セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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これにて臨海学校編、終了です。
次回から夏休み編だから、自由度が増して書きやすくなるぞやったー!


第25話 ヒロインと一緒にうたた寝とか、ラブコメの定番だよね

 目が覚めると、知らない天井が……いや、さすがに2回目は無いだろ。旅館の天井が視界に入った。

 

「今何時だ……まだ5時か……」

 

 真夜中に福音を(ワンサマー達が)倒して、それから部屋でセシリアとイチャラブしてたから……実質3時間ぐらいしか寝てないのか。

 

「んん……」

 

 隣では、セシリアがスヤスヤと眠っている。ここで俺が起き上がって、起こしちまうのは悪い気がするな。

 というわけで、俺は布団から出ることなく、腕にしがみ付いているセシリアを抱き締める。

 そうしてセシリアの温もりを感じつつ、俺は(日を跨いではいたが)昨晩のこと……というよりは、織斑先生のことを考えていた。

 

 原作を読んでた時も思ってたが、あの人、絶対司令官とかに置いちゃダメだろ。

 事件が起こった時に冷静なのはいいんだが、出される指示が微妙過ぎる。

 この世界線ではないが、無人機乱入にVTSと、何かあればとにかく教師部隊、そしてワンサマーが聞き入れずに戦闘。結果的に何とかなるものの、それしか手は無いんかい猿ぅ! と言いたくなる。

 というかね、なぜ最強戦力であるブリュンヒルデを前線で戦えないようにしているのか。コレガワカラナイ

 もうまーやんがオペレータ兼全体指揮を執って、織斑先生が自由裁量で動けばいいだろ。完全に人材の使い方を間違えてるってこれ。あの人は"兵"としては天才でも、"将"としては凡才なんだから。

 

(もしくは、各国のお偉いさんが織斑先生を恐れての人事なのか?)

 

 あの篠ノ之博士と縁のある織斑先生に自由裁量を与えると、何をしでかすか分からない。そう考えて敢えて足枷を嵌めたのかもしれない。それに振り回されたこっちはいい迷惑だけど。

 

「ふみゅ~……ゆうとさぁん……?」

「セシリア。早起きだな」

「うにゅ~……」

 

 あれこれ考えてる内に、セシリアも目を覚ましたようだ。とはいえ、目が半開きの寝起き状態だが。

 時間は……6時か。朝食は7時からだから、もう少し寝てても問題ない。けど、さすがにシャワーは浴びたいな。昨晩色々あったんで……

 

「俺はこれからシャワー浴びるけど、セシリアはどうする?」

「う~……ご一緒いたしますわ~……」

「その状態で大丈夫か?」

「ふにゃ~……ゆうとさぁん、だっこですわ~……」

「マジかい」

 

 そんなやり取りを経て、寝起きで完全に幼児退行している英国淑女(笑)をお姫様抱っこして、俺達は仲良くシャワーを浴びたのだった。

 ちなみに、シャワーを浴びてる内に意識も覚醒したセシリアが、さっきまでのやり取りを思い出して

 

「や、やっちまいましたわぁぁぁ!!」

 

 と大声で叫びそうになったのを止めるのが大変だった。いくら俺達の部屋が一番端だからって、早朝から叫んだら織斑先生の雷が直撃するのは勘弁願いたい。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「ねぇねぇ、結局何だったの? 教えてよ~」

「ダメです、機密ですから」

 

 朝食の時間、テーブル席ではヴィシュヌが、女子数人から昨日のことについて質問攻めにされていた。

 けど残念、昨日の一件は箝口令が敷かれているのだ。そもそも二国の軍事機密が関わってくるから、喋ったら裁判&年単位で監視付きになると、織斑先生直々に脅されている。

 

「ぶ~、ヴィシュヌさんは口が堅いなぁ。それなら榊君はどう?」

「話してもいいんだが……」

「悠人さん!?」「榊さん!?」

「その代わり、機密漏洩罪とスパイ容疑で、俺と一緒に牢屋行きだぞ」

「げっ! それは嫌だな~……」

 

