一応は副船長やってます。   作:アルピ交通事務局

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不思議山を登れ

 

「あんた……………故郷を海賊に支配されてたのね」

 

「ふ〜……下手な同情ならやめろよ。ムカつくからな」

 

 通り嵐を抜けて間もなくリバースマウンテンに辿り着く頃、俺は外で一服していた。

 箱単位でタバコを購入しているから暫くは持つだろうが偉大なる航路に俺の好む銘柄が置いてあるかどうか謎だ。

 

「同情なんかしないわよ……ただ……あんたでも勝てないの?」

 

「なんのことだ?」

 

「惚けないで。ブロッケンはあんたでしょ?あのアーロン一味を叩きのめすことが出来るのに、あんたホントは一味で1番強いんでしょ?」

 

「…………その強さでは今は俺が1番だ……だがな、俺だって弱い頃はあったんだぞ」

 

 今でこそアーロンを片手間でボコれるぐらいに強くなったが昔は文字通り銃しか無かった。

 マシンガンやガトリングなんかも手を出したが結局落ち着くのは拳銃と狙撃銃だ。ショットガンも悪くはねえんだが銃にも相性がある。全ての銃を使いこなせればそれでいいんだがな。

 

「今のルフィに敵わないぐらいに弱かった……だから死ぬ気で特訓した。親父と妹に美味い酒をやるためによ」

 

「……その2人は」

 

「お前の考え通りだ……世の中は残酷だ……だが、嘘はねえ……ルフィは本気で海賊王を目指してる。お前さんはそれについていくと決めた……ならなにかに怯えるよりもルフィならば出来るのだと信じるしかねえ」

 

「ルフィにその海賊を倒せってこと?」

 

「ああ、俺が死んじまったらな」

 

「……バカみたい」

 

「バカで結構、このバカを貫き通せる奴が強いんだよ」

 

 俺はカイドウをぶちのめすためにやれることはやるが、それでも無理ならば殺されるだろう。

 だがそれはそれで構わない。ルフィがきっとギア5に目覚めてカイドウを倒してくれる……そうなった時はサンジに手料理のお供え物でもしてもらうか。

 

「それよりもなんか話があるんじゃねえのか?」

 

「ああ、そうだったわ。全員集まって!」

 

 タバコを一服し終えたのでナミは別の用事があるんじゃないのかと聞けばナミは全員を船内に集める。

 バギー一味から奪った偉大なる航路の入口のリヴァースマウンテン付近の地図を取り出した

 

「いい、今からあたし達は偉大なる航路に入るわ……偉大なる航路に入る方法は1つ、山を登るのよ」

 

「山を登るだぁ?お前なに言ってんだよ、コイツは船だぞ?」

 

「おい、ナミさんの意見にケチつけるのか!!」

 

「サンジ、幾らなんでもおかしいだろう。船で山を登るだなんてよ……」

 

「いや、そのルートで合ってるぞ」

 

「なにぃ!?どういうことだ!?」

 

「わかりやすく言えば上昇する海流があるんだ、それを渡れば偉大なる航路に入ることが出来る……んでもってその上昇する海流があるのがリヴァースマウンテンなんだよ」

 

 山を登るという事に対してなにを言ってるんだ?とゾロは呆れる。

 今までナミの航海術を頼りにしていたからサンジは私情を挟みながらもケチをつけるなと言うがウソップも流石に海に登るのは無いと言うが海を登るのが正しいと俺は知っているのでに頷きリヴァースマウンテンについて語る。

 

「ほら、やっぱり合ってるじゃない……でも心配だわ」

 

「なにがだ?」

 

「このリヴァースマウンテン、1本しか道が無いのよ。しかもかなり細い」

 

「他にルートはねぇ、っとぉ!?」

 

 リヴァースマウンテンの入口は狭いと言う。

 実際問題リヴァースマウンテンの入口は狭い…………まぁ、それでも船の一隻二隻余裕で登れる。

 ウソップが他にルートは無いのかを聞こうとすると船が突如として大きく揺れた。何事かと船内から出れば嵐に巻き込まれていた。

 

「クソっ、この前の通り嵐といいここの嵐といいどうなってんだ!?」

 

「偉大なる航路には入る前に半分以上が死ぬって聞く。そりゃこんな悪天候が続くんじゃ死ぬわ……ん……なんだただの通り嵐だったか」

 

