【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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第十五幕 エピローグ 『戻ってきた日常』

 

 あの日……彼方へと沈む夕日に照らされながら、黄金の竜に乗ってアクサレナへと降り立とうとする私達を、人々の熱狂的な歓声が迎えてくれた。

 

 

 そこから先はよく覚えていない……

 

 父さんたちエーデルワイスの皆と、父様や母様、クラーナ、他にも王城内の人という人が集まってきて揉みくちゃにされて……

 そしてアクサレナの街まで巻き込んでのお祭り騒ぎとなった。

 

 そのまま本当にお祭りになって、武神祭すら超えるような人が王都に集結して……

 更に、そんなときにグラナ帝国との戦いで勝利を収めたリュシアンさん率いるイスパル騎士団が帰国したものだから、それはもう狂乱と呼ぶべき大変な大騒ぎとなった。

 

 ……そんな日が何日も続いた。

 

 

 

 

 そして私達の凱旋の日から、しばらく経ったある日。

 

 どうにか街は落ち着きを取り戻したのだけど、また大騒ぎになってしまうのを懸念して、私は外出を躊躇っていた。

 

 そうは言っても、学園にも行かなければいけないし、そろそろエーデルワイスの次の公演も始まる。

 

 なので、そろそろ意を決して学園に登校するため、ついに外出を敢行するのだった。

 

 

 

 

 

 

「ふう……何だか久しぶりだよ。一応、変装しておいて正解かな……」

 

「そうですね……まだ落ち着いたばかりですから、流石に見つかったら大騒ぎになりそうですね」

 

「何と言っても世界を救った英雄サマですから!」

 

「し〜っ!!声が大きいよ、ケイトリン!」

 

 私の顔は良く知られているので、例の魔法薬で髪の色を変えた上でフードまで被って顔を隠している。

 念のため護衛の二人も騎士の格好ではなく平服になってもらっている。

 

 

「ま、そのうち以前みたいに気軽に歩けるようになりますって」

 

「だと良いんだけど……」

 

 

 

 

 学園に近付くにつれて生徒たちの姿がチラホラと見え始める。

 見知った顔も多く、やっとここに帰ってきたんだ……と思うと感慨深い。

 

 周囲はどうやら私のことに気付いているようだけど、集まってきて揉みくちゃにされるようなことはなかった。

 学園生が礼儀正しい人ばかりで助かるよ……

 

 

 

「カティアさん、おはようございます」

 

「あ、ルシェーラ!おはよう!あなたも今日から?」

 

「はい。ようやく落ち着きましたし……勉強が遅れた分、はやく取り戻さないとですわ」

 

 そうだねぇ……かなり休んでしまったから、追いつかないとね。

 

 

 学園に入って教室に向かう道すがら、今度は寮生組の3人と出会った。

 

「カティア、おはよう」

 

「おはよう!やっと来れたのね!」

 

「おはよう〜!」

 

 彼女たちは寮住まいだから、私達より先に学園に復帰してたんだよね。

 

 

「おはよう3人とも。どう?学園の様子は?」

 

「もう、大変だったわよ!邪神との戦いの場面、学園からでもバッチリ見られたらしくて……根掘り葉掘り色々聞かれたわ」

 

「フリード君たちも、グラナとの大戦の事を色々聞かれてたわ」

 

 

 まぁ、そうだろうなぁ……

 

 お陰で私達は少し落ち着いた時に来れたって訳だ。

 皆に感謝しないとかな?

 

 

「エフィも戻って来れたら良かったんだけどね……」

 

 エフィも一度アクサレナに戻って来たんだけど、今頃はグラナに向かっているはず。

 

 グラナ帝国のカルヴァード大陸侵攻は失敗に終わり……また、黒神教も教皇であったリュートを失ったことから弱体化。

 これを機に皇室の復権を果たしてカルヴァードとの国交を樹立するべく動こうとしているのだ。

 アグレアス侯爵もこれまで繋いだパイプを活かして、イスパルの特使として同行している。

 

 

 更に、シェラさんやロランさんも一緒だ。

 

 邪神が滅びたことで異界への扉が完全に閉ざされた影響なのか……二人は魔族としての力を失っていた。

 髪や目の色も人間だった時のものに戻って。

 ずっと長い間魔族として戦い続けた二人だから……これからは平穏な暮らしをして欲しいと、私は心から願っている。

 

 

 

 そして、もう少しで教室に着こうとした時。

 

 

「あ!カティア!!おはよう〜!」

 

「レティ、おはよう」

 

 レティも合流してきた。

 彼女とは通信の魔導具で色々話をしていたので、学園の様子が大変そうなのは色々と聞いていた。

 

 

「ようやく英雄サマのご帰還だね〜。カティア達がいない間、学園はそれはもう静かだったよ」

 

「……そんなに騒がしくしてるつもりは無いんだけど」

 

「雰囲気の話だよ。でも、これでまた楽しくなるね!」

 

「ふふ……また、これからもよろしくね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 太古の時代より存在した邪神が滅び……

 

 邪神を崇める黒神教の野望も潰えた。

 

 賢者リュートとの邂逅から始まった因縁と、私の転生の謎も全て解決。

 

 

 そして、真に神々の時代は終わりを告げ……ここから先の未来は、私達自身の手で切り開いていかなければならない。

 

 

 長きに渡って敵対し続けていたグラナ帝国との関係も変わるだろう。

 

 邪神リュートは世界を変革させると言ったけど……

 今、まさに世界は変革を迎えようとしているんだ。

 

 

 

 天下泰平、全て世はこともなし。

 

 

 さあ、今日も頑張ろう!!

 

 

 

 

 

ーー 第十五幕 転生歌姫の最終決戦 閉幕 ーー

 

 

 そして終幕へ…………

 

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