一応は副船長やってます。   作:アルピ交通事務局

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男はカッコよく去っていく

 白ひげから腕のいいコーティング屋を紹介してくれたが白ひげの奴がコーティングはさせねえように裏工作してやがった。

 おかげでコーティングを自力で覚える羽目になったんだが、今までで1番ヤバいと生命の危機を感じる。白ひげの覇王色の覇気を浴びせられた時よりもヤベえんだよ。

 

「ミホークはコレを淡々と1人でやってやがるのか」

 

 深海10000m、つまり10kmに沈む船だが残念な事に俺の錬金術が使えねえ。

 俺の錬金術は体と体をくっつけることで出来る鋼の錬金術師の真理の門を覗いた人間にのみ出来る錬金術だ。この錬金術は1回1回体と体を合わせて円を作り出さなきゃいけねえが問題はそこじゃねえ。

 

 俺は今の今まで錬金術で風を起こしていた。

 航海術なんて無いに等しい、雲の流れから空気の流れを予測して次の島を目指すだなんて器用な真似は出来なかった。手合わせ錬成で風を巻き起こしてたのだが、今回は難しい。

 

 偉大なる航路の前半と後半を繋ぐ魚人島。

 そんな魚人島に向かう為にはシャボン玉に船を包んで海を降りなきゃならねえんだが、このやり方だと海流に身を任せなくちゃならねえ。

 俺の錬金術は大前提に触れなくちゃどうにも出来ねえ、海流に触れなくちゃならねえが当然深海だから水圧が半端じゃねえ。武装色の覇気で硬化した両手を出して一回仰がなきゃならねえが流石の深海の水圧だ、かなり痛い。

 

 ミホークの奴はどうやってるかは知らねえが、新世界に行く時は魚人島を通ってる筈だ。

 たった1人で海流を見切って海の流れにそって魚人島に向かう……幸いと言えばいいか光るマングローブがあるところに降りていけば魚人島に向かえる。今の俺の見聞色の覇気は3kmが限界だ、半径3kmだから直径6km……なんだがよ、縦に気配を感じる見聞色の覇気なんて使った事が無かったんだよ。一応は見聞色の覇気を全力で行使してる。泳いでいる魚から海流がどんなものかと見て武装色の覇気で硬化した腕をシャボン玉の外に出して海流を無理矢理作り上げる。今までで1番厳しい航海だろう。

 

 例え白ひげだろうが黒ひげだろうがシャンクスだろうがゴールド・ロジャーだろうがこの道は一回は通らなきゃならねえ道だ。

 通らなくていいのは海軍ぐらい……海軍や王族は上の道を唯一通ることが出来るが、そうなればゴミクズもとい天竜人に会わなきゃならねえ。俺はどっちかと言えば穏便な人間だけどよ、流石に天竜人はぶっ殺しそうだ。

 

「お……見聞色に引っかかったか」

 

 数百を越える人が群がる気配を感じ取った。

 見聞色の覇気に引っかかった方向に船を動かせばシャボン玉に包まれた島を発見する。アレが世に聞く魚人島、ログポースの針がグルグルと回転している。ここが魚人島なんだと喜びながらも船を進ませる。

 

「待てい、そこの人間よ!」

 

「ん?」

 

「私はリュウグウ王国ネプチューン軍の門番だ!お主、魚人島に入国しに来たのだな」

 

「魚人島についたら……コレを渡しとけって言われてたんだが」

 

「こ、コレは白ひげの海賊旗!?」

 

 白ひげが魚人島に行くならば持って行けと白ひげの海賊旗が書かれた紙を貰っている。

 ネプチューン軍の門番に白ひげの海賊旗が書かれた紙を渡せば大慌てで何処かに行ったかと思えば……若々しいがリュウグウ王国の王であるネプチューンがやってきた。

 

「お主、白ひげの傘下か!」

 

「いや、俺は白ひげの傘下じゃねえよ……ただ白ひげに魚人島に行くんだったら持ってけって言われてただけだ……なんだ?白ひげの関係者はお断りってか?」

 

「いや……見たところただの人間の子供のようじゃが」

 

「おいおい、見た目で判断されちゃダメな種族が見た目で判断してどうするんだよ」

 

「むぅ…………」

 

「魚人島に入れてくれねえか……流石に上昇する分の空気は残っちゃねえんだ。どうか魚人島でコーティングをさせてくれ」

 

「……白ひげの紹介であれば悪人ではないじゃもん……入国を認めよう」

 

 白ひげの紹介状の強さは凄まじいな。ネプチューン王が自らで入れと言ってくるので船を動かしてリュウグウ王国に入る。

 1年以上かけてやっとの思いで魚人島に辿り着くことが出来た……コレを後、何回かやらなくちゃならねえか。心臓に悪いぜ。

 

