セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
次回は頑張ろう。
朝起きると、目の前には見慣れない天井があった。
「知らない天井……いや、そういえば臨海学校の最中だったな」
IS学園に入ってから(セシリアの)ベッドに寝てたから、畳に布団という組み合わせにどうも慣れてないな。
とはいえ、さすがは学園が宿泊先に選ぶ旅館、寝心地自体はかなり良かった。
「んん……もう朝ですの……?」
「ああ、おはよう」
「おはようございます……」
俺の隣で寝ていたセシリアが、まだ眠そうな顔で起きてくる。
ちなみに俺とセシリア、
(まさか、布団を一組しか用意されてないとは思わなかったぞ)
昨晩、夕食を食べて部屋に戻ってみたら、これである。しかもご丁寧に、枕はちゃんと2つ並べてあるという。
学園側は、俺とセシリアにイチャラブして欲しいのか、して欲しくないのか。
「ほら、今日は新装備の試験があるんだろ? 遅刻すると織斑先生から雷が落ちてくるぞ」
「うぅ~、それは嫌ですわ~」
「それなら、さっさと着替えて朝食を食べに行こう」
「分かりましたわ~……」
う~む、まだセシリアはお眠のようだ。いくら良質とはいえ、英国人に布団は微妙だったか。
仕方ない、ここは餌で釣るか。
「セシリア~、支度が出来たら頭撫ぜ撫ぜしてやるぞ~」
「……ファッ!?」
耳元で囁いた途端、セシリアはガバッと立ち上がると、シュババッと音が出そうな勢いで洗面所に向かい顔を洗い、寝癖も直して戻って来た。
「悠人さん!」
「あ、ああ。約束だもんな(頭撫ぜ撫ぜ)」
「~♪」
予想以上の効き目だった。今度からは、セシリアの寝起きが悪い時はこうしよう。
そう思いながら、俺は引き続きセシリアの頭を撫ぜながら、朝食を食べるために移動を開始した。
ーーーーーーーーーーーーー
朝食を食べてから少しして、1学年全員がIS試験用のビーチ――四方を切り立った崖に囲まれた、秘密基地のような場所――に集合していた。正確には、1名を除いて。
「ようやく全員が揃ったか。――おい、遅刻者」
「は、はいっ!」
集合時間から遅れること5分。織斑先生に呼ばれ、遅刻したボーデヴィッヒの肩がビクンッと跳ねる。
「そうだな……ISのコア・ネットワークについて説明してみろ」
「は、はい。ISコアはそれぞれが相互情報交換のためのデータ通信ネットワークを持っています。これは元々、広大な宇宙空間での相互位置情報交換のために設けられていると言われており、現在ではオープン・チャネルや、プライベート・チャネルによる操縦者通信などに使われています」
「よし、模範的回答だな。遅刻の件はこれで許してやる」
「はっ!」
戻って良し、と言われたボーデヴィッヒが、胸をなで下ろしながら列に戻って来た。なんというか、完全に軍隊のそれだな。
「それでは各班ごとに、振り分けられたISの装備試験を行う。専用機持ちは専用パーツのテストだ」
「先生、俺はどうしたらいいですか?」
挙手をして織斑先生に訊ねる。俺の打鉄は元々学園から貸与された、専用機とは名ばかりの訓練機だ。専用パーツもへったくれもない。
すると織斑先生は、盲点だったと言わんばかりに頭を掻いた。
「そうだったな。とはいえ、今から班を振り直すのもな……なら榊は、オルコットの手伝いだ」
「セシリアの手伝い、ですか?」
「ああ、二人でいられるようにしてやる。感謝しろよ」
「……体よく俺とセシリアを隔離しようとしてませんか?」
「……ほら、全員迅速に動け」
この先生、聞かなかったことにしやがったよ……。
「それと篠ノ之、ちょっと来い」
「はい」
打鉄の装備を運ぼうとしていた篠ノ之を呼び止める。あ、確かこの後……
「お前には今日から――」
「ちーちゃ~~~~~んっ!!」
き、来た! 特大の砂煙を上げながら、織斑先生の方へ一直線に突っ込んで来る人影、あれは間違いなく――!
「会いたかったよちーちゃんっ! さあハグをし――ぶへっ!」
「うるさいぞ束」
飛び掛かって来た人物――篠ノ之束博士――を、顔面アイアンクローで迎撃する織斑先生。思いっきり指が食い込んでるように見えるんだが、これ本当に大丈夫なんだよな?
「ぐぬぬぬ……相変わらず手加減なしだねっ」
そう言うと、博士は顔面アイアンクローを抜け出して、織斑先生の隣にいた篠ノ之(妹)の方を向いた。
「やあ箒ちゃん!」
「……どうも」
「えへへ、久しぶりだねぇ。こうして実際に会うのは何年振りかなぁ。大きくなったねぇ、特におっぱいが」
――ガンッ!
「殴りますよ」
「な、殴ってから言ったぁ! 箒ちゃんひどーい! ひどいひどい!」
日本刀の鞘で殴る妹に、殴られた頭を押さえて嘘泣きをする姉。篠ノ之家の事情は複雑怪奇なり。
「あ、あの方がISの生みの親、篠ノ之束博士なんですの……?」
「信じられませんね……」
「だが、篠ノ之が姉さんって呼んでるってことは、本物なんだろうな」
「イメージしてたのと違う……」
目の前で繰り広げられている流れに、セシリアやヴィシュヌはもちろん、他の生徒も皆ポカンとして眺めていた。
「おい束、自己紹介ぐらいしろ。うちの生徒達が困っている」
「え~面倒くさ~い。ハロー束さんだよ~。はい終了」
「お前は……」
あまりにも適当な自己紹介に、織斑先生が頭を抱える。ちなみにまーやんは、博士が登場してから右往左往してばかり。う~ん、想定外のことに弱い人だなぁ。
「それで、頼んでいたものは……」
やや躊躇いがちに、篠ノ之が姉に訊ねる。この世界線でも、やっぱりお強請りしたのか……。
「うっふっふ! ちゃんと準備は出来てるよ! さあ、大空をご覧あれ!」
ビシッと博士が指さす先を、そこにいた全員が見た。
――ズズーンッ!
