「にっしっし……オレの手配書」
「ルフィ、その手配書には俺も写ってんだ!忘れんじゃねえぞ!」
「写ってるって後頭部だけでしょう!はぁ……遂に私達も本格的な海賊の仲間入りね」
自分の手配書を見て喜んでいるルフィ。
後頭部がチラッとだけだがウソップも映っておりその事を自慢気に語るのだがナミが冷静になりツッコミを入れる。
そして落ち込む、自分達も本格的な海賊の仲間入りだと
「懸賞金30,000,000ベリーか……
「なんだ?今更怖気づいたのか?」
「誰がビビるかよ……ただ東の海じゃ30,000,000ベリーは破格な金額だ。この額にまで行けばもっと腕の立つ賞金稼ぎがやってくる」
「このレベルの額を狙いに来るのかねぇ……」
100,000,000ベリー越えたらもうそれは海兵か王下七武海になりたい海賊ぐらいしか狩れねえだろう。
ゾロはコレからが本当の戦いだとシリアスな雰囲気を醸し出しているのだがこのレベルの額を狙いに来る賞金稼ぎなんざ大体読める。
ルフィ、ゾロ、サンジの3人にとっちゃこれぐらいは余裕で倒せる。
「よし!必要な仲間は揃ったしいよいよ偉大なる航路だ!」
「ルフィ、息巻いてるところ悪いが船の備蓄が切れそうだぞ」
「なにぃ!?なんで切れかけてんだ!コックなんだから食糧管理はしっかりしてくれよ!」
「この船に乗ってからまだ1回も買い物に行ってねえよ!!ナミさんの故郷で補給しようと思ったが歌え騒げで補給出来なかったんだ!」
「なんだそうなのか……じゃあ、どっかで買い物しねえとな」
「だったら近くにローグタウンっていう街があるわ」
「ローグタウンか」
「ローグタウンね」
「ローグタウン……またスゲえところだな」
物資の補給だと買い物をすると決めるルフィ。
ナミはすぐ近くにあるローグタウンに行くのだと言えばサンジがゾロがウソップが黙った。
「なんだそこ?有名な島なのか?」
「ルフィ、お前なにも知らねえのかよ……ローグタウンって言うのはゴールド・ロジャーが生まれ、そして死んだ街だ」
「ゴールド・ロジャー…………すっげえ!そんな島があるのか!?」
「別名終わりと始まりを告げる街だ……大海賊時代の始まりを告げゴールド・ロジャーが処刑された……」
ローグタウンがどんな街なのかをルフィは知らない。
ゴールド・ロジャーが生まれ育ちそして死んでいった街、大海賊時代を作り上げた街だと俺が説明をすればルフィは目を輝かせる。
絶対に行ってみてえと思ってる。食糧の補給云々もしておかなきゃいけねえからと進路をローグタウンに切り替えて船を停泊させる。
「さてと……大輔、純金を作ってちょうだい!」
「おめえ、迷いなく俺の力を使うな」
船から降りたナミが言ったのは錬金術で純金を作れという無茶振り。
出来ないことはねえがコイツは堕落の象徴だぞと思いつつも錬金術で石を純金に変える。ナミは純金だわと目を輝かせている。
「大輔、お前のそれで刀を作れねえのか?」
「ん……あ〜……ほらよ」
ゾロが刀を作ってほしいと頼むので試しにと刀を作る。
作った刀をゾロは振ってみるが微妙な顔をしており……近くの岩に叩きつけると折れた。
「刀ってのは職人が鉄を何度も叩いて形成している、練習用で使うなまくら刀だったら幾らでも用意できるが名刀と呼ばれる刀は職人が作るしかねえ」
「なら買うしかねえか……」
「とりあえず欲しいと思える刀を見つけてこい。お前の武器補充は必要経費だから金は用意してやる」
「ああ、すまねえな」
「ただしなまくら刀は選ぶなよ?お前に合う刀を見つけろ」
ゾロは和道一文字以外の折れた2本の刀を補充したかった。
だから俺に刀を作れないのか聞いてきたが俺が作れるのは名刀と呼ばれる刀じゃないなまくら刀だ。
ワノ国の侍ならばこのなまくら刀を名刀として扱い切る事が出来るだろうが俺には刀よりも銃が合うんだ。
「さてと…………俺は武器か」
敵対する船と海戦を繰り広げていない。
だから大砲の弾は全くと言って減っていないがカヤお嬢様が冒険に使える物を乗せていたと言っていたが全て錬金術で改造した。
