セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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原作イベント消化回なので、イチャラブは少な目です。


第17話 俺、アクシデントは最小限でって言ったよね!

 鈴が搬送されるところを目撃してからしばらく経って、俺とセシリアは保健室に来ていた。

 

「鈴さん、今回は災難でしたわね」

 

 セシリアが気遣うように言った先には、ベッドの上で包帯を巻かれつつも、それなりに元気そうな鈴の姿があった。

 

「まったくよ。おかげで来月……正確には2週間を切ってるわね、学年別トーナメントにも出られなくなっちゃったし……」

「機体のダメージ、そんなにひどいのか?」

「ダメージレベルがCを超えてるらしくってね。今、甲龍に無茶はさせられないわ」

「それは、お前の国も許可しないだろうな……」

「アンタ達のクラスの副担任にも、そう言われたわ」

「あ、やっぱりか」

 

 確か、ダメージレベルがCを超えた状態で起動させ続けると、平常時に戻った時に悪影響が残るんだよな。原作知識+座学でまーやんが言ってた記憶がある。

 

「なにより腹立たしいのは……一夏ってば、なんであのフランス女とペアを組んだりしたのよぉ! あっ、いたたた……」

「怒るのは分かりますが、体に障りますわよ」

「うぐっ、だってぇ……」

 

 半泣きで愚痴る鈴曰く、まーやんに出場不許可を言われた直後、女子生徒の波が保健室を襲ってきたんだとか。

 そして人の壁に包囲され、ワンサマーにペアを組むようお願い(脅迫?)してきたんだと。ナニソレ怖い。

 そこでワンサマー、『俺はシャルと組むことにしたから!』とみんなの前で勝手に宣言したらしい。

 

「しかもシャルロットってば、否定するどころか『えへへ~』とか言って……きぃぃぃ! あっぐ!」

「ですから、傷口に障りますと……」

「まあ、鈴の言いたいことも分からなくはないな。たぶん一緒にいただろう篠ノ之も、目が死んでたんじゃないか?」

「ええ……ハイライトが消えてたわ」

 

 さもありなん。

 

「しかもペアの理由が『トーナメント当日まで、シャルに戦い方を教えてもらいたいから』ですって!? あたしが教えてるじゃないの!」

「鈴さん、あれは教える内に入りませんわ」

「ぐはっ!」

「こらこらセシリア、正論で鈴を追い詰めない」

「そうですわね。申し訳ありません鈴さん」

「あ、アンタねぇ……」

「それにセシリア、お前の教え方も大概だからな?」

「ファーッ!?」

 

 いや、そんなに驚かれても……。飛行訓練でいきなり流体力学の話をされても、素人は困るんだわー。

 最初はマジでビビった。なにせ日本語のはずなのに、言ってることが全く理解できないんだもの。

 

「鈴は抽象的な説明を減らすように。セシリアは逆に、相手のレベルに合った説明を出来るようにしてくれ」

「わ、分かったわ……」

「はいぃ……」

 

 おかしいなぁ。鈴の見舞いが目的であって、二人に説教するために来たわけじゃないんだが……。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 さて、そんなこんなで時間が流れること2週間弱、学年別トーナメントの当日。

 第1回戦が始まる直前まで、全生徒は雑務や会場整理、来賓の誘導で大慌て。

 かくいう俺も、試合が今日の一番後ろの方だからと、さっきまで雑務で色んな場所を行ったり来たりしていた。で、やっと観客席に来られたってわけだ。

 

「全校生徒でトーナメントするからねぇ」

「元々1週間かけて行うイベントだから、タッグ方式になっても3日はかかるよ」

「1クラス30人として1学年が4クラスだから120人。そりゃ、1週間かかるよな。これで総当たり戦だったら目も当てられない」

「1週間どころか、数ヵ月かかってしまいますわ」

 

 もし総当たり戦だった場合、試合数は……7140回? タッグ戦だったとしても、2000回近く試合することになる……ムリだな。トーナメント形式は必然だったよ。うん。

 

