【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十四幕 12 『3つの鍵』

 

 ついに明らかになった『黒き神の神殿』の場所。

 聞いた話によれば、そこに邪神が封じられていることは間違いないように思える。

 

 しかし……

 

 

「『黒き神の神殿』の場所は分かりましたけど……そこまで辿り着くのには、随分大変そうですね」

 

 先ず、グラナに潜入するというだけでも困難を極める。

 飛竜籠で、ぴゅ〜っと行けるものでもないみたいだし。

 

 そしてグラナに入ってから先も、長い長い旅になるだろう。

 

 これは覚悟を決めて行くしか無いか……そう、思っていると。

 

「ふふふ……」

 

 なんて、不気味な笑い声を上げるリュートである。

 

 

「……何ですか?その気持ち悪い笑いは」

 

「……相手が自分自身だと思って遠慮なく辛辣だねぇ。いやね、『黒き神の神殿』に辿り着くのは確かに困難を極めるのだけど……それは普通だったらの話だ」

 

「「「?」」」

 

 

 何か……あるのか?

 

 

「将来的に邪神と相対しなければならないであろう者には、少しでも楽をさせてあげたい……まぁ、親心みたいなものでね。君たちが『黒き神の神殿』に行くつもりなら、次に向かうべき場所を指し示すのが私の役割だ。遠回りに聞こえるかもしれないが、それこそが最短の『道』となる」

 

「次に向かうべき場所……」

 

「そう。ただし……その『道』を使うためには色々と準備が必要になる。具体的には3つの鍵が必要だ。即ち、『異界を生み出すもの』『異界を導くもの』『神の如き力を行使するもの』」

 

 

「……『中二病』再発?」

 

「そうみたいね」

 

 私とメリアさんは、顔を見合わせて言う。

 

 あるいはゲーム脳かも。

 

 まったく……

 

 もっと!

 分かりやすく!

 ハッキリと言いなさい!

 

 

「……ホントに辛辣だね、君たち。コホン……とにかく。君たちが集めるものは3つ。そのうちの一つ『異界を導くもの』は、君たちは既に知っているはず。アクサレナダンジョンの迷宮妖精(ダンジョンフェアリー)、ミロンの事だ」

 

 ちょっと顔を赤らめるくらいなら最初からそう言おうよ。

 私もダメージ食らうんだからさ。

 

 しかし、ミロンにそんな役割があるとは……

 

 

 では、残りの2つは?

 

 

「『異界を生み出すもの』は迷宮核(ダンジョンコア)の事。そして……『神の如き力を行使するもの』は、『神の依代』と呼ばれる人造人間(ホムンクルス)の事だ」

 

 

「「!!?」」

 

 思わずテオと顔を見合わせる。

 

 『神の依代』って……まさか、ミーティアの事!?

 

 

「……その様子だと既に存在は知ってるみたいだね。『神の依代』は……神代において神々が地上を去るのを嘆いた一部の者たちから頼まれて、数体ほど私が生み出したのだけど」

 

 そうだった。

 リュートはミーティアやミロンの創造主だったっけ。

 

 

 私はミーティアに出会った時の話を說明する。

 

「ブレゼンタム……神代の頃にはミュルグレイヒと呼ばれた街の近くにある、神代の頃と思しき遺跡で発見しました。その時ちょうどダンジョン化したので、ダンジョンコアも入手してます。……そして、『神の依代』は今、私の養女になってます」

 

 

「養女……?『神の依代』はそのままでは魂の無い人形のようなものだ。だから、ダンジョンコアを魂の代わりにする想定だったんだけど……」

 

「実は……」

 

 

 私は更に、ミーティアと私の関係をリュートに說明する。

 

 【(カティア)】の魂を喰らった異界の魂が、神の依代に宿ったこと。

 私の魂の影響により、この世界の魂として定着したこと。

 そして、大切な可愛い娘であることを……

 

 

 

 

 

 

「……そんな事が起きるとは。なるほど、私でも予想がつかない運命の輪が、君を中心にして巡っているようだね」

 

 確かに運命的なものを感じるね……

 

 

 

 さらにリュートから聞いた話によれば、『神の依代』を安置している場所には仕掛けがしてあって、彼の足跡を辿る者が近くに来るとダンジョン化するようになっているらしい。

 私の場合は、あの時はまだ賢者の事など知る由もなかったけど……そもそも、リュート本人と深い関わりがあるので反応したのだろう、との事。

 

 つまり、ブレゼンタム東部遺跡がダンジョン化したのは偶然ではなかった。

 ……結局、皆の認識通り私がトラブルメーカーだった訳だ。

 

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