【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十四幕 28 『シェラの記憶2』

 

 シェラさんが思い出したと言う、リュートに関する話。

 果たしてそれは、【俺】の前世と思われる人物と同一なのか?

 

 

「先ず始めに言っておきますと……『リュート』と言う名は、私が知る限りはグラナの歴史書の類に記されているものではありません。ですので、これは私の歴史の先生から聞いた話です。たった一度、雑談程度に聞いた話だったので、中々思い出せなかったのですが……」

 

 

 書物には記載されていない……?

 

 ん〜……

 やはり、当時の王女と道ならぬ恋に落ちたという事で、記録から消されてるとか?

 

 

「どうやら、王家の醜聞に関わると言う事だったらしく、記録から抹消されたようです」

 

 あ、やっぱりそうなのか。

 

 にも関わらず、今現在まで話が伝わってるのは……

 

 

「公的な記録には残されておりませんが、何でも当時の王女であったシェライラの日記……いえ、どちらかというと自伝と言った方が良いですかね……に記されてるそうです。皇家の書庫で門外不出のものらしいですが、私の先生はそこの司書でもあったので」

 

 

「なるほど……それで、どう言う内容なんですか?」

 

 

「……まぁ、門外不出とは言え、もう遥か昔の話ですから皆さんにお話しても問題ないですかね」

 

 『醜聞』って言ってたからね。

 自分の一族の事だし、外に漏らすのに躊躇いが生じるのは分かる。

 

 

「大した話ではないですけど。つまり、件のリュートとシェライラ王女は男女の関係にあり、私達皇族の直系のご先祖様と言う事です。流石に当時は秘されたようですが、今となってはありふれた話でしょう」

 

 

 めっちゃ大したことあるぅ!?

 

 テオの視線が突き刺さってる気がする!!

 デジャヴュ!!

 

 

「あ、あはは……そっか〜、リュートはグラナに戻ってシェライラ王女と結ばれたのか〜……いや〜、メデタシメデタシ」

 

「?どうしたんですか、カティアさん?な、何だか汗が凄いですけど……」

 

「い、いや……何というか…………まぁ、シェラさんなら話しても良いか。実は……」

 

 

 私はシェラさんに【俺】の前世が琉斗(リュート)であり、賢者リュートと同一人物である可能性が高いことを説明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう……だったのですね。そうするとカティアさんは…………私やエフィのご先祖様と言う事に?」

 

「いやいやいや、まだ確定した訳では無いです!!」

 

「だがカティア、あまりにも話が符合するぞ。少なくとも全くの無関係というのはあり得ないだろう。あるいは、ウィラー聖域の彼の例もある」

 

「それはそうだけど……【俺】の記憶はあるのに、賢者リュートとしての記憶は全く無いからなぁ……」

 

 結局、そこが最大の謎なんだよ。

 

 

 

「……しかし、そうなると解せませんね」

 

「?」

 

「実はまだ話には続きがありまして。私としてはこちらの方が重要かと思うのですが……」

 

 そこで一旦区切ってから、シェラさんは続ける。

 

 

「シェライラ王女はやがて女王となり、やがて周辺国に侵略を始め、グラナが『帝国』と称するようになったのもその頃と聞いてます。そして同時期……黒神教をグラナの国教と定めた。それを進言したのが、どうやらリュートだったようでして……」

 

「「……!?」」

 

 何だって!?

 

 リュートが黒神教を……?

 

 

「そんな馬鹿な……いや、一体なぜ?」

 

「カティアの前世が本当に賢者リュートだとすると……今の状況はよく分からないな……。色々と後世に足跡を遺した行動とも矛盾してるような……」

 

 

 そうだよ、かつて自分で布教を推し進めておいて、今は敵対してるなんて……

 

 リュートは『黒き神の神殿』をその目で見て、黒神教が崇める神こそが邪神であると確信したはず。

 それなのに、なぜ……?

 

 

 それとも……私達には推し量ることが出来ない深謀遠慮があったとでも言うのだろうか?

 

 それも『黒き神の神殿』に行けば判明するのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何者かが紡いだ運命の糸は複雑に絡み合う。

 それは輪となって、鎖のように過去から現在へと繋がっているかのようだ。

 そして未来へ……

 

 私はそれに翻弄されるのか?

 それとも、自らの意志で切り開く事が出来るのか?

 

 もうすぐ終わりが見えそうな予感はあるものの……未だその全容を見通すことは出来なかった。

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