東方心在録   作:ゼロ・ワン

9 / 10
過去編三話目です。

若干、描写が安定しないのをどうにかしないとですね。


Q問題は解決しましたか?A辛うじて

「そういえば、トワは何処か住む場所はあるのかしら?」

 

オレットからのその一言に、トワはあからさまにうぐっと言わんばかりの顔をする。

 

「それは、その…無いです。」

 

気が付いたらトワイライトタウンに居たので、トワに基盤等何も無い。

 

「それは不味いね、僕たちの家に泊めるのも一日二日くらいなら兎も角、ずっとは難しいよ。」

 

「だよね…知ってた、本当にどうしよっか…ホームレスは嫌だしね…。」

 

ピンツの言うとおり、三人の家に泊めてもらうというのは現実的ではない。

 

「なら、ここ使えよ、流石に家が無いのは可哀想だしな。」

 

その解決案としてハイネが三人の溜まり場である高架下を使うことを提案する。

 

「良い案だけど、それだと寝泊まりしか出来ないわ、生きていくための物は用意出来ないし、物もそんなに無いわよ。」

 

「大丈夫、働くから、でも…その…アルバイト紹介してくれるところを教えてくれないかな?」

 

オレットのその現実的な話に、トワは先ほどから住所不定無職ということを突き付けられて弱々になりながらも、生活費を稼ぐために働くことを決める。

 

『いくら好きな世界に来たとはいえ、苦労して会社入ったのにアルバイト生活か…いやいや、ロクサスとシオンのイチャイチャとアクセル含めた三人の熱い友情を見るんだ。』

 

裏ではそんなことを考えているが、話は進む。

 

「よしっ!それなら付いて来てくれ、バイトの求人が張られているとこに連れてくからさ。」

 

『Ⅱの序盤で行くあそこかな?』

 

そう言うハイネの言葉に、全員でとある場所に向かった。

 

 

「さ、ここだ!」

 

ハイネに連れて来られたのは、路地裏から出た坂を下ったところにある掲示板だった。

 

『おお~、やっぱりロクサスがバイトを探してたところだ!』

 

「?どうかしたの?黙っちゃって?」

 

「!いや、何がいいかな?って考えていたんだよ。」

 

オレットからのその質問だが、内心別のことを考えていたので慌てて誤魔化す。

 

「どれにするの?僕は手紙配達をお勧めするよ。」

 

「うん!それにしよう。」

 

そういうことで、アルバイト先に向かう。

 

 

アルバイトを終えて、トワは坂を登って路地裏へと

 

『良かった~仕事の筋が良いから今後も雇ってくれるって言ってくれたよ。』

 

そう思いながら、トワは帰路につくが本人が回想しているとおり、何とかアルバイトを今後も出来るようになった。

 

『それにしても、手紙配達の内容は少し違ったね、そんなに時間に追われなかったし、それに小鳥にも出さずに済んだし。』

 

そう思いながら、路地裏に足を踏み入れる。

 

『あれは、ゲーム的演出ってことかな~「キャー!」え?』

 

そこで、誰かの悲鳴が響き渡る。

 

「今のは…オレットの声!」

 

急いで、高架下へと向かうとそこには、

 

「ハートレス…!」

 

シャドウと黒い靄に顔がついたようなシャドウと同じピュアブラッドのポセッサーが三体ずつ、高架下の入り口でピンツとオレットを庇うように立っていたハイネと睨み合っていた。

 

『行かなきゃ不味い、不味いんだけど…。』

 

トワは何故か急に止まって高架下が見える位地で動かなくなってしまう。

 

『動かないと、闘わないといけないのに…痛いのは…怖い。』

 

トワは先ほどの経験から闘いに対して及び腰となってしまっていた。

高まった身体能力により一回攻撃を受けた程度では動けるとはいえ、痛いものは痛いのだ。

先ほどの痛みは今までの人生で、感じたことがないほどの激痛だったから闘いが怖かった。

そんな風に葛藤しているトワが居ることに全員気付かず、ついにシャドウの一体がハイネに向かってひっかこうとする。

 

「そんなの当たるか、よ!」

 

軽く横に避けて、隙が出来たところで側面を蹴りつける。

その最初の一体を皮切りに他の二体も続々と動き出すが、元々動きが鈍いシャドウ、ハイネは大きく躱しながらも攻撃が当たりそうな、危うい場面はない。

 

