ようこそ姉至上主義の教室へ   作:キフ

5 / 11
原作突入\(^o^)/


1巻
~ようこそ姉至上主義の教室へ~


 4月。入学式。俺と姉さんは今バスの中で座席に座りながらゆらゆらと揺れている。少しずつ景色が変化していく。昨日はあまり眠れなかったからこの場で眠っておくのもありだな。

なんて考えていると

 

流貴(りゅうき)少し眠たそうですが、大丈夫ですか?」

ふと、姉さんが俺にそう呼びかけてくる。

 

「あぁ、実は昨日少し緊張してて眠れなくてさ。姉さんはぐっすり眠れた?」

 

「えぇ、私は特に緊張もしなかったのでよく眠れましたよ。」

 

「そっか。それは良かったよ。…姉さんは何が目的でこの学校に入ろうとしたの?」

俺は疑問に思ったので姉さんに問いかける。

 

姉さんは少しだけ考えて答える。

「退屈なのは嫌いなので…」

 

なるほど、姉さんは天才だから小学校でも中学校でも刺激が足りなかったのだろう。ある程度優秀であればだいたいその場の状況で何が起こるか、どう事態が変化していくかが分かる。故に新鮮な体験ということがあまりない。人間は大人になるほど体感時間が早くなっていく。<ジャネーの法則>によると人は20歳で主観的な人生の半分を終えていることになる。これは大人になると子どものような新しい体験が少なくなるからだ。大人になると既知の体験しかしなくなり、子供のように感情が揺れ動くのも少なくなるため、時間が早く進んでいるように感じる訳だ。姉さんは未知なる経験をあまりしなかったために<ジャネーの法則>が早めに適応されたのだろう。

 

だか、この学校ならば姉さんも未知なる体験を沢山味わえるだろう。

なんせこの学校には綾小路清隆(あやのこうじきよたか)龍園翔(りゅうえんかける)一ノ瀬帆波(いちのせほなみ)と他にも強キャラは複数存在するからな。

 

無論、本命は綾小路清隆(あやのこうじきよたか)だが。

 

「大丈夫だよ、姉さん。この学校なら必ず姉さんも満足するさ。」

俺は過剰なまでに自信を持って姉さんにそう伝える。

 

「それも流貴の勘ですか?」

姉さんが楽しそうに微笑みながらそう言う。

 

「あぁ、俺の勘さ。でも、俺の勘が外れたことなんて今まででも数回位だし俺を信じてよ。」

 

「そうですね。流貴の勘が外れることなんて滅多にないのでひとまずは信じておきましょう。」

 

「絶対に気に入るさ、この実力至上主義の学校を」

俺は確信を持ってそう話す。

 

 

※※※

 

バスが学校に到着したので俺と姉さん、その他の新入生諸君と一緒に地に降り立つ。

綾小路(あやのこうじ)堀北(ほりきた)櫛田(くしだ)高円寺(こうえんじ)は見掛けなかったので恐らく時間帯が違ったのだろう。俺はクラス毎である程度時間帯を分けているのではないか?と予想しているが、真相は闇の中だ。バスを降りると、そこには天然石を連結加工した作りの門が俺達を待ち構えていた。

 

東京都高度育成高等学校。日本政府が作り上げた、未来を支えていく若者を育成する、それを目的とした学校。

今日から俺と姉さんが通うことになる場所。

 

「姉さん、行こうか。」

 

「えぇ、行きましょう。」

 

そう言って俺と姉さんはゆっくりと歩き始める。

 

校内に立ち入ってクラス分けの掲示板を見る。俺と姉さんは共にAクラスだった。

 

    よかったー!

 

正直Aクラスに入れるか分からなかったから、ずっと緊張しっぱなしだった。俺は今世で初めて神に感謝した。ありがとう、イエス様、貴方のことは決して忘れないよ!イエス様が神さまかどうかはこの際気にしない。一応俺はAクラスになるために対策は考えたんだ。原作でのAクラスになるための条件とは何か?俺が思うにそれは<欠点のなさ>これに尽きると思う。欠点や何か後ろめたい過去を把握されているキャラクターはいずれもAクラスではなかった。堀北然り櫛田然り一ノ瀬や平田なんかもそうだ。要するに学校が評価とするいずれのステータスの平均以上を取っていて尚かつ問題行動もないと判断されればAクラスになる権利が与えられるのだとおもう。そのために俺は小学、中学時代に他の生徒と多くのコミュニケーションを取ったりテストでは高得点をとり、体育や大会で優秀な成績を取ってきたんだ。

