【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十三幕 18 『国際会議開催』

 

 ついに会談の日がやって来た。

 正式名称は『カルヴァード主要国軍事協定会議』と言うらしい。

 まあ、みんな単に『国際会議』とか『会談』と言ってる。

 

 開催場所は城内でも最も広い会議場。

 円形の議場の中央に円卓が設けられて、そこに各国の代表者が、周囲の階段状になっているところに帯同してきた高官たちが座る。

 

 イスパルの代表者はもちろん父様と母様で、私も代表者の一人として出席する。

 そして、ある意味今回の主役であるエフィとシェラさんもイスパルの代表者席に同席することに。

 

 エフィはグラナから亡命してきた身だ。

 シェラさんは更にややこしいが……

 ようするに『敵国』の人物……と言う事で不当な扱いを受けないように、イスパルが保護してることを明確にするための措置だ。

 

 当人たちは特に緊張した様子もなく堂々として……まぁ、肝が座ってらっしゃる。

 

 

 

 

 議場は殆どの席が埋まっていて、もう開始の時間も近い。

 

 

「いよいよ……だね」

 

「ええ……ようやくここまで来れたわ」

 

「……大丈夫?」

 

 もはやグラナ帝国との戦いは避けられない状況だ。

 そうなれば、彼女は自国と戦うことになる。

 彼女が護りたかった民も兵として駆り出されてくるはず。

 今更聞くべき事ではないけど……聞かずにはいられなかった。

 

「もちろん、思うところは色々あるわ。民の犠牲も出したくない。でも、成さなければならないことはやらなければ」

 

「エフィ……」

 

「……そうね。私も……」

 

 エフィの決意を感じ取ったシェラさんも、思いを新たにしたようだ。

 

 

 願わくば。

 二人の願いが叶い、安寧の日々が取り戻せますように……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ご静粛に願います』

 

 

 どうやら開始の時間となったようだ。

 

 聞き覚えのあるアナウンスの声は、アンリさん……レティのお父さんのものだ。

 どうやら彼が司会進行役を務めるらしい。

 

 

 多くの人の会話の声でざわめいていた議場が、し〜ん……と静まり返る。

 

 

『会議開催の時刻となりました。これより、『カルヴァード主要国軍事協定会議』を開催いたします。先ずは本日の議長を務めます、イスパル国王ユリウスよりご挨拶申し上げます』

 

 

 父様がその場で立ち上がって議場を見渡し、よく通る声で挨拶を始める。

 

 

「この度は遠路遥々お越し頂き、感謝申し上げる。さて、今回は……予てより情報共有、連携強化を図っていた対グラナ、対黒神教に関して大きな進展があったことから、こうして会議を開催する運びとなった……」

 

 

 父様から会議開催の経緯が説明される。

 

 事の発端……15年前のグラナ侵攻に始まり、最近起きた黒神教が裏で暗躍していたと思われる数数の事件に関する顛末……これらは広く同盟国に共有されていた事だが、詳細を初めて聞く人も居るらしく、父様の説明の間、そこかしこでヒソヒソと話し声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と言う訳で、長らく謎のヴェールに包まれていたグラナ帝国については、こちらのエフィメラ皇女が情報提供してくれる事になったのだ」

 

 

 その言葉で再びざわめきが強くなる。

 

 事前にエフィの事は伝わっているはずだけど、流石に敵国の皇女がこの場にいる……と聞けば戸惑いもあるのだろう。

 

 

 ……と、そこでデルフィア王国の代表であるジークリンデ王女が手を上げた。

 相変わらず凛々しい姫騎士の出で立ちだ。

 

 

「発言よろしいでしょうか?」

 

 発言許可を求める声に父様が頷く。

 

 

「グラナ帝国と言えば、古くは300年前の魔王との大戦に始まり、以後もまともな国交を樹立することもなく、今回も明確に敵対関係にあります。そのグラナの皇女……有り体に言えば、信頼できるものなのでしょうか?」

 

 ……?

 私と話をしたときに、彼女は信頼すると言ってくれたはずだけど……

 

 と思っていたら、ジークリンデさんはこちらに視線を向けて、意味ありげに目配せしてきた。

 

 

 ……あぁ、なるほど。

 そういうことか。

 

 

 どうせ同じような疑念を持つ人はこの場に多く居るはずだ。

 実際に彼女の言葉に同調して頷いている者もかなりいる。

 

 父様もその意図を察したようで……

 

 

「その疑念は尤もだと思う。この場にいる多くのものもそう思っていることだろう。……しかし、我がイスパルは彼女を信頼している」

 

 そう、言い切った。

 

 

「それは何を以てでしょうか?」

 

「私自身がエフィメラ皇女と話をし、人となりを確認したこと。先の王都争乱の際に、彼女自らが戦線にたって助力してくれたこと。そして……我が娘、エメリール神の眷属たるカティアが信頼を置いていること」

 

「エメリール様の(シギル)を受け継ぎし者は、人の本質……魂を見極める事が出来ると言うのは私も聞いたことがあります。なるほど、カティア様が信頼するというのであれば疑念の余地は無いですね」

 

 

 そ、そこで私の名前を出すのか……

 

 ジークリンデさんの言葉に皆納得してくれたのだろうか。

 特にこの件に関して異議が上がることはなかった。

 

 

 まあ、みんなそれで納得してくれるなら良かったよ。

 

 

 

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