「ほぉ……流石は魚人島、美男美女が勢揃いだな」

 

「お主は魚人や人魚を美男美女と?」

 

「人間、外面だけが全てってわけじゃねえんだよ……ま、人魚ってのは外面が最高なのは前提だけどな」

 

 リュウグウ王国の一般的な街に案内される。

 ネプチューン王は嫌でも目立つ存在で何事かと驚いている人魚達、人魚といえば色っぽい美人が多いイメージだが、その認識で間違いないみたいだ。どいつもこいつも美男美女ばっかだ。

 

「むぅ……変わった人間め」

 

「馬鹿野郎、日本人は美しければ大抵のものはイケる変態なんだぜ?」

 

 ロボットだろうが妖精だろうが悪魔だろうが、美女だったらアリだと言い切る。

 日本人って人種はそんなもの。目の前に居るのは美女だらけだったら喜ぶ奴は喜ぶだろうな。俺か?俺は女遊びは痛い目を見るって地獄の転生者養成所で耳にタコが出来るぐらいに教え込まれた。新宿の種馬みたいにモッコリと言ってルパンダイブはしねえが火遊びは色々とな。

 

「しかしよ、ネプチューン王。国を運営する側としては大丈夫なのかい?この島は全ての海賊が1度は通らなきゃならねえ道なんだろ?」

 

 ずっと気になっていた事を聞いてみる。

 魚人島は必ず通らなくちゃならねえ道だ。白ひげもゴールド・ロジャーも通った道で主人公であるモンキー・D・ルフィも通る予定の道だ。

 ルフィや白ひげ、シャンクスみたいなカタギに手を出さない海賊はこの世界では非常に珍しい存在、いや、そもそもで海賊は悪人か。俺も悪人だがな。

 

「なに、ここに辿り着く前に殆どの海賊が死ぬじゃもん……仮に辿り着いた凶悪な海賊が居ても問題無いじゃもん、ワシ達の方が上」

 

「おいおい、じゃあなんで白ひげの傘下である事を認めてるんだ?」

 

「それは……」

 

「人間、得意不得意な科目がある……魚人と人魚もその得意不得意な科目の延長線上にあるものじゃねえのか。お前は幾ら偉大なる一流の男である白ひげの傘下とは言え言い方を変えれば海賊の傘下である事を認めてるって証拠だぜ?あんた、心の何処かで白ひげの存在を認めてるって証だ」

 

「…………………そう言われればそうなのかもしれないじゃもん……………」

 

「お前等魚人の中には魚人基準で犯罪者だって居る……そういう線引は何時か痛い目にあうぜ?」

 

 この種族こそがこの能力こそが最強だと思うのはいいが、一歩間違えれば酷い目に遭う。

 ゴールド・ロジャーが能力をなにも持ってなくて海賊王になる事が出来たんだから、凄まじいもんだ。

 

「白ひげが魚人島で使っている家じゃ……好きにするんじゃもん!」

 

「おぉ、そいつは助かる」

 

 一応は小判を錬金術で作り上げていたが、白ひげが使っていた住居を案内してくれた。

 コレで宿屋の代金を浮かすことが出来る……となると後、問題なのは東の海に向かう為の準備だ。偉大なる航路(グランドライン)を逆行する。海軍本部からガープが東の海のフーシャ村に行くことが出来ているって事は偉大なる航路から東西南北の海に向かう事が出来る。

 

 ネプチューン王は俺を案内してくれたら竜宮城に戻っていく。

 

「さて……魚人島を探検するか」

 

 折角、未知の島にやってきたんだ。何処かに面白いものはねえのかとぶらりぶらりと街を歩く。

 海賊が落としていく金で生活している何気にヤベえ国だが、治安の方は比較的にマシ……いや、違うな。ここはそういう側面を見せてねえ感じだな。魚人島にも確かスラム街があった。そこにはガラが悪い人間だからと殺しに来る差別主義な魚人や人魚が大勢居やがる。

 

 ネプチューン王はそれを放置している。

 人魚と魚人だからと物凄く差別された世代じゃないが人魚と魚人だからと物凄く差別された世代から色々と伝聞した感じだろう。差別や戦争が起きた事を歴史の1ページとして語るのは構わないが、悪い事で最悪だっただなんだと語りまくれば変な心を抱いてしまう。なにも知らない世代、日本で例えるならば第二次世界大戦を歴史として知っているだけの世代にあれやこれや言い続けるのと似ているな。

 

「あら、僕、お買い物かしら?」

 

「…………」

 

