【本編完結】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!   作:O.T.I

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後日談1 サマーバケーション
サマーバケーション(1)


 

 雲一つ無い青空に燦然と輝く真夏の太陽。

 高台から見下ろす眼下に広がるのは、波も穏やかなエメラルドグリーンの美しい海。

 遥か彼方の水平線を見やれば、この星が確かに球体であることを示すように緩やかな円弧を描いている。

 更に視線を手前に向けると、太陽の光を浴びて輝く白い砂浜には水着姿の男女が思い思いにバカンスを楽しんでいた。

 

 

 

「「「「うわ〜!!すご〜い!!きれ〜!!」」」」

 

 想像以上の素晴らしい景色を目前にした私達は、一斉に歓声をあげた。

 

 

 

「流石はイスパルいちと名高いラズレー・オーシャン・リゾートですわね」

 

 海風に飛ばされそうになる麦わら帽子を抑えながら、感嘆の呟きを漏らしたのはルシェーラ。

 

 

「凄い!!ここからでもたくさん魚が泳いでるのが見えるよ!!」

 

「ホントに……めちゃくちゃ透明度が高い海だねぇ……」

 

 メリエルちゃんとレティが目を輝かせて言う。

 確かにここからでも色とりどりの魚たちが泳いでいるのが見えるくらいに海水は透き通ってるね。

 

 

「うわ〜……アダレットの海とは全然違うわね。ねえ、ステラ?」

 

「ええ、本当ね。こんなに綺麗な海は初めてだわ……」

 

 シフィルとステラも感激の様子。

 アダレットにも海はあるはずだけど、こういうリゾート地はあまり無いのかな?

 

 

「わ、私は海は初めてで……こんなに広いなんて、凄く感激しました」

 

 へぇ、アリシアさんは海に来たことがないんだ。

 それは凄く感動しただろうね。

 

 

 

「いや〜、私まで連れてきて頂けるとは。役得ですねぇ」

 

 ケイトリンは私の護衛騎士なので任務ではあるんだけど、いつも付きっきりで中々休みも取れないだろうから、今回は十分に満喫してもらいたいところだね。

 ……まあ、言わなくてもそのつもりだと思うけど。

 

 

「フローラさん、本当にありがとうね。こんな素晴らしいところに招待してくれて」

 

「い、いえ……こちらこそ皆さまをお招きすることが出来て……父や母も、それはもう喜んでました」

 

 私が改めて招待してくれたことにお礼を言うと、フローラさんは控えめに微笑みながらそう言ってくれた。

 

 

 

 

 

 そう。

 今回私達は、フローラさんの実家であるラズレー領にやってきたのである。

 

 あの邪神との戦いが終わり、グラナとの大戦も終結して再び平和な学園生活に戻った私達。

 その学園も今は夏の長期休暇となっているのだけど、以前約束してくれた通りにフローラさんが自領に招待してくれたんだ。

 

 ルシェーラが言ってた通り、ラズレー領はイスパル……いや、大陸でも有数のオーシャンリゾートだ。

 温泉リゾートであるフィラーレと並び、多くの観光客が訪れる。

 貴族の別荘はもちろん、庶民向けから富裕層向けのホテルが立ち並ぶ様は、【俺】の前世のリゾート地のイメージとも合致していた。

 

 

「グラナとの大戦が終結してなければ……リゾート地で保養どころではないと言う風潮になっていたでしょうし、そうなればうちの領は経済的に大きな打撃を受けるところでした。ですから……私も家族も、皆様には本当に感謝してるのです」

 

 確かに彼女が言う通りの空気にはなっていただろうね。

 戦争中ではリゾートどころではないだろう。

 

 

「そう言ってもらえると、頑張った甲斐があるよ。ともかく……暫くお世話になります」

 

「はい、精一杯おもてなしさせて頂きますから、ごゆっくり楽しんでいってください」

 

 

 彼女も嬉しそうだし、遠慮なくバカンスを満喫させてもらいましょう!

 

 

 

「カティア〜、はやく海にいこ〜よ!」

 

「そうだよ!早く泳ぎたい!」

 

「ハイハイ、そう慌てなくても海は逃げないよ。でも、もう男子は先に行ってるだろうし、私達も行きましょう」

 

 もう待ちきれないといった感じで、レティとメリエルちゃんが急かしてくる。

 

 

 ……実は、今回招待されているのは私達女子だけでなく、同級生の男子も一緒に来てたりする。

 

 女子のメンバーは……

 私、レティ、ルシェーラ、ステラ、シフィル、メリエルちゃん、フローラさん、アリシアさん、ケイトリン。

 男子メンバーは……

 テオ、リディーさん、リュシアンさん、フリード、ユーグ、オズマ。

 

 残念ながら、エフィとガエル君はグラナに帰国しているので今回はいない。

 何とか情勢が落ち着いて、来年は一緒に来れるといいな……

 

 

 

 

 

 もう既に、ラズレー子爵家所有の海を見下ろす別荘で水着に着替えていた私達は、砂浜へと向う坂道を下っていく。

 

 潮の香りを含んだ風が優しく私達を出迎える。

 人々の楽しそうな声がだんだんと近づいてくる。

 

 そして、白く輝くビーチにやって来ると、私達は歓声を上げながら海に向かって駆け出した。

 

 

 さあ、バカンスの始まりだ!

 

 


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