「おい、白ひげさんよ……俺ぁ、船のコーティングを頼んだんだぜ?」
「ああ、だがコーティング代金を用意出来なかったじゃねえか」
「金なら質屋に金を売りゃどうにでもなんだよ……そんなにおでんのおでんじゃなかったのが気に食わねえのか?」
白ひげ海賊団の元で世話になりかれこれ1ヶ月が経過する。
船のコーティングを頼んだのだが全くと言って船をコーティングしてくれねえ。白ひげにその辺について聞けばおでんのおでんじゃなかったのが気に食わねえからしないと言いたげな顔をしてたので問い詰めればデコピンをくらった。
「アレはおでんのおでんじゃなかったが絶品なおでんには変わりはねえ……俺ぁ生き急ぐガキを見て放置する事が出来ねえタチでな」
「別に俺は生き急いでも死に急いでもねえよ……俺が向かいたいのは新世界とは反対側の前半の海よりも前な東の海だ」
「
「それもそれで面白そうだな……とにかく俺はコーティングしてほしいんだが」
「そう急ぐな……お前は20年待たなきゃならねえだろ?だったら少しはノンビリしな。死に急ぐのも生き急ぐのもまだ早え」
「ふぅ………………」
人が急いでいると言っているがそれがいけないことだという白ひげ。
一応は原作通りにカイドウの野郎をぶっ殺してやろうと考えているぐらいでその為に色々とやろうって考えてる……まぁ、基本的には自己鍛錬だな。
「武装色の覇気を弾丸に纏わせる事は出来たのか?テメエの銃はそこらの物とはちっとは違えが威力が強いだけだ……この海では能力者じゃねえなら覇気こそが絶対だ」
「ったく、痛いところ突いてきやがるな」
中々に武装色の覇気を銃弾に纏わせる事が出来ねえ。
いや、銃弾に纏わせる事自体は出来ているが手元から離れた瞬間に武装色の覇気が解けちまう。
「覇気ってのは心の力でもある、カイドウの馬鹿野郎は青龍だ。あいつに対抗するには武装色の覇気の最終段階にまで至らなきゃならねえ」
「外から流して内側から破壊する武装色の覇気だろ……しまいめにはコーティング屋でコーティング技術学ぶぞ」
武装色の覇気を最後まで覚えろと言いたいのは分かるけどよ、俺は原作通りにカイドウの馬鹿野郎を殺したいの。
本音を言えば今すぐにもぶっ殺してやりてえがそうなるとこの世界が詰んじまう。地獄の転生者養成所が言うには世界によって、例えばブラッククローバーとかFate/Grand Orderみたいな世界は原作通りに事を進めなくちゃならなくて自ら進んで海賊団を立ち上げねえなら原作通りにルフィを鍛え上げて原作通りにしとかなきゃならねえ。
カイドウを仮に殺すことが出来たとしてもルフィがギア5を会得する事が出来なくて詰んじまう。
ONE PIECEはルフィがしっかりとしておかなきゃならねえ世界……全くつくづく厄介な世界だが、まぁ、仕方がねえこと。与えられた手札に妥協する事無くどうやって戦い続けるのか、あるもので最強を目指すのが1番だろう。
白ひげはコーティングしたいのならば自力でやりやがれと言う。
コーティング屋に金を積めば問題無く出来るが腹立つ事に白ひげの野郎がいくら積まれてもやるなって言ってやがる。こんな事ならばおでんのおでんを作るんじゃなかったと後悔しつつも白ひげが傘下にしている島の村に上がる。
