東方心在録   作:ゼロ・ワン

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さて今更ですが、この作品はトワと霊夢の二人が主人公です。
でも、トワが主人公になるのはまだ先です。

第二話から説明回になっていいんだろうか?


不思議な心と鍵

「さて、何から話そうか。」

 

黒コートの人物改め、トワが腕を組ながらキーブレードの説明の仕方に深く考え混む。

 

「残念ながら私はあの…ハートレスだっけ、のこととかキーブレードとか、何もわからないから早く説明をしてちょうだい。」

 

そんなことを悩んでいても、霊夢からすればさっさと決めて説明してほしい。

 

「なら、先ずはハートレス達の説明をしようか。」

 

霊夢に促されたので人差し指を振りながら説明を始める。

 

「先ず、君たちはハートレスについてどういう認識をしているかい。」

 

「さっきも言ったけど、あいつらのことについて私達は殆どわからないわよ、精々

人妖問わず襲うこと、

攻撃され続けて限界までいったらあいつらになること、

あいつらの狙いは心であること、

その思考は殆ど本能のみの存在で知性を感じる行動をしないこと、

大まかに眼を除いて黒一色の姿の連中と、色とりどりの身体に棘が巻き付いたかのようなハートの模様が身体の何処かにある連中の二つに分類出来ること、あと…」

 

「待って待って、ちょっと待って、殆どわからないんじゃなかったの!?随分詳しく知ってるんだね、ぼくびっくりしちゃったよ!」

 

殆どわからないとはなんだったのか、霊夢はつらつらとハートレスの情報を語っていく、そんな様子にトワは驚愕して一旦止める。

 

 

 

「あら、そうかしら、貴方は知らないかもだけど幻想郷にあいつらが現れてからもう四半期程よ、これくらいわかって当然だと思うけど?」

 

霊夢の言うとおり、幻想郷にハートレスが現れてもう四半期つまり、3ヶ月が経過しており幻想郷の住人も幾つかの情報を獲得していた。

 

「四半期、そんなに経ってるのか…おっと話を遮ってごめんね、話を続けて、把握している情報を最後までお願い。」

 

四半期という部分に何か反応を示すが、トワは直ぐに元に戻って霊夢に話の続きを求める。

 

「そう、なら続けるわよ…え~っと何処まで話したかしら?そうそう思い出した、続きからだけど、

分類した二つのハートレスのうち、後者を倒すとオレンジの光を放つ銀色のハートへと変わって何処かに飛んでいくこと、

そして、そのハートは時間を置くことで再びハートレスへと変化すること、

黒一色の方は倒しても霧散するだけだけど、

見た目と倒したときの変化以外にハートの模様がある方と違いがなくて、二種類の比率に変化がないから多分こっちも復活しているということくらいかしら。」

 

「いや~本当に凄いよ、よくそんなに調べたね、特に最後なんて調べるの相当大変だったんじゃない?」

 

そこまで調べたことにトワは賛辞を送るが、霊夢からすればこれは必要だったから調べたというべきだ。

 

「ハートレスは幻想郷を襲う脅威だったから全力で調べたのよ、でも、あいつらが現れて最初の頃は大して調べてなかったの、ただ討伐していただけで、そのまま死んでいる、と思い込んでいたのよ。」

 

トワのその質問に、霊夢は何故最後の性質が発覚したのか話す。

 

「可笑しいと思ったのは、是非曲直庁に確認をとったときだったわ、あ、是非曲直庁って知ってる?」

 

「うん知ってる、地獄にある司法のことでしょ、霊魂がたどり着く場所。」

 

急に是非曲直庁と言っても、知らないかもと思って尋ねるがトワは知っているらしくそのまま話を進める。

 

「そう、知ってるなら話を戻すけど、ハートレスになると見た目が大幅に変化するから、行方不明になったやつのうち誰がハートレスになってたか確認しようと思ったの、でも誰も居なかった、誰も死んでなんかいなかったのよ。」

 

「ま、そりゃそっかハートレスは心が無いという意味だけど、心が形を持って動いているから内側には無いからってことで、そこに身体も無ければ魂も無いからね。」

 

「え、そうだったの?知らなかった、身体ごと変化してるとかじゃないの?」

 

霊夢は早速、トワからの情報に目を丸くする。

 

 

 

「原理を話せば、ハートレスとは"闇"に囚われた心が変質した存在、ってことは今までの話で予想ついてた、よね?」

 

