セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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※この作品はフィクションであり、現実の人物・団体・国家とは関係ありません。


第16話 裏話ASMR

「皆も掲示板を見て知っていると思うが、来月に学年別トーナメントが開催される。去年までは個人戦だったが、より実践的な模擬戦闘を行うため、今年は2人組での参加とする。なお、ペアが出来なかった場合は抽選で選ばれた生徒同士で組むことになる」

 

 朝のSHR。昨日食堂で聞いていた通りの内容が、織斑先生の口から説明された。

 そして申込用紙が順番に配られたのだが

 

「こことここを記入して……よし。山田先生、はい」

「えぇ?」

 

 俺のところまで用紙が回ってきてすぐ、俺とセシリアの名前を書いて即提出。

 まーやんが固まる中、織斑先生はジト目をした後ため息をついた。

 

「一応確認するが……オルコット、お前はこれでいいんだな?」

「はい、むしろ悠人さん以外の誰とも組む気はありません」

「……ああそうだ、お前達はそうだったな」

 

 そしてもう一度ため息をつくと、まーやんの代わりに申し込み用紙を受け取った。

 

「榊達を見習えとは言わんが、申し込み期限を過ぎないよう、早めにペアを見つけておけ。連絡事項は以上だ」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 その後、午前の授業は特にアクシデントもなく消化された。強いて言えば、ワンサマーが3時限目開始ギリギリに教室へ飛び込んできたことぐらいか。

 同じタイミングで、ボーデヴィッヒがいつも以上にイライラしているように感じた。

 

(ああこれ、ワンサマーが廊下で、織斑先生とボーデヴィッヒの立ち話を聞いちゃった場面か)

 

 かつてドイツ軍の教官をしていた織斑先生と、その時の教え子であり、再びドイツに戻ってきて欲しいボーデヴィッヒ。

 

(ん? この世界線では、()()()()()()()()()()()()()()()()んだ?)

 

 原作では亡国機業に誘拐されたワンサマーを救うために、織斑先生はモンド・グロッソの決勝戦を棄権して救出に向かった。その時情報提供をしたドイツへの借りを返すために、1年ほど教官職を引き受けたんだったか。

 けど、この世界では"亡国機業は存在しない"。つまり、ワンサマーを誘拐する組織自体がない。なのに織斑先生はドイツに行ったのか?

 

「う~む……」

「悠人さん、どうしましたの?」

 

 食堂で昼食を食べる手が止まっていた俺を見て、セシリアが心配そうな顔をして声を掛けてきた。

 セシリアに聞いてみるか? いやでも、正直に全部話したら『どうして悠人さんが、そんな秘密結社のことまで知ってますの?』とか怪しまれそうだしなぁ。

 

「いや、ちょっと気になることがあってさ……」

 

 なので、少しばかりボカシて聞いてみることにした。

 

「織斑先生がどうして、ボーデヴィッヒさんと縁があるか、ですか?」

「ああ。いくら織斑先生がブリュンヒルデの称号を持ってるからって、現役のドイツ軍人と繋がりがあるとは思えなくてな」

「ああ、そういうことですの」

 

 よしっ! ちょっと苦しいかなと思ったが、なんとかセシリアは俺の疑問に納得してくれたようだ。

 

「悠人さん……あまり大きな声では話せない内容なのですが……」

 

 そう前置きして、今でもピッタリくっ付いて食べていたセシリアが、さらに俺との距離を縮めてきた。

 

「これは偶々知ったことなのですが……」

「はうっ」

 

 セ、セシリア、さすがに耳元で話されたらくすぐったい! というかこれ、完全にセシリアASMRじゃん! ご馳走様です!

