ようこそ姉至上主義の教室へ   作:キフ

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今回もオリ主は少しだけ暗躍していきます


~準備~

5月最初の学校生活を告げる始業チャイムが鳴った。程なくして、手にポスターの筒を持った真嶋先生がやってくる。

 

「これより朝のホームルームを始める。何か質問はあるか?」

俺たちの中には特に質問の手が挙がらなかった。なぜなら、俺たちAクラスは既にこのシステムを知っているからだ。既に派閥争いは始まっており、坂柳派閥には姉さんから、葛城派閥には葛城から、先月注意喚起がされている。坂柳派閥の主要人物は原作通り正義(まさよし)神室(かむろ)鬼頭(きとう)そして俺だ。

葛城派閥の主要人物は戸塚(とつか)西川(にしかわ)町田(まちだ)ってところか。こちらの戦力の方が個人個人の能力は高いが、葛城派閥の方が少しだけ坂柳派閥よりも支持されている。まあ、これは姉さんがそうじゃないと面白くないと意図的にこんな状況にしているんだが。

 

「どうやら全員Sシステムの本質について把握しているようだな。」

真嶋先生は嬉しそうに笑う。

 

「だが、こちらもSシステムについて説明する義務があるのでな。改めて説明させてもらうぞ。遅刻、欠席は1回。授業中の私語や携帯を触った回数は5回。これらの行動を減点した上でAクラスは970だ。これがポイントだとすると1000ポイントが10万円に値する。」

お~、原作よりもポイントが30くらい高いな。真嶋先生は手にしている筒から白い厚手の紙をだし、それを黒板に広げる。そこには

A:970

B:650

C:490

D:0

と表示されている。

 

「え?…Dクラス、0って…」「まじで?」

とクラスがザワつく。まぁそりゃ0ポイントは衝撃的だよな…ある意味凄いし。

 

「この学校では、優秀な生徒たちの順にクラス分けされるようになっている。最も優秀な生徒はAクラスへ。ダメな生徒はDクラスへ、と。おめでとう。君たちは優秀だと学校側から判断されたのだ。誇っていい。」

Aクラスの生徒は照れくさそうに下を向いたり、ニヤける。自分たちが優秀だと認められたら嬉しいからな。

 

「ここまでポイントを減点されなかったのは過去のAクラスでも君たちが初めてだ。感心する。…まあ、Dクラスもすべてのポイントを吐き出したのは歴代初だが。クラスのポイントは毎月振り込まれるお金と連動するだけでなくこのポイントの数値がそのままクラスのランクに反映される。」

真嶋先生はさらに別の厚紙を黒板に貼る。

 

「さて、もう一つ君たちに伝えることがある。先日やった小テストの結果だ。」

1位は100点の姉さん、2位は95点の葛城だった。俺は90点の4位だった。90点が俺以外にもう一人いたので4位となっている。因みに90点を取ったのは西川だ。まあ俺の学力ではこんなもんだ。ラストの3問が桁違いに難しくてな。それ以外は中学レベルだっから、全問解けたんだか。戸塚ぁ!お前何65点なんてとってるんだ。二度と(つら)見せんな!

 

「この学校では中間テスト、期末テストで1科目でも赤点を取ったら退学になることが決まっている。」

ザワザワとクラスが騒がしくなる。

この学校はクラス平均の半分の点数が赤点となる。見たところ今回の小テストの平均は80点ってところか。つまり40点以下が赤点となる。40点以下の点数を取った人はいないので今回でいうと退学者は無しとなるな。

 

「静かに、この学校のルールだ。割り切ってくれ。それと国の管理下にあるこの学校は高い進学率と就職率を誇っている。だか、この恩恵が与えられるのはAクラスだけだ。それ以外の生徒にはこの学校は何一つ保証出来ない。」

この情報は俺が坂柳派閥の皆に伝えておいたので混乱はない。しかし、葛城派閥の方はさらにザワついてしまった。

 

「落ち着け、中間テストまでは後3週間、君たちが赤点をとらずに乗り切ることは必ずできる。ではHRを終わる。」

真嶋先生は扉を閉めて教室を後にした。

 

 

 

※※※

放課後、俺たち坂柳派閥はカラオケルームで作戦会議をしていた。

 

「で、姫さん俺たちはどうやって中間テストを乗りきるんだ?勉強会でも開くのか?」

正義が姉さんに質問する。

 

「そうですね。ひとまずは勉強会でも開きましょうか。恐らく葛城くんも勉強会を開催するでしょう。教師役は私がやります。他にも何人かテストの点数が高かった人には教師役をしてもらいます。」