 ウソップとサンジが舵をきったり帆の方角を変えたりしており、偉大なる航路入口の天候について愚痴る。

 この悪天候が偉大なる航路入口付近には存在している。ゴールド・ロジャーも白ひげもシャンクスも当然この悪天候に挑んでいる。

 

「おい、凪の帯(カームベルト)に入っちまったぞ!」

 

「なっ……全員オールを漕いで!急いで嵐の中に戻るのよ!」

 

「ナミ、なんで嵐の中に戻らなきゃいけねえんだ。折角安定したところに入れたんだからそっから偉大なる航路に」

 

「ダメよ…………だってそこ、海王類の住処なの……しかも超大型の」

 

「ギャアアア!ヤベえ!」

 

 嵐の中を飛び出してしまったとナミに言えばナミはオールを漕いで!と指示を出す。

 嵐の中よりもこっちのほうが安全だしそこからとルフィが言うのだが海王類の群れが姿を現して海王類の胴体の上にゴーイングメリー号が載せられており一同があんぐりと口を開いた。ルフィが叫ぶとゾロとサンジがオールを手にする。

 

「分かってんな?船を降りた瞬間だぞ」

 

「ああ、全速力で嵐の中に戻る」

 

 ギョロッと海王類がこちらを見てくる。

 食われねえか心配をしていると大きなくしゃみをしてゴーイングメリー号を落としていくので俺達は空中に舞いウソップがあわや落ちかけるがルフィがゴムの腕を伸ばしウソップを掴んで救出した。

 船は着水したので直ぐに錬金術で穴が空いている部分を塞いでその間にゾロとサンジがオールを漕いでゴーイングメリー号を嵐の中に戻した。

 

「わかった?アレがあるからリヴァースマウンテンから登るのよ」

 

「「「「わ……わかった……」」」

 

「この程度の嵐ぐらい、あたしにかかれば余裕で切り抜けられるわ!ほら、全員急いで!」

 

 リヴァースマウンテンを通らなければならない理由を一同は理解した。

 嵐の航路を突き進むことが出来るのだと荒れ狂う海をナミの指示通りに動いてはなんとか乗り越えていき……赤い土の大陸(レッドライン)の前まで辿り着いた。

 

「うぉおお!ホントだ!リヴァースマウンテンに登る運河があるって、右寄りすぎだ!ウソップ、とりかじ一杯l」

 

「とりかじぃいいい!!ぬぅおぁ!?」

 

「おい、折れたぞ!このままじゃぶつかる!」

 

「ルフィ、ゴムゴムの風船だ!」

 

「おう!ゴムゴムの風船!!」

 

 リヴァースマウンテンを登ろうとしていると赤い土の大陸にぶつかりそうになった。

 舵をきって進路を変えようとするがリヴァースマウンテンの流れは激しく思うように左右に動けずこのままだとぶつかるとなったのでルフィが体を風船の様に膨らませてゴーイングメリー号の間に入り赤い土の大陸にぶつからないようにした。

 これで大丈夫かとリヴァースマウンテンの頂上にまで向かった後にゆっくりとだが下降していく。

 

「霧でなんも見えねえな。大輔、どうなってんだ?」

 

「俺に聞くな……………っと、霧が晴れてきたぞ」

 

「おい、お前等ヤバいぞ!巨大な壁がある!」

 

 濃霧に包まれて前方が中々に見えない。

 俺ならばなんか出来るだろうと思っているかもしれねえが、俺はなんでも出来る人間じゃねえんだよ。

 マストの上にいるサンジは望遠鏡を覗いており巨大な壁があると言うと……巨大な叫び声が聞こえて霧が晴れていく。

 

「げぇ!?巨大なクジラ!?」

 

「まずいぞ、このままじゃぶつかる。左に舵を切れ!」

 

「その舵が既に折れちまってる」

 

「大輔、くっつけろ!」

 

「間に合わねえよ!」

 

「そうだ!いいこと思いついた!」

 

 霧が晴れれば巨大なクジラがいた。

 サンジがありえないデカさだと驚いているのだが、それよりもこのままだとぶつかるとゾロは左側によっていけというがさっきの上昇する海流の時点で舵が折れているとウソップが言うのでゾロは俺に錬金術でくっつけろと言うがくっつけたとしても間に合わねえ。