『良かった大丈夫そうだ、!?っ!違う!ぼく何考えてるんだ!もう魔力が回復した感覚はあるのに!ぼくが動かないと…いけないのに。』

 

安心してハイネが闘う様子を見ていたが、考えてはいけないことを考えてしまい、途中で顔に手をあて空を仰ぎ見る。

 

『ハイネはキーブレードを持ってないんだぞ!倒せるわけがないんだ!でも…。』

 

そう葛藤している間にも、ハイネはシャドウ達と闘うが崎ほどまで戦闘に参加していなかった、ポセッサーも一体弾むようにして、ハイネに飛び掛かる。

 

「お前も動いたか、でもこいつらと同じで遅いな。」

 

こちらも避けて、ポセッサーにはタックルを仕掛けるが、「!?何だ!離れろ!」攻撃を受けながらもポセッサーがその靄の身体を生かして纏わりつく。

 

「離れっ、グアアァァ!」

 

「「ハイネ!」」

 

『そんな!ぼくは大人なんだぞ!動かないと!』

 

纏わりついたポセッサーがハイネを痛めつけ、痛みから踞ってしまう。

 

そして、そんな隙をハートレス達が見逃すはずもなく。

 

『不味い!』

 

残り二体のポセッサーもハイネに纏わりつこうとする。

 

「ファイア!」

 

「今のは…もしかして!」

 

「魔法!」

 

二体のポセッサーは突如として飛んできた炎が一体に着弾して、その直後の軽い爆発によって消し飛ぶ。

 

「三人共ごめん…遅くなった。」

 

「「トワ!来てくれたのかい!」ね!」

 

トワのその言葉は恐怖を抑えながら、絞り出したものだったが、二人は気付かずにトワが来たことを喜ぶ。

 

「ハイネ!待ってて、今助けるから!」

 

先ほどのファイアによってシャドウの気を引き、三人からトワへと攻撃対象を変え、影となって迫る。

 

「っ!」

 

『はぁ、落ち着け、まだ距離はあるし、身体能力はこっちの方が上、それに魔法も後二回使えるから、勝てる。』

 

さっきは魔法三回で倒そうになったが、裏を返せば二回使う分には問題なく、三回目の命中をもって全滅されば問題はない。

 

「っ!来た!」

 

影となって迫るシャドウだが、この形態には水属性の魔法を除いて干渉されなくなるためほぼ無敵となるが、欠点としてシャドウ自身も他者に干渉出来なくなるため攻撃する際は戻る必要がある。

 

「今だ!」

 

つまり、影が戻った瞬間の無防備なところで殴ってしまえば、今のように楽に倒せる。

 

『よし…いけた、シャドウなら落ち着けば倒せる、震えるな。』

 

その一体を倒し、直後他の二体も影から戻っての引っ掻きを行うが、「食らうか。」ガードして耐える。

 

『痺れるけど、激痛ってわけじゃない、この程度で倒れるわけない。』

 

シャドウは原作において基本最後まで登場するが、最初から登場する最弱のハートレスでもある、その攻撃もガードすれば大したことない。

 

「離れろ!」

 

カウンターで、キーブレードを振り抜いて二体を吹き飛ばして、そのうち一体に兜割りを当てて倒す。

 

『これで後一体ずつ、それに、ぼくは魔力を未だ二回分残してる!』

 

それはつまり、魔法を一体ずつに使うことが可能になったということ、そのまま「サンダー!」最後のシャドウを倒す。

 

「凄いよ、トワ!本当にハートレスと闘えたんだね。」

 

そこまでを見てピンツが、驚きと喜びの声を上げる。

 

「トワ、未だハイネが取り付かれてるの、助けてあげて!」

 

そこで、ハイネにポセッサーが取り付かれていることを知らないであろうトワにオレットが頼むハイネに頼む。

 

『ごめんオレット、実はそれ知っているんだ、その分全力で対処する!』

 

内心ではそう思いつつトワは、「任せて、どうにかするから。」そう言う。

 

『とは言ったものの、どうしようか。』

 

その視線の先には、歯を食い縛って痛みに耐えているハイネがいた。

 

