セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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今回から二学期に入ります。


第6章 学園祭? 平穏無事に終わるといいなぁ
第32話 セシリア・オルコットの華麗なるイチャラブ理論


 夏休みが終わり、二学期が始まった初日。

 帰省していた生徒達が、それぞれ夏休みの思い出を教室で語り合っていた。

 

 俺とセシリアも、向こうで買っておいたイギリス土産を配って回っていた。

 

「うわぁ、このショートブレッド、犬の形してる!」

「可愛い!」

「榊君が、こんなお土産を持ってきてくれるとは思わなかったわ!」

「……まあ、そう言われるかもとは思ってたがな」

 

 『Walkers』とかいう犬の形をしたショートブレッドを買って来たんだが、案の定の反応だった。

 片やセシリアの方はというと、

 

「ぺ、ペンハリガンって……さすがセシリアだわぁ……」

「え? この石鹸、そんなに有名なの?」

「ペンハリガンは香水メーカーなんだけど、石鹸も扱ってるのよ」

「へぇ」

「しかも英国王室御用達」

「ファッ!?」

 

 俺の土産なんか目じゃないぐらい恐ろしいものを買って来ていた。

 いくらIS学園が全世界から人材が集まる場所とはいえ、そんな高級品をポンともらったら驚くだろう。

 これは何と言うか、さすがセシリアと言うしかないなぁ……。

 

「皆さん、おはようございます!」

「お前達、席に着け」

 

 まーやんと織斑先生が教室に入ってくると、土産交換の時間は終了、みんな自分の席に戻って行く。

 さあ、また授業を受けながらセシリアとイチャラブする生活の始まりだ。

 夏休み中もイチャラブしてただろうって? でゃまれ!

 

 

 

 新学期初めてのIS実習は2組と合同、さらに恒例の模擬戦はワンサマーと篠ノ之の戦いになった。

 

「うぉりゃあぁぁぁ!!

「甘い! はぁっ!」

「なんのぉっ!」

 

 ワンサマーの攻撃を篠ノ之が難なく回避し、刀から飛んでくるレーザーをワンサマーが零落白夜で打ち消す。

 試合としては、とても見応えがあると言えるんだが……。

 

「セシリア、どう見る?」

「そうですね……どちらも機体に振り回されてる印象ですわ」

「だよなぁ」

 

 素人の俺でも、篠ノ之は渡されたばかりの紅椿に文字通り振り回されてるように見えるし、ワンサマーもようやく白式に慣れたと思ったら、第二形態移行(セカンド・シフト)で感覚が変わっちまったようで動きにくそうだ。

 しかもワンサマーの場合、進化した白式の新武装『雪羅(せつら)』の扱いに四苦八苦してるのが、こちらからでも良く分かる。

 

「多機能武装腕から放たれる荷電粒子砲、ですか……今までブレード1本で戦うことを強要されていた織斑さんには、欲していたものかもしれませんが……」

「現状は、ただエネルギーを浪費するだけの存在、か?」

「はい……」

 

 それは仕方ない。後付け武装すら全く受け付けなかったせいで、ワンサマーは遠距離武装の知識も経験も全く無いわけだし。それでいきなり大火力砲を持たせるとか、奴の専用機も優しさが足りないんじゃないだろうか。

 

「げっ! エネルギー切れ!?」

「もらったぁ!」

「ぐはっ!」

 

 あ、弾切れ起こした隙に脳天に唐竹割食らった。ISの絶対防御が無かったら、頭勝ち割られてるなありゃ。

 

「さて、もう一試合するとしよう。オルコット、ボーデヴィッヒ、前に出ろ」

「「はい」」

 

 おっと、今日は織斑先生の思い付きで、2試合目が始まったぞ。しかも対戦カードがセシリアとボーデヴィッヒか……。

 

「そういえば、貴女と戦うのは今回が初めてですわね」

「そうだな。悪いが、私が勝たせてもらうぞ」

「それはどうでしょう」

 