「心が変化しているのは予想ついてたけど、闇って?」

 

闇、基本は光が無い状態のことだがトワはそういうことを言っているのではないだろう。

 

「心に含まれる悪意の側面からは黒い力が生じる、これが闇って呼ばれるけど、逆に善意の側面からは白い力だから光と呼ばれてる。」

 

「へぇー、闇に光ね、話を続けて。」

 

「そんな闇に囚われた心がハートレスだけど、心だけの状態なのはハートレスになっている間、闇に身体と魂が溶けてしまうからだよ、結構心って不思議なんだ。」

 

理論としては、心に含まれる不思議な力の片割れ闇の存在がハートレスを成り立たせている。

 

「そして、心が内側に含まれていないハートレスは喪失感を本能として他者の心を狙う、襲った心を自分に内包するためにね、でも結局のところ襲ったハートレスの闇によって襲われた心は新たなハートレスとして増殖するだけだけど。」

 

「あいつらの行動原理って何か虚しいのね、正に徒労…か、それで、倒すとハートが跳びだしてるけど、あれはどういうこと?」

 

「倒された場合は、その本来の姿である心へと変化して飛び出す、だけどその心は基本闇に囚われたままで、闇に囚われた心というハートレスの条件が解除されてないから、また時をおいて復活するんだ。」

 

「増殖に…復活ね、それには本当に苦しめられているわ。」

 

増殖と復活、この性質に幻想郷は苦しんでいた、厄介な要素は複数あるがこの二つの性質はその中でも最たるものであり、放置すればどんどん増え何回倒そうが復活するためハートレスは増え続ける。

 

 

 

「それを解決する手段が何を隠そう!この!キーブレード!なのさ!」

 

そう急に高いテンションで霊夢が持つキーブレードに指を指すが霊夢の目は冷やかだ。

 

「それで、結局何なのよそれ。」

 

「え~酷いな~乗ってよ、さっきはあんなに素直に色々話てくれたじゃないか。」

 

「確かに色々と私たちの持つ情報を話したけど、それとテンションを貴方に合わせるのは違うでしょ。」

 

「そっか~じゃ、抑えて言うけどキーブレードには心の力を操る能力を持っている、まぁ洗脳とかじゃなくてさっき言った、光や闇の力を引き出せるし、それに闇に囚われた心の解放なんかも出来る。」

 

「さっきから言ってたけどその"解放"って何よ?言い方からすると特別なようだけど、ハートレスを復活させないようにするなら、消滅とかの言い方になるんじゃないの?」

 

その言葉に霊夢は頭に疑問符を浮かべる、普通に殺すのなら解放という言い方はしないだろう。

 

「ああ、それはね…おや誰か来たようだ。」

 

霊夢に説明しようとしたところで、トワが鳥居の方を向いて誰かの来訪を告げる。

 

 

 

「お~い霊夢~凄いことが起きたぞ~大ニュースだ!…誰だお前。」

 

そこに訪れたのは、典型的な魔女の格好をした博麗霊夢の親友の金髪の少女、霧雨魔理沙(紺珠伝顔)。

 

「へえ~誰だとは言ってくれるね…あと本当にそんな顔するんだ。」

 

「あ~あいつは霧雨魔理沙、まぁまぁ使えるモブとでも思って頂戴。」

 

トワは魔理沙に対して何か知っている素振りを見せるが、小声なので霊夢は気付かずそのまま魔理沙の(雑な)説明をする。

 

「おい!霊夢!誰がモブだ!」

 

「あら、違ったかしら?いつも私の異変解決に着いて来てはうろちょろしてるじゃないの。」

 

「へえ~言ってくれるじゃないか、そう言うなら私が持ってきた凄い情報は教えないぞ、これで今回の異変は私が先に解決しちゃうな。」

 

傍目からは喧嘩してるようだが、二人の笑顔は攻撃的ではあるもののそこには確かに親友への親しみがあり、二人にはじゃれあいに過ぎないのだろう。

 

 

 

「あの~お二人さん、楽しそうにしているところ悪いけどぼくのこと忘れないで欲しいな。」

 

そんなじゃれあいにトワは割って入る、急に蚊帳の外にされたし、話さないといけないことはまだまだあるからだ。

 

「おっとそうだった、誰だお前(紺珠伝顔)」

 

「その顔はもういいよ…飽きた、ぼくはトワ、そこの霊夢が持っている武器"キーブレード"の所有者だよ。」

 

