セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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前回が不完全燃焼気味だったので、続けて書きました。


第18話 その身を捧ぐ

『トーナメントは事故により中止となりました。ただし、今後の個人データ指標と関係するため、全ての1回戦は行います。場所と日時の変更は――』

 

 学食のテレビから流れる連絡を聞きながら、俺達を含む1年生が夕食を食べていた。

 

「結局、こうなりましたわね」

「だな」

 

 学年別トーナメントの1回戦で起こったあの出来事は、箝口令が敷かれることになった。

 そりゃそうだ。VTSなんて国際条約違反システムがドイツの、しかも代表候補生の専用機に積まれてたのだから。きっと箝口令の裏では、IS委員会による強制捜査が入るんだろう。

 

「それにしても……」

 

 そこまで口にして視線を向けた先には、

 

「優勝……チャンス……消え……」

「交際、無効……」

「うわぁぁぁん!」

 

 絶望に打ちひしがれた、数十人の女子生徒が。

 いや君ら、本当にトーナメントに優勝して、ワンサマーと付き合う気満々だったの?

 

 なお、当のワンサマーはまだ食堂に姿を現していない。シャルロット共々、教師陣からの事情聴取を受けてる最中だろう。

 

「やれやれ……そういえば、結局織斑先生からのお咎めは無かったな」

「そ、そうですわね」

 

 ありゃ、またセシリアの腕が震え始めた。そんなに織斑先生が怖いのか。……怖いよな。

 

「ほら」

 

 テーブル席で隣に座るセシリアを抱き締める。そしていつもの頭撫ぜ撫ぜではなく、セシリアの長い髪を梳くように撫ぜてやる。

 

「悠人さん……」

「怖がること無いって。言ったろ? もしもの時は、俺も一緒に謝ってやるって」

「はい……そう、ですわね」

 

 そこからさらに撫ぜ続けると、ようやくセシリアの震えが収まったきた。でも撫ぜるのを止めない。

 

「あの、悠人さん?」

「やめるか? 俺はもう少し、こうしていたかったんだが……」

「いえ! お願いしますわ!」

「おうふっ、さっきと打って変わって元気になったな」

「今更ビクビクしていても仕方ありませんもの。ささっ、続きを」

「……ま、セシリアが元気になったからいいか。よしよし~」

「きゅ~❤」

 

 そうそう、そうやって幸せそうに俺の胸元に頬擦ってるセシリアがいいんだよ。

 

 

「ホント、あの二人はブレないわ……」

「あの時私、遮蔽シールドが降りた時にパニックになったのに、あの二人はいつも通りだったんだよ」

「愛の前ではあれぐらい、些事ってこと? 図太いわぁ……」

 

 なんか周囲から色々言われているが、そうだよ? 愛の力だよ? 嘘です、俺も(別の理由で)固まってました。

 

 そんなことを考えていたら、食堂終了ギリギリに話題の二人が滑り込んできた。

 

「それにしても、あの時の一夏の攻撃、すごかったね!」

「ああ、俺も白式にあんな機能があるなんて知らなかったよ」

「『零落白夜』。確か織斑先生が現役時代に使っていたワンオフ・アビリティだよ」

「そうか……千冬姉と同じ力が、俺に……」

 

 漏れ聞こえてくる話を聞く限り、やっとワンサマーは零落白夜の存在に気付いたらしい。

 零落白夜無しじゃ、いくらなんでもブリュンヒルデもどきを倒せはしなかっただろうから、当然と言えば当然か。

 

「そんな、第二形態移行(セカンド・シフト)をしていない、しかも専用機に乗ってまだ2か月ほどしか経っていない織斑さんが、ワンオフ・アビリティを……!?」

 

 同じように話を聞いていたセシリアが、俺の腕の中でショックを受けていた。

 あ~……専用機持ちとしての自負があるセシリアからしたら、ポッと出のワンサマーに抜かれたように感じるか。

 

「ワンオフ・アビリティ……なんて羨ましい……!」

「ヴィ、ヴィシュヌ……」

 

