【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十三幕 6 『お見舞いの終わり』

 

「すみませんね、何だか暗くなってしまう話をして……」

 

 暗い雰囲気を払拭するように、殊更明るくシェラさんが言う。

 少し無理してる気もするけど、彼女の気遣いを無にするわけにもいかないので、私も笑顔で答える。

 

 

「いえ、シェラさんの話を聞けて良かったです。でも……こちらこそすみませんでした。まだ目が覚めたばかりなのに……」

 

 あまり無理させちゃ駄目だよね……

 

 だけど、シェラさんは頭を振って言う。

 

「私も誰かに話を聞いてもらえて、少しスッキリしました。やはり溜め込むのは良くないですね。昔、リディアにも良く言われました」

 

「そうだよ!何かあったら遠慮なく私達に相談してね!」

 

「メリエルさんの言うとおりですわ。私達も、シェラさんの事は頼りに思ってますし。ねぇ、皆さん?」

 

「心強いよね〜」

 

「シェラお姉ちゃん、すごく強いもんね!」

 

「ふふ……ありがとう」

 

 もう暗い雰囲気はどこかに吹き飛び、皆笑顔を浮かべて暖かな空気がその場を満たす。

 

 そして、その後は……他愛のない話をして、大いに盛り上がる。

 ガールズトークに花を咲かせる私達を、シェラさんがまるで姉のように、優しい眼差しで見守るのが印象的だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご歓談中失礼いたします。カティア様、陛下とテオフィルス様がお見えです」

 

 暫く盛り上がっていると、マリーシャから来客を告げられた。

 

「父様とテオ?分かった、居間にお通しして」

 

「畏まりました」

 

 私の部屋に父様が来るのは珍しい。

 普段家族が一緒に過ごすのは、家族共用のリビングやダイニングとなる。

 クラーナは良く遊びに来るけど。

 

 テオも真面目だから……婚前の女性の部屋に入るのは遠慮してるみたい。

 婚約者同士なんだから気にしなくても……と思わなくもない。

 今回は父様が一緒だから彼的にはオッケーなんだろう。

 

 

 多分、シェラさんが目を覚ましたと聞いて様子を見に来たのかな?

 テオは最近父様の仕事の補佐みたいなことをやってるので一緒なんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カティア、友人が来てるところすまぬな。丁度公務に空き時間が出来てな。シェラ殿が目を覚まされた、と聞いたので様子を確認しようと思ったのだ」

 

 私の部屋の居間に通された父様とテオ。

 やっぱりシェラさんの事だったね。

 

 

「それで……彼女はもう大丈夫そうなのか?」

 

 テオが聞いてくる。

 彼もシェラさんにはかなりの恩義を感じていたし、ずっと気にしていた。

 そして、それは父様も同じ。

 

「うん。まだ本調子じゃないみたいだけど。調律師の異能に侵食されたのと魔力枯渇が重なって……だって。あと数日もあれば元に戻るって言ってたよ」

 

「そうか、良かった……」

 

 それを聞いて、二人とも安心して胸を撫で下ろす。

 

 

 と、そこへエフィが寝室からやって来た。

 

「ユリウス陛下、お邪魔しております」

 

「おお、エフィメラ皇女。よく遊びに来てくれた。まさかそなたが学園に来ることになろうとはな。カティアと仲良くしてやってくれ」

 

「はい。私も学友が出来て嬉しいです」

 

 にこやかに挨拶を交わす二人。

 

 父様には、グラナの皇女であるエフィの事について思うところはないのか…それとなく聞いたんだけど、特に気にしてる風ではなかった。

 まぁ、父様は私怨で動くような人ではないし、そもそも先の大戦時はエフィはまだ赤ん坊だ。

 

 

「さて……シェラ殿が目を覚ましたのならば……会談の調整を進めるとしようか」

 

「シェラさんにも話をして了承は得ました」

 

「うむ。数日で体調は戻る……とは言っていたが、国外の調整もあるからもう少し時間はかかる……決まったら改めて連絡しよう。エフィメラ皇女もそれで宜しいか?」

 

「はい、私はいつでも大丈夫です。色々とお手数おかけして申し訳ありません」

 

「いや、長らく欲していた伝手がようやく出来たのだ。こちらこそ頼りにさせてもらいたい。会談の日まではこれまで同様、内々で情報交換させてもらえればと思う」

 

「はい」

 

 

 

 そのあとも、事務的な話を二〜三してから父様とテオは部屋を出ていった。

 

 

 そして、そろそろ日も傾いてきたのでお見舞いの方も終了。

 皆を城門まで見送っていくのだった。

 

 

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