「う〜ん……良い天気だ」
上手く海軍を騙すことに成功した。
フーシャ村もといゴア王国に繋がる地図を海軍からちょろまかす事に成功した。変装の術で声も何もかも変えてて万が一を想定して偽の遺体を用意してるから海軍は俺を探すと言う行為はしねえ。ついでに言えば海楼石を幾つかパクることにも成功している。俺の乗っている小船ならば乗せとけば海王類が全くと言って気付かない寸法だ。
「この海楼石は何れは銃弾にするとして……3kmか……」
見聞色の覇気を鍛え続けた結果、見聞色の覇気で半径4kmのところまでなにが分かるのか大体分かるようになった。
しかしまぁ、問題点と言うのはまだまだ山積みであり特に俺の実戦経験が薄いってのが難点なのと使ってる武器が銃なので頑張っても3kmぐらいの狙撃が限界なの……武器の性能が最後に物を言う世界だからな。
とはいえ死ぬ気の炎やビームを撃つタイプの銃は性に合わねえ、ガスガンとかは認めれるがな。
今の俺の腕で出来るのは1kmの狙撃……覇王色の覇気は全くと言って適性が無いのかの鍛えていてもうんともすんとも言わねえから諦めた。
「ま、出来ればの話だからそれでいいか」
そんなこんなでゴア王国を目指す。
錬金術で風を錬成する。凪の海に入っても腕を仰ぐだけで突風が吹き荒れ、ゴア王国に1歩ずつ近付く。と言ってもゴア王国からシャボンディ諸島までかなりの距離がある。どれだけ全速力でも1日2日で辿り着くなんて事はねえから道中に見えた島に立ち寄っては食料の補充をしていき、時間をじっくりとかけてゴア王国を目指していく。
「……ナイスタイミング、そう言えばいいのか?」
ゴア王国が間もなくだと言うところで俺は見聞色の覇気を最大限にまで強める。
未来視は出来ねえし相手の感情を読み取る方向はパワーアップしているので何処かに助けてほしいという感情を持っている人間が居るのが分かった。ならば話は早いとマクミラン TACー50を取り出して構える。船の上で足場は安定しない。
「ターゲットがデケえのはラッキーだな」
スコープで目標物を確認する。
近くの海でジタバタして溺れそうになっている子供が、モンキー・D・ルフィがいる。そしてそれを追いかけている赤髪のシャンクスの気配もある。俺は非常に運に恵まれているなと目標物を……近海の主を撃ち抜いた。
「っち、流石に武装色の覇気は無理か」
体感的にざっと言えば500m以上のところに居る近海の主を撃ち抜いた。
脳天を貫いたがしぶとく生きてる可能性もあるかと思っていたが、そんな事はなく近海の主は沈んでいった。
急に近海の主が沈んだ事にルフィは驚くがそれよりもと溺れそうな自分をどうにかしようとしているが無理っぽいのか溺れたが直ぐにシャンクスが潜水してルフィを助け出した。
「……そこに居るお前か」
「こりゃどうも」
錬金術で風を錬成して一気にシャンクス達の元に近付いた。
数百mの狙撃なんて常人には出来ない事でシャンクスは俺に対して警戒心を剥き出しにしている。
「そう警戒心を剥き出しにするなよ、そこの小僧を助けたんだぞ。礼の1つや2つぐらい言ってほしいもんだ」
「……」
「とりあえず、乗れよ。大の大人が乗っても問題ねえ……と言っても赤髪のシャンクスの船と比べればロクでもねえ船だがな」
警戒心を剥き出しにしているが覇王色の覇気を向けてくると言った事はしてこない。
手を差し伸べるとシャンクスはその手を掴んで俺の船に乗ってくれた。
「ゲホッゴホッ……お前が助けてくれたのか!?」
「いや、俺はフーシャ村ってところに立ち寄るつもりだっただけだよ。たまたまあの魚が邪魔だったから撃っただけ」
意識を失いかけていたルフィは海から離れたので意識を取り戻す。
飲んでしまった水を吐くと俺が助けてくれたのかと驚いているので俺は助けたつもりは特に無い。自分がやりたい事だから勝手にやった事だ。
「そっか……オレ、泳げなくなってるから助かったよ!フーシャ村に行きたいんだろ?だったら案内してやるよ!」
「そいつは助かる」
とはいえ既に見聞色の覇気でフーシャ村が何処にあるのか分かる範囲内まで居るんだがな。
ルフィはあっちだと指をさしたので俺は帆を使ってフーシャ村がある方向に向かっていればシャンクスは少しだけだが警戒心を解いた。
「お前は海軍の人間でも革命軍の人間でも世界政府の人間でもないのか?」