 

因みに姉さんの身体能力についてはノーカンなんだと思う。なぜなら姉さんの身体能力は努力どうこうで何とかなるものではないからだ。とりあえず俺は姉さんと一緒のクラスになれたことに安堵したのだった。

 

「やった、姉さん同じクラスだね。」

俺は当然喜ぶ。

 

「そうですね。これからもよろしくお願いしますよ、流貴」

姉さんも心なしかいつもより嬉しそうだ。

 

 

※※※

 

先程掲示板を見た嬉しさはまだ忘れていない。姉さんは杖を使用しながら歩かなければならないため、歩くスピードは遅い。そして俺も姉さんのスピードに合わせるため、必然的に遅くなる。

 

「すいません、流貴。貴方は先にクラスへ向かっても構いませんよ。」

姉さんが申し訳無さそうな顔をする。

 

「何言ってるんだよ、姉さん。俺が姉さんと一緒に歩きたいだけだから、姉さんこそ気にしなくていいよ。」

なんて話しているとAクラスの教室に到着した。

 

ここからは…本当に実力勝負だ。誰であっても姉さんに手を出す奴は容赦しない。

改めて決意して、ドアを開く。

 

クラスにいた生徒が一斉にこちらに眼を向ける。どうやら近くの奴らと雑談していたらしいな。お、金髪の軽薄そうな男、橋本(はしもと)。癖っ毛に高校生とは思えない老け顔、鬼頭(きとう)。紫色の髪の毛のクールビューティ神室(かむろ)。早くも坂柳派閥の主要人物を発見出来たな。すると、クラス内からヒソヒソと声が聞こえる。

 

「おい、あの娘めちゃくちゃ可愛くね?」

 

「あ、あぁでもロリはな~」

という男子の声。姉さんのことをロリつった奴

ちょっとこっち来い。

 

「ねぇねぇ、あの人ちょっとかっこよくない~?」

 

「うん!めっちゃ美形!私アタックしようかな~?」

 

「ダメよ!私が先に目つけたんだから!」

 

ありがとう、そこの女性たちお世辞でも嬉しいよ。

 

「あの女性方には少し教育をしておきましょう。」

え?お世辞なのに?てか、姉さん顔怖いよ…目が笑ってないって、スマイル、スマイル、笑顔を心がけようよ。いっつも微笑んでるじゃん。

 

とりあえず席の確認だ。俺は自分のネームプレートが置かれた席へ向かう。席は真ん中の列の後ろから2番目の席だった。後ろの席だったことにほんのり安心する。前の席ってなんかやだよな。先生に監視されてる感じで。まぁ、監視カメラでどの場所も視られるんだけど…右隣の席は姉さんか。これは嬉しい誤算だ。原作でも席順の設定はイマイチ分からなかったからな~、綾小路は「あ」だから多分出席番号は1番なのに何であんなに後ろの席だったんだ?それに堀北が右隣だったのも不思議だ。堀北の「ほ」だぞ?堀北お前はもっと廊下に近い席のはずだろうが。左隣の席は

 

え、、、葛城康平(かつらぎこうへい)か。まさか2大巨頭の間の席になるとはな。とはいえ、葛城のことは嫌いじゃない。寧ろ原作を読んでいた頃から好きなキャラだ。姉さんが相手だったから葛城はリーダー争いに負けただけで普通に優秀だ。学力は多分俺より高いし、堅実な守りを重視して、ルールの中で正々堂々戦う姿は好感が持てる。身体能力も決して低い訳ではない。龍園や姉さんに裏をかかれて敗れているのは単純に相性の問題もあるだろう。出来るだけ葛城とは仲良くしたいところだ。Cクラスには移籍してほしくないしな。

 

俺が葛城に自己紹介しようとしたときに、始業を告げるチャイムが鳴る。同時に真面目で厳格そうな男性が教室に入ってくる。

 

「新入生諸君、おはよう。私はAクラスを担当することになった真嶋智也(ましまともや)だ。普段は英語を担当している。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの3年間、私が担当として君達全員と学ぶことになると思う。今から1時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校の特殊なルールについて書かれた資料を配らせて貰う。以前入学案内と一緒に配布してはあるがな」

 

