一応は副船長やってます。   作:アルピ交通事務局

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正しさのものさし

 

「ついたぁ!ついたぞ、大輔!」

 

「おう……お前さんが滅茶苦茶やらなきゃ問題無く辿り着く事が証明されたな」

 

「お二人とも、航海術が無いのに海に出ているのですか!?」

 

「いや、俺は航海術は持ってるさ。ただ、船長が破天荒すぎるんでな」

 

 コビーと共に海を渡って辿り着いた島。なんの島なのか気にしなくてもいい、コビーが居るって事はあの島だろう。

 正式名称は忘れちまってるがなんだかんだで島に辿り着く事に成功した。

 

「ルフィ、ちょっと一服してくる……飯屋に行くなら行って来い」

 

「おう!」

 

 大海原を掛ける船じゃなくてただのボートだからな、タバコを吸うに吸えねえ。喫煙者だが、流石にその辺の空気は読む。

 ルフィに飯を食って来いと言いつつ、何処かに喫煙が出来るスペースはないのか?風潮なのか少年誌の世界だからかは分からねえが、路上喫煙は禁止されている。幸いにも喫煙出来るスペースはある。

 

「ふぅ……やめられねえな」

 

 スポーツ特化の転生者は吸わねえらしい。というかそもそもで吸う転生者は少ないらしいが、俺はガンガン吸うぞ。

 マルボロのメンソールに近い味があったからな、コレが気に入っている。電子タバコは……ベガパンクに出会えさえすれば吸えるかもな。煙管や水タバコは合わねえ。葉巻も合わねえ。俺に合うのはタバコだ。

 

「……まぁ、問題ねえか」

 

 見聞色の覇気を用いて島を感じる。万が一が起きる可能性があると思ってみたが、この島にルフィを倒せる奴は存在しねえ。

 ルフィを倒すには武装色の覇気を纏っている攻撃じゃねえと……ふ〜……美味えな。

 

「スッキリした……飯でも食いに行くか」

 

 一服し終えたので、ルフィのところに向かう。

 ルフィのところに辿り着けばルフィは店の食材全部平らげるんじゃねえのかと思えるぐらいに飯を食っていた。コビーはそれを見て青ざめている。明らかに食っている飯の量がルフィの体積を越えている。金に関しては問題はねえ。その辺の石ころを純金に錬成すりゃどうにでもなる。

 

「おー!大輔、ここ美味えぞ!」

 

「なら、味わって食えよ……魚フライ定食な」

 

「は、はい」

 

「コビーは全然食ってねえけど問題ねえのか?」

 

「い、いや……ルフィさんの食べっぷりを見たら満腹になっちゃいます」

 

 魚フライ定食を頼むが、コビーが全然食ってねえ事に気付く。

 ルフィの食欲に圧倒されている、まぁ、数年以上の付き合いがあるが大食いは馴れねえ。だが、それで食欲が失せてしまえば元も子もねえ。

 魚フライ定食が来たから頂く。ヒラメのフライがかなり美味え。

 

「とりあえず、航海士は仲間にしなきゃならねえが……他にも色々と仲間にしなきゃならねえな」

 

「そうだな……海賊王になる男の船員(クルー)なら世界一のガンマンだけじゃなくて世界一の剣豪も欲しいな」

 

「え、世界一のガンマン?」

 

「おう!大輔は世界一のガンマンだ!」

 

「上には上がいる……まぁ、未来の海賊王に言われれば悪い気はしねえな」

 

 世界一のガンマンが誰なのかとなるコビー。

 俺のことをルフィは認めてくれているみたいでなによりだ。

 

「剣豪ですか……この近隣で有名なのはロロノア・ゾロ」

 

「ぞ、ゾロォオオオ!?」

 

「…………おばちゃん、味噌汁おかわり」

 

 剣士として有名な存在を出せば街の住人は異常なまでのリアクションを取る。

 俺は具体的な内容を知っているのでおばちゃんに味噌汁の要求をしておく。コビーとルフィはなんの事だとなっているが気にしねえ。

 

「コビーは海軍に入るなら、挨拶しとかなきゃな……この島はモーガンとか言う大佐が」

 

「モーガン!?」

 

 オーバーなリアクションが多いな。

 気にしてたらきりがねえからとおかわりの味噌汁を啜る。この世界、色々と謎なところがあるが飯が美味え事はなによりだ。飯が美味くねえ世界とかなら最悪だぜ。典型的なナーロッパならば尚更だ……いや、ナーロッパは食文化が発展してるか。

