人生とは選択の連続だと思う……でも、これは絶対違うだろ 作:チョチョイのチョイス
ありがとね。
さて、やってきたぜセルクルタウン!
こののどかな雰囲気、たまんねぇなぁ〜!
お、住民さんから挨拶された。ここはにこやかに笑顔で返しとこう。
お、生徒さん達もまばらにいるなぁ。まあジム戦するってなればカエデのとこから始めるのが無難だもんな〜。はーい、こんにちは〜。
お、あそこにいるのは緑のメッシュを入れた黒髪のバトルジャンキーじゃないか〜。HAHAHA……、
「…………」
さてと、
逃げるんだよォ〜!!
見つかる前に遠くへ行こう…!
誰にも見つからない場所へ…!
唸れ俺の足──、
【お、ネモじゃないか奇遇だな!】
【お、ネモじゃないか!ジム戦前に勝負してく?】
逃げられねぇなクソ!
やめてくれ!ネモとのポケモン勝負はもういいんだ!助けてくれ!誰か!
「………オ、ネモジャナイカキグウダナー」
「あ!チョイス先生!」
声をかけた途端に嬉々とした表情で駆け寄ってくるネモ。手には既にモンスターボールを握っている。
スゥーーー………やめろよ?やめろよー?フリじゃねーからな?
「ジム戦の前にポケモン勝負しましょー!」
ノォォォォオッ!断る!断固拒否!もう実家に帰らせてもらいます!
【俺も時間無いから……5戦だけな?】
【おいおい0が2つ足りないぞ?】
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
「先生ー!ありがとう!私、頑張ってくるねー!」
「あーうん、がんばえー」
あれから5戦やりました☆
もうヤダあの子。てか、5戦だけな?って言ったらそんなにいいんですか!?だってさ。何かネモは1戦だけのつもりだったらしいわ。
……余計なことしか言わねぇなこのポンコツ選択肢。
とりあえずポケモン達を回復させまして……この後何しよ?
帰ったらに会いに行こうにもどうせチャレンジャー達の相手で忙しいだろうし──、
【時間を潰すためにストリートパフォーマンスをしよう(スタチュー)】
【時間を潰すためにストリートパフォーマンスをしよう(素っ裸でキレのある阿波踊り)】
もう一択なんよこれは。
誰が下選ぶ?選ぶ人いんのこれ?
でもスタチューってあれでしょ?銅像みたいに動かないやつ。……まだ楽そうじゃない?行ける行ける。
……なんかもうこういう選択肢に慣れてる俺が怖いわ。
選んだ瞬間にポーズを決める体。
前世のネットで見たことある躍動感のある歩いてるようなポーズ。
このまま体制をキープ。
「…………」
………………
「…………」
………………
「…………」
………………
「…………」
あ、え?………マジで体動かんやんけ。
あーみんな写真ありがとねー。その前に誰か助けてくれても良き?
マジか、このままずっと?……え?きつ。ていうか瞬きも出来んのやが?めが痛い、乾いてきたぞ。ねぇ、体動かさせて。
……………
ねぇ!なんか反応してよ選択肢さん!
助けて!誰か助けて!
【……………】
【……………】
もう選択肢の意味ねぇよ!なんだそれ!なめとんか!?
「……………」
クソぅ……早く来てくれぇ……カエデぇ…!
あれからどれだけ時間が過ぎたのだろうか。
辺りは暗くなり、それだけで4、5時間はこのまま過ごしていることが分かる。お目目なんて乾きすぎて真っ赤よ。涙が勝手に出てくるァ。この涙は恐らく目が乾いたからだけじゃないと思う。この境遇にこぼした涙なのかもしれん。
話しかけてきてくれる人たちもいたが微動だにしないからだ。どうやれば解放されるのだ。腹も減ってきたんだが?
……え?死ぬ?俺このまま死ぬの?
嫌な死に方すぎる。誰か助け──、
「あ、やっぱりチョイスくんですか〜?」
っ!?この声は!
聞き慣れた女性の声。その声が聞こえた瞬間に体の拘束が外れた。
「ストリートパフォーマンスですか〜?凄いですね〜」
ぱちぱちと手を叩くカエデ。
フッ──
「あ゛り゛か゛と゛う゛ね゛ぇ゛〜ッ!!カ゛エ゛テ゛ェ゛〜ッ!!」
「あらあらどうしました〜?」
目から流れるます涙が止まんねぇよ。
「よく分かりませんけど〜、とりあえずわたしの店に行きましょうか〜」
「うん…!うん…!もうどこにでも行っちゃう…!」
そんなこんなで俺はカエデに背中さすさすされながら歩き出した。
……もうママやん。
「はいどうぞ〜」
出されるお菓子を片っ端からお腹に詰め込んでいく。
美味い!美味い!美味い!美味い!
「相変わらずうれしい食べっぷりですね〜。まだまだ沢山ありますよ〜」
【こんなに食えるかぁッ!!(ちゃぶ台返し)】
【うん!ありがとうママ!(お日様笑顔)】
やめてくれぇ…!(切実)
食べるよ!出されたものは全部食べます!けどママ呼びやめようよ!さっき俺が心の中で思っちゃったからなの?……余計なことしか考えねえな俺。
はあーーーーーー!!(クソデカため息)
「うん!ありがとうママ!」ニコヤカー
「ふふふ、慌てないで食べるんですよ〜?」
何だこの人聖母か?ああなんだ、ただの女神か。
秘めたる己のバブちゃんが出てきちまうな。
「そういや、今日チャレンジャーどれくらい来たの?」
「ざっと10人くらいでしょうか〜。流石に疲れました〜」
「え?そんな中お邪魔してごめん」
「いいえ〜、チョイスくんならいつでも大歓迎ですよ〜」
なんだこの母性の塊。ああなんだ、ただのママか(錯乱)
【今日はママと一緒に寝る】
【今日はママと一緒にお風呂に入る】
\(^o^)/
ほな、警察行きましょうねー。変態です捕まえてくださいって言いながらお手々出しましょうねー。
もうどっち選んでも社会的な死が待ってますがな。やめてくれ。
「……今日はママと一緒に寝る」
「あら、良いですね〜。一緒に寝ます〜?」
ファッ!?なんてこったい!
何だこの包容力!もう惚れそうだわ!いや、まあしかしここはちゃんと冗談と言っとかないとな。
「冗談だよ」
「そうですか、残念ですね〜」
残念!?なんやこいつ、俺のこと好きか?
ちょ……照れんじゃん…?
【そのムチムチの太ももで俺の顔面を"がんせきふうじ"してくれないか?(キメ顔)】
【濃厚な"ドレインキッス"を俺にキメて欲しい!(服脱ぎ脱ぎ)】
失せろ
"カエデ"
ママ。圧倒的ママ。その甘い包容力と甘いお菓子はチョイスをドロドロに溶かした。
チョイスは面白い人という印象。どんなことを言っても冗談ということを理解している。
ただ、ママと言われてどことなく嬉しそうにしていたりもする。
"チョイス"
もはやカエデママの息子。
選択肢もカエデの前だとフルスロットル。下ネタ系の選択肢が増えてしまい、毎度癒しとストレスを同時に感じている。