 

「ち、近過ぎでしたか? ですがあまり公には話せない内容なので、我慢してくださいませ」

「分かった。頑張って我慢してみる」

「お願いしますわ。それで、織斑先生とボーデヴィッヒさんの接点ですが……悠人さんは、モンド・グロッソの第2回大会についてはご存知ですか?」

「世間一般で知られてる程度は。確か、織斑先生が2()()()()()()()()んだよな?」

「ええ、その通りですわ」

 

 そう、この世界線では、織斑先生は決勝戦を棄権したりしていない。それどころか、イタリアのアリーシャ・ジョセスターフ選手を破り、大会2連覇を達成したのだ。

 だからさっきの疑問にたどり着くんだ。『織斑先生がドイツに行く理由がどこにあるのか』と。

 

「実は、第2回大会の決勝戦当日、織斑さんはとある犯罪組織に誘拐されたらしいのです」

「はっ?」

 

 ワンサマー、誘拐されたの? てことは、亡国機業が存在してるってこと!? 転生特典で『女性権利団体、亡国機業が存在しなくなる』って書いてあったよね!? どうなってるの女神様!

 

「ですが、織斑さんはドイツ軍によって救出されました。そして大会終了後にそのことを知った織斑先生が、借りを返すという名目でドイツに渡ったそうです。おそらくその時に、ボーデヴィッヒさんと知り合ったのでしょう」

「なるほど、そういうことか……ところで、その織斑を誘拐した連中って?」

「それは……」

 

 セシリアの顔が曇る。俺、曇らせ隊じゃないんだが……後で目いっぱい可愛がってあげよう。

 

「ドイツ軍によって捕縛された誘拐犯達の自供で、とある国が元凶であることが分かりました」

「国……?」

「サウス・コリア、かの国が犯罪組織を使って、織斑さんの誘拐を企てたそうです」

「サウス・コリア……大韓民国!?」

「しっ! 悠人さん、声が大きいですわ」

「わ、悪い。しかし何でまた……」

 

 この世界に転生してから全く耳にしてこなかった国名を聞いたから驚いたけど……この世界でも、当時の日韓関係は相変わらずだったのか?

 というか、この世界の朝鮮半島って、数年前に統一されたんだっけ。テレビのニュースでちょろっと流れてた記憶が。

 

「元々サウス・コリアは各国から……と言いますか、IS委員会加盟国から目の敵にされておりました」

「は? なんでまた」

「IS委員会発足当時、篠ノ之博士が作った467個のISコアが各国に分配され、サウス・コリアにもコアが渡りました」

「はぁ」

「ですがかの国は、本来起こり得ないことをしでかしました。……ISコアを解析しようと弄り回した挙句、破壊してしまったのです」

「破壊って……何したんだよ……」

 

 確かISコアって、小火器程度じゃビクともしないぐらい頑丈だって授業で習ったぞ? それを破壊って……。

 

「さらに彼等はIS委員会に対して『我々に不良品を送り付けてきた。謝罪と賠償を要求する』と言ってきたのです。IS開発者である篠ノ之博士への罵声付きで」

「うわぁ……」

「当然IS委員会、および加盟国は激怒。国連へサウス・コリアの除名決議が提出され、即日可決されました」

「わぁお……」

 

 もう、なんていうか……。

 

「さらに織斑さんの誘拐事件によって、国交を断絶する国が続出。それによってかの国は完全に国際社会から孤立しました。それからすぐですわね、ノース・コリアに併合される形で半島が統一されたのは」

「あの朝鮮半島統一って、そんな裏があったのか……」

 

 誰も味方がいなくなって、長年の敵国に食われちまったのか。憐れ……には感じないな。ある意味、なるべくしてなったんだろう。

 

「これが、世間一般には知られていないモンド・グロッソ第2回大会のお話ですわ。最初に申しました通り、わたくしは偶々、社交界で耳にする機会がありましたが」

「なるほどなぁ……」

 

 とりあえず、亡国機業は存在して無さそうってことが分かっただけでも安心だな。少なくとも、学園祭は(襲撃イベントが無くなるだろうから)普通に楽しめそうだ。

 それじゃあ疑問が解けたところで、ASMRのお礼をしないとな。

 

「セシリア~」

「ひゃっ!」

 

 グイッっとセシリアの腰に腕を回して、密着状態からさらに引き寄せる。

 

「面白くない話をしてくれたお礼をしよう」

「そ、それでしたら……キス、していただけません……?」

「セシリアからおねだりとは……いいよ」

 

 引き寄せた時に近付いていた俺とセシリアの顔が、完全にゼロ距離になる。

 