「大輔、親父はお前の事を思ってるから船をコーティングさせねえんだよい……航路を逆に行くとは言え偉大なる航路を帰るんだ。そいつは命懸けだぜ」
「ワノ国を飛び出した時から命は懸けてるさ……しかしまぁ、何故に武装色の覇気を纏わせる事が出来ねえんだ?」
「お前、自分の爪を切った後にその爪に力を纏わせる事が出来るか?」
「……」
マルコに愚痴を零せばまだまだ未熟者だと笑われる。
未熟者で悪かったなと思いつつもコルト・パイソンを取り出して木に向かって撃つ。ただ撃つんじゃない、撃ったところにある弾丸にもう一撃撃ち込むという離れ業を成し遂げればマルコはヒューと口笛を吹いた。
「銃の腕だけならイゾウよりも上だな」
「この技術は割と大事だからな、実戦でも使えるようになりてえんだよ」
自然系と超人系は武装色の覇気の弾丸を会得すればどうにでも出来る。
ただ1つの問題点が
「釘パンチならぬ釘撃ち……うーん」
現時点では動かない的だったら簡単に弾丸を釘の様に撃ち込む事が出来る。
動物系の強靭な皮膚を貫く方法はこれしか浮かばねえ、そもそもで銃を用いた必殺技ってのがあんまり浮かばねえ。死ぬ気の炎的なのを入れて銃からビームや炎を放つってあるが生憎な事に俺の銃は普通の拳銃だ……
「戦うのならば必殺技ってのがあってもいいもんだがな、イゾウさんよ。銃を用いての必殺技ってのが浮かばねえんだがなにかねえのかい?」
この現場に居合わせているイゾウに意見を求める。
「必殺技というのは読んで字の如し、必ず殺す技だ……銃と言う武器は必ず殺す為の道具だ……おでん様すら殺せる武器だ」
「ああ、そうだな……」
「だからお前がやっている釘撃ち以上の必殺技は思い浮かばないな……というか俺にも出来ない事をサラリとやるな」
「俺が1流だって胸張って言えることは
「ほぉ」
イゾウは二丁拳銃を俺に向けて撃ってきた。
挨拶のつもりだが中々に嫌がらせが上手いなと思いつつも白鞘の刀、斬鉄剣を抜いて武装色の覇気を纏ってからクルリと一回転して弾丸を弾いた。
「ふっ……流石はワノ国の男児だ。刀の扱いはお手の物、相手に流し込む覇気は出来ないが纏う覇気の基礎は完璧だな」
「俺ぁ刀よりも銃の方が好きなんだよ……銃火器の扱いだけは得意なんだ」
別に生まれや育ち環境が特別じゃないが、どうも俺には銃火器を扱う才能がある。
俺が大泥棒の右腕であるのは案外銃火器を扱う事に関して天才だから、そうかもしれねえな。
「武装色の覇気で銃弾をパワーアップさせても限界と言う物がある、威力は増加するが速度は上がらない……お前は出会った事はないだろうがこの世にはピカピカの実という悪魔の実がある。その実を食べた能力者は一直線限定だが光の速さで動くことが出来る……見聞色の覇気をちゃんと使えるレベルまで会得している相手だったら銃弾を先読みされて避けられる」
「うーん……言いたいことは分からなくもねえ……だがよ、銃ってのは向けられた銃口から大体何処に飛ぶかは予測する事が出来て見聞色の覇気なんざ無くても回避する事が出来る武器だろう?」
「いや……それが出来るのはお前だけだからな」
そうか?
少なくとも先輩転生者である海馬瀬戸や戦闘特化の転生者である転生する度に諏訪部キャラになる奴は銃口から銃弾がどういう風に飛んでくるのかを予測する事が出来る。戦闘タイプや万能タイプの転生者ならこれぐらいは簡単に出来る筈、だよな?
