「あんたがバカ殿、じゃなかった、おでんを連れてった海賊か」
「グラララララ……連れてったんじゃねえよ、勝手についてきたんだよ
マルコに案内をされて船長の部屋にやって来た。
まだ原作開始じゃねえが既に原作と同じ見た目を白ひげはしている。違いがあるとするならば点滴とかを付けてねえぐらいか?
「あの野郎、結局うちに帰らず
「帰ってからも色々とあったみてえだ……あんたがワノ国に来なけりゃ、なんて言わねえさ……幸福もあれば不幸もあるのが人生だ。問題はどういう風に生き抜くか……と言いてえところだがな」
「
「あんたは財宝よりも家族を大事にする海賊なんだろ?」
「違えよ、オレにとって家族が財宝なんだ。そこは間違えるな」
「おっと、そいつは悪かったな…………」
「それでワノ国はどうなってんだ?」
色々と雑談を語った後に白ひげはワノ国について聞いてくる。
直ぐ後ろにはマルコとイゾウがおり、イゾウは威圧感を出している。返答次第では暴走する可能性を秘めているが、そこを止めるのは俺の仕事じゃねえ。
「黒炭オロチが百獣海賊団のカイドウとか言う奴を使ってワノ国を武器工場に変えた……海楼石とか言う石の加工工場をしてやがる……将軍だ、殿様が明日に食う飯を困らせて喜んでやがる」
「っ!!」
「ったく……あの馬鹿野郎は、カタギの人間に手を出すとはな…………おでんはどうした?」
「黒炭オロチさえ居なければ勝つことが出来ていた……良くも悪くも人は家族を持てば強くなり弱くなる……家族を持った強さと家族を持った弱さを突かれた」
「カイドウ!オロチぃ!!」
「落ち着け、落ち着けよい!イゾウ!!」
カイドウ、いや、黒炭オロチのせいでおでんは死んだ。
カイドウ自体は問題無い、カイドウ自体はおでんが倒すことが出来ていたんだ。ただオロチの馬鹿野郎が横槍を入れてこなければ……タラレバの話なんざしたかねえな。
カイドウとオロチによりおでんや仲間を殺された事を知ればイゾウは激怒する。
銃を引き抜くのだがマルコによって止められる。殺気立つのはいいが、俺に向けるのは勘弁してくれや。
「それで坊主、お前はどうするんだ?」
「今の俺じゃカイドウを倒せねえ……だが、光月トキは20年後にカイドウを倒すと予言を残してくれている。藁に縋る思いだがそれしか道はねえ。おでんと言う最強の侍で倒せなかったんだからな……あんたが倒すって感じじゃねえな」
「今すぐにワノ国に行こう!オロチとカイドウを撃ち倒してワノ国を白ひげ海賊団の傘下に!」
「それが出来てりゃ今頃ロックス海賊団は世界征服が出来てる……坊主、てめえがカイドウを討つのか?」
「1人じゃ無理だな、聞けばカイドウはこっちの海の中でも頂点で海軍とやらも手出ししねえヤベえ海賊じゃねえか」
「だろうな……あの野郎は単体じゃ最強と言ってもいい…………どれ、ちょっくら試してやるか」
「おいおい、ゴールド・ロジャーが居なくなって最強になっちまった海賊の相手なんざしてられるかよ」
「ガキに手を出すほど落ちぶれちゃいねえ……手は出さねえがな」
白ひげはそういえば威圧感を放つ。俺が唯一会得出来ていない根本的に向いていない色の覇気、相手を威圧する覇王色の覇気だ。
「お、親父、ガキ相手に大人げねえよい!!」
覇王色の覇気を一点集中で浴びせる。
白ひげ的には一点集中で浴びせてきてるのだが見聞色の覇気を会得している者ならば白ひげがなにをしているかを理解している。マルコは子供相手に全力の覇王色の覇気を放っている事に関して言ってくる。
「おーおー……全盛期が過ぎて老いという弱体化が来ちまった男が、詐欺にも限度があるぞ」
「た、耐えた……親父の全力の覇王色の覇気、あのガキ、耐えやがったよい!」
中々にヤベえ威圧感だ。今の俺だと確実に殺されると確信するレベルでヤベえ威圧感だった。
これで全盛期が過ぎて老いというONE PIECEで1番のデバフが掛かっちまった最強の一角ってもんだから恐ろしい。
「グラララ……どうやら覚悟だけは出来てるみてえだな」
「ああ、覚悟だけは出来てる……問題は覚悟以外が出来ていねえ。花のヒョウごろうを始めとする侍達を消されかけてる……ただ希望の灯火はちゃんと残っている。それを絶やさない様にしてくれる立派な侍も居てくれる……だが、それだけだ。侍と海賊の喧嘩は海賊が勝っちまった。海軍とやらは安牌に走りやがるし、海賊と海賊をぶつけねえと困る」
「グララ……海賊になる気か、小僧?」
「マジで海賊王を狙う奴が居るならな……あんたはどうするんだ?海賊王を名乗りてえなら、
「そうさな…………テメエはどうなんだ?」
