人生とは選択の連続だと思う……でも、これは絶対違うだろ   作:チョチョイのチョイス

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のうコメ成分を補給するための自給自足


プロローグ

 

 

 

──ポケットモンスター、縮めてポケモン

 

──この"世界"の不思議な不思議な生き物

 

──海に、空に、町に、その種類は今や1000を超える

 

 

 

 

 

そして、そんな世界に転生した俺。

カントーのトキワシティ生まれの23歳。

 

旅を続けて13年。定職につかずに世界をぶらぶらしてるのはもはやニートの1種なんじゃないだろうか。

でもポケモン戦わせてたらお金もらえるし、それで生きていけるんだから問題無いよね?無いったら無い。

 

だが、今現在住んでるこの島で俺はとある学校の非常勤講師をしている。つまり仕事をしている。そうニートじゃない。やったぜ。

 

"ポケモン"というタイトルは聞いたことはあれど前世でプレイなんてしてなかったから、最初は戸惑ったものだが今はもう慣れたものでかなりの経験を積んだ。

 

教師といえど、島から島へ旅をしてきた俺の経験話をする程度のもので授業と言うよりもはやただの思い出話だが……まあ、案外生徒ウケはいい。……いいと思う。そう思いたい…!

 

そんな俺は今、校舎の隅にあるベンチにて缶コーラを片手に休憩中。

仕事着の、慣れないスーツが暑苦しくてかなわんね。

 

午前のみの仕事。午後から暇になるが何をするか。

 

ここは大人しくお家に帰ろうか。嬉しくもない"転生特典"から身を守るにはそれが最適解だし。

 

と、そんな時だった。

 

 

「あ!"チョイス"先生!いたいた!」

 

 

……見つかってしまった。

 

聞きなれた声が背中にかかる。後ろを振り返ればそこには予想通りの人物。

黒髪を後ろで一纏めにし、前髪の一部に緑のメッシュを入れた女生徒。

 

 

「ネモ…」

「チョイス先生、午後から暇なんですよね!私とポケモン勝負しましょう!」

 

 

キラキラしたお目目で近寄ってくるネモ。

ちなみに"チョイス"というのは俺の名前だ。……いや、ほんと、転生特典のこともあってまじで神様のイタズラなんじゃないかな?っていつも思う。

 

この世界を創った神ってアルセウスだっけ?今はとりあえずその神様に恨みを抱いとくことにする。

 

 

「えー、いやでも──」

 

 

帰りたい。切実に帰りたい。

1試合くらいならいいよ?でもこの子相手にすると勝っても負けても次、また次って終わらなくなるんだもん。……まあ、負けたことないけどさ(ドヤ顔)

 

だから俺は『いやだ』と言いたい。言いたいが、

 

 

「────ッ、いいよ!」ニコヤカー

「わあ!やったぁ!」

 

 

俺は満面の笑みでOKを出した。

え?ネモが可哀想だからOKしたって?あー違う違う、そうじゃ、そうじゃなあい。

こっちにも色々事情があんだよ。察してくれ。

 

 

「先生私ね、新しく考えたパーティが5つあって。……それから戦略もうんぬんかんぬん──」

 

 

あ、やべ。これガチで長丁場になるやつや。

 

……ダレカタスケテクレェー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったァ……」

 

 

死んだ顔で帰路につく。

辺りはすっかり暗くなり、既に夜だ。

 

あの時、教師の1人が『そろそろ帰った方が…』と声をかけてくれなかったら確実にまだ続いていただろう。

ありがとう、先生…!

 

この島に来て1年くらい。彼女に目をつけられたのが運の尽き。

まさか、ジム回って、その後四天王とチャンピオン倒したらお目目キラキラで弟子にしてくれなんて言うもんで……いや、断りたかったよ?でもね、"断らせてくれなかったの"。

 

そこから、ぜひうちで教鞭をなんて言われるし。

トレーナーとしての心得なんかないよ?みんな自由にやりな?スタイルなんて各々で見つけるもんよ?