 

「ごっそさん……ルフィ、行くか」

 

「ああ」

 

 俺が飯を食い終われば、代金を支払い店を出る。ルフィは店内に居た他の客達が面白かったなと笑うがコビーはなんなのか気にしている。

 気にしているが、まぁ、あんまり気にしてたらキリがねえと歩き……海軍基地に辿り着いた。

 

「お〜……ここが海軍基地か。近くで見りゃデケえな」

 

「デカくなけりゃ意味ねえだろ、抑止力だ、抑止力……コビー、海軍は厳しいところだ。お前が怯えていたアルビダは雑魚も同然の世界になる……腹ぁ括れよ?」

 

「うっ!?……」

 

「…………まだまだか」

 

 此処から先は厳しい世界な事を言えば心拍数などを上げて不安な気持ちになるコビー。

 後押しをしたつもりだが、逆にそれが心を追い詰める……心の力は割とバカには出来ねえ。覇気なんて心一つで左右されるからな。

 コビーを勇気づける言葉の1つでも送ってやるかと考えていると腹の虫が鳴る音が聞こえる。俺達はさっきまで飯を食っていたから空腹音は鳴らねえ。何処から聞こえたんだとルフィは海軍基地を覗き込む。

 

「なんだ?あいつ?縛られてるぞ?」

 

「あ……アレは、海賊狩りのゾロ!?」

 

 海軍基地にポツンとロロノア・ゾロが縛られていた。コビーはゾロの詳しい詳細を知っているのか物凄く驚いている。

 

「よぉ……この縄を解いてくれねえか?流石にこの体制は厳しくてな」

 

「お前さんが噂に聞くロロノア・ゾロか…………伝説の末裔か」

 

 公式というか尾田神が伝説の剣豪、リューマの子孫がロロノア・ゾロだと認めている。

 本人はその事を自覚してねえが、霜月の血は混じっている。

 

「なに、礼ならするぜ。その辺の賞金首を狩ってくる」

 

「おいおい、誰に物を言ってるんだ?」

 

 俺はワルサーP38を取り出してゾロに向かって撃った。

 

「ちょ、ちょっと大輔さんなにやってるんですか!?」

 

「コビー、忘れて貰ったら困る。俺とルフィは海賊なんだよ……向こうは海賊狩りなんて異名を持ってる男だ……自力で脱出する事ぐらい可能だろ?」

 

「それが出来ねえから……!」

 

「にっしっし、流石は大輔だな!」

 

 俺が外れる弾を撃つと思ったら大間違いだ。ゾロがあることに気付くが、驚いた顔をしている。ルフィは俺がなにをしたのかに気づいている。

 ここからどうしたもんかと思っていると梯子がかけられて1人の女の子がやって来た。

 

「お兄ちゃん、コレ」

 

「あ?」

 

「9日間も飲まず食わずだなんて辛いでしょ!だからおにぎりを握ってきたの!」

 

「誰がんなの用意しろって言ったんだ?」

 

「もーっ!」

 

「訳アリの様ですね……海賊狩りのゾロは賞金首でなく賞金稼ぎ、海軍に感謝される事はあれどもあの様に縛り付けられる事は無いです」

 

 女の子が持ってきたおにぎりを拒むゾロ。

 コビーはなにやら込み入った事情があるのだと察するのだが、コツコツと歩く音が聞こえて見事なまでのマッシュルームヘアーな男がやってきた。

 

「なんだぁ?発砲音が聞こえたと思ったらまだ生きてるじゃねえか」

 

「っち……」

 

 余計な奴が来ちまったと舌打ちをするゾロ。

 奴の名前は……なんだっけ?ベルベット?……いや、それは転生する度に諏訪部キャラになる男の嫁だ。まぁ、とにかく厄介なのがやって来たんだと舌打ちをすると女の子のおにぎりを見る。

 

「おやおや、おじょうちゃん俺に差し入れかい?握り飯か」

 

「あ、ダメ!それは」

 

「ペッペッペ!なんだこりゃ、砂糖で握ってるぞ!!」

 

「だって、そっちの方が美味しいって」

 

「美味くねえんだよ!!」

 

 バカは女の子の砂糖の握り飯を踏み潰す。女の子は涙を流すがバカは舌打ちして取り巻きの海兵に女の子を投げ飛ばさせる。

 全くよぉ、忍界もそうだがグランドラインも大分民度が低いぞ。海賊が当たり前の世界ならば尚更かもしれねえけどよ。

 