「それにしても、1学年の第1試合がなぁ……」

「そうですわね……まさか織斑さんとシャルロットさんが先発とは」

「それだけじゃないよ。あのボーデヴィッヒさんと篠ノ之さんがペアとか、それこそまさかだよ」

「「「確かに」」」

 

 相川さんのセリフに、周りのクラスメイトもうんうんと頷く。

 昨日対戦表が発表され、それを見た全員が驚いたもんだ。

 なにせ、ワンサマーを嫌っている(と周りからは思われている)ボーデヴィッヒと、ワンサマーラブの篠ノ之がペアになるなんて、誰も思ってなかっただろう。

 

「大方、ペアを見つけられなくて、抽選でああなったんじゃないか?」

「あり得る……」

「篠ノ之さん、友達少なそうだし……」

「かなりん、それは思ってても言っちゃダメだって」

 

 みんな、割と篠ノ之に対して言いたい放題だな。とはいえ、確かに篠ノ之がワンサマー以外と一緒のところを見たことないが。

 俺もセシリアと組んでなかったら、一体どうなっていたことやら。いや、転生してきた時点でそれは無いんだけどな。

 

「あ、そろそろ始めるみたいだよ!」

「おりむ~、でゅっち~、頑張れ~」

 

 ピットから出てくる白式のワンサマーと『ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ』に乗るシャルロットに向かって、のほほんさんが手を振る。

 そして反対側からは、打鉄に乗った篠ノ之と、ドイツのIS『シュヴァルツェア・レーゲン』に乗ったボーデヴィッヒが現れる。

 

「榊さんは、どちらが勝つと思われます?」

「難しいところだな。ボーデヴィッヒはクラス対抗戦で優勝した鈴を破るぐらいの実力者だ。それに対して、シャルロットがどれぐらい強いのか分からんからなぁ」

「織斑さんと篠ノ之さんは?」

「あの二人はどっちも、ISに関しては初心者だろ? 専用機と訓練機って差があるとはいえ、正直あの中じゃどっちもどっちというか」

「え~、榊君辛辣~」

 

 思ったことを言ったら、話を横から聞いていた谷本さんにツッコまれた。辛辣か?

 

「そういう榊君はどうなの?」

「俺か? 残念なことに、俺はその篠ノ之にも負ける可能性が高い」

「うわっ、はっきり言っちゃうね」

「セシリアに訓練を付き合ってもらってるとはいえ、俺も初心者であることに代わりは無いからな」

 

 むしろ、ワンサマーのような主人公補正がない(転生特典を取ってない)分、成長率は高くないだろう。……うん、転生前に女神様が微妙な顔をするわけだ。

 

「って、よそ見してる間に篠ノ之が倒されてるぞ」

「うそっ! あ、ホントだ」

「織斑君、ボーデヴィッヒさんに押されてるように見えるけど……」

「よく持ちこたえてるよね、あれ」

 

 どうやら原作通り、篠ノ之を先に倒して二対一に持っていく作戦を取ったようだ。

 

「ああっ、織斑君!」

「うわぁ、これは……」

 

 二対一に持っていったものの、それでもボーデヴィッヒは強かった。

 6本のワイヤーブレードがワンサマーに殺到し、白式の装甲とSEをガリガリと削っていく。

 そしてAIC――範囲内の加速度を0にして、相手の動きを止める――にワンサマーが捕われ、とどめを刺される瞬間。

 

 こっそりゼロ距離まで接近していたシャルロットが、レーゲンにショットガンの連射を叩きこむ。

 それによって、レーゲンの肩部に装着されていたレールカノンが爆散。

 

「あれは!」

 

 それを、誰が呟いたかは分からない。

 未だゼロ距離を維持するシャルロットのラファールに付いている実体シールド、その装甲が突如弾け飛んだ。そして、中から出てきたのは――

 

「『盾殺し(シールド・ピアース)』! ラファールにはそれがありましたわね!」

 

――ズガンッ!