フリントロック式の銃は別の銃に変えた。銃弾は丸い形状からお馴染みの形状に切り替えている。一味で銃を使うのは俺だけだから特に文句は言ってこない……が、ここで荷物を補充しねえといけねえ。次に必要な荷物を何時補充する事が出来るか分かったもんじゃねえ。
「最新式の銃は……フリントロック式か」
銃の店に向かえば東の海の最新モデルで50万ベリーする拳銃が売られていた。
雨の日には全く使い物にならねえフリントロック式の銃……こう考えれば地獄の転生者運営サイドは俺の事をしっかりと理解する事が出来ているみてえだな。俺が胸張って一流だと言えるのはこの銃だけだから。他の転生者なら自慢できる武器が多いんだがな。
「っと、いけねえいけねえ……大事な物を買い忘れてた」
拳銃の弾と火薬を購入した。
見聞色の覇気でゾロ達も目当ての物を購入することが出来ているのだと読んでいると大事な物を買い忘れていた事を思い出す。
それはログポース、ナミの奴は俺が作った純金で迷いなく洋服を購入している。航海士に必要な物はねえと思ってるみてえだが必要なんだよ。
「いらっしゃい……なにをお求めで?」
「ログポース、売ってるだろ?1つくれ」
「ロ、ロロロ、ログポース!?」
コンパス等が売っている文具の店に向かった。
店主が笑顔で出迎えてくれるのでログポースを売ってくれと頼めば店主が目玉を飛び立たせた。
「んだよ、売ってねえのか?」
「い、いや、売っている…………売ってはいるが、あんたそれを買うってことは……行くのか、偉大なる航路に!」
「ああ、ちょいと未来の海賊王の船に乗せてもらうんだよ」
「悪いことは言わねえ、偉大なる航路になんか行くもんじゃねえ!いや、それ以前に危険だ!」
「危険がどうしたってんだ?そんなもんに怯えてたら悪党なんて出来やしねえよ……」
「そうじゃない!この島には海軍本部の大佐が駐屯しているんだ!」
「……それで?」
「それでって……その大佐が偉大なる航路に向かおうとしている海賊達を次々と捕まえてるんだ!」
「フフフ……それを理由に男の船出を止めろと言うのは野暮なものではないかね?」
「っ!……なんだあんたか」
海軍本部の大佐が居るからこの街は危険だしと色々と理由をつけてくる店主。
それを理由に出ないなんて言うわけねえと思っていると1人の男が俺の背後を取って止めるのが野暮な事だと言う。
見聞色の覇気をオンにしていないとはいえ、俺の背後をいともたやすく取ることが出来た奴は危険だとコルト・パイソンを抜いて構えるが直ぐに銃を下ろす……声をかけてきたのはモンキー・D・ドラゴン、世界一の犯罪者であり革命家でもある。
「あんたこんな所でなにしてんだ?手配書でも見てここに来たのか?」
「なに、世界をな…………しかし相変わらずの早撃ちと言ったところか。オレだと分かれば撃つのを直ぐに止めたがそうでなければ迷いなく撃っていた……」
「俺が他人に自慢することが出来る武器は銃だけなんだよ……しかしなんだ?世間話でもしにきたのか?俺はログポースを買いに来たんだが」
「お前が求めているのはただのログポースではないのだろう?」
「ああ、ただのログポースじゃねえ……おっさん、新世界用のログポース、売ってるだろ?」
「なっ……なんでそれを……」
「なに、生まれがそこなだけなんだ」
俺が買いに来たのは針が1つしかないログポースじゃない、新世界用の針が3つついているログポースだ。
前半の海どころか序盤の海で海賊の中にはログポースの存在すら知らない奴等も居る。なんだったら2年間ウェザリアで勉強したナミも3つの針のログポースの存在を知らなかった。そんな中で新世界用の針が3つついているログポースをくれというのでどうしてそれをとなるが新世界出身だからとしか言えない。
「1つだけある……………あんた、正気なのか?」
「正気もなにも、俺が乗ってる船は頂点を目指している……まぁ、俺はその過程で降りるかもしれねえが……だが、あいつならば必ずやり遂げる。俺はそう信じている」