 

ネモちゃんもそこの生徒で、師匠!師匠!なんて呼んでくるし。さすがにアレだから呼び方変えてもらって先生にしてもらったけどさ。

 

 

「くっそ……毎日疲れるなぁ、ほんと……」

 

 

ほんとに疲れる人生だ。こんな転生特典なんていらんわ。

 

そんなことを思いつつ、スマホロトムをポケットから取りだした。

 

ふむふむ……あ、明日の天気は晴れか。あ、ナンジャモ配信してるー。あ、リップ新しい広告出てるー。あ、明日仕事休みだけどちょっと来て欲しいって連絡来てるー。

 

…………………………

………………

………

 

ゲボォッ!!(吐血)

 

おいおいマジかよ、死んだわ俺。

嫌だー、行きたくねー。

 

ここは明日予定が入ってると嘘を──、

 

 

 

そこまで考えた瞬間、世界が止まった。

通り過ぎる人もポケモンも、そらをとぶタクシーも全てがその動きを止めた。

正しく時間が止まったかのような現象。

 

直後、目の前に浮かび上がったものは──

 

 

 

【自身の全勢力を用いて校舎を破壊する。職場を吹き飛ばそう】

【快くOKする。社畜の鑑、君も今日から社畜マスターだ】

 

 

 

そんな文字が書かれた"選択肢"。

 

………クソッタレェ。

この世界に生まれ落ちてから俺を苦しめるこの選択肢。0か100かのような加減知らないそれ。

流石に校舎を破壊するなんて出来るわけが無いだろうが…!

 

つまりはそう強制的に休日出勤だ。死んでしまえ。

 

選びたくない、選びたくないが、選ばなければ時は前に進まない。つまりそう、変に抵抗しようもんならこの止まった時間の中で永遠に拘束されるのだ。

 

さらに厄介なことに選んだ選択肢は強制実行。

達成されるまで自分の体が自分のものじゃないように勝手に動いたりする。もはや俺という存在、魂に疑問を持つほどである。

 

こんな生活を続けて20年強。頭おかしくなるで。

旅に出た理由も今現在教師やってるのも選択肢のせいだしさー、ほんとに俺をどうしたい訳?

 

心の中でため息を零しつつ、休日出勤を覚悟にそちらの選択肢を選ぶ。

上か、下か。選ぼうとすると選択肢の枠が点滅するから、選びたい方を点滅させるように念じ、決定するを心の中で念じた。

 

 

 

──すると時が動き出した

 

 

 

辺りに人の声やポケモンの鳴き声が戻り、街の光りが爛々と輝いている。

そんな中で勝手に動く指。スマホロトムの画面を叩き、メッセージを返した。

 

フッ、明日は仕事か……ヨユーだぜ(震え声)

 

それなら早く家に帰ろう。今はもう休みたい…(切実)

ネモとの楽しい交流によって疲れた体を一刻も早く癒すため急ぎ足で家へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

目を覚ましてからまずすることは歯磨き。そして、朝食を取り、朝風呂にザッパリと入る。

 

風呂から上がったらコーヒーを片手にテレビを視聴。

一段落着いたら着替えを始め、仕事へ行く支度を終わらせる。

 

ここまでが毎朝のルーティーンだ。

 

この間、スマホロトムは起動させない。なぜなら何かしらのイベントが発生するからだ。

この限られた癒しの時間くらいは選択肢など忘れていたいのだ。

 

さて、スマホロトムを起動させメッセージの確認。

 

おや、またナンジャモが配信してるぞ?

朝一番の配信か。恒例になった"おはよう配信"と言うやつか。元気そうで結構結構。

 

チリちゃんから朝8時に電話で起こしてくれと連絡がある。なるほど、今日は外せない用事があるから遅刻したくないわけだ。今は7時半。もう少しか。

 

 

 

 

 

──さて、人の人生とはなんだろうか。

 

俺は【選ぶ】ことだと思う。

 

どこの学校に入り、何に熱中し、何をしたいのか。

全部自分で選び生きていくものだ。

 

朝に何をするか?遊びに誘う相手は?誰と付き合い、誰と子を成し、誰と一生を添いとげるのか?

 

全ては己の選択次第だ。

それが正解か、不正解かは分からない。ただ選んだ道を幸せなものにするのが人の人生というものだと思う。

 

……けどさぁ──、

 

 

 

【ナンジャモの配信に映り込みに行くぞ!今日から君もスーパースターだ!】

【チリちゃんに寝起きドッキリをしかけに行こう!爽やかな朝の目覚めだね!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは絶対に違うだろ




好評だったら続くよ(と思う)
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