【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十一幕 41 『道は何処に?』

 岩門を発見した後は特に変わったものもなく、暫く歩いていくとルシェーラ達と合流した。

 

 

「そっちはどうだった?」

 

「これと言って変わったものはありませんでしたわ」

 

「少し森の中も見てみたッスけど…」

 

「繁みが濃すぎて殆ど入れませんでしたけど、特に先に進むためのヒントになりそうなものは無かったです。カティアさん達は?」

 

 リーゼさんの問に、私はあの岩門の話をする。

 変わったところと言えばそれくらいだ。

 

 ということで、皆をそこまで案内することに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ…確かに怪しそうであり、そうでも無さそうであり…ッスね」

 

「でしょ?あそこまで行ければ良いんだけど、途中から海が深くなってるみたいなんだよね。……ロウエンさん、舟持ってない?」

 

 念の為、ダメ元で聞いてみる。

 いくらロウエンさんでも、流石に…

 

「あるッスよ」

 

「そうだよね、持って……るの!?」

 

「携行型の1〜2人用ッスけどね。ほら、これッス」

 

 そう言って拡張鞄から取り出したのは、綺麗に折りたたまれた布のようなもの。

 どうやら防水性のある柔らかな革で出来ているようで、空気を入れて膨らませば小さなボートになるらしい。

 ゴムボートならぬ革ボートと言う訳だ。

 

 

「洞窟型なんかだと水場があったりするから、念の為持って来てたッス。まぁ、全員は乗れないし、これで外洋まで行けるわけじゃないッスから出番は無いと思ってたッスけど……あの岩門を確認するくらいならこれで十分ッスね」

 

「これ便利ですよね。この間も遺跡の水没区域を探索するのに助かりました」

 

 ほう…ロウエンさんと依頼(デート)に行ったときの事かな。

 二人で手漕ぎボートとは定番コース(?)ですねぇ…

 

 チラッとルシェーラを見ると、にこやかな顔で頷いてる。

 どうやら二人と一緒に島内探索して、色々観察してきたようだ。

 

 

 ま、まぁ、それは今は置いておこう。

 

 

 とにかく、舟があるなら泳いでいかなくてもあの岩門の辺りを確認できると言う事だ。

 

 リーゼさんが慣れた様子で風魔法で空気を入れると、あっという間に膨らんで小舟となった。

 確かに二人くらいなら乗れそうな大きさがあるね。

 ロウエンさんの鞄から、折りたたみ式のオールも出てきた。

 

「すごい!お舟になったの!」

 

「じゃあ、オイラが行くとして……ミーティアちゃん、乗ってみたいッスか?」

 

「うん!」

 

 

 と言う事で、ロウエンさんとミーティアが岩門の辺りの確認に行くことになった。

 

 波打ち際に浮かべて、最初にミーティアを乗せて、ロウエンさんは波で押し戻されないように少し進めてから乗り込んで、オールを漕ぎ出した。

 

 

「ママ〜!パパ〜!行ってきま〜す!」

 

 そう言いながら楽しそうに手を振る。

 

「行ってらっしゃ〜い!」

 

「落ちないように気を付けるんだぞ!」

 

 私とカイトも手を振りながらそれに応えた。

 

 二人を乗せた舟はゆっくりと遠ざかっていった。

 

 

 

 さて、これで何か分かれば良いのだけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暫くして舟が岩門近くまで到達したのが遠目に確認できた。

 かなり小さくなったが、二人で海面を覗き込んだり、岩門を見上げたりしているのが見える。

 

 先ずは岩門の周囲をぐるっと周りながら、続いて門をくぐって確認している様子。

 

 

 何度かそうやって岩門の周辺を探索し、暫くすると一通り確認が出来たのだろうか、こちらに戻ろうとしているのが見えた。

 

 

「何か見つかったのなら良いのだけど…」

 

 少しばかりの期待を抱きながら二人の帰りを待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだった?」

 

 二人が帰ってくるやいなや、早速問いかけてみる。

 

 

「う〜ん……どうなんスかねぇ?」

 

 しかし、ロウエンさんの答えは微妙な感じだ。

 歯切れは悪いけど、何か気になることはある様子だ。

 

 

「何というか、海底の地形が不自然なんスよ」

 

「…というと?」

 

「ほら、あの辺の色が変わってるあたりから急に深くなってるんスけど、一部だけ傾斜が緩やかで……まるで道みたいになってるッス」

 

 道……それは怪しいね。

 

「で、その道はあの岩門をくぐって……その先は階段っぽくなってるんスよ。透明度が高いからかなり深いところまで見えるんスけど、流石にその先がどうなってるかまでは分からなかったッス」

 

「でも、底の方に建物みたいなのが少しだけ見えたよ!」

 

「建物?」

 

「確かにそう見えなくもない…って感じッスけどね。道とか階段とかも、自然地形に見えなくもない感じで……実際どうなのか、何とも言えないッスね」

 

 

「う〜ん……でも、仮に道だとしても、そんなところ進んでいけないよねぇ…」

 

 もう少し浅いのなら何とか出来るかもだけど…

 水中で活動するにも限界がある。

 

 

「……一つ気になったんですけど」

 

 と、そこでケイトリンが話に加わる。

 

「どうしたの?」

 

「その…この海って、最初に来たときよりもかなり潮が引いてません?」

 

「ああ、そう言えばそうだね……」

 

 確かに彼女が言うとおり、最初に来たときよりも数メートルほど波打ち際が後退しているように感じた。

 

 

「…もう少し潮が引いたら、その海底の道がみたいなものも、もっと確認しやすくなるかな?」

 

「そうかもしれませんね」

 

 

 前世の地球では干満差が10メートルを超えるようなところもあったらしいし、もしかしたら潮が引いたら道が開けるかも……と思うのだった。

 

 

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