「おでんの日誌なんかを読んでラフテルの居場所は知らねえがラフテルになにがあったかは知ってる……大海原を自由に駆けるのは悪くはねえが、答えを知っちまった問題よりつまらねえ物はねえ…………だが、それでも行きてえって話なら一緒に行って最後に笑って来いと言える」
「宝に興味はねえなら海賊なんかやめちまえ」
「海賊をやりゃ美味い酒を飲む事が出来るそうじゃねえか……美味いものを食う為に冒険をしちゃダメなのか?」
「美味いものを食う為だと?………ガーッハッハッハッハッハ!!おい、ガキ、お前名前なんて言うんだ?」
「
覚悟は形だけでも決めておかなきゃ情けない。曲がりなりにもワノ国の人間なんだから覚悟の1つや2つ、大事な事だ。
酒が飲める歳になっても酒は飲まねえ。煙草にゃ興味はねえ……ハードボイルドには程遠いハーフボイルドな男だな、俺は。
「
「あんたがマジで海賊王を目指すならな……」
「そいつは難しい話だな……オレはこれから遺物になっちまう。時代ってのは常に移り変わるもので、作り上げた奴以外にしか動かせねえ……そう考えりゃロジャーの奴は良い最後を迎えてくれたな」
「ったく、若い世代に譲るのか居座り続けるのかのどっちなんだよ…………」
こういうタイプは死なねえ限りは永遠と居座り続ける。
若い世代が出てきても現役バリバリとは言わねえけど、何時まで最前線で戦い続けるんだよ。
「お前はこれからどうするつもりだ?」
「
「グララ……コーティングならうちの奴にやらせてやるよ。だが、そこから先はテメエ次第だ……どれだけ優れた船でも優れた航海士が居ても魚人島に行ける可能性を秘めている連中はほんの一握り…………まぁ、死なねえ程度には祈ってやるよ」
「そいつはありがてえ」
まさか白ひげとこんなところで遭遇するとは思いもしなかった。
だが、結果として魚人島に行く為のコーティングを白ひげの海賊団にしてもらえる。コーティングにも当たりハズレがあるらしいから、白ひげが利用しているコーティングならば信用出来るものだ。
「日誌を読んだって事は光月おでんのおでんのレシピも書いてたか?」
「ああ、ワノ国を出る前に一度作って食ってみたが絶品だったぞ……」
「なら作りな……コーティング代はそれでまけてやる」
「おう……食料庫は何処だ?」
「こっちだ……おでんのおでんは絶品だったからな、また食べたいって思ってたよい」
「俺ぁ光月おでんじゃねえから光月おでんのおでんの味を完璧に再現する事は出来ねえ……仮にそれっぽい味になったとしても、再現しただけに過ぎねえ」
「サイゲン大輔か」
「……しかし、大丈夫なのか?おでんに仕えてたイゾウは……」
「数日は荒れるねぇ」
光月おでんの死とワノ国がオロチの馬鹿野郎に荒らされている事を知ってイゾウは激怒した。
イゾウは物凄く怒り狂っているのが覇気なんざ使わなくても分かるが、その怒りを何処に向けるのか?問題はそこである。カイドウと真正面からやりあう事が出来るだろうし、今の時代ならまだまだ白ひげも戦える。老いというデバフが掛かりまくっていない。イゾウとしては白ひげ海賊団を連れてってワノ国をシマにしてえだろうが、ワノ国に行くまでが難点だ。
「あんたとしてはどうなんだ?」
「本音を言えば、行きたいよい……親父だってそうだ。
「なに、予言を信じるしかねえ……ここが厨房か」
「親父の為におでんを作ってくれや」
厨房に案内されたので冷蔵庫からおでんに必要な材料を取り出す。
ヤマトに光月おでんの日誌を渡したが念のために航海術なんかをコピーしてて正解だったな。光月おでんのおでんをゆっくりと時間をかけて作る。
「……おめえ、ホントにおでんのおでんを作ったんだろうな?」
「光月おでんの日誌に書かれてるおでんなら作ったが光月おでんのおでんを作ったかと聞かれれば違うな」
「おでん様の味だ…………」
「おぉ!紛れもねえ!おでんのおでんだ!」
光月おでんのおでんが完成した。
巨大な大鍋を手におでんを白ひげの元に持っていきおでんの主役とも言える大根を一摘みし酒をグイッと飲むのだが白ひげは不満そうにする。
イゾウやマルコは紛れもなく光月おでんのおでんの味だと喜んだり泣いたりしている
「酒ってのは単体で飲めるがツマミがありゃより美味え……だが、その逆、ツマミが不味けりゃより不味い。春は夜桜、夏は星、秋には満月、冬には雪で飲めるらしい。俺の作った光月おでんのおでんは完全なまでに未完成なツマミだ……なにせ光月おでんが作ったおでんじゃねえからな」
「……おでんのおでんをオレぁ作れつったんだぞ」
