セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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難産でした。原作にいない人を動かすのって大変ですねこれ。
なもんで、今回でオルコット家の話を終わりにして、次回から榊家に移ってしまおうか検討中です。


第28話 彼女の両親公認でイチャラブするのは間違っているだろうか

 ロンドン観光から戻り、着替えをして待つことしばし。メイドさんから晩餐の準備が出来たと呼ばれたのが30分ほど前だったか。

 オルコット邸の一室で、俺はオルコット家の人達の前でガッチガチに固まっていた。

 

「……」

「悠人さん、どうされましたの?」

「もしかして、苦手な食べ物でもあったかい?」

「いえ、大丈夫です。お気遣いなく」

 

 別に目の前に出された食事に食べられない物があったわけじゃない。

 なんというか、"気圧された"が一番近いだろうか。そう、フルコースもかくやという料理の数々に。

 

 

「コンソメスープになります」

 

 給仕のメイドさん(ブランケット姉妹じゃない人)が付いてる時点で、小市民の俺としてはドキドキものだ。

 最初に出てきたスープは、美味かった。いや、美味すぎて元々大してない語彙力がやられた。

 

「冷菜の、海鱒(うみます)のソースシャンベルタンです」

「シャンベルタン?」

「シャンベルタンという赤ワインですわ。このジュレソースと一緒にいただきますの」

「な、なるほど……」

 

 ジュレ……このゼリー状のやつか。で、海鱒ってこととはマスなんだよな。なんか魚の身の間に、すり身っぽいのが入ってるけど。

 

「……うま」

「ふふっ、気に入ってもらえたようで何よりね」

 

 うわっ! 語彙力のないセリフが口から出ちまった! ルイーザさんはニコニコしているが、めっちゃ恥ずかしい……。

 

 

「子羊のローストです」

 

 そして今は、メインの肉料理を食べているわけなんだが……。

 

「俺、学園に戻った時に、食堂の料理が食べられるか心配になって来た……」

「悠人さんってば、大袈裟ですわ」

「いやいや、こんなに美味いもの食べたら、学園の食堂で満足できなくなりそうで怖い」

 

 というか、セシリアはよく大丈夫だな。もしかして、俺が気付いてないだけで意外とフラストレーション溜めてたりするのか?

 

「そう言ってくれると、料理人達も喜ぶと思うよ」

「ええ、私達も用意させた甲斐があるわ。ところでセシリア?」

「はい?」

「チェルシーから報告を受けたの。貴女、悠人さん相手だとちょろインだって」

 

――ゴンッ!

 

「……セシリア、大丈夫か?」

「ええ、大丈夫ですわ……」

 

 思い切りテーブルに頭打ち付けたように見えたんだが。揶揄われるの諦め切れてないじゃん。

 

「まあまあ、あんまりセシリアを揶揄っちゃいけないよ」

「あら、私はただ、セシリアと悠人さんの仲の良さを喜んでいるだけよ」

「そういうことにしておこうか。セシリア、あんまり気にしなくてもいいよ」

「お父様……」

 

「ルイーザも昔はセシリアと同じように、頭を撫ぜると顔を真っ赤にしてたからね」

 

「フィリップゥゥゥゥ!?」

「お父様ぁぁぁ!?」

 

 まさかのフィリップさんの爆弾発言に、オルコット家の女性陣が揃って台パンをかまして立ち上がる。

 そうですか。セシリアのちょろイン属性は遺伝でしたか……。

 

「……悠人さん! この後デザートもあるから、堪能していってちょうだい!」

「あ、はい」

 

 ルイーザさんの強引な話題逸らしに、とりあえず付き合っておく。

 

「お嬢様が悠人様とラブラブなのは直に見ましたが、まさか奥様と旦那様も……」

「チェルシーさん、その話詳しく」

「わ、私も」

「皆さん、お仕事中ですよ? 休憩時間になったら」

「チェルシィィ!?」

 

 ああ、もうめちゃくちゃだよ。……このセリフ、ここで言うことになるとは思わんかった。

 

「うぅ……こんなに揶揄われるとは思ってもいませんでしたわ……」

「大丈夫か、セシリア?」

「大丈夫じゃありませんわ……悠人さん」

「ん?」

 

 セシリアが頭をこちらに向けて来る。えっ、これは?

