【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十二幕 8 『対抗戦開会式』

 

 いよいよ対抗戦が開催される。

 これから数日にわたって行われ、各競技でアツい戦いが繰り広げられる事だろう。

 

 本日は開会式と、ルシェーラが参加する武術競技の初日が行われる。

 私が参加する予定の『サバイバル』は三日目だ。

 

 

 

 全校生徒が大ホールに集まって、開会式が始まるのを待っている。

 ここに入るのは入学式以来だ。

 まだ開始時間までは少し時間があるので、生徒たちの話し声で会場は喧騒に満ちている。

 

 

「ルシェーラはこのあとすぐ試合なんだよね?」

 

「ええ、そうですわ。くじ引きで第1試合になりましたわ」

 

「対戦相手は3年生なんだっけ。先ずはウチのクラスのトップバッターとして、頑張ってね!!」

 

 シフィルがそう激励する。

 彼女の言う通り、先ずは初戦を勝利で飾って勢いに乗りたいところだ。

 

 

 武術競技は全学年全クラス、男女別でのトーナメント戦だ。

 対戦はくじ引きによって完全にランダムに決められる。

 本来であれば1年生が最初から3年生に当たるのは嘆くところだろうけど……

 

 

「ふふふ……腕がなりますわね!」

 

 彼女にとっては強敵と当たるのはむしろ喜ばしいこと。

 やる気が十分に漲っているのである。

 

 まぁ、この娘は冒険者としても既に上位ランクの実力を持っているからね。

 逆に、上級生の中でもまともに相手できる人がいるのだろうか……と思ったり。

 でもここは多くの優秀な人材が集まる『学園』だから、まだ見ぬ猛者がいるかもしれない、と言う期待もある。

 

 ……やっぱり私も出たかったなぁ。

 スレイン先生が出場止めてくれって言うくらいだから、流石に武神杯本戦クラスの人はいないのかもしれないけど。

 

 

「はいはい!!俺っちも男子トップバッターっすよ!!」

 

「はいはい頑張れ頑張れ」

 

「てきとー!?」

 

 フリード(バカ)が何か喚いてるから、適当にあしらっていると……

 

「あの……頑張ってね、フリード君。応援してるわ」

 

「「「!!?」」」

 

 少し恥ずかしそうにはにかみながら、しかしハッキリと言ったステラの激励の言葉に衝撃が走った。

 

 ……て、言われた本人もびっくりしてるがな。

 

 むむむ、これは本格的に……フリード(へんたい)人格矯正(きょういく)しなければ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、学園長がいらっしゃったわよ。皆そろそろ静かにしましょうね」

 

 ステラがクラスのみんなに注意を促す。

 ……私より副級長っぽいのではないだろうか?

 

 学園長を筆頭に先生方が大ホールに入ってくると、次第にざわめきは収まってくる。

 

 

 

『まもなく本年度の対抗戦開会式を始めますので、皆さん静粛に願います』

 

 放送が入ると、完全に話し声は聞こえなくなり、ホールの中は水を打ったように静まり返った。

 

 それを見計らって、再び放送が入り開会式の始まりを告げる。

 

『これより、本年度のクラス対抗戦の開会式を始めます。はじめに学園長よりご挨拶頂きます』

 

 

 そして壇上には学園長が上がり、挨拶を始める。

 

 う〜ん……いつ見ても某魔法学校の校長先生みたいだよ。

 実際、魔法の腕前はかなりのものだと聞いたことがある。

 

 

『ごきげんよう諸君。本日より、栄えある我がアクサレナ高等学園でも長い伝統を誇るイベントである対抗戦を開催する。日頃の諸君らの研鑽によって培った知恵と力と技を存分に発揮し、悔いのないよう全力を持って戦っていただきたい』

 

 この学園の創立間もない頃からあるイベントだって言う話だから、相当長い歴史がある。

 その中で競技の種類は変わっていったのだと思うど、この学園に欠かせない伝統行事になっているのは確かだ。

 

 

『それでは、諸君らの健闘を祈る』

 

 

 学園長の挨拶が終わった。

 続いては……

 

 

『続きまして、生徒を代表して……生徒会長のアルフレド君より挨拶をお願いします』

 

 あ、ルシェーラのお兄さんだね。

 入学初日に生徒会に誘われたけど……それ以降殆ど話したことがないんだよね……

 噂話はよく聞くんだけど。

 

 

『生徒会長のアルフレドです。生徒を代表して挨拶させていただきます』

 

 歓声こそ上がらないものの、女生徒が色めき立つのが何となく感じられた。

 流石に人気があるね〜。

 

 何でも入学以来ずっと主席をキープしていて、高位貴族の子息でありながら別け隔てなく誰とも接し、それに加えて容姿端麗(女子的にはそこが最重要みたい)。

 閣下やルシェーラは、文官寄りだと言っていたけど、武術の成績も決して悪くないらしいし……まさに完璧な貴公子と言ったところだろう。

 

 当然女子にはモテモテで男子からは妬まれそうなんだけど、実際はそんなこともなく男女問わず人望を集めている。

 

 

『私達はこの学園で日々学び、研鑽し、時に衝突しながらも友情を育む……そんな、かけがえのない時間を過ごしています。1年生の諸君はまだ入学して間もないですが、既に多くのことを学び取っているのは実感していることでしょう』

 

 確かに、私は今かけがえのない時間を過ごしているって、実感しているね。

 流石は生徒会長、良いことを言う。

 

 

『この対抗戦は、皆さんが努力して得た力を試す場であり、さらなる成長の糧とする場でもあります。どうか、悔いのないように全力で取り組んで欲しいと思います』

 

 

 もちろん、やるからには全力。

 目指すはクラスの優勝だよ!

 


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