 ブルー・ティアーズとシュヴァルツェア・レーゲンが展開され、白式・紅椿の二人と入れ替わるようにアリーナ中央に移動する。

 

「それでは、行きますわよ!」

「ああ、来い!」

 

 セシリアが開幕ビットを展開するのに合わせて、ボーデヴィッヒもワイヤーブレードを展開、ビットとブレードが縦横無尽に飛び回る。

 

「知っているぞセシリア・オルコット。お前は自分が動いている間、ビットを動かすことが出来ないとな!」

「!」

 

 ワイヤーブレードを巧みに動かしてビットを牽制しながら、ボーデヴィッヒがセシリアに肉薄する。

 

「さらにお前は、近接戦がすこぶる弱いそうじゃないか! この勝負、もらったぁ!」

「あら、その情報、古いですわよ?」

 

――バシィィンッ!

 

「何ぃ!?」

 

 肉薄したボーデヴィッヒのプラズマ手刀が振り下ろされる瞬間、その腕があらぬ方向に跳ね上げられた。

 セシリアの両手から伸びたオレンジ色のレーザーブレード、『ローゼンタール』によって。

 

「なんだそれはっ! 情報に無かったぞ!?」

「ですから申し上げたではないですか、情報が古いと」

 

 それに、とセシリアが付け加える。

 

 

「いつからわたくしが、ビットを操作出来ないと錯覚しておりましたの?」

 

 

――パシィィンッ!

 

「なぁ!?」

 

 ボーデヴィッヒの口から、悲鳴と驚愕が混ざった声が出てきた。

 そりゃそうだろう、セシリアがレーザーブレードを振ると同時に、ビットからレーザーの追撃がやって来たのだから。

 

「い、いつの間にビットの同時操作を!?」

「そう、あれは臨海学校から戻って来てすぐのことでしたわ……」

 

 

(回想開始)

 

『いつも悠人さんの事を考えていたいですが、授業を蔑ろにするわけにも参りませんわよね……』

『いえ、むしろ逆の発想……』

 

『両方を同時に考えれば良いんですわ!』

 

(回想終了)

 

 

「そして織斑先生に出席簿で叩かれ続けて身に着けたこのイチャラブ理論を応用して、並列思考(マルチタスク)が完成したのですわ!」

「アホかぁぁぁぁぁ!!」

 

 うん、ボーデヴィッヒが吼えたくなるのも分かる。俺もまさか、そんな方法でセシリアが並列思考を会得するとは思って無かった。

 臨海学校の後、セシリアが織斑先生の出席簿アタックを連日食らった時は何事かと思ったからな。

 だがそのおかげで、今のセシリアは弱点の大半が無くなっていた。唯一、エネルギー武装が大半なせいでワンサマーの零落白夜と相性が悪いってことぐらいか。

 

「さあ、新しく生まれ変わったブルー・ティアーズとの円舞曲(ロンド)、踊っていただきますわよ!」

 

 こうなるとセシリアの独擅場。レーゲンに搭載されたAIC――対象を任意に停止させる慣性停止結界――があろうとも、ビットを含め複数から攻められたらどうしようもない。

 

「そこまでだ!」

 

 レーゲンのSEが2割を切ったところで、織斑先生の声がかかった。実質的なセシリアの勝利だ。

 

「悠人さん! 勝ちましたわぁ!」

「ああ、良い戦いだったよ」

「……(期待の眼差し)」

「分かってるって」

 

 ご希望通り頭を撫ぜてやると、セシリアの方から腕を背中に回してくる。最近は俺よりも、セシリアの方がこうして来ることが多い気がする。

 

「きゅ~❤」

「ああ、また始まったのね……」

「夏休みを挟んで耐性が薄れたのか、精神的ダメージが……」

「夜竹さん、ハミルトンさん! 急いでブラックコーヒーを人数分用意してくださーい!!」

「とうとうマヤっちが率先して指示を出すようになったわね……」

 