 

 セシリアが納得の声を上げる中、69口径パイルバンカーの切っ先が、ボーデヴィッヒの腹部を直撃。SEを大きく減らす。

 しかもあのパイルバンカー、リボルバー機構になっていて、6()()()()()()()なのだ。

 

――ズガンッ! ズガンッ! ズガンッ!

 

「うひゃ~、デュノアさん容赦ない~」

「これはボーデヴィッヒさん、ひとたまりもないわ」

 

 連撃を食らい、ボーデヴィッヒの体が大きく傾く。レーゲンのSEも1割を残すのみとなり、シャルロットがトドメの一撃を入れようとした瞬間――

 

 

 

 レーゲンの変形が始まった。

 

 

 

「なに、あれ……」

 

 それ以外、誰も言葉を口にすることが出来なくなっていた。

 

「VTS……」

「悠人さん?」

「いや、何でもない」

 

 くっそ! やっぱりこのイベントはあるのかよ! ワンサマーとボーデヴィッヒの確執があったから、もしやとは思ってたけど!

 

 VTS(ヴァルキリー・トレース・システム)。過去のモンド・グロッソ出場者の動きをトレースするシステム、だったか。

 色々問題があるシステムで、国際条約で研究・開発・使用の全てが禁止されてる代物だ。

 原作ではそれがボーデヴィッヒのISに密かに積まれていて、一定条件を満たすと発動するように仕掛けられていた。

 そしてこの世界線でも、その設定が生きていたんだろう。ああもう! 俺に直接火の粉が飛んでこないアクシデントは、転生特典の範囲外ってか!

 

――ガシャンッ ガシャンッ

 

 と考え事をしていたら、観客席の遮蔽シールドが突然降りてきた。

 

「え、ええ!?」

「どうなってるのよぉ!?」

 

 おいおい、さすがにこれは予想外過ぎるぞ。非常灯まで点いて、下手すりゃみんながパニック起こして収拾がつかなくなるぞ。

 

 

「みなさん、落ち着いてくださいまし!」

 

 

 突然立ち上がったセシリアが発した声に、周囲がシン……と静まり返った。

 

「ブルー・ティアーズに織斑先生から連絡がありました! 先ほどの異常に対して、万が一のために遮蔽シールドを降ろしたと!」

「お、織斑先生が?」

「はい。そしてこう仰っていましたわ。『全員、慌てず冷静に対処せよ』と」

「それ、いつもIS実習で先生が言ってた……」

「ですから、みなさん落ち着いて、続報が来るのを待ってください」

 

 セシリアがそう締めくくると、パニックを起こしていた生徒達が席に戻り始める。

 あの状態を、いとも簡単に鎮めちまったよ。さすが代表候補生。

 

「さすがだな、セシリア」

「悠人さん……」

 

 俺の横に座り直したセシリアが、俺の腕にしがみ付いてきた。

 その手は、心なしか震えているようにも感じた。

 

「わ、我ながら、とんでもないホラを吹いてしまいましたわ……」

「ホラって、もしかして織斑先生からは、何も?」

「はい。管制室からは何も通信は来ていませんわ……」

 

 なんと、あれはセシリアがみんなを落ち着かせるためについた大ウソだったのだ。

 

「もしバレたら、わたくしは……」

「……大丈夫だ」

 

 その震えを止めるように、俺はセシリアを抱き締めた。いつもより、力強く。

 

「もし織斑先生やみんなから怒られたら、俺も一緒に謝ってやるから。な?」

「悠人さん……うぅ……」

 

――ガシャンッ ガシャンッ

 

 そうしている内に、またもや突然に遮蔽シールドが上がり、元の状態に戻った。

 

「も、もう大丈夫なのかな?」

「あっ、あれ~!」

 

 のほほんさんが何かを見つけたように、アリーナに向かって指をさす。

 

 

 その先には、ぐったりしたボーデヴィッヒを抱きかかえる、ワンサマーが立っていた。




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……原作読み返してみたけど、観客席にいた人達平然とし過ぎだよばっちゃ。
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