 声がした方を見ると、別のテーブル席に座って、握り拳を震わせるヴィシュヌがいた。

 あいつもあいつで、ISの技術向上と経験を積む目的でここに来たと公言してたからな。そりゃ羨ましいか。

 

 そんなある意味カオス一歩手前な食堂に、目のハイライトが消えかかっている生徒がまた一人。

 

「一夏……」

「箒、どうしたんだ? 目が死んでるぞ?」

「何でもない……」

 

 全然何でもないですね、ええ。さっきまで打ちひしがれていた女子生徒達と同じ、いやむしろ、噂の出処だからショックも人一倍か。

 

「そういえば箒。先月の約束なんだが……付き合ってもいいぞ

「……なに?」

「だから、付き合っても良いって」

「ほ、ほほほ、本当か!? 本当に、本当なのだな!?」

「い、一夏ぁ!?」

 

 ワンサマーの言葉に狂喜乱舞の篠ノ之。目を見開いて思わず立ち上げるシャルロット。

 ここだけ見れば、箒エンドで終わりそうなもんなんだが……。

 

「悠人さん、これって絶対……」

「たぶん、セシリアが思った通りになる」

「ですわよね……」

 

 さっきまでショックを受けていたセシリアの目が、憐みのそれに変わる。まあ、そうなるな。

 

「幼馴染の頼みだからな。付き合うさ――買い物ぐらい

 

――ピシィッ

 

 ワンサマーのその一言で、食堂内の空気が凍った。そんで、篠ノ之の顔が、鬼神の如く……!

 

 

「そんなことだろうと思ったわ!」

 

 

――どげしっ!

 

「ぐはぁっ!」

「篠ノ之さん、腰の入ったいい蹴りです!」

 

 いやヴィシュヌ、今そこ褒めるんかいっ!

 とはいえ、確かに腰の入った蹴りだったようで、ワンサマーは一瞬宙に浮いて床に胴体着陸した後、50cmほど滑走していった。

 

――どごぉっ!

 

 あ、脇腹に追撃の蹴りが入った。いくら乙女の純情?が弄ばれたからって、容赦ないなぁ。というか、ワンサマーがそういう奴だって一番理解してるのがお前だろうに。

 シャルロットもシャルロットで『擁護できないかなぁ』って顔してるし。

 

「ふんっ!」

 

 最後にピクピクするワンサマーを一瞥して、篠ノ之はずかずかと去っていった。

 それとすれ違うように、今度はまーやんがこっちにやって来た。千客万来だなぁ。

 

「榊君に織斑、君? えっと、これは……」

「気にしないでください。ちょっと箒と色々あっただけなんで」

「は、はぁ……」

 

 シャルロットの説明に首を傾げつつも、まーやんは『それよりもですね』と話を続ける。あ、ワンサマー放置っすか。

 

「なんとですね! ついに今日から男子の大浴場使用が解禁です!」

「あれ? 確か前に、来月からって言ってませんでしたっけ?」

「それがですね、今日は大浴場のボイラー点検があったので、元々使用出来ない日なんです。でも点検自体はもう終わったので、それなら男子の二人に使ってもらおうということになりまして」

「ほうほう」

「それで、この朗報を伝えに来たんですが……」

 

 そこでまーやんが困った顔をして、床でのびているワンサマーを見る。一番風呂に入りたがってた奴がこれだからなぁ……。

 

「山田先生、一夏には僕の方から伝えておきます」

「デュノアさん、いいんですか?」

「はい。どうせこの調子じゃ、今日は入れないでしょうし」

「あはは……それじゃあ、お願いしますね」

「はい」

 

 そうして話がまとまると、シャルロットは目を回してるワンサマーを担いで……マジで?

 

「シャルロット、大丈夫か? 俺が代わりに織斑を運んでも――」

「ううん。大丈夫だよ。これでも一時期、男の子をしてたから、力には多少自信があるし」

 

 そう言って、若干奴の足を擦らせつつ、シャルロットはワンサマーと一緒に食堂を出て行った。

 う~む、本当に大丈夫なのか?

