セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
その代わりコメディ系を足しておいたから、これで許してヒヤシンス。
「お、俺が行くのか!?」
「「「「当然」」」」
旅館の一室(宴会用の大座敷)で、織斑ハーレムの声がハモった。
さて、突然に何があったか分からない人のために、簡単に説明すると
・
・なんか日本に飛んできてるんですけどぉ……
・IS学園上層部「専用機持ちで撃破して」
・開示されたスペック見たら、ヤバ過ぎで草も生えない
・どう考えても1回しかアプローチ出来なそうだから、一撃必殺の武装が必要
・零落白夜があるじゃん! ←イマココ
……そりゃあ、驚きもするだろう。俺がワンサマーの立場だったとしても驚く。
ようやくISに慣れたと思ったら、突然軍用兵器と戦ってこいって言われてるわけだし。
「ですが、実戦経験も無いのに大丈夫なのでしょうか……?」
「織斑、これは訓練ではなく実戦だ。もし覚悟が無いなら、無理強いはしない」
「……やります。やって見せます」
ヴィシュヌも織斑先生も、それ逆に発破かけてるから。ワンサマーもやる気になっちゃってるし。苦言を呈したヴィシュヌは不安そうだ。
端の方で座っている更識さんも、半分呆れた顔をしてる。『大丈夫なの?』って思っているのが丸わかりだ。
「よし、それでは作戦の具体的な内容に入る。零落白夜で福音を攻撃するため、白式は出来る限りエネルギーを温存する必要がある。故に、織斑を迎撃地点に運ぶ機体が必要になる。この中で、最高速度が出せる機体はどれだ?」
「それなら、わたくしのブルー・ティアーズが。ちょうど本国から強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が――」
「ちょっと待ったぁ!」
突然の声に、全員が声のする方――天井を見上げると、篠ノ之束博士の生首……もとい、博士が天井から逆さまに顔を出していた。
「……あ、あの、篠ノ之博士。とりあえず降りてきてもらえますか?」
「とうっ★」
まーやんの呼びかけに、博士は空中で一回転を決めて着地。これでエプロンドレスのスカートが捲れないんだから大したもんだ。
「ちーちゃんちーちゃん! 今束さんの頭の中に、もっといい作戦がナウ・プリンティング!」
「……山田先生、室外への強制退去を」
織斑先生からの指示でまーやんが捕まえようとするのを、博士がするりと回避。
「ここは断然! 紅椿の出番なんだよ!」
「何?」
「ほら見てちーちゃん! 紅椿なら展開装甲を調整すればほらっ、すーぐ超高速機動ができるんだよ!」
博士はそう言いながら、数枚の空中投影ディスプレイを表示させて織斑先生に見せる。
『従来のパッケージ換装を必要としない万能機』、それが第4世代機のコンセプトだったな。
「なるほど……オルコット。先ほどのパッケージだが、
「……いいえ、まだです」
「そうか。それで束、紅椿の調整にはどれぐらいの時間がかかる?」
「7分あれば余裕だね★」
それを聞いて、織斑先生は作戦を決めたようだ。
「では本作戦は、織斑・篠ノ之の両名による目標の迎撃・撃墜を目的とする。作戦開始は30分後。各員、準備にかかれ」
織斑先生の号令で、俺達専用機持ちと一緒に作戦会議に参加していた教師陣が、バックアップに使う機材の準備を始めた。
「手の空いてる者は、それぞれ運搬など手伝える範囲で行動しろ」
「力仕事ぐらいはするか。セシリア」
「ええ、行きましょう」
作戦司令部となった大座敷にワンサマーと篠ノ之を残して、俺を含めた他の専用機持ちは機材の搬入に駆り出されるのだった。
