【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十三幕 12 『神々の覚悟』

 

 リナ姉さんからメリエルちゃんに関する意外な話を聞いたが、今日の話はそれが本題ではない。

 

 私は、前回神界に訪れたあとの出来事について話をする。

 つまり、エフィから聞いた話や、王都における調律師との戦いについて。

 それと、シェラさんから聞いた、かつての魔王との戦いの話も。

 

 

 

 

 

「王都での戦いは私も見てたわ。もしあの時、『調律師』が引かなければ……私も介入するつもりだったのよ」

 

「え!?……そうだったの?」

 

 確かにあれはかなりのピンチだったけど……

 まさかリル姉さんがそこまで考えていたとは。

 

「以前も話していた通り、今回の情勢は……事によれば私達神々も地上に再臨することも視野に入れてるわ。色々と制限があるし、一度地上で力を使ってしまえば再びそれが出来るようになるまで長い時間がかかってしまうから……おいそれと決断できるものではないのだけど」

 

「実体を持たぬ身だからな。どうしてもそうなってしまう」

 

「中々踏ん切りがつかないよね〜」

 

「仮に、あの時リル姉さんが動いていたら……どうなってたかな?」

 

「あそこまで力がある魔族だと、即座に消滅させる…とまではいかないけど。大ダメージを与えた上で異能を封じて、完全に動きを抑えるくらいは出来たと思うわ」

 

「うん、十分過ぎるね……」

 

「多分、魔王が相手でもそれは同じ。でも、『邪神』相手だと全く未知数ね」

 

 そうか、『邪神』復活の懸念がある今、それを考えると……確かにおいそれと決断できるものではないみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シェラ……リシィから話を聞いたのね」

 

「うん……色々とね。300年前の魔王との戦いも。夢でもその時の戦いを見たよ」

 

「……リディアの記憶?」

 

「多分ね」

 

 夢の話は以前もしていたし、『魂の守護者』であるリル姉さんなら、私の前世がリディアであることは分かってると思うけど……はっきりと断定しないのは、今の私を尊重してくれてると言う事なんだろう。

 

 

「やはり、魔王は封印されていただけだったのね。20年ほど前に魔族となった彼女を見た時から、その可能性を考えてたけど……」

 

「300年前の顛末は、はっきりとは見てなかったんだね」

 

「ええ。以前も言ったけど、グラナ帝国本国は神界からは殆ど見通せないの。だから、私達も……リディアがイスパルに帰還して周囲に語った内容くらいしか分からなかったのよ」

 

「そっか。リディアは途中で気を失ってしまったから……リシィが魔王と調律師を封印したところは見てないんだ」

 

「そういう事ね」

 

 彼女が意識を取り戻したとき……おそらく、その場に残されたのは力尽きたテオフィールとロランだけだったのだろう。

 その状況であれば…滅魔の光で魔王と調律師、そして魔族に変じたリシィをも滅ぼして、自らも力尽きた……そう考えるのが自然だ。

 

 

 

「……そして、魔王は既に復活しているのかも知れない」

 

「また……あの戦いを繰り返すのは避けたいところなんだけど……あの時も、介入するかどうか悩んだのよね……」

 

 ……そう言えば、以前メリエナさんが言ってたけど。

 

 

「アルマ王家を滅ぼされてリル姉さんがブチ切れて天罰を下した……って聞いたけど」

 

「おお!あれは凄まじかったな……リルがあそこまで怒ったのは初めて見たからな」

 

「私も思わず神託を降ろしちゃったもんね」

 

 あの、かる〜い感じのやつね……

 

 

「ブチ切れたわけじゃないけど……ま、まぁ怒ったのは確かね……」

 

「な、何をしたの?」

 

「えぇ、ちょっと……ね」

 

 私が聞いても、やはり言葉を濁すリル姉さん。

 ほんとに……一体何をしたんだろ?

 

 

 

「ま、まぁともかく……今回も、状況を見極めた上で私達も再び地上で力を振るう覚悟はある、ということよ」

 

「わたしもね!」

 

「ああ、私も……他の神々もだな」

 

 

 出来ることなら、リル姉さん達の力を借りることなく……とも、思うけど。

 でも、神々もこの世界に住まう一員として邪神の存在は看過できない……って、言っていた。

 

 だったら、力を合わせてこの世界を守らなければ……そう、思うのだった。

 

 

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