【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十一幕 22 『王都ダンジョン』

 

「カティア、待たせたな」

 

「ママ!お待たせなの〜!」

 

「ううん、まだ少し早いよ」

 

 もう少しで約束の時間という時、テオ…今は変装してカイトだね…と、ミーティアがやって来た。

 

 そう、今日のパーティーメンバーのうちの二人だ。

 前衛の壁役として抜群の安定感を誇るカイトは良いのだが…ミーティアはちょっと悩んだんだ。

 でも、実力は申し分ないし…きっと、これからも私とともに戦いに身を置く場面がきっとあると思えば、ただ護るのではなく一緒に戦う仲間として経験を積んだ方が良いだろうと考えたのだ。

 以前も一緒に依頼も受けたことはあるしね。

 

 

 

 

 

 

 そして、丁度約束の時間になった時、残りのメンバーも…

 

「お待たせッス!」

 

「すみません、私達が最後ですね」

 

 やってきたのはロウエンさんとリーゼ先生だ。

 

 毎度お馴染み、斥候役と言えばこの人!

 というくらい斥候として信頼のあるロウエンさんは、迷宮探索には欠かせない人材だろう。

 ケイトリンも居るので探索面の安定感は抜群だ。

 

 そして、高レベルかつ幅広い魔法スキルを持つリーゼさん。

 得意魔法が私とあまり被らないので、パーティーとしてバランスが取れて幅広い戦術が取れるようになる。

 

 

 それよりも。

 二人同時にやって来たのは……

 

(怪しいですわね!)

 

 当然ルシェーラも見逃すはずもない。

 

(…やっぱり、付き合ってるのかな?この二人?)

 

(まだ、そこまでではないとしても…お互い好意を持っているのは、もう間違いないでしょう!)

 

(だよね〜)

 

 

「どうしたッスか?」

 

「どうしましたか?」

 

「「なんでもないです(わ)!」」

 

 …息もぴったりだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、これで皆揃ったから、早速行きましょうか」

 

 中層を超えて深層を探索するのであれば、十名を超えるような複数パーティーによるレイドが組まれたりするけど、今回は肩慣らしで低層階を探索する予定なので、陣容としては十分すぎるだろう。

 

 ここから一番近いダンジョンの入り口までは、徒歩で数十分と言ったところ。

 今はもう昼過ぎだから、探索に当てられる時間もそれほど多くはない。

 第10層まで到達していると言うルシェーラの案内があれば、もしかしたら隠し部屋があると言う第5層までは到達できるかもしれないけど、無理するつもりもない。

 

 

 

 

 

 

 そして、西大門から街を出て進むことしばし。

 街道を少し外れたところにダンジョンの入り口があった。

 

 王都……アクサレナ丘陵を下る斜面の途中に口を開けたそれは、石造りの立派なアーチを備えた隧道で、大型の馬車も悠々通れるくらいに広い間口を持っていた。

 床も石材を敷き詰めた人工的なもので、自然地形よりは歩き易そうだった。

 

 ダンジョン入口前はちょっとした広場になっている。

 朝早い時間であれば、これからダンジョン探索に赴く冒険者達で賑やかになるらしいが、今は探索を始めるには遅く、探索を終えるにはまだ早い時間帯なので閑散としていた。

 

 広場の周りには幾つかの建物がある。

 そのうちの一つは騎士団所有の詰め所で、常時数名の兵が詰めている。

 今は安定期にあるとは言え、暴走(スタンピード)が起きないとは断言出来ないので監視しているのだ。

 冒険者同士のいざこざの仲裁が主な任務になってるらしいが。

 

 その他には、簡易宿泊施設や冒険者を当て込んだ売店などがある。

 

 

 私達がダンジョン入り口に向かうと、その前に立っていた監視兵が、こちらに気付いて声をかけてきた。

 

「ん?何だ?随分遅くから探索するんだな……って、カティア様!?」

 

「こんにちは、お務めご苦労さまです。通ってもよろしいですか?」

 

「そ、それはもちろん、ダンジョンの出入りは特に制限されてませんので……ですが、カティア様は何故こちらに?」

 

「こらこら、一兵卒の立場で聞くことじゃないよ〜?」

 

「もう、ケイトリンってば…そんな言い方しなくてもいいでしょ。…だけど、ごめんなさいね?詳しくは話せないの」

 

「も、申し訳ありません!差し出がましい真似を……」

 

「いいえ、気にしないで。お仕事頑張って下さいね」

 

「は、はいっ!!」

 

 そんなふうに兵と挨拶を交わしてから、私達はダンジョンへと入って行くのだった。

 

 

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