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「う~ん、暇だな」
「悠人さん、ダメですわよ。作戦行動中なのですから」
「そうなんだが、何もせずにじっとしてるのってどうもなぁ」
「アンタ、図太い神経してるわねぇ……」
セシリアだけでなく、鈴にも呆れた顔をされた。
調整が終わり、紅椿が白式を背中に乗せて出撃したのが午後11時半だから……まだ5分も経ってないのか。
その間、俺達待機組は機材が大量に入った大座敷の隅で待機することになったんだが、マジで暇だ。
「悠人さん、篠ノ之さんのことなのですが……」
「ああ、ありゃ完全に浮かれてるな」
「やはり、そうですか……」
セシリアが心配するのも分かるぐらい、篠ノ之は紅椿を手に入れて浮かれ切っている。
出撃前に織斑先生がワンサマーと通信していたみたいだが、案の定篠ノ之を危惧していたな。
「まあ大丈夫だろう。なにせ今回は某天才がバックにいるんだし、最悪福音をハッキングしてくれるんじゃね?」
「悠人さん?」
「なにせ妹の初陣、デビュー戦だからな。姉としてはいい感じに終わらせたいと思うだろうよ」
「あの、それはどういう……」
セシリアの疑問には答えず、俺は織斑先生の横でニコニコしている、兎耳のカチューシャをした篠ノ之博士を見た。あ、目が合った。
「……」
えぇ……なんか睨まれてるんですけどぉ……。
まあ、向こうにも聞こえるように、敢えて声を抑えないで喋ってたんだが。
原作知識から、俺は今回の騒動が篠ノ之博士の自作自演だと認識している。
目的は紅椿のデータ収集、そして妹を専用機持ちとして華々しくデビューさせること。もしかしたら、ワンサマーと篠ノ之の距離を縮めるっていうのもあったりするかもな。
だから俺は言ってるんだ。『多少介入してでも、綺麗に終わらせてくれ』と。
これでワンサマー達が失敗したら、次に俺達が駆り出されるかもしれない。それは勘弁願いたい。
だってあの福音と相対しても、俺邪魔になるだけじゃん。最悪怪我するやん。いやだよ俺、夏休みは病院で過ごすとか。
「白式及び紅椿、まもなく目標と接敵します」
オペレーターをしているまーやんの声がして、ディスプレイ中心の光点に、二つの光点が近付いていく。
そして――
『見えた! 一夏!』
『いくぜぇぇぇぇぇぇぇ!!』
篠ノ之の声に続き、ワンサマーの威勢のいい声が響いたと思ったら……
『一夏!? せっかくのチャンスになぜ――!?』
『船がいるんだ! 海上は先生達が封鎖したはずなのに――密漁船か!』
「密漁船だと!? 山田先生!」
「そんな! 確かに作戦開始前には……」
織斑先生とまーやんが慌てる中、博士は未だ余裕そうな顔をしている。だが
『馬鹿者! 犯罪者などを庇って――』
『箒!!』
『っ!?』
『そんな寂しいこと、言うなよ……。力を手にしたら、弱い奴のことが見えなくなるなんて……箒らしくないだろ……』
『わ、私、は……』
そんなやり取りが聞こえて来るが、あいつらは分かってるんだろうか……そこが"戦場"だってことを。
『箒ぃぃぃぃぃ!!』
『――ドゴォォォォンッ!』
「「「一夏っ!?」」」
「「織斑さんっ!?」」
ワンサマーの絶叫と爆発音に、織斑ハーレムの面だけでなく、セシリアとヴィシュヌも悲鳴を上げる。更識さんも、驚いた顔をして固まっている。
そんなみんなと裏腹に、俺は再度博士の方を見る。
さっきまでの余裕そうな顔は消え、八つ当たりなのかまた俺の方を睨みつけてきた。
(そんなことしてる暇はねぇだろ? いいのか? この世界線でもワンサマーが無事な保証はないぞ?)
