【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

571 / 664
第十四幕 23 『メンバー』

 

「カティア、いらっしゃい。テオとメリエルも。それに……三人ははじめまして、ね」

 

「はじめまして、エメリール様。お会いできて光栄ですわ。私はカティアさんの友人で、ルシェーラと申します」

 

「同じく、シフィルです」

 

「ステラです。カティアさんにはいつもお世話になっております」

 

 

 今回初めて神界に呼ばれた三人と、リル姉さんが挨拶を交わす。

 

 

「ふふ……カティアと仲良くしてれてありがとうね」

 

「リルお姉ちゃん、カティアちゃんのお母さんみたいだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、神界のリナ姉さんの家にやって来た私達。

 橋のような細い陸地で繋がった湖上にある小島に建ったそれは、赤い煉瓦造りの小さな家だった。

 おとぎ話に出てくるような可愛らしさだ。

 リナ姉さんは可愛いもの好きなんだね。

 

 家の前の庭にテーブルセットが置かれ、私達が来たときには既にティーセットが広げられていた。

 多分リル姉さんが準備してくれてたのだろう。

 

 

「さあ、話を聞かせてくれるかしら。あなたの……運命に関わる話を」

 

 リル姉さんは本当は私に危険な事はして欲しくないんだよね……

 でも、それを飲み込んで覚悟しているような雰囲気だ。

 

 きっと、リュートから聞いた話をすれば……『黒き神の神殿』に向う事を告げれば、その心配も大きくなると思う。

 それは本意ではないけど……私も覚悟を決めますか。

 

 

 私は一つ頷いてから、ウィラーの聖域で出会ったリュート(のコピー)から聞いた驚くべき話を、リル姉さんに話すことにした。

 

「リュートから聞いた話、皆に全部(・・)話すよ」

 

「カティア……良いのか?」

 

 テオが確認してくる。

 彼が気にしてるのは、私が『全部話す』と言ったからだろう。

 つまり、私の前世に関わる話も含めて、と言うことだ。

 この場で私が転生者であることを知っているのは、リル姉さんとリナ姉さん、テオだけだ。

 ルシェーラ達には『黒き神の神殿』に関する話は伝えたけど、私自身に関わる事は話していない。

 

 

「うん、この場にいる人達には話しても良いかな……って思う。ううん、聞いてもらいたい。父様や父さんたちにも何れは話をしようと思ってたし」

 

 私の大切な人たちなら、きっと受け入れてくれる。

 だから、知ってもらいたい。

 

 

 

 そして、私は話し始める。

 ルシェーラ達には、私が転生した経緯も補足しながら。

 皆、静かに私の話を聞き入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なるほど、ですわ。まぁ何というか、腑に落ちた……と申しましょうか。テオフィルス様は既に聞いてらっしゃったのですわね?」

 

「ああ。やはり、以前に神界に来たときにな」

 

「そうですか……そして、今回は私達にも秘密を打ち明けて下さった、と」

 

「えへへ……カティアが信頼してくれてるって事だよね!」

 

「だね。嬉しいじゃないの。ねえ、ステラ」

 

「ええ、本当に……びっくりしましたけど」

 

 

 反応はそれぞれだけど、一先ず受け入れられてはいるようだ。

 やはり怖くもあったので、ホッとした。

 

 

「遺跡ダンジョンの時のアレは、そういうことでしたのね……どう考えても知ってるとしか思えませんでしたもの」

 

「あはは……でも、まるっきり記憶と同じってわけじゃわないからね。あの時はたまたま合致してたけど」

 

 ブレゼンタム東部遺跡の時の話だ。

 ゲームの記憶を頼りに、『勘です!』って無理やり納得させながら道案内したけど、まぁ怪しかったよね。

 

 

「それにしても……アニマに偏重しているというのは気が付かなかったわ……。あ、うっかりとかじゃないからね!私でもよく注視しないと気が付かないって事なのよ!」

 

 

リル姉さん、気にしてるのか……

 

 

「そ、そんなに焦って言わなくても分かってるよ。メリアさんも最初は分からなかったみたいだし……」

 

 ホントはちょっと『うっかり』を疑ってたけど。

 

「(じと……)ホントに?」

 

「ホントホント」

 

 うっかりでも、鋭いんだよなぁ……

 

 

 

「コホン……それはともかく。その『黒き神の神殿』に行くのね」

 

「うん。きっと何かが起きる……って、リュートやメリアさんは言ってた。私もそう思ってる」

 

 

「……分かったわ。なら、あなたが不在の間は……私達があなたが帰るべき地の守護に当たりましょう。既に他の神々には話を通してあるから」

 

「うん、ありがとう……リル姉さん」

 

 リナ姉さんからも聞いてたけど、神々が私達の住む世界を護ってくれるなら、これほど心強いことはないよ。

 

 

「それで、一緒に行くメンバーは決まってるのかしら?」

 

「え?え〜と……」

 

「もちろん、私はカティアと一緒に行きます」

 

 リル姉さんの問に、咄嗟に答えられないでいると、間髪入れずにテオが表明する。

 

 そして……

 

「私もですわ!!」

 

「私も!今度こそ……!」

 

「私も…!」

 

「もちろん私も行くよ!!」

 

 ルシェーラ、シフィル、ステラ、メリエルちゃんも迷いなく宣言する。

 

 

「皆……いいの?何が起こるか分からないよ?」

 

「もし邪神なんてものが復活したのなら……どこにいても安全とは言えないと思いますわ」

 

「ルシェーラの言う通りね。だったら、自分の手で運命を切り開きたい……でしょう?」

 

「……そうだね。私も、皆の力を貸してもらいたい」

 

 

 大転移魔法[天道律]は、リュートから聞いた話では転移できる人数に限りがあるとの事だ。

 最大でも10人ほどとか……

 

 だから、最終的に『黒き神の神殿』へ向うメンバーは厳選しないとだけど、彼女たちが来てくれるのなら助かる。

 

 

「……最終的に、『黒き神の神殿』に向うメンバーが決まったら、また神界に来てもらえるかしら。他の神々も集めて……あなた達にできる限りの事をしてあげたいから」

 

「ありがとう、リル姉さん。じゃあ、その時になったら……アクサレナのエメリール神殿に行くね」

 

 

 アクサレナに戻ったら父様達にも話をして……メンバーを決めないとだね。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。