 

「慰めてくださいまし」

「いや、それが原因で弄られてたんだろ」

「ここまで弄られたら、これ以上どうなっても一緒ですわ! なら、悠人さんに慰めていただいて、心のダメージを回復する方を選びますわ!」

「ある意味潔いな。っていやいや、ご両親の前で――」

「「続けて、どうぞ」」

「おぃぃぃ!?」

 

 ルイーザさんもフィリップさんも、どうしてそこで推してきますかね!?

 

「悠人さん……」

「……ええい! ままよ!」

 

 ご両親への挨拶だからと自重してたが、もう知らん!

 食らえセシリア! ハグ+頭撫ぜ撫ぜ+頬擦りの3点セットじゃ!

 

「ああ、これですわ~❤ ゆうとさぁぁん❤」

「こ、これは……!」

「セシリア、愛されてるわねぇ」

「「「「きゃ~!」」」」

 

 蕩けるセシリア、感心するご両親、そして頬に手を当て黄色い悲鳴を上げるメイドさん達。

 ああもう、ご両親の挨拶は真面目にしようと考えてた俺が間違ってたのか? それともオルコット家が特殊過ぎるのか? そしてセシリア可愛い。

 

「悠人さん」

「悠人君」

 

「「セシリアのこと、よろしくお願い(ね)(するよ)」」

 

 ……セシリアのご両親に認めてもらえたからヨシッ!(現場猫)

 

ーーーーーーーーー

 

 カオスな晩餐が終わり、部屋に戻って来た俺は――

 

「ゆうとさぁぁん♪」

 

 ソファーに座り、膝の上に乗っているセシリアの頭を撫ぜていた。

 

「お母様とお父様の前で惚気てしまいましたから、もう我慢して隠す必要はありませんわ」

「……そうか」

「悠人さんはお嫌ですか?」

「いや、俺もある意味吹っ切れた」

「うにゅ~❤」

 

 ああもう! セシリア可愛いんじゃぁぁ!!

 

――♪

 

「あら、鈴さんからですわ」

 

 膝枕から起き上がったセシリアが端末を取り出して画面を見る。すると少しして、顔が苦笑いに変わった。

 

「鈴がどうかしたのか?」

「何と言いますか、愚痴ですわね」

 

 そう言って、俺の方に端末の画面を見せてきた。

 なになに……ああ、そういうことね。

 

「織斑の家に遊びに行ったらすでにシャルロットがいて、しかもその後篠ノ之とボーデヴィッヒも来たと」

「皆さん、考えることが同じだったようですわね」

「お互い出し抜こうとしたんだろうな」

 

 日本とイギリスの時差が9時間ほどだから、今向こうは昼過ぎぐらいか。

 おそらく、このまま原作4巻通りに夜まで織斑家にいるんだろうな、4人とも。

 

「女子が男子の家に来る、しかも4人も。これで普通に対応するって、織斑も大概だな」

「織斑さんの朴念仁っぷりに、皆さん苦労しますわね」

「あの4人が牽制しあってるのも原因だと思うぞ」

「それもありますわね」

 

 そう言って肩をすくめると、セシリアは端末を仕舞い、そのまま俺の顔を凝視し始めた。

 

「もう、夜も遅いですわね」

「そうだな」

「それで、ですね……」

「もしかして、この部屋で寝るとか言うか?」

 

「……ダメ、ですか?」

 

「んなわけない」

 

 そんな上目遣いで言われて、断れるとでも? というか、な?

 

「俺もセシリアともっとイチャラブしたかったからな」

「悠人さん❤」

 

 セシリアが、俺にハグ&キスを仕掛けてきた。もちろん迎撃、久々のフレンチ・キスに発展していく。

 うん、あの3点セットで俺も火が付いてたんだよ。今更とか言うなっ! これでも我慢してたんだよ!