「刀は使い手を鍛えれば業物でもなくても問題無く戦える、覇気次第でどうにでもなる……だが、銃はな。刀と違って鍛える方法が無い……お前の持っている銃は雨に濡れようが問題無く更には連射もする事が出来て銃としては大業物クラスの一級品だ」
「いや、まだ1番の相棒を作ってねえよ」
コルト・パイソンやワルサーなんかを作ったりしたが1番の相棒であるコンバットマグナムを作っちゃいねえ。
俺が大泥棒の右腕と似た容姿であるならばコンバットマグナムを、例え一回一回引き金を引かなきゃならなくてもあの銃を作らなきゃならねえ。
偉大なる航路の後半の海では見聞色の覇気持ちは当たり前だから普通に拳銃を持ってても意味は無い……となりゃあ、分かってても反応する事も出来ねえ速度で撃ち抜くのが1番……拳銃って普通は撃つ前に避けることは出来ても撃ってから避けることは難しい、常人は絶対にする事は出来ねえ技術だ……秒速300mぐらいの弾を回避する相手は……
「音速以上の速度で弾丸を撃てば流石に避けることは出来ねえか」
「音速以上で……お前の銃で既に異常なまでの速度を出しているが」
「お前、やろうと思えば避けれるんだろ?じゃあ、カイドウの直属の部下相手に普通に撃つのは不可能だ」
そもそもで百獣海賊団の幹部は能力者、武装色の覇気で殴るのを前提に戦わなきゃならねえ。
武装色の覇気を纏わせて音速を超えた弾丸を撃ち込む……俺にゃ現代の銃の知識はある。銃弾の瞬間最高速度はマッハを越える銃が多いがこの世界の住人は音速でなく光速な相手と殴り合うことが出来る世界だ……いやぁ、そう考えりゃONE PIECEの世界で銃の扱いが不遇なのも納得する事が出来るな。頑張れば光の速さで動くことが出来る相手と殴り合うことが出来る…………何処の聖闘士星矢だよ。
「音速以上の速度で撃たなきゃならねえ……銃の性能を上げる以外で銃の弾丸の速度を上げる方法か…………あ!」
「なんだその、あ!は……音速以上の速度で撃ち込む方法はあんのか?」
ONE PIECE独自の技術的なのを俺は持っていない。
ONE PIECE独自の技術的なのがあるというのであればそれを信じるしか道はねえが、ONE PIECE独自の技術的なので音速以上に弾丸を撃ち込む技術なんてあったのか?
「…………弾丸を直接相手に投げつける、それが出来る男がこの世に居るんだ」
「あ〜…………拳銃を根底から否定する真似はしたくねえな」
イゾウが言っているのは恐らくはガープの事だろう。
ガープだったら確か砲弾をぶん投げて砲弾以上の威力を叩き出すというとんでもねえ事が出来る化け物ジジイだ。確かに拳銃で無理だって言うのならば拳銃以上の剛力でぶん投げるのが1番だろう。だがそいつは拳銃そのものを否定しかねない行為だ。俺に出来るかって聞けば出来るだろう。だが、そいつをやるのは銃を扱う人間として失格だと俺は思う……ふ〜む……難しい話だな。
「銃弾は消費する物で黒刀の様に至らせる事も出来ない代物…………剛力で直接弾を投げるのが最も速く相手にぶつける事が出来るだろう」
「その方法はパスだ、俺の主義に反する」
「ならばいっそのこと、銃を捨てて刀を極めろ。白鞘の刀は無名だが業物に負けない代物だ」
「俺は銃の方が好きなんだよ……」
別に刀を用いて戦えないわけじゃねえが、使うならば銃の方が好きなんだよ。
イゾウは銃の性能を上げる以外で銃弾の速度を上げる方法は存在しないと言い切る。その事に関しては異論は無い。そして俺の使っているコルト・パイソンやワルサーなんかはONE PIECE世界において非常に珍しい1回1回弾を装填しなくてもよくて更には雨の日でも問題ねえ現代の銃だ。
「悪魔の実の能力ならば撃った弾に更に力を加えて加速させたりすることが出来るかもしれないが、お前は能力者じゃない」
「…………いや、その手があったか」
撃った弾にさらなる力を加えて更に加速させる。
その手ならば使うことが出来るんじゃねえのかと拳銃を構えて発砲すると同時に斬鉄剣で飛ぶ斬撃を使った……が、飛ぶ斬撃はコルト・パイソンの弾を斬っちまった。
「こうじゃねえ……斬らずに叩かねえと」