「ウゥゥ、…トワか、悪い助けてくれ、このままだと俺までハートレスになりそうだ。」

 

「ごめん、少しだけ考えさせて。」

 

さて、トワは何故考えているのだろうか?それはポセッサーがハイネに付いている関係で、このままだとハイネにも攻撃が当たってしまう。

 

『どうする、最悪このままハイネをハートレスにしてから戻すべきかな…?どうせ元に戻るんだし。』

 

その投げ槍な心を受けて、密かにキーブレードから僅かな闇が漏れ出る。

 

『!?駄目駄目、何か別の手段を考えないと、何か!何か無いか。』

 

運良く三人は気が付いていなかったが、自分のキーブレードから闇が出ているのを見て、頭を抑えながら考えを改める。

 

「トワ!早く頼む!」

 

「ハイネ!トワ、お願いだから、速く助けて!」

 

「ああああ!もう悩んでいられるか!」

 

「「「!?」」」

 

ハイネとピンツの懇願を受けて、先ほどからストレスが溜まり続けていたトワが限界となって叫ぶ。

 

『キーブレードは心の力!割りと勢いでいける面がある、ぼくはもう勢いで行く!』

 

その思考を元に、キーブレードを掲げる。

 

「光よ!」

 

その瞬間、闇を薄く纏っていたキーブレードから代わりに眩い光が溢れ出す。

 

ホーリー

 

「出てきた!」

 

オレットが言うとおり、その光がハイネに触れた途端、ポセッサーが弾き出される。

 

「手古摺らせてくれたね!」

 

キーブレードにその光を纏わせたまま、ポセッサーを切り捨てる。

 

 

「はぁはぁ、…あ、ごめんハイネまだ痛いだろう、ケアル、っやっぱりこの感覚はきついね。」

 

トワは残っていた魔力を使用し、まだ痛みから踞っていたハイネが緑の光に包まれ、その苦痛の表情が和らぐ。

 

「トワ助かった、今度は俺が助けてもらっちまったな、ありがとう。」

 

『うっ、ぼくに感謝しないでくれぼくは保身を考えていたような人間だからさ、…やっぱり言わないと駄目だよね。』

 

立ち上がりながらそう言うハイネに、トワは申し訳ない様子で告白する。

 

「実はぼく、ハイネが闘ってたところを見てたんだ。」

 

「やっぱりそうか。」

 

「え、気付いてたの?どうして?」

 

その言葉に目を丸くしながら、ハイネに質問し、オレットとピンツはその答えをゆっくりと待つ。

 

「だって、お前はさっき遅くなったって言っただろ、気が付いて直ぐに闘うなら、今助けるとかだろ、だからそうだろうなってな。」

 

そのハイネの言葉を受けて、トワはしなしなになりながら謝る。

 

「ごめん、さっき負けてからどうしても闘うのが怖くて、いや、まともに闘えば勝てるのは分かってたけど、足が動かなくてね。」

 

その言葉は割りと言い訳だらけだったが「いや、それは言い訳か、すまなかった、君たちよりも年上なのに、保身を考えてしまった。」直ぐに真っ当な謝罪を行う。

 

「許すよ、最初は動けなかったとは言っても、結局は助けてくれただろ、それでチャラだ。」

 

「いいのかい?」

 

「いいさ、その代わりだけど、俺たちの街を守ってくれないか?勿論出来る範囲でいいからさ。」

 

「うん、分かった、それにぼくももうこんなダサいのは…自分でも嫌だからね。」

 

ハイネの言葉とトワのその思いもあって、トワはこれからハートレスとの闘いに積極的に赴くことになる。




ハイネは何か、ⅢでⅠのラスボスに後ろから跳び蹴りしていたイメージが強いんですよね。
直後に脚を捕まれて逆さまに吊るされていたところまで含めて。

補足説明

アクセル
とある組織の八番目、ロクサスとシオンの親友。
仕事終わりにはよく二人と甘くてしょっぱいアイス、シーソルトアイスを駅の時計台の縁に腰掛けながら食べる。
七番目とはロクサスとシオンより前からの親友だが、二人と仲良くなったこともあり疎遠になりかけている。
二人が組織へと加入した目的とは違うからだ。

次回からまた本編に戻ります。
過去編を投稿する前のエピソードの直後に投稿するので、お気をつけてください。
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