「っ……ええい、虎の子だ!もってけ泥棒!30000ベリーだ」
「おう……意外と安いな」
新世界用のログポースを店主は売ってくれる。
新世界用のログポースだからもうちょっと値段がするもんだと思ってたが意外と安かった。
財布を取り出して30000ベリーを渡して店の外に出れば……雲行きが怪しくなってきた。
「ふっ……………来るか」
「カッコつけてるところ悪いが、俺は船長探しに行かせてもらうぜ」
通り雨ならぬ通り嵐がやってくるのだとドラゴンは察した。
カッコつけてるところ悪いがそういう場合じゃねえんだと見聞色の覇気を使ってルフィが居るところ…………と言っても何処か分かる。ゴールド・ロジャーの処刑台だ。
「あ、ゾロ!サンジ!ナミ!ウソップ!大輔!」
ゴールド・ロジャーが処刑された処刑台に向かえばルフィは手と首を木の板に挟まれていて捕まっていた。
なにやってんだと思っているとルフィは俺達の存在に気付く。見聞色の覇気を使えば他の4人が居るのがハッキリと分かる。
「ルフィ、お前なにやってんだ」
「悪い……オレ、死んだわ」
「麦わら、覚悟ぉおおお!!」
捕まっているルフィは笑みを浮かべて自分が死んだのだと言おうとする。
横にはバギーがいてバギーがルフィの首を取ろうとし剣を振りかざそうとしたその瞬間だった、雷が処刑台が落ちて処刑台が壊れた。
突然の出来事に言葉を失う一同……そんな中でルフィが処刑台の瓦礫の中から姿を現した。
「悪い……やっぱ生きてたわ」
「ル、ルフィ、あんた今雷に当たらなかった!?」
「雷?なんのことだ?」
「ナミ、驚いてる場合じゃねえぞ…………海軍に取り囲まれてる」
雷に命中したはずなのにピンピンしているルフィ。
当たったんじゃないのかとナミは聞くがルフィはなんのことか分からない。ゴム人間だからと言えばそれで終わりだがそれを言っている暇はねえ。処刑台に続く道を海兵達が取り囲んでおり網も投げてこようとしている。
「大輔、何時ものやつ!」
「何時ものやつ?」
「ほら、アレよ!ライターで燃やすの!」
「ああ、そりゃ無理だぞ」
「え!?」
「ありゃあ雨の日には使えねえんだよ」
こういう時は焔の錬金術で焼いてくれとナミは言うが焔の錬金術は雨の日には使えねえ。
特に今日みたいな嵐の時には空気の流れを調整して錬成するのは不可能だ。雨の日には使えねえ大佐と同じなんだ。
「この数にこれからくる通り嵐、どうすれば」
「大丈夫だ……エスクード」
「うぉ!?地面から壁が生えた!?」
「錬金術にはこういう使い道があんだよ」
大量の敵を相手に焔の錬金術が使えず慌てるナミ。
錬金術の使い方はまだまだあるのだと地面から岩を生やして海軍達の道を防いだ……が、こっちを見てきている海軍兵がいる。
四方八方に囲んでもまだ余裕がある……コレだから海軍の戦力は無駄に多いんだよ。俺達は道を通ってゴーイングメリー号に帰ろうとするがバイクに乗ったスモーカー大佐が現れた。
「行かせねえよ……麦わら」
「ルフィ、知り合いか?知り合いなのは悪いが今は時間がねえ」
「大輔、皆、先に行っといてくれよ……コイツをぶっ飛ばす」
「お前はぶっ飛ばす事は出来ねえ……偉大なる航路に入る前に俺に捕まるんだ」
ルフィが先に行けと言うので先に行くことにする。
スモーカー大佐が偉大なる航路に入らせないと言うのだがルフィは気にせずに拳を構える……が、攻撃が効かない。
モクモクの実を食べた煙人間のスモーカーの体は流動する……流桜を会得しておかねえと触れることすら出来ねえが今は関係ねえ話だ。
「居たぞ!」
「エスクード!」
海兵がぞろぞろとぞろぞろと出てきやがる。雨対策に布を被せている銃を持っているので地面から壁を生やして弾丸を防ぐ。
大勢の敵を一気にぶっ倒すのは俺の不得意な分野、こんな事ならばRPG−7の1つでも作っておくべきたったかと後悔しながらもゴーイングメリー号に飛び乗った……が、ここでついてきてるのがナミだけなのに気付く。
「おい、他はどうした他は?」
「え、嘘!?はぐれちゃったの!?」