「なにをしてるんだ?」
「撃った弾に更に刀を叩きつけて速度を増す訓練だ。飛ぶ斬撃をぶつけて速度は増す筈だが、どうも武装色の覇気が原因で斬っちまう……斬れ味の良い刀で武装色の覇気を纏って斬らない飛ぶ斬撃を加えて更に推進力を増す」
「剣の達人ならば飛んでくる弾丸を斬り落とす事が出来るが、飛んでいく弾丸を叩いて更に加速させるだと…………」
「俺の武装色の覇気もまだまだか」
斬れ味を増やす武装色の覇気は出来ているが、それ以外はまだまだ未熟だ。
斬れ味が良い刀で鉄を斬るじゃなく紙を斬れない様にする。武装色の覇気とは真逆な事をする……この場合だと、武装色の覇気を纏わせて硬度を高めた弾丸を武装色の覇気で斬る事が出来ない飛ぶ斬撃にぶつけて飛ばす……スーパー戦隊の中で最強と言われる海賊戦隊ゴーカイジャーになんか撃った弾に斬撃を浴びせて威力を増す技があったがそれと似たような感じだなこの技は。
「お前の銃の腕には呆れる……撃った弾に斬撃を浴びせて威力を増すとは、そんな手があるだなんて」
「コイツを会得する事が出来たとして、コイツが通じねえ相手がこの世に居るのならば俺はどうあがいてもそいつに勝つことが出来ねえ」
「見聞色の覇気で予知しても絶対に回避する事が出来ない不可避の一撃だ……唯一懸念があるとするならばそれは……カイドウか……」
「ああ、カイドウと後はバリアを貼れる悪魔の実の能力者だ」
この技だけでも充分に恐ろしいとイゾウは言うが、コレでも通じねえ相手はそれなりに居る。
バリバリの実のバリア人間とか……バリアが何処までの強度なのか分からねえが、ブチ切れてるおでんの刀を簡単に受け止めちまうぶっ壊れた力を持ってる。海楼石の弾丸でのコレが通じなきゃ詰んじまう。そしてなによりもカイドウが怪しい。あいつは青龍だから弾丸が通じない、飛ぶ斬撃を応用した加速をした弾丸が突き刺さらない可能性もある。そうなりゃ釘撃ちも出来ねえ。
「武装色の覇気を用いて銃で戦うならば覇気の最後の段階にまで至らなきゃならねえか」
どちらにせよこの技は今の俺には早すぎる技だ。
先ずは斬鉄剣で紙を斬らない武装色の覇気を会得し次に手元から離れても問題無い銃弾の武装色の覇気を会得する。
この2つの技術を完璧にマスターしてから……その技術を会得するには先ずは普通の武装色の覇気で武装色の覇気を纏うんじゃなく流し込んで敵の内部を破壊する武装色の覇気を会得しなきゃならねえか……道は長えが存在していないわけじゃない。1%でも可能性が存在していると言う事は出来ないと言うわけじゃねえ。
「ふ〜…………仏様は俺に合わせてくれたのかねぇ……………」
やれ無限の剣製だ王の財宝だ四次元ポケットだ色々とチートな転生特典は多数ある。
そんな中で俺に与えられた転生特典は鋼の錬金術師の手合わせ錬金術、万能性で言えばかなりのぶっ壊れた性能だが戦闘特化の転生特典じゃねえ。遊戯王の千年アイテムやゼルダの伝説のセット一式の方が圧倒的に戦闘に向いているし万能性も高い。だが、俺に言わせりゃそんなもんよりもちゃんとした普通の銃1つでもあれば充分、敵をぶっ倒すのに理不尽なチートは要らねえ。やろうと思えば人は拳骨一発で叩きのめす事が出来るんだ。
「っと、いけねえいけねえ。このままだと修行コースになっちまう」
別に修行する事は良いことだけども、俺は東の海に向かわなきゃならねえ。
武装色の覇気で相手を殴ったり斬ったりする事が出来るんだから前半の海ならばどうにでもなるし、それこそ最弱と言われている東の海ならばもっとどうにでもなる。鍛錬に励む日々は良いことだが肝心の目的を忘れちゃいけねえ。俺はコーティング業者の元に向かってコーティング技術を目で見て盗みに行った。
「グララ……こんなもんじゃ海王類に食われておしまいだよ」
「ったく……ガキの前に立ち塞がるなっての」
コーティング技術を目で見て盗んで真似してみるが白ひげ基準じゃアウトらしい。
武装色の覇気の特訓をしつつもコーティング技術を真似する日々を続け半年後にはなんとか白ひげはコーティング技術を認めてくれたので魚人島に向かえる様になった。