前の席から資料が回ってくる。この学校はかなり特殊な部分がある。それはこの学校に通う生徒全員が敷地内の寮で学校生活を義務付けづけられて、在学中は特例を除き外部との連絡を一切禁止されることだ。その代わりにこの敷地内には多数の娯楽施設が存在する。

そしてもう一つのこの学校の特徴がSシステムの導入だ。

 

「今から配る学生証カード。それを使い、敷地内にあるすべての施設を利用でき売店などで商品を購入することもできる。クレジットカードのようなものだ。ただし、ポイントを消費するから注意が必要だ。学校の敷地内なら()()()()購入可能た。」

 

真嶋先生は一呼吸おく。

 

「施設では機械に学生証を通すか、提示することで使用可能だ。ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれる。お前達全員に平等に10万ポイントが支給されているはずた。なお、1ポイント1円の価値がある。」

 

教室がザワつき始める。

 

「支給額に驚いただろう?だが、この学校は実力で生徒を測る。この学校に入学を果たしたお前達には、それだけの価値と可能性があると評価された結果だ。遠慮なく自由に使うといい。ただ、このポイントは卒業後に全て回収され、現金化もできないので注意するように。使う必要の無いポイントは誰かに譲渡するのも構わない。勿論、カツアゲの類いは当然禁止だ。……さて、ここまでで何か質問があるか?」

 

葛城は先程の説明にどこか違和感を感じているらしい。流石だな。この短時間でSシステムの本質に気づきかけている。

 

すると右隣の席、姉さんが挙手する。

 

「来月から支給されるポイントはいくつですか?」

お~、やはり姉さんは気づくか!俺は多分原作を知らなかったら気づけなかったな

 

真嶋先生は目を細めて嬉しそうにする。

「今は答えられない。…君たち次第と言っておこう。」

 

「そうですか、ありがとうございます。」

そう言って姉さんは席に座る。

 

「他に質問はあるか?」

 

 

「質問よろしいでしょうか?」

俺は真嶋先生に尋ねる。

 

「なんだ?」

 

俺は俺の予想を確認するために質問する。

 

「この学校がいう()()とは何ですか?」

この質問は真嶋先生も想定していなかったのか間が空く。

 

「先生は先程『実力で生徒を測る』とおっしゃっていました。しかし、肝心の実力の具体的な説明がありません。学力ですか?運動能力ですか?それとも社交性ですか?…どれも違うのでしょう。いや、全部正しいのでしょう。そもそも学力だけで生徒の実力を測るならわざわざ実力という婉曲的な表現をせず、学力と言ってしまえばいい。」

真嶋先生は少しだけ考えて答えた。

 

「どうでもいい。」

 

「えっ?」

今なんて言った?

 

「これは俺の独自の考えだが、実力とは勝負事、試合に勝つことだ。いくら能力が高くとも勝利できなければそれは無能と大差ない。逆に能力が低くとも勝ってさえいればその人間は確かな実力者だ。坂柳流貴(さかやなぎりゅうき)実力を、能力を本当の意味で数値化することは出来ない。だが成績、実績、すなわち勝利数これは明確に数値化することが出来る。実力とは如何に勝つことかだと俺は考えている。」

 

…なるほど、予想していた回答ではないが、実に興味深い意見だ。その発想はなかった。

 

「貴重なご意見、ありがとうございます。今後の参考とさせて頂きますね。」

俺は腰を曲げて真嶋先生にお礼をいう。

 

「あぁ、参考になったようで何よりだ。他に質問は…ないな。では入学式に遅れないように。」

そう言って真嶋先生は教室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




坂柳流貴
1年Aクラス
誕生日 3月12日

<評価>
学力:A-
知性: A-
判断力:B
身体能力:A
強調性:B-
<面接官から一言>
どの項目も評価が高く、Aクラスの生徒としても申し分ない。中学時代には陸上やサッカー、柔道などの部活の助っ人をしており、いずれも好成績を残している。しかし、自分に対して批判的な他者とは一切関わらないようにしている。この行動も悪くはないが、社会に出れば否応なく気に入らない人間とも接さなければならない機会があるので改善を試みたい。


※※※


今回は1年生時の評価項目を参考にしています。

<補足>
オリ主は中学時代高嶺の花すぎて恋愛ができなかったため恋愛偏差値30です。いい感じに接すると秒で惚れます。有栖に対してはあくまで家族愛です。恋愛には決してなりません。有栖からオリ主を見ても家族愛です。

チョロイン…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。