「そう見えるのか?」
「そんな見たことがない厳つい銃を幾つも持ってたらそう見えて当然だ」
「ま、それもそうか…………一応はカタギに手を出さない話し合いが通じる海賊だから名乗っておこうか、赤太郎さん」
「!!」
光月おでんが呼んでいた名称で呼べばシャンクスは驚いた顔をする。
そりゃそうだ。シャンクスの事を赤太郎と呼ぶのは今にも後にも光月おでんぐらい、その光月おでんの事をよく知っているならば尚更だ。
「お前……ワノ国の人間なのか?」
「違法出国した馬鹿野郎だよ」
「そうかそうか!なんだ、ワノ国の人間なんだったら早く言ってくれよ!」
「言うだけで爆弾なんだよ」
俺がワノ国の人間である事を知れば警戒心を解いたシャンクス。懐かしいなと笑うのだが俺としちゃ言うだけで爆弾なことを早々に言えねえ。
シャンクスはパンパンと俺の背中を叩いてきた。
「アレからワノ国はどうなってるんだ?」
「光月おでんは殺され、オロチと言う馬鹿野郎の悪政に悩まされている。反逆しようにもカイドウがバックについてやがる」
「…………そうか…………」
噂程度でワノ国の情報を聞いていたであろうシャンクス。
現段階のワノ国の情報を教えれば暗い表情をする。一緒に船に乗ってた仲間の故郷がめちゃくちゃにされるのはいい気分じゃねえだろうな。
しかしまぁ、シャンクスにワノ国を納めてくれと頼むわけにはいかねえ。
「変に警戒心を向けて悪かったな」
「いや、構わねえ……それよりも俺は厄介な事を持ち込んだかもしれねえ」
「厄介な事?」
「このゴア王国に繋がる地図を……モンキー・D・ガープからパクってきた」
「おい!?なにやってるんだよ!?」
「暫くすれば拳骨爺さんがやってくるぞ、きっと」
自分の故郷がもしかしたらめちゃくちゃにされる可能性が高い。
そう考えれば誰だって動く。ガープの爺さんならば絶対に動く。なにせ愛する孫がそこに居るのだから。
「ゲェッ!?祖父ちゃん返ってくるのか!?ヤバいぞ、シャンクス!祖父ちゃんめちゃくちゃ強えんだ!!」
「知ってるよ!拳骨のガープって言ったら海賊達にとっちゃ悪魔みてえな存在だ……お前、なんて事をしてくれたんだ」
「遅かれ早かれ拳骨爺さんは帰るつもりだったぞ?」
ガープの爺さんが帰ってくると分かれば顔を青褪めるルフィ。
シャンクスも拳骨のガープの恐ろしさを身に沁みているので今の時点で戦えばボコボコにされる。
厄介な事を持ち込むんじゃねえぞと言いたげな顔をしているシャンクスだったが、どっちにせよそろそろ孫の顔を見に行くかとガープの爺さんは考えてたみたいだ……そう考えればシャンクスはスゲえ運に恵まれているな。1年ぐらいフーシャ村を拠点にしてるってのに、1度もガープの爺さんに会ってないのを。今の段階でガープの爺さんとシャンクスが会えばシャンクスは絶対に捕まるからな。
「ったく、ルフィを助けた事に関して礼を言いたいところだが……」
「お頭ぁ!!」
そうこうしている内にフーシャ村に辿り着いた。
ゴア王国の裏側にある村なのは分かっているのだが、よくもまぁ、こんなバカでかい船を停泊させる事が出来たな。現代の日本ならばありえねえ感じだが、船員の1人が俺達の存在に気付いて手を振った。
「ルフィ、無事だったか?」
「うん!シャンクス達が助けてくれたんだ」
ベックマンがルフィの身を心配する。ルフィは問題無いと胸を張れば赤髪海賊団の面々はホッとしている。
シャンクスは船長無事でしたか!?と部下の海賊達に言われており、ベックマンだけが俺を見つめていた。
「ルフィを助けてくれた事は助かったが……何者だ?」
「大輔……今は何者でもねえよ」
「ベン、警戒はするな……そいつは敵じゃない」
警戒心を向けてきているベックマンに大丈夫だとシャンクスは言えば警戒心を解いた。
こうもあっさりと警戒心を解いたとはシャンクスの言うことはなんだかんだで絶対である事を教えてるみてえなものか。
「いや〜ルフィが助かってよかったよ」
「コイツはお前等の傘下の人間か?」
「いや、この村の住人だよ……冒険に連れてけ連れてけ言っててな……ま、とにかく命があってよかったよ。頭なんてルフィが拐われたって分かれば一目散に海を泳いじまってな」
「ルウ、それを言うんじゃねえ!恥ずかしいだろう!」