 人魚がキャッキャウフフと屯っている場所にやってきた。

 まだまだ見た目がガキな俺を見て可愛い子供だと微笑みを向けてくる……前世と転生者養成所の修行と今生を合わせれば既に二十歳を超えてるんだが、厄介だな。だがまぁ、子供の特権ってのは子供の内にしか使えない。年齢操作出来る悪魔の実もあるが、基本的には子供の内にしか使えないんだ。

 

「姉ちゃんよ何処かに帽子を売ってる店は知らねえか?出来ればアザラシで出来ている帽子が欲しいんだが……」

 

「帽子屋に行きたいのね!案内してあげるわ!」

 

 どうせならばと身なりを整えよう。白ひげが傘下にしていた島は普通の島で、いい感じの店が存在してなかった。

 人魚の姉ちゃんに店を尋ねれば店を教えてくれるどころか案内をしてくれた。

 

「ここは魚類の皮なんかを加工した雑貨品が売ってるのよ!」

 

「じゃあ、帽子もあるか…………ふ〜む……………」

 

「やっぱり青色がいいかしら?いや、緑、それとも赤色」

 

 魚類の皮なんかを加工した雑貨品が売ってるって言ってるのにめちゃくちゃ染め物をしているじゃねえか。

 けどまぁ、色を染めとかなきゃ動物性の皮の雑貨品は単色になっちまう。人魚の姉ちゃんは俺に色々と帽子を被せてくるがどれもこれもしっくりと来ねえ。先ずシンプルに色が悪い、明るい色は俺の好みじゃねえんだ。よくてギリギリ黒寄りの青色だ。

 

「どれもコレも似合うわね〜」

 

「姉ちゃんは欲しいのはねえのか?」

 

「え、私が欲しい物?……う〜ん、海白蛇の財布かしら?白い蛇ってお金が貯まりやすいって言うし」

 

「おっちゃん、それ1つくんな……後、物じゃなくて素材を売ってるところが知らねえのか?」

 

 どうもコレだって言える帽子が存在してねえ。

 道案内をしてくれた別嬪さんにはお礼をしなくちゃならねえと海白蛇の皮で出来た財布を購入してプレゼントをすれば大喜びをした。

 

「僕、ありがとう……この財布、前々から気になってたの」

 

「僕って呼ぶのはやめてくれや。俺にゃ大輔って名前があるんだからよ」

 

「あら、ごめんなさい……大輔くん」

 

「……」

 

 子供扱いされる事に関してなにか一言二言言ってやりたいが、その程度でキレるのは大人じゃねえ。

 少なくとも本当は読んで欲しい上の名前で呼ばせていないんだから、ここは我慢しつつ素材を売ってる店を聞くが素材を売ってる店はあるにはあるが素材を売る側として店以外に卸すつもりは無いらしいのでここにある物で我慢してくれと言うので学生帽が何故かあったので学生帽と黒色の帽子とアザラシの皮で出来たバッグを購入し、学生帽を被って錬金術で黒色の帽子とアザラシの皮を融合させる……アザラシの皮100%じゃないのはやや気にかかるが、被り心地は……まだまだだな。俺の体格と帽子が合わねえ。今の俺には学生帽がお似合いか。

 

「その帽子、似合ってるわよ!」

 

「姉ちゃんもその財布持って稼げよ……ここと布を売ってる店は無いか?」

 

「服じゃないの?」

 

「俺は布が欲しいんだ……オーダーメイドってやつをしたいんだよ」

 

「そう、だったらね」

 

 布が売っている店が無いのかと聞けば人魚の姉ちゃんは教えてくれる。

 黒色や紺色の大きな布を購入すれば錬金術でスーツ……は、まだ早えから学ランを作り上げる。今の俺には学ランがちょうどいいぐらいだ。原作が開始する頃にはスーツを着る……上の名前は呼ばれてねえが姿ぐらいは真似てみてえとは思っている。

 

「ホントに貰ってよかったの?」

 

「余った物を処理してくれるならそっちの方がありがてえ……洒落た絵も文字もねえ単色だが、似合ってるぜ」

 

「フフッ、ありがとう大輔くん」

 

 単色の布を購入して錬金術で学ランに加工したが少しだけ余っちまった。

 余っちまった素材はくれてやると買い物に付き合ってくれた人魚の姉ちゃんは嬉しそうに笑う。友達に自慢する事が出来ると喜んでくれるならばなにより、そんでもってこの鬱陶しいとは言わねえが石川五右衛門のカラバリみてえな着物から卒業する事が出来る。

 

「お〜い、皆、見てみて!海白蛇の財布を買ってもらっちゃった!」

 

「え〜……ズルいわ!」

 

「ズルくはないわよ。買い物に連れてってくれたお礼、だよね?」

 

「まあな…………ん?」

 

