それと前話の過去問をくれた先輩の名前を書いておこうと思います。今回、名前だけ登場するので…
オリ主と一番最初に取り引きした2年の先輩:加藤先輩(男)
オリ主と二番目に取り引きした2年の先輩:遠藤先輩(女)
オリ主と三番目に取り引きした3年の先輩:尾形先輩(男)
オリ主と四番目に取り引きした3年の先輩:川上先輩(女)
以上です。
俺は過去問を先輩方から受け取った次の日の放課後に初めて姉さんの勉強会にでた。葛城派閥が教室で勉強しているため、坂柳派閥は空き教室で勉強会を開催している。図書館で勉強会をするという意見も出たが図書館は他学年、他クラスが多いため却下となった。なるべく集中して勉強したほうが労力も時間も少なく済むからな。
「おっ、やってるね」
神室さんや鬼頭当たりはAクラスの中ではそんなに頭がいいわけではないため、姉さん自ら教鞭をとっている。
「神室さん、その解法よりもこちらの解法の方が時間もかからず計算ミスも少ないですよ。」
「…あんた、結構教え方上手いのね。」
「おや、不得意だと思われていたとは心外ですね。」
姉さんがイタズラに成功したように笑う。かわいい。
「ほら、頭いい奴って人に教えるのが苦手なことが多いじゃない。」
「それは本当に問題を理解していないからですよ。理解していればどこで相手が躓いているのかもだいたい分かりますからね。」
「へ~、そういうもんなのね」
会話が一段落したらしいので俺は姉さんたちに話しかける。
「やぁ、結構順調そうかい?」
姉さんと神室さん、鬼頭が俺に視線を送ってくる。
「まぁ、一人で勉強するよりは効率がいいわね。」
「右に同じく。」
どうやら神室さんと鬼頭はこの勉強会に満足しているようだ。
「姉さん、例の物手に入れてきたよ。」
俺は姉さんに2年分の過去問を渡す。それと過去問は周りにバレないよう自然と姉さんに近づき、小声で話す。
「ご苦労様です、流貴。…過去問と今回のテスト範囲が違うようですね。」
姉さんもこちらの意図を汲み取ってくれたのか小声で話してくる。
「ん~でも、2年とも全く同じ問題なんだよ。これはちょっと不自然過ぎない?」
まあ、1週間後には先生からテスト範囲変更と伝えられるだろうけど。
「そうですね。もしかしたら後からテスト範囲の大幅な変更が考えられますね。とはいえ確証はないですから今の所は先生に伝えられた通りの範囲を勉強しておきましょう。テスト範囲でなくても無駄な事にはなりませんからね。」
「そうだね。それと過去問を配布するんだったらテスト3日前とかのほうがいいかもしれない。」
「過去問に頼り過ぎるのは良くないから…ですね?」
姉さんもしっかり理解していたようで何よりだ。
「うん、この過去問を盲目的に信じて貰いたくないし、恐らく次回からは過去問も意味ないと思うからね。」
「そうですね。…流貴も今日はここで勉強していきますか?」
「そうするよ。ちょっといろいろあって勉強時間をあまり取れなくてさ。」
「おや、そうですか。では私がみてあげますよ。」
姉さんが明るい笑顔を向けてくる。
「……わかったよ。」
姉さん、教え方上手いけど明らかに高校レベルでない問題まで出してくるんだよな~。おかげで自信喪失したことも何度かあったっけな。まぁ、応用力は身につくからありがたいんだけどさ。
…1時間後俺の自信は砕け散った…
「それでは今日の勉強会はここまでとしましょう。」
姉さんが勉強会の終わりを告げたため各々帰宅の準備をしていく。
「姉さん、今日は俺の部屋で一緒にご飯食べない?勿論俺が料理を作るからさ。」
最近は姉さんと一緒に夕飯食べてないからな。一人でご飯食べるのって寂しくない?一人で食べた方が落ち着くって人もいるんだろうけど俺は断然複数人で食べたい派だ。
「ではご相伴にあずかりましょう。」
姉さんも快く返事をしてくれた。
「じゃあ、食材買いに行きたいから、ちょっと店に寄ってもいい?」
「えぇ、構いません。」
俺と姉さんは鮭やキノコ、ワカメや豆腐を買っていく。
「今日は何を作るのですか?」
姉さんは夕飯が気になるようだ。
「うん、メインは『鮭とキノコのバター醤油包み焼き』後は味噌汁と軽い和え物を作るつもりたよ。」