 

「榊君だけになっちゃいましたけど、さっそくお風呂にどうぞ。今までシャワーだけで満足できなかったでしょう?」

「そう言われるとなぁ……」

 

 別にシャワーだけでも不満は無かったが、いざ入れるとなると、入りたくなるというか。

 

「大浴場の鍵は私が持っていますから、部屋に戻って着替えを持ったら、脱衣場の前に来てください。それでは」

 

 そう言って、まーやんは食堂を出て行った。

 風呂かぁ……大浴場がどんなもんか気にもなって来たし、ちょっと行ってみるか。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 さて、学生寮の大浴場に入ってみたものの、

 

「落ち着かねぇ……」

 

 IS学園の生徒が入ることを想定された浴場は、控えめに言ってもめちゃくちゃデカイ。そこに俺一人がポツンと入ってるんだから、逆にゆったり出来やしない。

 まーやんには悪いが、さっさと頭と体を洗って出てしまおう。そう思って湯船から立ち上がると

 

「悠人さん」

 

 えーっと、幻聴かな? セシリアの声が聞こえた気が……

 

「悠人さん」

 

――ピトッ

 

「せ、セシリア!?」

 

 シャワー室でいつも背中に感じる、双丘の感触。ま、間違いなく本物のセシリアだぁ!

 

「どうやってここに!? 脱衣場の前に、山田先生が立ってたはずじゃ!?」

「申し訳ないと思いましたが、眼鏡に50ポンド紙幣を貼らせていただきました」

「おぃぃぃっ!?」

 

 目隠しのつもり……じゃないよな! 買収か? 買収したのか!?

 

「そんなことより、悠人さん……ご一緒させていただいても?」

「あ、ああ……」

 

 気が動転してたからか、俺はそんな返事しか返せずに……

 

「……」

「……」

 

 セシリアと二人、湯船に浸かっているわけだ。

 一緒にシャワー浴びてるだろうって? それとこれとは話が別だって!

 

「悠人さん」

「お、おう?」

 

 うわっ、めっちゃ声が上擦った! 落ち着け俺、落ち着け。

 

「実は、悠人さんにお願いがありまして……」

「お願い?」

「はい……」

 

――パシャンッ

 

 湯が跳ねる音がしたと思ったら、ほのかに赤みを帯びたセシリアの顔が真正面にあった。

 

「セシリア?」

「悠人さん……わたくしを、貴方のものにしてくださいまし」

 

 そう俺に懇願するセシリアが、俺に真正面から抱き着く。お、俺の分身が、セシリアの柔らかな腹部に当たって……!

 

「ま、待て待て! 一体どうしたんだセシリア!?」

 

 いくらなんでも、脈絡が無さすぎるだろう!

 

「以前わたくしが『その手のことが恥ずかしい』と言った時、悠人さんは『なら、セシリアの心の準備が整うまで我慢する』と言ってくださいました」

「あ、ああ、言った」

「そしていつかはと思っていたものの、今まで覚悟を決められずにおりました……」

「そりゃあ、簡単には決められんだろう」

 

 男の俺とは違って、女のセシリアが体を許すって言うのは、そう簡単なもんじゃないだろうからな。

 

「ですがあの時、震えるわたくしを抱き締めてくださった時……気付いてしまいましたの。この気持ちを、抑えられないことに」

 

 

「わたくしは、悠人さんが欲しいのです……! 悠人さんの(もの)に、なりたいのです……!」

 

 

「セシリア……」

 

 湯に浸かっていたのとは違う理由で顔を赤くし、目を潤ませて俺を見るセシリアを、愛おしいと思った。

 そして気付けば、俺もセシリアと同じように腕を背中に回し抱き締めていた。

 

「こんなことを聞くのは野暮かもしれないが……本当に、俺でいいんだな?」

「ふふっ本当に野暮ですわ。()()()()()()()、わたくしの純潔を捧げるのです。だから――」

 

 

「だから悠人さん、わたくしを抱いて……セシリア・オルコットを、貴方色に染め上げてくださいまし❤」

 

 

 それに対して、俺はセシリアの唇に承諾の印を押す(キスをする)ことで返答した――




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……これが限界だよばっちゃ。
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