他にも何個か報告を受けたり、指示を出しつつ今回の作戦会議は終わった。坂柳派閥の皆が出て行きカラオケルームに残るのは俺と姉さんだけとなった。

 

「流貴にも教師役を引き受けてもらいたいのですが、構いませんか?」

 

「悪い、姉さん。俺は過去問を手に入れたいから勉強会には出れないかも知れない。それと少し調べておきたいことがあるんだ。」

 

「過去問…ですか、いい案ですね。分かりました。流貴には過去問入手を任せます。流貴が調べておきたいこととはなんですか?」

いや、姉さんも過去問入手する予定だったろ。俺が過去問って言った瞬間姉さん小さく笑ったからな。白々しいな~

 

「あぁ、姉さんには言ってなかったっけ?綾小路がこの学校にいるんだよ?」

姉さんが無言でこちらに圧をかけてくる。

 

「なぜ…そんな大事な事を黙っていたんですか、そんな事なら暇つぶしもしていませんでしたよ。」

 

「いや~、俺も最近会ってさ。ごめんよ。…それで綾小路には会いに行くかい?行くなら俺も護衛として行きたいんだけど」

 

「いえ、今は辞めておきましょう。まだ時期ではないので。しかし綾小路くんがこの学校に…面白くなってきましたね。」

姉さんは綾小路を相当負かしたいのか、嗜虐的な笑みを浮かべている。

 

「それと姉さんにこれも渡しておくよ。」

俺は姉さんに100万ポイントを渡した。

 

「どこでこの額を得たのですか?」

姉さんが興味津々で聞いてくる。

 

「とある人物と契約してね、それの対価だよ。」

ありがとう、生徒会長。100万ポイントは俺の姉さんが大切に使ってくれるよ。

 

「気持ちは嬉しいですが、これは流貴が得たものでしょう。受け取れません。」

姉さんが申し訳無さそうに俺にポイントを返そうとする。

 

「気にしないでよ。その内またこんくらいの額はゲットできる予定だから。それにそのポイントは俺が得たポイントの半分だからね。」

南雲とはいつ契約するかな…確か、南雲はサッカー部だっはず。中間テスト終わった当たりにサッカー部行ってみるか。

 

「…分かりました。このポイントはありがたく使わせてもらいましょう。ありがとうございます、流貴。」

姉さんが喜び半分、申し訳なさ半分の顔で俺をみてくる。そんなに感謝してくれなくてもいいんだけど。

 

「あぁ、姉さんが使ってくれるなら俺も嬉しいよ。」

俺は満面の笑みで頷く。

 

※※※

 

俺はエレリアという電気機器を扱う店にいる。授業は終わっているので今頃坂柳派閥の皆は勉強会を頑張っていることだろう。俺がこの店に来た理由は高性能な録音機やICレコーダーを手に入れるためだ。スマホの録音能力では低品質になることが多く証拠として成立しない場合があるらな。これから俺は俺と姉さん、ひいてはクラスのためにもガンガン取り引きしていくつもりだ。それに今の内にしておきたい事もあるしな。

 今回俺が欲しいのは純粋に性能が高い録音機器と小型で相手にバレにくい録音機器、後はペン型か腕時計型の録音機器だな。これだけあれば問題ないだろう。俺が3つも違う種類の録音機器を求めているのはそれぞれ使う場面が違うからた。

 

高性能録音機:取り引きする相手に堂々と見せて下手な真似や言葉をはけないようにするため。見せておくだけで牽制になるからな。

主に葛城や堀北生徒会長といった誠実な人間に使う。

 

小型録音機:相手にバレないように録音するため。相手の荷物や服に忍ばせて相手が録音されていると気づかないようにするため。これのメリットは俺自身がいなくても録音が出来ると言うことだ。

主に正義(まさよし)などのスパイの疑いのある人間に使う。

 

ペン型、腕時計型録音機:こちらは小型録音機とは違い俺自身が取り引きするときに使う。そして暴力的な人間や弱みを握れそうな人間に使う。ペン型よりも腕時計型の方が日常で使うから腕時計型の方がいいかもしれないな。

主に龍園(りゅうえん)南雲(なぐも)当たりに使うな。あとは…

 

 

「すみません、この『オリ○パス』と『ガ○タ』、『R-v○2』あと遠隔操作機器とメモリーカードもください。」

俺は店員に話かけた。

 

「かしこまりました。こちら合計で4万3700ポイントとなります。」

俺は学生証カードを代金を支払う。

 

