セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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たっちゃんを出そうとしただけなのに、どうしてこうなった……。
多少のおかしな点は『ギャグ時空』に放り投げながら読んでもらえると。


第33話 勘違い+勘違い

 とある日のIS実習の時間、イライラしている織斑先生にみんながオロオロしている。

 なぜこんなことになっているかというと、

 

「……遅刻の言い訳は以上か?」

「いや、あの……ですね? 見知らぬ女子生徒が……」

「なら、その女子生徒の名前を言ってみろ」

「だから、初対面ですってば!」

「ほう。お前は初対面の相手との会話を優先して、授業に遅刻してきたのか」

 

 ワンサマー、よりにもよって織斑先生の授業に遅刻するとは……。

 その女子生徒というのが、IS学園の生徒会長である更識楯無なんですがね、初見さん。

 

「デュノア、ラピッド・スイッチの実演をしろ。的はそこの馬鹿者で構わん」

「ちょぉっ!? シャ、シャル……?」

「それじゃあ織斑先生、実演を始めます」

「おう、やれ」

 

 織斑先生の合図で、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡから放たれる大量の発砲音と、ワンサマーの悲鳴がアリーナに響き渡った。

 

「何と言うか、もう少しまともな言い訳は無かったんでしょうか?」

「そうだよねー」

「見知らぬ女子生徒って、いくらなんでも苦しいかなー」

 

 ヴィシュヌを筆頭に、ワンサマーの言い訳にクラスメイト達は苦笑していた。

 ただしさっき言った通り、俺はその女子生徒に心当たりがある。

 

 更識楯無。IS学園の生徒会長であり、対暗部用暗部とかいう良く分からん家、更識の第17代当主様だったはずだ。

 確かワンサマーの指導をするために、色々な手を使ってくるんだよな。誰の指示だったかは……忘れちまった。まあ、別に思い出せなくても問題ないか。

 で、その生徒会には

 

「……」

 

 二学期に入ってからこっち、ずっと妙な視線を送って来るのほほんさんも所属してるんだよな。

 のほほんさんの実家である布仏家って、更識家の従者を代々輩出してるんだったか……もしかして、更識家に命令されて監視してる?

 いやいや、俺よりワンサマーの方が重要視されてるだろうに、どうして俺を?

 

「悠人さん、どうかされました?」

「いや、なんでもない」

 

 セシリアに声を掛けられて、思考に耽っていた意識を戻した。

 一人で考えるだけ堂々巡りだな。どこかのタイミングで、のほほんさん本人に聞こう。

 

 

 

 IS実習(ワンサマーとシャルロットの地獄鬼ごっこ)が終わり昼休み。食堂でいつも通り昼食を食べてたんだが……

 

「……」

 

 相変わらず、のほほんさんの視線が突き刺さる。俺、何かしたか?

 

「本音、最近どうしたの? 榊君のことをじっと見てるけど……」

「え? そ、そうかな~?」

 

 俺とセシリアから少し離れた席に座っていたのほほんさんは、同じテーブル席に座っていた更識さんに指摘されて、ぎこちない笑い顔をした。

 幼馴染である更識さんにも言えない理由でもあるんだろうか?……よし、ここで思い切って聞いてみるか。

 セシリアに一声かけてから、俺はのほほんさん達が座る席に近付いていった。

 

「のほほんさん」

「ゆ、ゆーゆー?」

「榊君……?」

「あ、更識さんは初めましてか」

「う、うん……」

「仲良く昼食を食べてたところ申し訳ないんだけど、のほほんさん、ちょっと聞いていいかな?」

「な、何かな~?」

 

 なんだろう、如何にも動揺してますって反応をされてるんだが。

 

「二学期に入ってから、のほほんさんの視線が以前と違う気がするんだけど、俺何かやっちゃったかな?」

「そ、そんなこと無いよ~。いつも通りだよ~」

「本音?」

「か、かんちゃんもゆーゆーも、気にし過ぎだよ~」

 

 俺と更識さんの視線から逃げるように、ダボダボの袖を振ってワタワタするのほほんさん。ホント隠し事が出来ないのな。

 こうなったら仕方ない。ちょっとカマかけてみるか。

 

「そっか、それなら仕方ないか」

「し、仕方ないって~?」

 

「更識家の御当主様からの指示なら、話せなくても仕方ないよね」

「!?」

 

 分かりやす! のほほんさん、めっちゃビクンて跳ねたぞ!?

 

「本音、もしかしてお姉ちゃんから何か言われたの……?」

「そ、それは……!」

 

 さて、俺が更識家、その飼い主である日本政府から監視されてるのは分かった。だけど、どうして俺を監視する必要がある?

 

(監視が始まる前に、何かあったか? 夏休み中はセシリアの実家に行って、俺の実家に行って……まさか)

 

 そこで俺の頭の中を、嫌な想像が過った。

 もし、俺がイギリス国籍になるのを……例えワンサマーのスペアとはいえ、男性操縦者が他国に渡ることを日本政府が良しとしていなかったら……

 

「俺、更識家に消されるのか?」

「え……?」

「ゆ、ゆーゆー!?」

 

 やっぱり! 『どうして知ってるの!?』みたいな顔してる!