「ラウラ、大丈夫か?」

「事前情報に誤りがあったのは仕方ないにしても、あんな負け方をするとは……」

「あはは……悠セシの恐怖をラウラも味わった感じだね……」

「ナニソレコワイ」

 

 ちょっと待てシャルロット、恐怖ってなんだ恐怖って。そして鈴は怖いとか言うな。

 

「……」

 

 そしてなんだろう、のほほんさんの視線が以前と違う気がするんだが……。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 久々にまーやんからもハイライトの消えた目で睨まれながら、二学期最初の実習は終わった。

 んで、俺はその足で職員室に来ていた。ちょっくらまーやんに用事があってな。

 ちなみにセシリアとは別行動だ。俺達だって、常日頃から一緒ってわけじゃないんだぞ?(説得力無し)

 

「山田先生いますかー?」

「榊君、どうかしましたか?」

 

 声の方を向くと、丁度まーやんがコーヒーの入ったマグカップを持って椅子に座ろうとしているところだった。

 

「山田先生に相談……じゃないな、伝えておきたいことがありまして」

「はぁ。何ですか?」

 

 小首を傾げながらマグカップに口を付けるまーやんに、俺は夏休み中に決まったことを伝えた。

 

 

「俺に回されてた専用機、返却しますね」

 

「ぶふーっ!?」

 

 あっぶな! もうちょっとでまーやんの間接コーヒーが顔面にかかるところだったぞ!?

 

「なななな、なんでそんなことに!?」

「話せばそれなりに長くなるんですが……」

 

 話の流れとしてはこうだ。

 親父が倉持技研を辞めて、お袋と一緒にイギリスへ渡ることになった時、国籍はどうするのかという話になった。

 そこでオルコット家(主にルイーザさん)に相談した結果、移住時にイギリス国籍を用意してもらえることになったのだ。しかも、日本国籍を抜ける際の面倒な手続きも全部面倒を見てもらえることに。

 そして俺も、オルコット家へ婿入りすることがほぼ確定しているので、両親と一緒にイギリスに籍を移すことにした。

 そしてここからが本題だが、今俺が乗っている専用機は『日本政府の意向で、IS学園が貸与しているもの』になる。なら、国籍がイギリスになる以上、このまま借り続けるわけにもいかないだろう。

 というわけで、俺の国籍が変わる前に、専用機を返さなきゃならないと思い、まーやんに連絡したわけなのだが。

 

「じょ、冗談ですよね?」

「ところがどっこい……冗談じゃありません……! 現実です……! これが現実……!」

「だ、騙されませんからね!?」

 

 どうやらまーやんは、俺の言うことを信じられないようだ。悲しいなぁ……。

 なので仕方なくスマホを取り出すと、とある番号にかける。で、相手が出て少し話した後、そのスマホをまーやんに差し出す。

 

「え、あの……どなたと?」

「英国の首相官邸と繋がってます」

「ファーッ!?」

 

 前にルイーザさんから教えてもらった時、いつ使うんだよと心の中でツッコんだもんだが、まさかこんなに早く使うことになろうとは……。

 スマホを受け取ったまーやんは、アワアワしながらもさっき俺が言ったことの事実確認をしていたようだが、やがて通話が終わったのか、ガックリ項垂れながらスマホを返してきた。

 

「事実でした……榊悠人君は来月一日をもってイギリス国籍になると、明日正式な通達が出されるそうです……」

「信用してもらえたところで、こいつ(専用機)はどうしましょう」

「初期化の準備もあるので、明日の放課後整備室に来てください……」

「分かりました」

 

 それから、返却までの細々とした注意事項を確認すると、俺は頭を抱えるまーやんを後目に職員室から出て行った。

 すまんな日本政府。よくある2次創作みたいにワンサマーとの待遇の差に腹が立ったわけじゃないが、セシリアとの生活のためだ、諦めてくれ。




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……セシリアの強さがインフレしてるような気がするよばっちゃ。
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