海賊な雰囲気をあまり感じられないシャンクス達赤髪海賊団。まぁ、別にいいかと思いつつフーシャ村に上陸する。
遂にここまで来た。ここに来るまで数年掛かったが、ここに来たのならばある程度は流れに身を任せた方がいいはずだ。
ルフィに何処か泊まる事が出来る場所がないのかを聞いてみれば空いている部屋があるのでそこを自由に使ってくれと言ってくれたので、俺はフーシャ村の空いている部屋を利用する事にした。
「この帽子をお前に預ける……この帽子が似合う1人前の海賊になったら、この帽子を返しに来い」
後日、シャンクスはフーシャ村を出ていく為の準備をする。
拳骨爺さんが怖いって言うよりは元々出ていく予定があったみたいだ。赤髪のシャンクスがこんな辺鄙なところに居る方がおかしい……冷静になって考えてみれば偉大なる航路以外の東西南北の海を支配下に置いておくみたいな事をしてる奴は早々に見ねえな。そんな事をするならばひとつなぎの大秘宝狙いに行くのか……あんな物を狙って何になるって話だがな。
「オレはシャンクスを超えるスッゲエ海賊になってやる!!」
「……楽しみに待ってるぞ」
ハードボイルドだな、シャンクスは。
俺に出すことが出来ねえハードボイルドな雰囲気を醸し出してシャンクス達の船、レッド・グリフィン号は大海原をかけていく。
暫くすればガープの爺さんが帰ってくるから……まぁ、どうすっかな……。
「ルフィ、お前は俺に貸しを1個作ったわけだ……その借りを出来れば返してほしい」
「返すって、オレ、金持ってねえぞ!」
「なに、難しい話じゃねえ……お前は本気で海賊王を目指してるんだろ?海賊王になる上ならば超えなきゃならねえ壁が幾つか存在している……カイドウとビッグ・マムと呼ばれるシャンクス並に強い海賊を倒さなきゃならねえ」
「それがどうしたってんだよ。オレは何時かはシャンクスをも超えるんだから誰が相手でも構わねえよ!」
「なら話が早え……海賊の中には島を傘下にしている連中も居る。俺はワノ国って国で生まれ育ったんだがよ、ワノ国をお前の傘下にしてくれねえか?」
「いいぞ」
「……随分とあっさりとするんだな……まだ詳しい内容を言ってねえんだが」
「お前の故郷を傘下にしろって事だろ?それぐらいでお前の貸しを1つ返すことが出来るんだ、安いもんだ」
ルフィはワノ国を自分のシマにしてくれと言えばあっさりと承諾してくれる。
カイドウやビッグ・マムなんかの脅威を知っている人間だったら誰もがビビって断る。シャンクスでも直ぐに頷く事は出来ねえのに。
なんだかんだで大物なんだな、麦わらのルフィは……なんだろうな?転生先なんてものはランダムで決まってて転生特典は仏がそれに合わせた物を選んでくれるって言うけどよ、どうやら俺は麦わらのルフィとの相性が良いみてえだな。
「それよりよ、あの近海の主を撃ち抜いたのお前だろ?お前、ヤソップみてえなスゲえガンマンだな!」
「俺が胸張って1番だって言えるのが
航海術も剣術も嘘も料理も医術も自慢できる物じゃねえ。
俺の唯一の武器は銃だけだ……まぁ、悪魔の実の能力者になればそれを自慢する事が出来るようになるが、少なくとも今自慢する事が出来るのは銃しかねえ……錬金術を用いた攻撃は出来ねえわけじゃねえけど、体の何処かと何処かを合わせて円を作らなきゃならねえ。
「大輔、お前オレの船に乗らねえか?海賊王になる男の船なら世界最強のガンマンが必要だ!」
「副船長の座をくれるって言うなら乗ってやっても構わねえよ」
「おう!副船長の座をくれてやるよ!」
……そこそこ冗談で言ったんだがな。ルフィは自分の船のNo.2にしてくれると宣言してくれる。
そういえば結局のところ誰が麦わらの一味の副船長なんだ?ゾロが麦わらの一味の副船長だなんだと言われてるけども、実際のところが分からねえ。
「……………ルフィ」
「なんだよ?まだなんか欲しいのか?」
「いやそうじゃねえ。さっき言ったことを一旦停止にしてくれ……船には乗るけど副船長はまだな」
いきなり副船長の座を奪いに行くことに関して罪悪感を抱いたりしたわけじゃない。
ただ、単に自分が名字で呼ばれるのがまだだから、だから正式に麦わらの一味になるのは副船長になるのはまだまだ後だ。
ルフィは俺が色々と考えて決意して覚悟を決めたっぽいのを察してくれたので深くは聞いてこなかった。