 それを聞いて、集まっていた面々も引き揚げていった。いくら興味があっても、それで何年も豚箱に入るんなら割に合わないだろう。

 

「もう悠人さんってば、ビックリさせないでください」

「いやいや、あれで『牢屋行きでも聞きたい』って言われても断ってるから。俺牢屋に入りたくないし」

「榊さんなら大丈夫だとは思いますが……もしかしたらポロっと」

「ヴィシュヌ、俺と織斑と一緒にするなって」

「ゆ、悠人さん? さすがにそれは織斑さんに失礼では……」

「……確かにそうですね」

「ヴィシュヌさん!?」

 

 どうもヴィシュヌの中で、ワンサマーの評価は高くないらしい。セシリアのツッコミもものともせず、朝食を食べ終えて茶をすすり始める。

 

「ずず……そもそも()()を見たら、そう思いもします」

 

 湯呑をテーブルに置いたヴィシュヌの視線の先には

 

 

「あのー、箒?」

「……」

「箒、体は無事か? 怪我とかは……」

「……」

「昨晩のことなら気にするなよ。あんなところに密漁船がいるなんて、誰も予想してなかったんだから」

「い、一夏? ちょっとストップ」

「なんだよシャル、どうしたんだよ?」

 

「あ~……」

「直接ではないが、断片情報を垂れ流してるな」

「いくらつい最近まで一般人だったとはいえ、あれは度し難いです」

 

 "怪我"とか"密漁船"とか、昨晩あったことを話すなよバカタレェ!

 

――ゴンッ!

 

「ぐはっ!」

「喋ってないで、さっさと食べろ馬鹿者」

「ち、千冬ね「織斑先生だ(ゴンッ!)」わ、分かりました、織斑先生……」

 

 本格的にヤバくなる前に、織斑先生が鉄拳制裁で(物理的に)黙らせたようだ。頼みますよ保護者さん、いくらワンサマーのことがそれほど好きじゃないって言っても、クラスメイトから犯罪者は出て欲しくないですから。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 朝食を終えて、ISと専用装備の撤収作業を始めて2時間ほど。作業終了と共に、帰り支度を終えた人からバスに乗り込みました。行きと違い、帰りはサービスエリアで昼食を取るそうです。

 正直、クタクタですわ。昨晩の件であまり睡眠時間を取れませんでしたし、悠人さんに手伝っていただいたとはいえ、ブルー・ティアーズのパッケージ『ストライク・ガンナー』を量子変換(インストール)する作業が……そのまま本国に送り返すわけにも参りませんし。

 

「ああ~……まずいなぁ、すげぇ眠い」

「ふわぁ……悠人さんもですの……?」

 

 そう口にする悠人さんは席に座った途端、いかにも眠そうに欠伸をされていました。ああ、わたくしもつられて欠伸が……。

 

「セシリアも……?」

「はい……あら?」

 

 ふとバスの乗車口を見ると、カジュアルなサマースーツを着た方が……あれは、昨晩織斑さんに運ばれて来た、福音の……

 

「貴方が織斑一夏君?」

「あ、はい。俺ですけど」

「へぇ……」

「あ、あの、貴方は?」

「私はナターシャ・ファイルス。『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』の操縦者よ」

「え?」

 

 ちょ、ちょっと!? どうして福音の操縦者が現れるんですの!? せっかく昨晩の事は箝口令が敷かれていますのに!

 そんなわたくしの動揺に気付くはずもなく、福音の操縦者、ナターシャさんは織斑さんに顔を近づけて

 

――チュッ

 

 頬に口付けをしました……。に、日本でチークキスは一般的ではありませんわよ!?

