【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十二幕 39 『突入直前』

 

「ところで……新たに判明した、黒爪の拠点に繋がってるとされる倉庫については、どのような名目で捜査するのです?」

 

 先のラザロ大隊長とは別の騎士から、そんな質問が挙がった。

 確かにそれは気になるところだろう。

 この国は王制を敷いている、法治国家でもある。

 例え国家と言えども強制捜査を行うには、それなりの理由が必要になる。

 王の強権によって超法規的措置を取る、と言う事も不可能というわけではないが……それは、王家への信頼が揺らいだり反発を招きかねない、両刃の剣とも言えるものだ。

 

 だが、今回は捜査を行うに十分な大義名分がある。

 

 件の倉庫は表向きはある商会が所有している事になっているが、それは巧みに偽装されており実際にはそのような商会は存在しない。

 その事実こそが捜査をするのに十分な理由になるのだ。

 

 

「……というわけだ。当局から正式な捜査許可も出ている。戦闘行為は相手の妨害行為、攻撃の意志を確認してからだ」

 

「了解です」

 

 

 そうして一通りの質疑が終わり、最終的な作戦行動、班の確認などを行って、いよいよ行動開始となる。

 

 

「各員の健闘を祈る。各隊員の準備が出来次第、定刻までに所定の配置に付くこと。では、解散!」

 

 

 父様が作戦会議の終了を告げると、騎士たちは一斉に行動を開始する。

 各隊の隊員たちは既に呼集がかかって集結しているはず。

 直ぐに現場に向かうことになるだろう。

 

 私もテオと護衛の二人とともに行動を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さんたち良かったの?殆どの団員が来てるみたいだけど……」

 

 私とテオは倉庫の捜査の方に加わる予定だが、作戦開始時刻までは少し時間があるので、集合場所に向かう前に父さんたちのところに寄った。

 エーデルワイスの面々は地下神殿から突入する部隊と行動する事になっている。

 こっちの部隊は父様が指揮をとるとのこと。

 

 場所は、かつて私の暗殺未遂事件やミーティアの誘拐事件の時に捜査したアグレアス侯爵家所有の倉庫の中だ。

 

 

「んぁ?……まぁ、今は公演の谷間で暇してたから丁度いいだろ。それに、以前お前やミーティアが狙われたときは、かなり殺気立ってたからな。存分に暴れて発散してもらわねぇと」

 

 何その暇つぶし感覚とかストレス発散みたいなの。

 というかエーデルワイスの面々だけじゃなくて、騎士たちも割と()る気満々だよねぇ……

 

 

「カティアちゃんは〜、皆に愛されてるからね〜」

 

「エーデルワイスの娘に手を出したらどう言うことになるのか思い知らせてやるさ」

 

「ッス」

 

「あ、ありがと……でも皆、無茶しないでね」

 

 ちょっと照れる。

 でも、そう言ってもらえるのは嬉しいな。

 

 まぁ、私が……と言うのはともかく、皆いい感じで士気が高いので、きっと存分に力を発揮してくれる事だろう。

 

 

「お前こそ無茶するなよ。狙われてるのはお前なんだからな。テオ、頼んだぞ」

 

「ええ。カティアは俺が必ず護りますよ」

 

「うふふ〜、熱いわね〜」

 

 て、照れる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、私達も配置場所へと向かう。

 やってきたのは父さんたちが待機している三番街から南側、四番街にある倉庫……を確認することができる路地裏。

 反対側に進むと比較的大きな公園がある。

 似たような路地に分散して他の各隊も配置され、作戦開始の合図を待っているはずだ。

 

 こちらの総指揮官はリュシアンさん。

 第一騎士団団長の父様、副団長のリュシアンさんがともに作戦行動当たるのは滅多に無いことであり、それだけこの作戦の重要度が高いということだ。

 

 

「カティア様、ご準備はよろしいでしょうか?」

 

「ええ。いつでも大丈夫ですよ。いやぁ、腕がなりますね!」

 

「……そうですね(凄く活き活きとされている。……流石は陛下のお嬢様。あるいはエーデルワイスの娘……いや、その両方だからか。ご自分を狙っていた相手だと言うのに、全く恐れも気負いも持たれていない。頼もしい方だ)」

 

 

 

 

 

 

 

 刻一刻と作戦開始の時間が迫る。

 張り詰めた空気が漂い緊張感が増していく。

 

 そして、その時は来た。

 街に合図の笛の音が鳴り響き、潜んでいた騎士や兵たちが一斉に動き出す。

 

 

 さあ……突入開始だ!

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