【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十四幕 1 『運命』

 

 ブレイグ将軍との面会を終えた私とメリエルちゃんは王城に戻って来た。

 そして、メリエルちゃんと別れて私は自身が滞在している客室へと戻ることに。

 

「それじゃ、また後でね」

 

「うん、またね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリアさん、ただいま戻りました」

 

「カティアさん、お帰りなさい」

 

 客室に入ると、広いリビングの中でメリアさんはソファで寛いでいた。

 しかし、一緒にいるはずのリナ姉さんは……

 

 

「あれ?リナ姉さんは?」

 

「あぁ、リナちゃんなら神殿に行ったわよ。一度神界に戻ってリルさん達に報告してくるとか……」

 

 あぁ……一度地上に降りると自由に神界と行き来は出来ないとか言ってたっけ。

 だから私と同じように、神殿とかそれに類する場所から戻る必要があるとか。

 

 

「今頃神殿は大騒ぎしてるんじゃないかしらねぇ……」

 

「あはは……でも、この間みたいに変装してけば……」

 

「それがね、神殿の人達にも話があるとかで……変装はしてくみたいだけど、騒ぎになるのは避けられないかもね」

 

 神殿の人達に話……まぁ、自分自身の信徒の人たちだもんね。

 せっかく地上に降臨したのだから話はしておきたいだろう。

 

 

「何でも……『カティアちゃんは十二神に認められた神子だから色々協力してあげてね』って言ってくるですって」

 

「ファッ!?」

 

 何ですとっ!?

 

 話が大き過ぎる!?

 

 しかも十二神って……

 

 

「エメリナ神殿だけじゃなくて、他の神殿にも通達してもらうみたいね」

 

 やっぱり!!

 

 

「と、止めてこないと!!」

 

「あら?何でかしら?」

 

 私が慌てていると、メリアさんは不思議そうにキョトンとした表情で聞いてくる。

 

 何でって……

 

 

「あなたがこれから黒神教……『邪神』と対峙する運命にあるなら、多くの人の協力が必要になるでしょう?今後、直ぐにでも勃発するかもしれないグラナとの戦争……それは唯の侵略戦争なんかじゃない。この世界の命運をかけたものになる。その時、あなたの号令一下のもと神殿の人達が動いてくれるのなら、これ程心強いことはないでしょう」

 

「そ、それは……確かに」

 

 メリアさんの言う事は尤もだ。

 

 神殿には退魔の魔法を使える人が多くいるし、神殿騎士団なんてのもあったりする。

 治癒魔法の使い手だって貴重な人材だ。

 

 政教分離の点から……イスパルの王族である私が神殿に対して協力をお願いすることは出来ても、最終的に派遣を決めるのはあくまでも神殿側の裁量だ。

 まぁ、リル姉さんたちを通じてのお願いだと断るという選択肢は無いかもしれないけど……

 

 

「リナちゃん達もね、別に自分たちの威光を振りかざそうなんて思ってはいないのだけど。皆が一致団結して事に当たれるなら……って事らしいわ」

 

 神々はこれまで、人間たちの事は極力見守るだけ……精々が神託で助言するくらいに留めていた。

 しかし『邪神』の問題については世界全体の問題……自分たちも無関係ではないと考えた結果、静観するのを止めて積極的に関わろうとしている。

 

 リナ姉さんが地上に降臨したのもそのためだ。

 今回の話もその一環だろう。

 

 だけど……

 

 

「何だか……どんどん話が大きくなっていく……」

 

 【俺】が転生した直後は、まさかこんな事になるなんて夢にも思わなかったよ。

 

 

「運命……って言葉は、私はあまり好きじゃないのだけどね。でも、あなたを取り巻く一連の流れは運命を感じずにはいられないわ」

 

「運命……か。私も、翻弄されるだけの運命なんてゴメンですけど。だけど、これまでの数々の出会いが運命と言うなら悪くないかな……って思います。ここでメリアさんと会えたのも、運命ですかね」

 

「ふふ……そうね。まぁ、良い運命なら受け入れて、悪い運命は力で無理矢理切り開けば良いのよ。あなたにはそれが出来ると思うわ」

 

「ええ、そうします」

 

 

 そして二人で笑い合う。

 

 

 それから、少しだけ世間話をしたあと……

 

 

「さて、それじゃあ……そろそろ行きましょうか?」

 

 

 まるで散歩に誘うかのような軽い口調。

 だけど……

 

 

「あなたに、賢者リュートの足跡を見せましょう」

 

 

 彼女が(いざな)う先にあるのは、まさに私の『運命』に関わるものなのであった。

 

 

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