちゃうよ…

 

「ま、まぁ…今日は、この後の歌の方に集中しよう!」

 

「は、はい!!でも…もう既に緊張してきてしまいました…」

 

「大丈夫大丈夫。ほら、劇を観て気を紛らわせて」

 

「そ、そうですね。せっかくこんな所から見られるんだし…」

 

 

 そんな話をしているうちに劇はクライマックスを迎える。

 ウチの劇団のウリである、実戦さながら…と言うか、ほぼ実戦の戦闘シーンが始まった。

 

 クライマックスに戦闘シーンと言う流れはパターン化されてるとも言えるのだけど…まぁエーデルワイスのお約束ってやつだ。

 これを楽しみにしてるお客さんも多いし、ウチの売りなので外せないところだよ。

 

 

 舞台に立つ者全てが入り乱れ、激しい剣戟の音が木霊する。

 

 そう言えば、改めてじっくり見てみると……ロゼッタさんの立ち回りが際立っている。

 いや、ホントどうなってるんだろ?

 

 役に成り切ると言うスキル…確か『演者の極み』だっけ?

 今のロゼッタさんは、歴戦の戦士の動きにしか見えない。

 高ランク冒険者揃いのウチのメンバーと比べても全く遜色ないどころか、父さんやティダ兄のレベルに迫るものがあるよ…

 

 あの高笑いもますます冴え渡って(?)いる。

 

 

「す、凄い迫力ですね…」

 

「そうでしょう?あの殺陣はうちの劇団の原点と言っても良いくらいだからね」

 

 ここばかりは筋書きも打ち合わせもなく完全なアドリブなんだけど…完全に息はピッタリで、それでいて一時も油断出来ないと言う緊張感が漂う。

 そして、観客席は手に汗握るハイレベルな戦いに興奮の坩堝と化すのだ。

 

 

 戦いは佳境に入りラスボスが現れる。

 リディア姫の冒険譚第二章のラスボス、ソウルイーター・ドラゴンだ。

 姉さんの幻影魔法を駆使した大迫力の演出だ。

 ……前世よりも演出面は凄いかも。

 

 

 

 

 そしてフィナーレ。

 強大な力を持つ敵を、リディア姫とその仲間達は傷つきながらも力を合わせ、遂に打倒するのだった。

 

 

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