 どうしたもんかと思っているとルフィが手をポンと叩いて閃いたとゴーイングメリー号の先端についている大砲をクジラ目掛けて撃てば船の動きは止まった……

 

「よし、コレで止まった」

 

「一時的だよ……ほら、言わんこっちゃねえ」

 

「なぁああ!!お前!オレのお気に入りの場所を!!」

 

 ゴーイングメリー号は止まったのだが海流が止まったわけじゃねえ。

 だから海流に流されてゴーイングメリー号は真っ直ぐに突き進みクジラに激突した。メリー号のメリーと言える頭の部分がポキっと折れてしまい船の上に飛んでくるのでキャッチした。錬金術を使えば後でくっつけることが出来るがルフィは怒っており拳を構えた。

 

「この野郎、よくもオレの特等席を!ゴムゴムの(ピストル)!!

 

「グォオオオン!!」

 

「おぃいいいい!!頼むからやめてくれ!やめてくれよぉ!そんな海王類みたいなクジラに、ああ!ああ!こっち見た!」

 

 ルフィがクジラを殴ればウソップはビビり散らす。

 喧嘩を売るなと言うがルフィはもう喧嘩を売っちまったんだと海王類みたいな大きさのクジラはギロッとこっちを睨んできてゴーイングメリー号を飲み込んだ。

 

「ぎゃああ!?食われた!食われちまった!」

 

「ウソップ、落ち着け。こんだけバカでかいクジラだ。噛まずに飲み込んでる……まだまだ脱出する機会はあるんだ」

 

「大輔、お前よく落ち着いてられるな!」

 

「当たり前だろ…………よく周りを見てみろ」

 

「周りを見てみろって……………あれ?」

 

「おい、俺達は確かにクジラに飲み込まれた筈だよな?なんでクジラの腹ん中に青空があるんだよ?」

 

 ウソップを静かにさせればおかしいことに一同は気付く。

 俺達はゴーイングメリー号ごと飲み込まれた……ルフィを含めてだ。それなのにも関わらずたどり着いたのは青い空。ゾロはどうなってんだと思っていると巨大なダイオウイカが出現したのでコルト・パイソンで撃ち抜いたがそれと同時に三叉の銛が飛んできた。

 ロープが付いている三叉の銛が飛んできたとはどういう事だとロープがある方向を見つめれば1人の爺さんがいた。

 

「……………」

 

「………………」

 

「…………………」

 

「おい、なんか喋れや!!」

 

 1人の爺さんがダイオウイカを回収していると無言で睨み合う。

 俺も爺さんも喋らないのでサンジがなんとか言えよと空気をぶち壊してくれると爺さんが口を開く。

 

「人になにかを尋ねる時は自分から聞くのが礼儀じゃないか?」

 

「ああ、まぁ、それもそうか…………俺は」

 

「私の名はクロッカス、双子岬で灯台守をしている。血液型はXF、地元ではAB型ともいい」

 

「喋るのかよ!!」

 

「落ち着けよ……あんたがクロッカスか……」

 

「なんだ小僧?私の事を知っているのか?」

 

「あんたと同じ船に乗ってた男の航海日誌で名前を見た。医者として最上級の腕を持っていて生き急ぐ船長の病を和らげていると」

 

「!……………そうか……………」

 

「なんだあの爺さん、海賊だったのか?」

 

「3年ほどとある船で船医を務めていた……20年以上も前になる昔の話だ」

 

 誰の日誌かは言わねえが、航海日誌と言えばと光月おでんを思い浮かべるクロッカスの爺さん。

 過去を懐かしんでるのだが大きく船が揺れた……いや、クジラが揺れたというのが正しいんだろう。

 

「またか!」

 

「お、おい!胃液の中だぞ!?」

 

「大丈夫だろう」

 

 クジラが暴れ出した結果、胃の中も揺れる。

 またかとクロッカスの爺さんが胃液の中に飛び込んだと思えば泳いでいき何処かに向かった。

 

「っと、上からなんか振ってくるぞ」

 

「「ぬぁああああ!?」」

 

 クロッカスの爺さんが何処かに向かったかと思えば2人組の男女のコンビが落ちてきた。

 手にはバズーカらしきものが握られておりベチンと落ちてくるので女の方を掴んでおいた。

 

「おいこら!テメエ、なに美味しい思いをしてんだ!」

 

「あ、ありがとう」

 

「なんだお前等?」

 