 

「これはお礼。ありがとう、白い騎士(ナイト)さん」

「え、あ、う……?」

「それじゃあね、バーイ」

 

 怒涛の展開に混乱している織斑さんをよそに、ナターシャさんは手をひらひら振ってバスから降りていきました。そして

 

「一夏、喉が渇かないか……?」

「そうだよね、水分補給は大事だもんね……?」

「はっはっはっ」

「あ、あの……?」

 

「「「はい、どうぞ!」」」

 

「がふっ!」

 

 篠ノ之さん、シャルロットさん、ボーデヴィッヒさんの3人が投げつけたペットボトルが、織斑さんの顔面を直撃しました。可哀想ですが、これも朴念仁が故の自業自得ですわ。

 

「あちらは相変わらずです、悠人さん……あら?」

 

 返事が返って来なかったので振り返ると、

 

「あらあら」

 

 先ほどから眠い眠いと仰っていましたが、よほど眠かったのでしょう。腕を組んだ状態で背もたれに寄りかかり、寝息を立てていました。

 そういえば、悠人さんが寝ているところを見るのは初めてですわ。いつも悠人さんの方が、わたくしより先に起きてらっしゃいますから。

 

(こうして見ると、可愛い寝顔ですわ)

 

 殿方に可愛いという言葉が合っているかは難しいですが、一番に思い付いた感想がそれでした。

 本当に、気持ちよく寝てらっしゃいますわ。……あっ、悠人さんの気持ちよさそうな寝顔を見ていたら、わたくしも……

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「よーし、全員乗ったな?」

「はい。先ほどチェックして、全員確認してます」

 

 最後にバスに乗った私の声に、山田先生が返してくる。旅館への挨拶も済ませたし、余計な火種を落とそうとしたファイルスに焼きも入れたし、やり残したことは無いな。

 

「それでは出発してください」

「分かりました」

 

 運転手の方に声を掛けると、乗車口が閉まったバスはゆっくりと動き出した。

 それを確認して、私も席に座る。教員用の最前列右側の席だ。隣には山田先生が座っている。

 

「それで山田先生、あれは?」

「あ、あははは……」

 

 まるでペットボトルの底を押し付けられでもしたのか、顔面に丸い跡をいくつも付けた一夏を見ながら質問するが、山田先生は苦笑いしかしない。

 ああ、つまり、そういうことか。ファイルスめ、すでに火種を落とした後だったか。そして専用機持ち共が、見事に炎上したと。

 

「相変わらずあいつらは……」

「あはは……逆に、あっちは今はとても静かですよ」

「あっち? ……ああ、あいつらか」

 

 山田先生に言われて見てみれば、

 

 

 腕を組んだ状態で寝息を立てている榊と、その肩に体を預けて眠っているオルコットの姿があった。

 

 

「こういう時だけは、仲睦まじいなと思えるんですが」

「まったくだ。いつもこのレベルに抑えてくれれば、我々の頭痛も少なくなるというのに」

「はい。いつも目の前でイチャラブされて……そのせいで、整備室の壁(金属製)が『ボルダリング出来そう』と、更識さんに言われちゃいました」

「真耶……」

 

 思わず代表候補生時代のように名前で呼んでしまった。お前も何をやっているんだ……。

 それよりも……真耶のことは頭の片隅に追いやって、私は別のことを考えることにした。

 

(篠ノ之の専用機に、白式の第二形態移行(セカンド・シフト)。学園に戻ってからも、面倒事が山積みだな……)

 

 心の中で、特大のため息が出た気がした。

 世界でも数例しか無い第二形態移行。それを男性操縦者が発現させたとなれば、各国から注目が集まることは間違いない。

 そして篠ノ之の専用機である紅椿。束が作った『第4世代機』という、正直これが一番の悩みの種だ。

 なにせ、各国が第3世代機を開発している真っ最中に第4世代機だ。どの国も喉から手が出るほど欲しいだろう。しかもこの紅椿は『IS委員会によって分配された467個のISコア』には含まれていない。つまり、『まだどの国の所属か決まっていないIS』ということになる。故に、篠ノ之と紅椿をどの国の所属とするか、水面下で国家間の駆け引きが起こるだろう。頭の痛くなる話だ。

 

(こうなると、今の一夏と箒の実力では自衛も難しくなるな……"奴"の手を借りるか?)

 

 そんな結論に達した私は、学園に戻り次第、ある者に協力を頼むことに決めた。

 

 

 

 『対暗部用暗部』と言われている、かの家の当主に。




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……別に一夏アンチや千冬アンチじゃないよばっちゃ。
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