「随分と豪華な夕飯ですね。」
「そりゃ、姉さんと久しぶりの夕飯だからね。時間も手間も惜しまないよ。」
「ふふっ、嬉しい限りです。」
俺と姉さんは必要な物を買い上げて俺の部屋に着いた。
「そこら辺でくつろいでてよ。」
俺の部屋は特に特徴といった物はない。机とクッション、ベッド、後は料理道具と最近買ったパソコン位だ。
…パソコンはかなり高かった。性能のいい物を買ったからな。
姉さんはいつも俺と夕飯を食べる時の定位置につく。
「流貴の部屋は相変わらず何もありませんね。」
姉さんが呆れたように呟く。
「別に欲しいものがないんだよ。」
俺は姉さんの会話に応じつつ夕飯の支度をしていく。生鮭に塩コショウをかけてホイルに包み、キノコを食べやすいように切っていく。
「それよりも、姉さん。今回葛城たちに何かするの?」
「特にすることはありません。やることはただの学力勝負ですから。下手な手をうつよりも勉強に専念したほうがいいでしょう。」
姉さんがつまらなそうに話す。姉さん的にはもっと頭を使う刺激的な勝負をしたかったのだろうな。
「なら、もし過去問が有効的だと思えたら葛城に過去問を渡してもいいかい?」
「構いませんよ。過去問を提供した所で私たちが負けることはないでしょう。」
姉さんはどうやら余裕のようだ。葛城お前舐められてるぞ。まあ、葛城には戸塚というお荷物がいる時点で大変だろうな。ガンバレ葛城!姉さんの次に応援してるぞ。
なんて会話していたら粗方料理は出来てきた。
「姉さん、料理出来たから机拭いてくれない?」
「分かりました。」
姉さんがタオルで机を拭いていく。
「よし、お待ちどうさま。」
俺はおぼんを抱えて、夕飯を机に置いていく。
「「いただきます」」
俺と姉さんは食材に感謝しつつ手を合わせて挨拶をした。姉さんが今回のメイン料理、鮭をたべる。
「ど、どう?」
この時の緊張感はどうも慣れない。むず痒くなる感じだ。
「とても美味しいですよ。」
姉さんが笑ってくれる。そこに作り笑顔の気配は見られない。
「ふぅ、よかった」
一安心だ。さて俺も食べていこう。うん、香りのいいキノコとバター醤油の風味が鮭のふわふわとした食感とマッチして美味い。今日は姉さんも食べるから消化吸収がいい鮭と食物繊維豊かな食材で作ったからな。あと、鮭には美肌効果のあるアスタキサンチンも多分に含まれているから健康にも容姿にも気を遣える優れた料理なのだ。
俺と姉さんは談笑しながら食事をしていった。
実に有意義な時間であった。
それと姉さんが食材の代金を渡してきた。要らないといっても強引に渡してきた。…解せぬ。
※※※
さて、今日は葛城派閥の勉強会に突撃していこうと思う。
「失礼するよ。」
自分のクラスなのに挨拶するのって新鮮だな。どこか違和感がある。おっと、葛城派閥の皆さんがこちらを睨んで来ます。幾ら俺が坂柳派閥だからといってこの態度はないのではないだろうか?
「坂柳派筆頭のお前がなんのようだよ?」
戸塚がこちらに詰め寄ってくる。
「やぁ、葛城調子はどうだ?良ければ二人で話せないか?」
俺は
「テメッ!、俺を無視すんな!」
何やら戸塚が怒っているが俺の知ったことではない。
「…戸塚、落ち着け。」
葛城が戸塚を静めようとする。。
「で、でも…」
戸塚は不服そうだな。
「戸塚」
「…分かりました。」
やはり不服なのか、非常に不満げな顔をしている。お前がその顔したってかわいくねぇよ。
「坂柳、俺に何のようだ。」
葛城が冷然と答える。やはり以前のように仲良くはできないか。結構悲しいんだが…
「…悪いが、ここでは話せない。廊下で話せないか?」
俺が葛城と二人で話すのが嫌なのか教室にいた連中が俺に厳しい目を向けてくる。戸塚なんか今にも飛びかかりそうだ。
「分かった、お前たちは少しだけ自習しててくれ。」
「葛城さんいいんですか?…」
戸塚が代表して葛城に確認をとる。
「心配ない。少し話すだけだ。」
俺と葛城は廊下を出て少し離れた所で話す。
「あ~、俺が過去問を手に入れたから葛城にも渡しておこうと思ってな。」
俺は早速本題を切り出す。
「!?」
葛城が驚愕する。…俺そんなに信用ないの?