 

「んちゅ❤ ちゅぁ……ゆうとさぁぁん、ちゅぅ……あむ❤ ちゅうっ❤」

 

 お互い我慢するのを止めたからか、今まで溜まっていた感情を唇で伝え合う。

 俺がセシリアに愛してると舌を絡めると、セシリアからも愛してると唇を貪って来る。

 

「悠人さん、この続きは……」

「ああ……」

 

 完全に火が付いた俺達は奥の部屋まで行くと、抱き合ったままベッドの上に倒れ込み、そして――

 

ーーーーーーーーー

 

「んん……」

 

 窓から入って来る日差しに、わたくしは目を覚ましました。

 

「おはよう、セシリア」

「ゆうとさん、おはようございます……」

 

 目が覚めてすぐに、愛しい人が声を掛けてくださる。贅沢な朝ですわ。

 

「にゅ~……」

「おっと、まだイチャ付き足りなかったか?」

「もうっ、悠人さん、ストレート過ぎますわよぉ」

 

 文句を言いながらも悠人さんに顔を擦り付けると、温もりと幸せを感じますわ。はぅ~……。

 

「さて、出来ればもう少しイチャラブしていたいけど、あんまり時間が経つと誰かが起こしに来かねないな」

「そうですわね……非常に残念ですが、朝の準備をしましょうか」

「ああ」

 

 そう決めてからは早かったですわ。昨晩脱いだ服を着直して、悠人さんに髪を梳かしていただいて、時々ハグして。

 ですが準備が終わり、時計の針が7時を回っても、誰も部屋にやって来ませんでした。

 

「これなら、もう少し悠人さんと一緒に寝ていたかったですわ」

「それに関しては同意だがな。てっきり朝食の時間に呼びに来るもんだと思ってた」

「いえ、本来なら客人が宿泊した際は、朝にお声掛けするように教育されているはずですわ」

 

 一体どうしたのでしょう? そう疑問に思いながら、わたくしは部屋のドアを開け――

 

「チェ、チェルシー!?」

 

 廊下で鼻血を出して倒れているチェルシーを見つけてしまいました。

 

「だ、大丈夫ですの!?」

「お嬢様……」

 

 倒れているチェルシーを抱き起こすと、チェルシーが弱々しい声でわたくしのことを――

 

「お嬢様が、大人の階段を……」

 

「何してましたのぉぉぉぉ!?」

 

 もしかして貴女、昨晩からわたくしと悠人さんとのゴニョゴニョ……を盗み聞きしてましたの!?

 しかもそれで鼻血出して倒れるなんて、乙女過ぎますわよ!? ……悠人さんと付き合い始めた頃、間接キスをして気絶したわたくしが言うのもあれですが。

 

「セシリア、どうし――ええ……?」

「お嬢様、どうされました――! お、お姉ちゃん?」

 

 部屋から出てきた悠人さんが、この惨状を見て困惑。騒ぎを聞いてやってきたエクシアも、鼻血を出して倒れている姉を見て大混乱。

 

「……エクシア、チェルシーを運ぶために、誰か人を呼んで来てちょうだい」

「は、はい!」

 

 指示を聞いたエクシアは、バタバタと来た道を戻って行きました。

 もうっ、悠人さんだから良かったものの――全然良くありませんが――これが王室関係者に見られていたら大問題ですわよ……。

 

 

 

 その後、目を覚ましたチェルシーはお母様から叱責を受けました。

 客人である悠人さんの部屋を盗み聞きするなんて、あってはならないことですわ。

 

「それでセシリア、ちゃんと家族計画は――」

 

「そこ聞くんですのぉ!?」

 

 確かに大切だとは思いますけどぉ!

 

「昨日も言った通り、ちゃんと卒業までは調整しないといけませんよ」

「うぅ……分かってますわ……」

 

 もうこうなったら、さっさと話を終わらせるに限ります……。

 

「悠人さんもごめんなさい、我が家のメイドが」

「いえ、特に実害はありませんでしたから」

 

 謝罪するお母様に、悠人さんが気にしてないという風に応えます。本当に、悠人さんには申し訳ないことをしてしまいましたわ。

 

「濃ゆいなオルコット家」

「うぅ、申し訳ありませんわぁ……」

「謝る必要は無いぞ? 少なくとも、ギスギスした空気よりはよっぽど良いし」

「そうですの?」

「ああ。なんというか」

 

 そこで言葉を区切ると、悠人さんは少し照れたように頬を掻いて

 

「義理とはいえ、自分の"家族"になるんなら、さ」

「悠人さん……!」

 

 その言葉を聞いた瞬間、わたくしは悠人さんの胸元に飛び込んでいました。

 後ろからお母様とお父様の声が聞こえてきますが、それが耳に入らないくらい、わたくしの頭は幸福感でいっぱいになっていました。




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……評価が乱高下して、作者の精神がキテるよばっちゃ。
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