「ありがとうございました。」

お礼をしつつされつつ店をでる。俺が買ったのは高性能録音機器と小型録音機器そして腕時計型録音機だ。この腕時計型録音機は時計の役割も出来るため、かなり便利だ。少々値段が張ったがいい買い物が出来たな。

 

俺はその後図書館へ向かった。過去問を得るためと本来の目的のために。食堂で毎日『山菜定食』を食べている先輩を見かけた。恐らくDクラスだろう。

 

「すみません、少しいいですか?」

勉強していたのか怪訝な顔をしてこちらをみてくる。

 

「なんだ?俺は忙しいんだが」

邪魔されたのを多少怒っているな。

 

「すぐ終わりますので少しだけ時間いいですか?」

 

「手短にしろ。」

 

「分かりました。貴方はDクラスの生徒ですよね?」

 

「それがなんだというんだ…」

先輩は自分を馬鹿にされてると思ったのか雑に応答してくる。

 

「では、貴方が1年生だった頃の最初の中間テストの過去問を売ってくれませんか?高く買いますよ。」

先輩は少しだけ驚くが、また不機嫌な顔に戻る。

 

「お前、クラスは?」

 

「Aクラスです。」

先輩が嫉妬の感情を剥き出しにしてくる。

 

「…じゃあ5万だ。」

いくらAクラスでも5万ポイントは高い。だが、ここで俺は値切らなかった。

 

「分かりました。」

そう言って俺は10万ポイント先輩に渡す。

 

「!?俺は5万ポイントと言ったがいいのか?」

 

「はい、構いませんよ。これは俺が先輩を尊敬している証です。その代わりといってはなんですが…先輩の学年で何か大きな出来事があったらその情報頂けませんか?もちろんポイントは払います。」

俺の本当の目的は過去問なんていうショボいものではない。上の学年の情報を得るためのパイプをつなぐためた。

 

「俺に南雲を売れと言うのか!?」

どうやら先輩は2年生だったようだ。好都合だな。しかし、南雲の影響力はこの時点で随分強いようだ。先に接触しておいて正解だった。

 

「いえいえ、南雲先輩とやらを売れと言っている訳ではありません。…ただ先輩は後輩に雑談の延長としてちょっと口が滑ってしまっただけですよ。そもそも口止めされていなければ先輩が誰に何を言おうと関係ありません。」

俺は先輩を安心させるように笑顔を見せる。

 

「し、しかしだな。」

 

「先輩はポイントに困っているのでは?大丈夫です。俺は先輩から貰った情報を誰にもいいませんよ。」

俺は先輩の言葉を遮って無理矢理納得させる。これがDクラスの先輩でなかったら自分が如何に危ない橋を渡ろうとしているか理解出来るだろう。だが彼はDクラス後の被害よりも目の前の利益を求めてしまう。そのための10万ポイントだ。

 

「ほ、本当に誰にも言わないんだな?」

 

「勿論です。俺を信じてください。」

初対面の人間を信じろと俺はかなり無茶なことをいう。

だが…

 

「わ、わかった。お前を信じよう…何かあったらお前に情報を伝える。過去問は明日の夜までには準備しよう。」

 

「ありがとうございます。ではLI○Eを交換しておきましょう。」

LI○Eの名前を見ると加藤と書いてあった。どうやらこの人は加藤という名字らしい。

 

「あ、あぁ。信じてるからな…」

 

「そんなに不安がらなくても大丈夫ですよ、加藤先輩。」

そう言って俺はその場を離れた。バカな奴だな。何を根拠に俺を信じようと思ったのか。結局はポイントに釣られただけだろうに。とりあえず何か情報を貰えたら姉さんにも教えておくか。

 

それと他にも情報源は確保しておく必要があるな。あと3人くらいにもこの提案をしておくか。Dクラスの2年の先輩とDクラスの3年の先輩にも提案しておこう。情報源が1つだけではその1つに何かあったとき後手にまわる可能性があるからな。過去問のサンプルが1年分だけってのも危険だしな。

 

 

そうやって俺は残り3人の()()()()()()にも提案をのんで貰った。仮にあの4人が南雲や堀北生徒会長あたりに情報を横流ししているとバレたとしても俺が罪にとらわれることは無いだろう。なんせ証拠がない。精々利用させて貰うとしよう。

 

…しかし40万ポイント失ったのは痛いな…




西川って人の本名『西川亮子』ですね。
干支試験で辰グループに入っていたので優秀だと判断しました。
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