「お前、海賊狩りなんだろ?あんなのどうにでもなるだろう」

 

「なんだ、まだ居たのか……」

 

「おう……オレ、今海賊の仲間になってくれる奴を探してるんだ」

 

「なんだ?助けるから海賊になれってか?」

 

「んなつまんねえことはしねえよ!」

 

「…………すまねえが、それを取ってくれねえか……悪いが、こっちも手を放すに放せなくてよ」

 

 ルフィと会話をするゾロ。

 女の子の潰れたおにぎりを食べたいと言うのでゾロに渡せばゾロはジャリジャリと音を響かせて嫌な顔をしておにぎりを食べた。

 

「あいつに礼を言ってくれ、美味いおにぎりだったってな」

 

「……なんだお前、いいやつじゃねえか……大輔、コビー、あの子に教えに行こうぜ」

 

 ゾロがどんなやつか分かれば笑うルフィ。

 さっきの女の子のところにまで向かいおにぎりは美味かった事を伝えれば女の子は喜ぶが直ぐに悲しい顔をする。

 

「あのマッシュルームヘアのバカが迷惑かけてるのか?」

 

「うん……あいつはモーガンっていうこの島で一番偉い大佐の息子でそれを理由にワガママし放題。それだけじゃなくてモーガンもワガママし放題。誰も望んでないのに税金を巻き上げて自分の銅像を作ってるの」

 

「悪趣味だな……」

 

「もとを正せばあのお兄ちゃんは私がモーガン大佐の息子が飼ってる狼に襲われそうになったところを助けて……悪いのはモーガン親子なのよ!逆らえば死刑だなんて海賊よ!」

 

「なに言ってるんだよ、海賊にだってルールぐらいある!」

 

「そこを威張りあってどうするんですか……でも……」

 

 あんなのが自分が夢見ていた海軍の正体なのかと落ち込むコビー。

 悪いのはモーガン親子、どうにかしたいとは思っているだろうがどうにかする術を自分は持っていない、どうにかすると言う思いはあっても最後の一歩は踏み出せない。

 

「頭が高い!頭が高いぞ、お前等!俺を誰だと思っているんだ!モーガン大佐の息子だぞ!」

 

 あ〜アレだ。後で報告しておくしかねえよな。

 知識として知っていたことだが、いざ目の当たりになっちまえばなんとも言えねえ気持ちになるな。

 

「おい、ロロノア・ゾロの処刑準備は進んでいるか?」

 

「はい!3日後に」

 

「処刑?……おい、ちょっと待てよ。ゾロの奴は1か月間貼り付けられてたら免罪じゃねえのか?」

 

「バーカ!俺の狼を殺したんだ、そんなの許すわけねえだろう!!」

 

「…………ルフィ、俺とお前は駆け出しとはいえ海賊だ……目の前に居るのは海軍だ。どうする?」

 

「決まってんだろ」

 

「へヴァ!?」

 

 ルフィはモーガン大佐の息子を殴り飛ばした。

 なんの迷いもなくモーガン大佐の息子を殴り飛ばしたから、この街の住人がありえないと目玉が飛び出ている。

 

「大輔、オレは決めたぞ!ゾロを仲間にする!」

 

「そうか……じゃあ、早速スカウトに行くしかないか」

 

 ゾロを仲間にする事を決めたルフィ。

 モーガン大佐の息子の恩恵を受けていた取り巻きの海兵が銃を向けてくるので撃つよりも前にワルサーP38で撃ち返した。

 

「テメエの正義(正しさ)も仁義もなにもねえ奴には俺の刃は届かねえ……」

 

「行くか」

 

「ああ」

 

 武器を壊したから殴りかかってくるかと思ったが、そうでもなかった。

 モーガン大佐の息子が走り去って逃げていった。モーガン大佐にチクりに行ったんだろうが、俺達も同じ方向を歩く。

 

「よぉ」

 

「んだよ……またお前達か」

 

「そう邪見すんなよ。面白い情報を教えにきたんだからよ」

 

「面白い情報だぁ?」

 

 ルフィがゴムの体を活かして、海軍基地の最上階に登った。

 俺も追いかけても構わねえんだが、ルフィに任せても問題ねえ事だからゾロに会いに行く。コビーはルフィに付いてるな。

 

「あのキノコ頭、お前を3日後に殺す予定だとよ」

 