「んっ❤」

「セシリア……」

「ゆうとさん……❤ んむっ❤ レロッ❤」

 

 最近のセシリアはフレンチ・キスがお気に入りなのか、積極的に俺の舌を絡めようと狙ってくる。

 

「んん……ぷはっ❤」

「おっと」

 

 さすがに唾液の糸を食堂に落すわけにいかない。というわけで、今度は俺からセシリアに。

 これ、傍から見たら俺がセシリアに追撃してるように見えるよな。……まいっか。

 

「んんっ! ゆ、ゆうとひゃん……?」

 

 トロンとした目で俺を見つめるセシリアだったが、ほどなくして舌攻めを再開してきた。

 

やっぱりセシリアはエロいなぁ。だがそれがいい

 

 

 

「ウボァー(ガターンッ!)」

「のほほんさん!? うわっ! 瞳孔が開き切ってる!?」

「担架ー! 急いでー!」

「はぁ……」

「ヴィ、ヴィシュヌさんは冷静だね……?」

「もう諦めました。これ以上あのお二人の行動を気にしていたら、身が持ちません」

「あ、ヴィシュヌさんが悟り開いた……」

「仏教徒ですから」

 

ーーーーーーーーー

 

 そして放課後、第3アリーナでいつもの訓練をしようとピットで準備をしている時だった。

 

――ドゴォォンッ!

 

「ば、爆発?」

「誰かが模擬戦でもしてるのか?」

「そうかもしれませんが、模擬戦にしては爆発音が大き過ぎますわ」

「確かに……いや、まさか」

「悠人さん?」

 

 織斑が遅刻ギリギリで教室にやって来た。ボーデヴィッヒの様子がおかしい。ここから導き出されることは……

 

「おい鈴、しっかりしろっ!」

「一夏落ち着いて!」

「落ち着いてられるかよっ!」

 

 俺の中で答えが出た直後に、アリーナからドタドタと慌てた足音と怒鳴り声が聞こえてきた。

 ピットに入って来たのは、織斑先生と篠ノ之。そしてシャルロットと――

 

「鈴、さん……?」

 

 意識が無いのかぐったりして、ワンサマーに背負われたまま微動だにしない、ボロボロな鈴の姿だった。

 

「シャルロットさん!」

「セシリア……それに悠人も……」

 

 まさかワンサマーを呼び止めるわけにもいかず、セシリアは一緒に走るシャルロットに声を掛けた。

 

「一体、何がありましたの……?」

「それが……」

 

 シャルロットが事の経緯を説明してくれた。そしてそれは、俺が知る『原作知識』の通りだった。

 

 トーナメントに向けて自主練をしていた鈴に、ボーデヴィッヒが挑発。私闘を始めた。

 そこでボーデヴィッヒは機体維持警告域(レッドゾーン)を超える攻撃を加え続け、偶然それを目撃したワンサマーが激昂。

 しかしボーデヴィッヒにあしらわれ、あわや二の舞になりそうだったところを織斑先生が介入したことで、勝負はトーナメントまでお預けになったと。

 

「私闘を始めたところまでは喧嘩両成敗でも、オーバーアタックをしたボーデヴィッヒにお咎めは無しか」

「普通は何かしらの罰則がありそうなものですが……」

「うん、僕もそう思ったんだけど。織斑先生、ボーデヴィッヒさんがいなくなるのをそのまま見送っちゃったんだ……」

 

 俺達とすれ違わなかったところをみるに、反対側のピットから出て行ったのだろう。

 それにしても織斑先生。元・教え子に甘いのか、それとも実弟以外の危機には疎いのか……それでいいのか学園教師。

 

「それじゃあ僕行くね」

「ああ、引き留めて悪かったな」

 

 大丈夫だよ、とあまり大丈夫じゃなさそうな顔をして、シャルロットは速足でピットを出て行ったのだった。

 

「悠人さん……」

「ああ、分かってる」

 

「シャルロットさん、織斑さんのこと『一夏』呼びしてましたわね」

 

「そこっ!?」

 

 確かに気になるだろうけど、まずは鈴の心配をしてやろう!?




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……今回、ある意味際どいところを攻めた気がするよばっちゃ。
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