【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十一幕 30 『迷宮妖精』

 

「それで……迷宮妖精って何なの?」

 

「はい。迷宮に住む妖精の事です」

 

「……」

 

 そらそ〜だ。

 

 ……じゃなくて!

 

 

「え〜と……ミロンと言ったっけ。あなたには何か役割があるのかな?」

 

「はい、私の役割は……役割……はて?何でしたっけ?」

 

「「「うおぃっ!?」」」

 

 思わず皆からツッコミが入る。

 

 だ、大丈夫かな……この子?

 

 

「ほ、ほら、賢者リュートから何か言われてたんじゃ?」

 

 そもそも……この隠し部屋には、賢者リュートが遺した書に従ってやって来たのだから。

 

 

「賢者…リュート…様?………おお!そうでした!思い出しました!」

 

 ホントに大丈夫かなぁ……

 

 

 

 

 

 

「私はマスター様方をご案内するために賢者リュート様によって生み出されたのです」

 

「生み出された……?」

 

「ええ。いわゆる人造人間(ホムンクルス)と言うやつですね」

 

 人造人間(ホムンクルス)……じゃあ、ミーティアと同じ…?

 思わずミーティアの方を見る。

 

「にゅ?」

 

 そう言えば……ミーティアの身体となった『神の依代』が作られたのは神代の終わり頃。

 賢者が生きた時代もその頃だったはず。

 

 詠唱魔法とかは今の時代の方が理論なども体系的に整理されているが、一方で失伝してしまった魔法や魔法関連の技術も多く、人造人間(ホムンクルス)なんかも今の技術では作ることは出来なかったと思う。

 

 

 すると、私の視線に誘導されてミーティアの方を見たミロンが驚いた様子で言った。

 

「…むむ!?そう言う貴方様も……リュート様が生み出した人造人間(ホムンクルス)ではありませんか!」

 

「「「ええーーーっっ!?」」」

 

「うにゃ?」

 

 

 ミーティアが……賢者リュートによって生み出された!?

 

「そ、それは確かなの?」

 

「はい、間違いありません。同じくリュート様の手によって作られた私には分かるのです。説明するのは難しいのですが…何と言うか、こう、生命波動(オーラ)みたいなもので……」

 

 

 何と。

 それが事実なら……私とミーティアの繋がりには、やはり運命的なものを感じる。

 

 驚愕の事実だが…まぁ、それはおいておこう。

 今は他に聞くべきことがある。

 

 

「その話は気になるけど……私達を『マスター』って呼ぶのは?」

 

「この部屋はリュート様が封印を施し選ばれたものだけが入ることが出来ます。つまり、この部屋に来られたあなた達こそ、リュート様に選ばれし方々であり、私のマスターとなるのに相応しいと言う事なのです」

 

「私達はオマケですわ。カティアさんでなければここまで来ることは出来なかったでしょうし」

 

「そもそもあの本を読めないッスからね」

 

「ふむふむ、なるほど。それでは、そちらのカティア様が私のマスターと言う事ですね」

 

「ま、まぁ…そう言う事になる…のかな?」

 

 その賢者本人かも知れないのだからね…

 

 

 

 それにしても、違和感がある。

 

 賢者リュート……琉斗はこの世界に『転移』してきた。

 つまり身体は地球人のそれと言う事になる。

 しかし、こうして様々な魔法の技術を駆使して仕掛けを残しているところを見ると…彼自身も魔法が使えなければ説明が付かない。

 

 だが、魔法の行使には『魔核』が必要だ。

 前世の医学的にそんな器官が存在するなんて聞いたことないし…では彼は一体どうやって魔法を使ったのか?

 転移した時に、寝たきりだった身体が治ったと言うのだから、この世界に適合するように何らかの変化が起きたのかもしれないけど……

 

 それに…後世に賢者として名を残すほどの知識チートが、果たして前世の【俺】に出来たのだろうか?

 いや、そもそも魔法の技術、知識が現代のそれを凌駕するレベルにあると言うのが解せない。

 超頑張って勉強したのかも知れないけど。

 

 

 …こうやって足跡を辿るほどに、謎は深まりそうな気がする。

 

 

 

 とにかく、考えても分からない事は後回しだ。

 今はミロンにこのダンジョンの事を聞かなければ。

 

 

「それで、案内する……と言う事だけど、それはどういう事?」

 

「はい、それは……」

 

 

 彼女が、そう言いかけた時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如として私達の周りの風景が一変するのだった。

 

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