「おでんのおでんを作れる奴はこの世にはもう存在しねえ……俺はおでんのおでんを限りなく近い味で再現をしただけに過ぎねえ。そこは認めろよ」
「……」
白ひげは盃を取り出した。
既に自分が飲んでいる盃とは別の盃に酒を入れてから自分の盃に同じ量の酒を入れる。感情を読み取る感じの見聞色の覇気なんざ使わなくても俺にゃ分かる……いや、俺以外でも誰でも分かる事で光月おでんが乗っていた頃に居た白ひげ海賊団の面々の殆どはなんの為にもう1つの盃に酒を入れたのか分かっている。
「兄貴より先に死ぬ弟が何処に居やがる……助けてくれの一言も言えねえのか、馬鹿野郎が」
「悪いな、その盃は今は飲めねえ」
おでんの献杯をしたがってる白ひげ。
俺はワノ国をカイドウとオロチから救うまでは美味い酒は飲まねえって決めている……いや、そもそもで今の時点で酒は飲めねえんだ。白ひげとしては俺に飲んでほしかったかもしれねえが、その盃は飲んじゃいけねえ物だ。
「おい、大輔!お前、覇気を、流桜はちゃんと使いこなす事が出来てるんだろうな!!」
感傷に浸る者も居ればその逆、盛り上がったりする奴も居る。
イゾウは懐かしのおでんのおでんで酔っ払って俺に絡んできて覇気を会得する事が出来ているのかを聞いてくる。
「気配を感じ取る覇気も武器に纏わせる覇気も基礎は出来てるよ……」
「ほぉ、じゃあ丁か半か当ててみろ!!」
サイコロを取り出して盃の中に入れて揺らすイゾウ。
この手の見聞色の覇気ならば得意な方だと目を閉じて覇気を研ぎ澄ませる事もせずに中身を言い当てる。
「ピンゾロの丁だよ」
「ガキとは言え伊達にワノ国の人間じゃねえな……だが、それだけでカイドウを倒せるほど甘くねえよい!」
「大輔の武器は?」
「銃だな……ああ、銃の腕に関してはあんまり期待すんな。まだ青二才も程がある」
「なら、勝負だ!!」
「人間以外の的当てならいいぜ」
酒に酔ってるのか基本的には誰も止めようとはしない。むしろ極上のツマミと酒のネタにすることが出来るのだとノリノリな白ひげ海賊団。
人間以外に当てる的当てならなんでも構わないと言えば空っぽになった酒樽を高くに投げるのでイゾウと俺は銃を構えて撃ち抜く。
「おお!やるじゃねえか」
「グラララ……イゾウの負けだな」
「ん?どっちも弾を当てただろう?」
どっちも酒樽に向かって銃弾をぶつける事が出来たが白ひげはイゾウの負けだと言う。
周りの連中もどっちも酒樽に向かって銃弾をぶつける事が出来たので勝ちでもなければ負けでもない引き分けだと言い切るのだが、白ひげは落ちている酒樽を拾えと1人に拾わせる。
「ひーふーみー……んん?……ひーふーみー……親父、穴が3つしかねえぞ!」
酒樽に出来た穴を確認する海賊団員。酒樽に出来た穴が3つしかない事に驚く。
「3つ?大輔が撃ったのも1発、イゾウが撃ったのも1発、どっちも弾が貫通して外に出ていったから穴は4つじゃねえのか?」
「なに言ってんだ、この酒樽は元から1つ穴が開いてただろう?そこを通せば穴は1つしか出来ねえ」
白ひげ海賊団の1人が投げた酒樽は極々普通の酒樽だ。この世界基準でも前世基準でも普通の酒樽であり……表面に酒を出す為の穴がある。
俺はその穴に向かって銃弾を撃った。穴を通過して酒樽に1個だけ穴を開けた。ただそれだけの事をしただけだ。
「おいおい……どんだけの腕前なんだよい……」
「そこまで自慢出来る物じゃねえ……この大海賊時代、銃よりも刀って連中の方が多いんだからよ」
俺の腕前に言葉が出ないマルコ。
この世界じゃ悪魔の実の能力と特殊な一族と刀が優遇されてて銃は不遇の象徴、皆なんだかんだで銃よりも強いのが自慢だって言う理不尽さよ。
「中々に良い銃だな……ワノ国は刀や槍が主な武器で銃はそこまでの筈だが」
「銃に関しては色々と知識があるんでな、作ったんだよ……使ってみるか?」
ワルサーP38をイゾウに貸す。
イゾウはさっきの酒樽を投げてくれと頼み酒樽を投げてもらうとワルサーP38で撃ち抜く
「っち……」
が、舌打ちをした。俺みたいにコルクの栓の穴を経由して撃ち抜こうと考えていたみたいだが、そこまで都合よくいく筈もねえ。
「銃もそうだがお前の腕も一流だな」
「赤鞘の侍であり世界最強クラスの海賊である男に認められるのは光栄だな」
ワルサーP38を返してくるイゾウ。
銃の性能にだけ頼るって言うならばデザートイーグルやAk−47とか色々とある……オートマチックにはオートマチックの良いところがある。俺はそこの違いを認めてる…………アサルトライフルとハンドガンを組み合わせた戦法は普通に面白そう……っていうかワールドトリガーの里見の戦法だな。