「なぜ、、、俺に過去問を渡す?そちらとしては俺たちが低い点数を取ってくれた方がいいのではないか?」
「葛城は何か勘違いしているみたいだが、俺個人としては派閥争いに全力をかけて下のクラスに隙を与えるよりも、Aクラスがこのまま独走状態の方が都合がいいからだ。」
葛城はどこか納得していないようだった。葛城視点からみれば現在Aクラスはぶっちぎりの1位。多少他クラスに隙を与えても内側を統制する方が大事だと考えているのだろう。しかし、俺からすればAクラスに他クラスを舐めている余裕なんかない。これっぽっちもない。
なぜなら俺たちAクラスは最初の特別試験:無人島試験で大敗するからだ。さらに干支試験でもボロ負けする。この展開は葛城派を失脚させるために原作通り行われるだろう。葛城に失脚して貰うため、無人島試験で大敗するのは仕方ないが干支試験は俺が指揮を執りたいな。あと、無人島試験の龍園との契約、これも出来ればどうにかしたい。まぁ、ここら辺はおいおい考えていくとしよう。
それと試験だけが問題なだけではない。Dクラスにはあの綾小路がいる。俺たちがAクラスでいられるのは綾小路の気まぐれに過ぎない。奴が本気を出せば差なんてあってないようなものだ。確かに姉さんは綾小路に、対抗出来る希有な逸材だ。だが、身体能力が関わる特別試験は参加出来ないという致命的な欠点がある。
原作では2年生編でもAクラスは首位を保っていた。だが、俺がいるこの世界でもそうなるとは限らない。俺の持っている原作知識はあくまで判断材料に過ぎない。原作がこうだからと盲信するつもりは欠片もない。…特別試験は何らかの手はうっておこう。
葛城がペラペラと過去問をめくる。
「テスト範囲が違うようだが…」
葛城が戸惑った声を出す。
「恐らくテスト範囲の変更があると思う。とはいえ過信は出来ないから引き続き勉強会は開いたほうがいいと思うが。」
「…坂柳、俺個人としてはお前の事を信用しているつもりだ。だが、お互い立場上馴れ合い過ぎるのは良くないと俺は思っている。」
なるほど、どうやら葛城は俺を嫌っていた訳ではないようだ。
「坂柳有栖…アレは危険だぞ?」
これは一種の警告なんだろう。だが俺が姉さんを裏切る事だけは絶対にない。断言できる。
「そうかもしれないな。だが、それでも俺は姉さんについていくさ。」
葛城の判断も別に間違っている訳ではない。ただ、やはりどうしても姉さんと葛城では実力が違うのだ。だから葛城…君はリーダー争いに負けるんだよ。
「俺からの助言だ。葛城はもっと視野を広げた方がいい。勝手に自分で決めつけると後々痛い目に合うぞ。」
そう言って俺は葛城に背をむけてそのまま立ち去っていく。
…明日あたりから加藤先輩たちに情報提供して貰うか…
俺の駒を手に入れるために
※※※
<綾小路視点>
「…堀北さん、こんなんじゃ誰も一緒に勉強なんてしてくれないよ……?」
オレと堀北は須藤たち赤点組を救済するために勉強会を開いたのだがなんと初日で崩壊してしまっている。
「確かに私が間違っていたわ。もし今回あの人たちを赤点回避できても、また同じ窮地に追い込まれる。足手まといには今のうちに脱落してもらった方がいいわね。」
堀北は切り捨てるという選択をしたようだ。
「そんなのって…ね、ねぇ綾小路くん。綾小路くんからも何か言ってよ」
「堀北が結論付けたなら、それでいいんじゃないのか?」
「あ、綾小路くんまで、そんなこと言うの?」
「まぁ、あいつらを切り捨てたいとまでは思ってないけど、オレ自身教えられるような人間じゃないし、どうすることも出来ないからな。結局は堀北と似たようなもんだ」
「……そう、分かった」
櫛田は表情に陰を落とし、鞄を持って立ち上がった。櫛田は一度顔を伏せたが、すぐ顔をあげた。
「…じゃあね二人とも、また明日」
短く言葉を残して立ち去っていく。
「ご苦労だったわね。勉強会はこれで終了よ。」
「そうみたいだな」
静まり返った図書館は不気味な程に静かだった。
「綾小路くんだけは理解してくれたわね。あなただけは、あの下らない人たちよりは幾分かまともと言うことかしら。もし勉強が必要なら、特別に教えてあげるけど?」
「遠慮しておくよ」
「帰るの?」
「須藤たちんところに行く。何となく雑談しにだけどな」
「もうすぐ退学するかも知れない人と接して、得することなんてないわ。」
「オレは単純に、友達と接することは嫌いじゃないんだよ。」
「随分と勝手ね。友人だといっておきながら退学していく様を傍観するなんて。」
それは否定出来ないな、なんて考えながら、オレは図書館を出る。
オレは櫛田の後を追う。勉強会を開くために力を尽くしてくれたお礼と謝罪をしておきたい。
それにほら、可愛い子とは極力仲良くしておきたいだろ?
意気込んで携帯を掴んだその時
ピロン♪
ん、LI○Eか?坂柳から…か
『さっき綾小路のことを茶柱先生が探してたぞ。職員室にいるからなるべく早く来いって。』
茶柱先生が…?どうも腑に落ちないが先生に呼ばれたとなれば櫛田の件は後回しだな。オレは職員室へ向かうために方向転換して小走りでこの場を去った。
…1分程すると屋上へ向かう影が一つだけ現れた…
高評価お願いします…