原作の世界線では、福音によって半死半生の目に遭ったワンサマーは奇跡の復活を果たすが、この世界線ではどうなるか分からない。なにせ俺の転生特典によって、色々変わっちまったからな。
だから……さっさと介入しろよ。
「……っ!」
俺の考えが読めたのか、博士が舌打ちしそうな顔をする。そして織斑先生達からは見えないように、何かのスイッチを押した。
「こ、これは……!」
「どうした!?」
「白式の識別コードが……『白式・雪羅』? これって……!」
「まさか、
「せ、
「世界でも数例しか無いものを、織斑さんが……」
織斑先生とまーやんだけでなく、専用機持ち達も驚愕の声を上げていた。
『織斑より山田先生』
「は、はい! 山田です! 織斑君、大丈夫ですか!?」
『大丈夫です。福音を撃破、操縦者も無事です』
「「「「「おおぉぉぉぉっ!!」」」」」
ワンサマーの撃破報告で、またもや大音量の声が部屋中に響いた。そうか、何とかなったか。
そして気が付けば、不機嫌な兎耳は部屋から姿を消していた。
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ワンサマーと篠ノ之が福音の操縦者を連れて帰還、織斑先生から作戦完了が伝えられると、俺達は晴れて解散となった。
そして部屋に戻ると、俺達は畳の上に足を伸ばして座り込んだ。
「終わったなぁ」
「そうですわね。まさか臨海学校の最中に、こんなことに巻き込まれるなんて……」
「トンデモナイ確率だよな」
セシリアに同意するように話しているが、これが天才のマッチポンプだって知ってると、ただただ疲労感しかないんだよなぁ。トンデモナイ確率? いいえ、100%必然です。
「悠人さん……」
「どうした?」
質問には答えず、横に座っていたセシリアが俺の肩に手を回してきた。
「せっかく悠人さんと二人っきりで運用試験を出来ると思いましたのに、福音の件でオジャンになってしまいました。ですから……」
「おいおい、セシリアは神経図太いな。あんなことがあったって言うのに」
「ふふっ、悠人さんも鈴さんに同じように言われていたではありませんか。似た者同士ということですわ♪」
「なんだかなぁ……分かった、俺もなんだかんだで、セシリアをイチャイチャしたいからな」
「もうっ、悠人さんも人の事は言えませんわよ。んっ……」
少し拗ねたように唇をすぼませたセシリアが、俺に顔を近づけて来る。
俺も横を向くと、セシリアに顔を近づけて――二人の唇が重なる。
「んっ❤ ゆうとさぁん……」
「セシリア……」
俺達はお互いを引き寄せ合うと、唇を離さないまま布団の上に転がり込む。
クチュクチュと口元から水音が鳴り、荒くなった吐息の音が静かな部屋に響き渡る。
「悠人さん……わたくし、もう……」
「ああ……」
そして俺達はお互いを求め合い、欲望のままに動き始めた。
あっ、もちろん『家族計画』は使うぞ。さすがに在学中に妊娠はまずい。
1日目は使うの忘れてて焦ったんだが、
『そ、その……今日は"安全日"なので……』
と、俯いて呟くセシリアが可愛すぎたせいで、足腰立たなくなるまで致してしまったのは、若気の至りということで許してほしい。
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「……」
崖の端に座って、束はムスッとした顔で空中投影のディスプレイを見上げていた。
ディスプレイには紅椿の稼働率が表示されており、束としてはそれなりに満足する結果だった。
それに加えて、白式は
それが、自分の意図した筋書き通りであれば。
(腹立たしい……この束さんが、有象無象に何かを強要されるなんて……!)
本来であれば、白式には自力で第二形態移行してもらう予定だった。それが一夏のピンチによって、束が介入することになってしまった。
しかもそれをセカンドマン、一夏のおまけに促された(ように感じた)のだ。束からしたら屈辱でしかない。
「……ふんっ、まあいいや。別に束さんの計画が狂ったわけじゃないし」
(そう、束さんが立てた『
そこ、ネーミングセンスがおかしいとか言わない。
VTSの件も含め、束は一夏を鍛えると共に、妹である箒とくっ付けるために暗躍していたのである。
(いっくんがいい男すぎて、なんかチビっ子とかボクっ子とか眼帯とかも寄ってきちゃってるけど……まあ箒ちゃんが正妻だし、妾ぐらいは許そう!)
束的には、一夏と箒が結ばれれば、あとはどうでもいいらしい。妹の恋愛成就、それだけが目的なのだから。
「さて、束さんはそろそろお暇するよ、ちーちゃん」
「そうか」
束が立ち上がり声を掛けると、いつの間にか近くの木に身を預けた千冬から返事が返ってきた。
「束、あまり箒を構い過ぎるな。だからお前達の仲が拗れるんだ」
「それ、ブラコンのちーちゃんには言われたくないかも」
「誰がブラコンだ!」
先ほどまでの雰囲気が台無しである。
「ねぇちーちゃん、今の世界は楽しい?」
「そこそこな」
「そうなんだ」
「お前はどうなんだ?」
千冬が聞き返すのと時を同じくして、岬に吹き上げる風がうなりを上げた。
「いっくんと箒ちゃんのラブコメは見てて楽しいよ★」
「いっぺん死ね!」
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……もうダメだ、束もギャグ要員だよばっちゃ。