「変な物持ってるな、とは思ったけど、それは武器なのか?」

 

魔理沙が疑問に思う程、キーブレードは珍妙な形をしている、なんと言っても見た目は大きな鍵だから。

 

「そうよ、それでさっきハートレス達と闘ってたときにこれを押し付けられて、仕方ないから使ってみたら一撃で倒せたのよね。」

 

「ハートレス?最近の異変で現れた"あいつら"のことであってる?真っ黒か、変なハートマークがついてる連中?」

 

「うん、それであってるよ、あれくらいのハートレス相手は君たちなら一撃でいけるよ。」

 

「はえ~一撃、あいつら恐ろしく固いのに。」

 

魔理沙はやけにあっさりと信じてくれて、トワは訝しむ。

 

「あっさりぼくの言うことを信じたね、意外。」

 

「いや、お前のことを信じるわけじゃない、あの感が鋭い霊夢が信じてると言ったから信じるだけだよ。」

 

「そういうことか、そういえば君は何かを伝えに来たんだよね。」

 

「あら?そうだったわね、魔理沙早く教えなさいよ。」

 

色々あって、魔理沙が何かを伝えようにしていたことを二人が忘れてたのでトワが話を促す。

 

 

 

「実は、ハートレスになったはずの里の連中が戻ってきたんだよ、今里じゃ話題になってるんだ!」

 

それは今の幻想郷からすると考えられないことだった、何故ならハートレスは何度でもハートレスとして復活し、もし復活しなかったとしても戻ってくるのは驚愕という他ない。

 

「え?戻ってきた?…!…それって何人だったの?もしかして五人だった?」

 

「え?正解、感が鋭いとはいえよく当てたな。」

 

霊夢は感が鋭いが、それだけが当てられた理由ではない、その答えは今霊夢が顔を向けている人物にある。

 

「ねえ、もしかして貴方が言ってた"解放"ってこういうこと?」

 

「そ、これが解放、キーブレードの力によって闇から解放された心は闇に溶けていた身体と魂も戻って、元の場所で元の存在として復活するんだ。」

 

解放とは何なのか考えてた矢先にその答えが、魔理沙に伝えられた上でトワもそれを肯定する。

 

「トワ、だっけ、霊夢に何を教えたんだ、私には話が見えないんだが。」

 

魔理沙だけは訳がわからずぽけーっとしていた。

 

 

 

魔理沙に先ほどまで霊夢と話していたことを話して納得してもらってから。

 

「取り敢えずキーブレードならハートレスを簡単に倒せるし、ハートレスを元の存在に戻せるよ。」

 

「確かにハートレスを簡単に倒せるし何だったら元に戻せるのは助かるわ、一本しかないから助けに来たっていうには無茶だと思うけど。」

 

被害者兼加害者は数えられない程沢山居る、キーブレード一本ではいつまで掛かるかわかったものではない。

 

「あ、そうだ、それはぼくのだから返してもらうよ。」

 

シュパン

 

その一本も今、強制的に回収される。

 

「!ちょっと!幻想郷を救うんじゃなかったの!それとも自分がやるからここで見てろとでも言うの!」

 

「そうだそうだ!幻想郷を見捨てるのか!?」

 

トワの意味不明な行動に二人は仰天と怒りを現にする。

 

「いやこれぼくのキーブレードだから、お試しで貸しただけだから、…そしてお試し期間も終わったから幻想郷の方々に配ろうかな~っと。」

 

「「はい?」」

 

後にトワが語ったところ、この時の二人の頭上には今までの人生でも最大の疑問符が浮いているようだったという。




これから、皆に配りますよ。

以下捕捉説明
ハートレスは闇から解放しない限り何度でも復活する。
だが、解放する手段はキングダムハーツ本編作中でも三通りしかなく、そのうちキーブレード以外は存在が希少すぎるため、それぞれ一回しか解放のシーンが描かれていない。

そんな、設定があるにも関わらず解放されているかどうかの見た目の差異は、そもそも主人公がキーブレードの使い手なので殆どの作品で描かれていない。

例外的に、キーブレードの使い手以外も操作出来るし、ストーリー的に他の作品よりも解放に大きな意味のある、
キングダムハーツ358デイズオーバーツー(以降はdays と記載します。)だけはしっかり、ゲームシステムで止めが誰かでハートが解放された状態の桃色か、復活する銀色かに変化する。
本作品ではそれを採用しています。
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