 人魚の姉ちゃんが自慢気に友達の人魚に海白蛇の財布を見せる。

 買い物に連れてってくれたお礼だと自慢気に語ってくれるのだが妙な視線を感じた。ものは試しにと感情を読み取るタイプの見聞色の覇気を使えばこちらに対して悪意や敵意を向けてきている一団が居た。

 

「ふ〜む……」

 

 武装色の覇気と見聞色の覇気はそれなりに使いこなせているが覇王色の覇気だけは使いこなせねえ。

 人を威圧するってだけの覇気だがどうにも俺にゃ向いてねえ色の覇気だ。だが、人魚の姉ちゃん達に悪意や敵意を向けている。人魚の姉ちゃん達は色っぽくて乳のデケえ良い女ばかりだが、この世界は人魚だから魚人だからを理由に差別する馬鹿が居やがるが、現在絶賛白ひげのお膝元である。まだそこまで老化のデバフが掛かってねえ白ひげの存在はとにもかくにもデカい。カイドウやビッグマムよりも白ひげの存在がデカい、ロジャー海賊団と唯一まともにやりあえた海賊団だからしょうがねえが……白ひげのお膝元で馬鹿をやろうってのは白ひげに喧嘩を売るって事だ。あのジジイは老化のデバフがそろそろかかりに来るがそれでも最強クラスである事にゃ変わりねえ……覇王色の覇気が使えれば威圧して最初から何事も無かったって事で物事を終わらせれるんだがな。

 

「大輔くん、お姉さん達と一緒に泳ぎましょう!」

 

「人魚と泳ぐのも面白そうだが、世界最速と言われる人魚のマジな姿を見てみてえな」

 

「あら、じゃあ見せてあげるわ」

 

 1人の人魚がそう言えば海に飛び込み、目にも止まらぬ速さで泳ぐ。

 通常の魚よりも遥かに早い速度……撃ち殺す事が出来なくもねえが水中に居るから水という物で銃弾の威力が弱くなる……未だに銃弾に武装色の覇気を纏わせる事は出来てねえ……が、問題はねえだろう。

 

「え?」

 

「姉ちゃん、ちょっと五月蝿いが勘弁してくれ」

 

 俺はコルト・パイソンを取り出して撃った。

 海白蛇の財布を買ってもらった事を嬉しそうに言ってた人魚の姉ちゃんはなんで銃を出したんだと人魚の姉ちゃん達とは全く関係ねえところに向かって銃弾を撃ち込めば俺の頬を銃弾が掠るかと思ったが武装色の覇気で防御している。

 

「馬鹿な……何故分かった?」

 

「そいつを知りたければ新世界と呼ばれる世界を見てくればいい」

 

「こいつは!?」

 

「なんだ知り合いか?」

 

「知り合いもなにも有名な人魚さらいよ!」

 

 ボトリと近くの住居の屋根から落ちてくる魚人。

 人魚の姉ちゃんはそれを見た途端に顔を青くする。人魚さらい、ONE PIECEではそういう描写を深くはみせねえがこの世界には奴隷の概念が普通に存在してて忠実通り奴隷の様に働かされている。人間だけじゃなく女としての価値が高い人魚はかなりの高額で売られてるって話だ。

 

「俺に銃口を向けてきたのが間違いだったな」

 

「オレが撃った筈なのに……」

 

「俺も撃ったんだよ……テメエは俺の脳天を目掛けて撃った弾がブレたと思ってるが大間違いだ。俺がテメエが撃った弾を撃って破壊してテメエにぶつけた……人魚の姉ちゃん達、俺はこの国の法律が分からねえから姉ちゃん達が裁いてくれ……それとも俺が裁いた方がいいか?」

 

「っ……こいつらは私達がネプチューン軍に引き渡すわ!」

 

「そうかい……」

 

 俺が裁かなくていいと人魚の姉ちゃんは言うので俺はコルト・パイソンをホルスターにしまう。

 こんな奴等でも生きる資格はあるにはあるし、人間が理由がなんであれ魚人を殺せば闇が深くなるからな。

 

「平穏な街の夕方でも人魚さらいなんてくだらねえ真似してやがる馬鹿も居る姉ちゃん達は特に色っぽいから気をつけな」

 

「ま、待って!」

 

「別にいきなり居なくなるってわけじゃねえよ。少しの間は白ひげの海賊団が使ってた部屋に居るから会いたくなったら来てくれよ……じゃあな」

 

 帽子と服という欲しいものを買うことが出来たし、人魚の姉ちゃんの色っぽい泳ぎを見ることが出来た。

 良いもんが見ることが出来たのだと俺は色々と言いたそうな人魚の姉ちゃん達から背を向けて白ひげの海賊団が使ってた部屋に帰った。

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