【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

388 / 664
第十一幕 45 『海神』

 四方八方から襲いかかってくる敵を、あるいは撃破し、あるいは躱しながら水中回廊を駆け抜けていく。

 

 

 そして、数百メートルほど走った先に再び神殿が見えてきた。

 

 私達は駆けてきた勢いそのままのスピードで、開いていた扉の中に駆け込んでいく!

 

 私達が中に入ると扉は閉まり始めるが……

 

 

「まだ追いかけて来ます!!」

 

 閉まりかけの扉の隙間から何匹も侵入して来た!

 

 

「任せて!」

 

 襲ってくる方向が特定されるなら……纏めて一網打尽にしてやる!

 

 私はケイトリンと入れ替わりに殿となって、神殿が見え始めてから詠唱を始めていた魔法を解き放つ!!

 

 

「[滅雷]!!」

 

 極太のレーザー光の如き雷撃が追いかけてきた魔物たちを飲み込む!

 

 殆どの魔物は雷光の中に消えていく。

 

 そして、僅かな討ち漏らしも手分けして残らず掃討し……これで、ようやく一息つくことが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……戦いながらの全力疾走は、流石に疲れたよ」

 

「ふぅ……ですわね。ところで、また神殿…ですか?」

 

「少し趣きが異るな……」

 

 確かに、最初の神殿は延々と細長い通路を進むだけだったのだが……今度は広々とした空間に柱が立ち並ぶ、まさしく神殿と言った様相だ。

 静謐で、どこか神聖な雰囲気すら漂っているが……

 

 さらに奥に進んでいくと、まるで円形闘技場のようなすり鉢場の場所に出る。

 その中央では、闘技場で言う舞台の代わりに、とりわけ巨大な柱が天井を支えていた。

 

 その柱には、その太く長い身体を巻き付けるように、海蛇竜(シー・サーペント)らしき彫刻が施されている。

 まるで今にも動きだしそうな躍動感がある……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ……私、分かっちゃったな」

 

「オイラも」

 

「私も」

 

「わたしも分かったよ!」

 

「あれがこの階層のボス?」

 

 

 そうだろうね。

 あんなあからさまなのが、ただの彫刻な訳が無い。

 近付いたら正体(?)を現して襲いかかってくるだろう。

 

 

「さて……折角ボス戦の準備をさせてもらえるみたいだから、目一杯バフかけておきましょ。[絶唱]も」

 

 歌い続けてないと時間経過で効果が落ちていくのだけど…流石にこの人数じゃ支援だけに徹するのは無理だ。

 

「……そう言えば、[絶唱]が無くてもカティアさんがパーティーに居ると能力が向上する気がするのですが」

 

 ルシェーラの言葉に皆頷く。

 

「ああ、リリア姉さんの加護の力だね。私が味方と認識している人の能力を底上げしてくれるの」

 

「ああ、そうだったんですのね。助かりますわ」

 

 あっさり納得。

 もはやその程度では驚かないんだね……

 

 

 

 

 

 ともかく、ありったけの支援(バフ)を施して戦闘準備万端にしてから、いよいよ私達は闘技場へと足を踏み入れた。

 

 すると、見る見るうちに彫刻の海蛇竜(シー・サーペント)が鮮やかな色を取り戻していく!

 

 

 美しい虹色の鱗が光を反射して煌めく。

 その神々しい輝きと、通常の海蛇龍(シー・サーペント)を遥かに凌駕する巨大な体躯は、大海を統べる海神と呼ぶに相応しき威容だ。

 

 そして、それに相応しい重々しい声が響いた。

 

 

『よくぞここまで来た、勇者たちよ。我に挑むものが現れるとは、随分久方振りの事よ……さぁ、この先に進むに相応しい力があるのか見せてみよ!』

 

 そんなボス戦の決り文句みたいな口上を言い放つと、こちらが何か問い掛ける暇もなく襲いかかってきた!

 

 

 ガパッ!と竜の顎を大きく開き、水流のブレスを私達に向かって放つ!

 

 

 ただの水と侮ることなかれ。

 超高圧に圧縮されたその一撃は容易く岩を穿ち、割砕くものだ。

 

 まともに受ければ即死級の攻撃だが、直線的なので回避はそれほど難しくはなかった。

 

 だが、今のは開戦を告げる、いわば挨拶代わりの攻撃だろう。

 

 

 

 死闘は今、始まったばかりだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。