「……」

 

「ま、まずいぞミスウェンズデー……」

 

 女の方を掴んで助ければお礼を言ってくれる

 男の方が俺達が海賊だということを即座に見抜いてヒソヒソ声で話していると……クロッカスの爺さんが戻ってきた。

 

「貴様ら!私の目が黒いうちはラブーンの捕鯨は許さんぞ!!」

 

「許さない?なにを言っているんだ?」

 

「ここはクジラの胃袋の中だ!ここから突き破ればいいだけよ!!」

 

 2人組の男女のコンビはバズーカらしきものを構えて砲撃を撃つ。

 クロッカスの爺さんが身を挺して砲撃を受けようとするのだがそれよりも前にとワルサーP38とコルト・パイソンの二丁拳銃で撃たれた砲弾を粉砕する。

 

「ふん!」

 

「爺さん、大丈夫か?」

 

 ルフィが2人組の男女のコンビを殴って気絶させた。

 

「ああ……すまん、助かった」

 

「なんか殴っとかなきゃいけねえ感じだから殴っといた……爺さん、あんた船医をしてたんだろ?オレの船に乗らねえか?」

 

「勘弁してくれ。この歳での冒険は堪える……もう充分なまでに世界は巡ったさ。それよりも早いところラブーンからそいつ等を連れて出ていってくれ」

 

 クロッカスの爺さんを船医に誘うルフィだがもう船医はしないといいクジラ、いや、ラブーンから出るように言う。

 出口があっちだと言うので出口に出ればクロッカスの爺さんもついてきた。

 

「爺さん、あんた捕鯨をしようとしてるこの2人を止めたんだろ?捕鯨目的じゃないならなにしてんだ?」

 

「ラブーンを止めているんだ……」

 

「ラブーン?」

 

「このクジラの名前だ」

 

 そこからはクロッカスの爺さんが語る。

 アイランドクジラという種類のクジラの子供が西の海からやって来た海賊とやって来た。偉大なる航路は危険だからと数年の間ラブーンを見ておいてくれとクロッカスの爺さんは頼まれていた。だが何時まで経っても帰ってくることはなく、クロッカスの爺さんはとある船の船医を務めている時に海賊達を探しに来たが見つけることが出来なかった。50年以上も昔の話でクロッカスの爺さんは死んでいるのだと断定をするのだがラブーンは認める赤い土の大陸を越えようと毎日頭突きを繰り返している。クロッカスの爺さんは鎮静剤を毎日撃ち込んでいるらしい。

 

「50年か…………それはもう死んじゃってるわよね」

 

「おい、夢がねえな!まだ生きてるかもしれねえだろ!」

 

「あのね50年以上も前の偉大なる航路よ?今以上に謎に満ちている海だらけ…………亡くなってるのは普通の判断よ」

 

 話を聞いて少しだけナミはかわいそうだと思うのだがウソップはまだ生きてると信じようとする。

 だが50年以上前の偉大なる航路から帰ってこないということは亡くなってる、その判断は極々普通の事だ。

 

「そこのガンマン……さっき取ったダイオウイカでおでんを作れるか?」

 

「ん?爺さん、この船のコックはサンジだぞ?」

 

「ダイオウイカを煮込めるが、あんま期待するなよ……材料は揃ってるのか?」

 

「ああ…………久しぶりにおでんを食べたい。ワノ国1番の食べ物だろう?」

 

「俺はどっちかと言えばすき焼き派なんだがな」

 

 クロッカスの爺さんがおでんを食べたいと言ってくるのでおでんの準備をする。

 その間にルフィがラブーンに喧嘩を売ってオレ達は帰ってくるからと頭に汚い海賊旗を描いて帰ってきたら喧嘩の続きをしようぜと言えばラブーンは嬉しそうに笑った。相変わらず無茶する船長だなと思いながらも光月おでん特製のおでんを作り上げた。

 

「コレだ!ああコレだ……数十年ぶりの懐かしいおでんだ」

 

「おぉ、コイツは中々に酒が進むな」

 

 おでんを作り上げれば酒を飲みながらおでんを楽しむクロッカスの爺さん

 はじめておでんを食べるゾロは美味いと大根を頬張りながら酒を飲んでいる。

 

「嘘……」

 

「どうした?」

 

「コンパスが狂ってるわ!!」

 

 っと、そろそろ説明しねえといけねえか。

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