「うわぁぁ!」
「あ、いっくんのいる方に流されちゃった。束さんしっぱーい♪」
いや、『しっぱーい♪』じゃねぇだろ。これは俺も同情するわ。突然空から金属の塊が自分の真横に落ちてきたら、そりゃワンサマーでなくても悲鳴上げるって。
そして金属塊の正面がバタンッと砂の上に倒れ、その中身があらわになる。
「じゃじゃーん! これが箒ちゃんの専用機こと『
出たよ、原作でも『おいおい……』ってなった第4世代機・紅椿。各国が第3世代機を頑張って作ってるところにさらに次の世代機を出すって、どんな嫌がらせだよ。
原作通りなら、この真紅のISは『展開装甲』っていう装備を積んでいて、攻撃や防御、機動などの用途に応じて変形するんだったか。
ちなみにワンサマーの白式に積まれてる雪片弐型も、こいつの試作品が使われているんだとか。あの零落白夜が使えるのは、その辺が理由らしい。
「それじゃあ箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか!」
「……それでは、頼みます」
「堅いよ~、実の姉妹なんだし、もっとキャッチーな呼び方で~」
「早く、始めましょう」
実の姉妹とは思えないぐらい他人行儀なやり取りをしているが……篠ノ之、お前それでよく姉にお強請りできたな。
「現行を超えるって……つまりあれ、第3世代機以上ってこと?」
「それを篠ノ之さんがもらえるの? ……ズルくない?」
「だよねぇ。いくら身内だからって」
周りから、そんな声が聞こえて来る。まあ、気持ちは分からなくもないが。
「おやおや、歴史の勉強をしたことが無いのかな? 有史以来、世界が平等だったことなんてないんだよ?」
そう博士から指摘されて、贔屓を非難していた女子生徒達はスゴスゴと作業に戻っていった。
それに、実の妹を贔屓しなくて誰を贔屓するんだって話でもあるしな。贔屓自体をするなって? それは無理だ。だって俺もセシリアを全力贔屓する気満々だし。
そこからは篠ノ之のフィッティングを行ったり、ワンサマーの白式のデータを見たりと、ずっと博士のターンになっていた。
みんな作業の手を止めて、博士と織斑姉弟のやり取りを眺めている状態だった。なおまーやんは(ry
「し、篠ノ之博士にわたくしのISを見て――」
「セシリア、やめておけ。さっきの女子達みたく、適当にあしらわれるぞ」
「うっ! そ、そうかもしれませんわね……」
博士に声を掛けようとしていたセシリアだったが、俺の言葉に一理あると思ったのか、また元の場所に戻っていく。
強さに貪欲なのはいいが、相手が相手だからなぁ。あ~あ、しょんぼりしちまった。
「元気出せって、な?(抱き締めて背中ポンポン)」
「う~……悠人さぁん……」
と、そうこうしている内に、あっちは紅椿の試運転を始めたようだ。
うわー、本当に刀から赤いビーム出てるよ。確か『
「思いっきり、わたくしのお株が奪われてる気がしますわ……」
うわぁ! せっかく回復したセシリアの気力ゲージが! おのれワンサマァァ!(八つ当たり)
「大丈夫だ。俺はセシリアがどれだけ努力家かって知ってる。だから機体の性能差なんてセシリアなら跳ね除けられるって信じてる」
「悠人さん……そうですわね、ここでくよくよしていても仕方ありませんわよね!」
俺の言葉に勇気付けられたのか、セシリアの顔がだんだん明るくなる。良かった良かった。
我ながらくさいセリフ言ってると思うが、これでセシリアが元気になるならいくらでも言ってやらぁ!
「た、大変です! お、おお、織斑先生っ!」
そんなタイミングで、慌てた様子のまーやんが織斑先生の方に走って来た。
「どうした?」
「こ、これをっ!」
渡された端末を見て、織斑先生が眉間を寄せる。
「匿名任務レベルA、現時刻より対策を始められたし――」
「ハワイ沖で試験稼働中だった――」
「機密事項を口にするな。生徒達に聞こえる」
「す、すみません!」
「専用機持ちは?」
「全員揃っています」
俺達がこちらを見ているのに気付いたのか、先生達は途中から手話でやり取りを始めた。
「(セシリア、あれって普通の手話じゃないよな)」
「(はい。おそらく、軍用の暗号手話ですわ。わたくしも知らない方式なので、おそらく日本独自のものかと)」
「全員、注目!」
織斑先生がパンパンと手を叩いてみんなを振り向かせる。
「現時刻より、IS学園教員は特殊任務行動へと移る。テスト稼働は中止、各員ISを片付けて旅館に戻り、連絡あるまで各自室内待機。以上だ!」
「ちゅ、中止?」
「突然なんなの?」
突然のことに、ざわざわと騒がしくなる。それは専用機持ちも同じだ。
「いいから戻れ! 以降、許可なく部屋を出た場合は身柄を拘束する! いいな!」
「「「「はっ、はい!」」」」
今までにない怒号に怯えたのか、みんな凄まじい速度で機体や装備を片付けていく。
「専用機持ちは全員集合!――篠ノ之もだ!」
ああ、このイベントも生きてるのか……
軍用IS『
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……ある程度原作沿いにすると、スルー出来なかったよばっちゃ。