「…………彼奴等、ズレまくりだ!」
ゴーイングメリー号に向かって直帰しているってのにウソップもサンジもゾロも居ない。
追手が多いから途中でルートを変えて最終的にはゴーイングメリー号に帰ろうって考えてたんだろうが絶妙なぐらいにまでゴーイングメリー号に辿り着いてない。嵐がヤバいのだとナミが錨を上げればゴーイングメリー号は揺れ……局地的なダウンバーストが発生した。
ローグタウンでそれぞれ戦っている面々はその突風に煽られて体が吹き飛ばされていき、ルフィ達は港前まで辿り着いた。
「ルフィイイイ!皆ぁあああ!きゃあ!?」
「早く来い!時間がねえんだ!」
嵐に揺られるゴーイングメリー号。
ルフィ達は早く乗らなくちゃヤベえと気付いてルフィ以外は前進しルフィは後ろに向かって走る。何をしてるんだとウソップが聞けばルフィは壁に掴まり腕を伸ばしたのでまさかとサンジとゾロが顔を青くし……ゴーイングメリー号に向かってパチンコの様に飛んできた。
「おまっ、お前!危ないにも程があるだろ!」
「なに言ってんだよ、こうしなきゃ乗れなかったぞ!オレ、海を泳げねえんだからよ!」
「だからってオレ達まで巻き込むんじゃねえぞ!」
「危うく死ぬところだったぞ!」
「サンジ、ゾロ、落ち着け……コレ以外にいい方法が無かったのも事実だ」
ルフィがパチンコの様に飛んできたことに関して文句を言う3人だがルフィが向こうに行く方法はそれしかなかった。
諦めろといいゴーイングメリー号を出発させるが……海が物凄く荒れている。
「よ、よりにもよってこんな日に偉大なる航路に出航かよ」
「まぁ、いいじゃねえか……俺達は悪党なんだ。お天道様が頑張れって応援してくれるよりも多少の困難があるんだと教えてくれた方がありがてえよ」
マストにしがみつくウソップは震えている。
こんな日に出航だとなるが俺達は悪党だ。綺麗な出航よりも悪天候の出航の方が祝福されていると感じるね。
「よっしゃ、偉大なる航路に入る前に進水式でもやらねえか?」
「お、いいね!」
このまま偉大なる航路に突入となりその前にとサンジが進水式をしようと提案する。
ルフィが賛成だと船内から酒樽を持ってきた。
「オレはオールブルーを見つける!」
「俺は大剣豪になるために」
「あたしは世界地図を書くために」
「お、オレは勇敢なる海の戦士になるために!!」
「オレは海賊王に!!………………………どうした、大輔?お前も足乗せろよ」
サンジ、ゾロ、ナミ、ウソップ、ルフィの順番で樽の上に足を乗せた。
大事な進水式、各々が各々の夢を語り覚悟を決めているのだが俺は足を乗せなかった。
「ルフィ……俺にこの樽の上に足を乗せる資格はまだねえんだ」
「資格がねえって、お前副船長だろう」
「ああ、仮の副船長だ」
「仮?仮ってどういうことよ?」
この樽の上に足を乗せる資格がねえと言えばゾロは副船長のお前が乗せれないのはおかしいという。
だが俺は仮の副船長だ……仮の副船長だということをナミは知らなかったのか……いや、言ってなかったのが正しいか。
「ルフィ、お前にとって俺はなんだ?」
「決まってんだろ、仲間だ」
「ああ……でも俺は今はまだお前等を仲間と呼べる関係性じゃねえと思ってる」
「な、なんでだよ!?今まで一緒に戦ってきた仲だろ?」
「ウソップ……ルフィ以外には言ってなかったが俺の故郷は海賊に支配されてる。俺はそいつをぶっ倒すためにこの船に乗っている……そいつをぶっ倒さなきゃ絶対に酒は飲まねえと酒断ちもしてるんだ」
「っ……あんた……そんな過去が……」
「別にそれを同情しろとは言わねえ。だが、俺はその目的が達成されるまでこの船に乗ってるんじゃない、乗せてもらってるんだ。……その目的が達成されたら、その時まで俺の事を仲間だと思ってくれてるなら、仲間に入れてくれよ」
「……ああ、わかった」
偉大なる航路の進水式は俺を除いた5人で行われた。
ルフィ達は俺を仲間だと思ってくれているが俺はまだルフィ達の仲間になれてない……カイドウをぶっ飛ばさなきゃならねえんだ