「あぁ…………あんの野郎!」

 

「折角のチャンスを不意にしたな」

 

 自分が騙されていた事に気付くと額に青筋を浮かび上げるゾロ。

 折角、ゾロというやばい存在から逃れる事が出来るってのにわざわざ地雷を踏みに行っている。馬鹿としか言いようがねえよ。

 

「麦わらの仲間だ!」

 

「おう……仲間じゃなくて部下だがな……お前等、あんなのが大佐であんなのの言う事を聞き続けていいのか?お前等が最初に思っていた正義と現実が異なるならば現実を変えようと躍起にならねえのか?人間に生まれたならば文句を言う前に自分で何かを成し遂げようとは思わねえのか?」

 

 ルフィが思う存分に暴れ回っているのか、海兵が俺達の前に現れている。

 武装している海兵達、明らかに間違っているのは海兵達だ。だから、それが本当の正義なのか?テメエの物差しで正しいと胸張って言えることなのかを聴いてみれば一部は黙った。

 

「力に正しいも間違いも存在しねえ、力は何処まで行っても力だ。だからこそ、自分の物差しが大事だ……お前等が正しいって思うならば文句は言わねえが、どうするつもりだ?」

 

「っ……」

 

「海軍こそが正義だ!!海賊如きの言うことに耳を貸すな!!」

 

 迷いがある海兵でないモーガン大佐の息子の取り巻きになることで恩恵を受けていた海兵は剣を手に取る。

 テメエの物差しでそれが正しいというのならばそれで構わねえ。だが、俺の物差しでムカつくのならば遠慮無く撃ち抜く。見聞色の覇気で迷いを持っている海兵を読み取る。迷いを持っている海兵が殆どだった。甘い汁を吸うことが出来ている奴だけが偉そうに言っている。

 なら、やることは決まりだとコルト・パイソンを取り出して1発、2発、3発と甘い汁を吸っていた海兵だけを撃ち抜いた。

 

「無駄な殺しは船長からやめろと言われてるからな……俺も殺る時は殺るが、それ以外はしねえ主義だ……だが、忘れるなよ。テメエ等は自らの意思で此処に立ってることをよ」

 

「っ……」

 

「テメエ、相当強えな」

 

「気の所為だよ……お、戻ってきたか」

 

「ゾロさん、どれがゾロさんの刀か分かりませんけども持ってきましたよ!」

 

 コビーを背中に乗せたルフィが現れた。コビーがどれか分からないがと3本の刀を見せればゾロは笑みを浮かび上げる。

 

「3本ともオレのだ……返してもらうぜ」

 

「は、はい!って、その前に縄を解かないと」

 

「問題ねえよ」

 

 ゾロは何事もないかのように縄から抜け出した。

 コビーはええ!っと驚いているが、別にゾロが怪力だから破ることが出来たとかじゃねえ。俺が銃をゾロに撃ったのはゾロのロープを斬るためだけだ。ゾロが本気で抜け出す気があるならば、何時でも破れるぐらいに仕掛けてある。

 

「居たぞぉ!!」

 

「ふ〜……やっぱダメだな。オレぁ、1日でも練習とかサボると違和感を感じちまう……」

 

 ゾロはコビーから3本の刀を受け取る。

 

「ルフィ、言うべきことはお前が言えよ」

 

「ゾロ、お前、オレの船に乗ってくれよ!」

 

「ったく、今それ言うか?今この状況を脱出するには海兵を倒さなきゃならねえ。どちらにせよ、オレは追われる身……まぁ、夢を叶えるまで死ぬわけにはいかねえか。しょうがねえからお前の船に乗ってやるよ」

 

 とか言いつつも割とノリ気のゾロだな。腕に大きな斧がついている海兵、モーガンが自分よりも階級の低い海兵を引き連れてきた。

 こりゃやるしかねえなとワルサーP38で応戦する事を考えているとルフィが待ったをかける。

 

「オレは海賊王を目指してるんだ……だから、その船の一員に相応しい奴が欲しい。世界一の剣豪が仲間なんて海賊王らしくねえか?」

 

「世界一の剣豪か……言われてみればアイツも海賊みてえなもんか……なら、見ておけ。何れは世界一の剣豪になる男をよ!」

 

 ここはゾロの出番か。

 俺が水を差すわけにはいかねえな……ゾロは飲まず食わずの空腹のハンデがあるにも関わらず、モーガン達を蹴散らした。

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