 嫌だよ俺まだ死にたくねぇよもっとセシリアとイチャラブしてたいんだから!

 ま、まずはセシリアに相談だー!

 

「どどどど、どうしようセシリア!」

「悠人さん? 一体どうされたんです?」

「俺、日本政府に命を狙われてるかもしれん!」

「何ですって!?」

「実は、かくかくしかじかで……」

「そ、それは大変ですわ! 急いでお母様達に相談しましょう!」

 

 俺の説明を聞いて慌ててスマホを取り出すセシリア。

 こうなったら来月なんて悠長なことは言ってられない。更識家が動き出す前に俺の国籍を変えてもらわないと、適当な理由を付けて消されかねない!

 くそぉ、こんなところで原作崩壊による影響を受けるなんて……!

 

「本音! まさかお姉ちゃんがそんなことを……!?」

「ち、違うよかんちゃん~! お嬢様はそんなこと……」

「ならどうして、榊君を監視してたの!?」

「そ、それは~……」

「やっぱりそういうことなんだ!」

「か、かんちゃん!? 一体どこ行くの~!?」

「お姉ちゃんを止める!」

「え、ええ~!?」

 

 どうやら更識さんも、俺の暗殺計画を止めようと動いてくれるらしい。

 

(こうなりたくなかったから、転生特典を使って危険回避したっていうのに……!)

 

 もし女神様と話す機会があれば、絶対文句を言ってやろう。俺はそう心に刻んだのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 お昼休み、生徒会室で昼食を食べながら書類仕事をしている時に、

 

――バンッ!

 

「お姉ちゃん!」

「簪ちゃん?」

 

 マイリトルシスター、簪ちゃんが血相を変えてやって来た。一体どうしたのかしら?

 

「一体どういうこと!?」

「え、どういうことって……」

「惚けないで!」

 

 あの、惚けるも何も、簪ちゃんが怒るようなことに心当たりが無いんだけど……。

 

 

「どうして榊君の暗殺なんてしようとしてるの!?」

 

「はいぃぃ!?」

 

 

 あ、暗殺ぅ!? むしろ私の方がどういうことって聞きたいわよ!?

 

「本音を榊君の監視につけて、動向を探らせてたのは分かってるんだから!」

「あ、あの、それは確かに私が指示したけど……」

「ほらやっぱり!」

「それは、榊君の護衛のためにね……」

「ならどうして、本人に何も伝えずにやってたの!? 言えない理由があったんじゃないの!?」

「そんなことは……」

 

 ああ! どうやって簪ちゃんの誤解を解けばいいのよ!?

 というか、どうして榊君暗殺なんて話になったの!?

 

――コンコンッ

 

 ちょうどいいタイミングで誰か来た! ここで一度話を切って、後でゆっくり簪ちゃんの誤解を解きましょう!

 

「か、簪ちゃん、その話は後で、ね? 空いてるわよー」

「失礼しますね」

 

 入って来たのは……用務員の轡木十蔵さん――実はIS学園の実務関係を取り仕切る、事実上の運営者――だった。

 

「く、轡木さん? どうしてここに?」

「……心当たりはありませんか?」

「え、ええ?」

 

 い、いつもの柔和な人柄で『IS学園の良心』とも言われている轡木さんが、お、怒ってる?

 

「更識さん、私は貴女の御実家のことは理解しているつもりです。政府とも繋がりがあり、そのため後ろ暗い事情を抱えていることも」

「は、はぁ……」

「ですが、それでも私は、この学園の生徒を死に追いやるような事を許容するわけにはいきません」

「ええ!?」

 

 轡木さんまで、何を言い出すんですか!?

 

「先ほど英国政府から連絡がありました。『来月我が国の国籍を取得する予定の青年が、日本政府に命を狙われている』と」

「ええ~……」

 

 話が……話が大きくなってるじゃないのよぉぉぉぉ!!

 

「そして更識さん、貴女はその青年、榊悠人君に監視を付けていた。そうですね?」

「あの、それは彼の護衛のために……」

「それならば、どうして彼に黙って監視を? 榊君本人に聞き取りをしましたが、彼は何も知らされて無かったそうですよ?」

「確かに榊君本人には伝えてませんでしたが……」

 

 それでどうして暗殺計画なんて出て来るのよぉぉ!?

 

「更識さん、その辺り詳しくお聞きしたいので、同行願えますね?」

「……はい」

 

 こうなったら、大人しく轡木さんに付いていって、そこで一から説明しないとダメみたい……。

 

「お姉ちゃん……」

「やめてよ簪ちゃん! お姉ちゃんをそんな目で見ないでぇ!」

 

 轡木さんには変な罪状で疑われるし、簪ちゃんには犯罪者かのように扱われるし……

 

(もうやだぁ! 今後榊君とは絶対関わらないんだからぁぁぁぁ!!)

 

 

 

 

 それから私は、学園長室で洗いざらい全てを話した。

 織斑先生から一夏君と箒ちゃんの指導を頼まれたこと。そこに榊君が含まれていなかったこと。とりあえず本音ちゃんを護衛兼監視につけたこと。

 幸い、轡木さんはそれで納得してくれて、何とか誤解は解けた。その後英国政府にも今話した内容を伝えたところ、

 

『今回の件については承知しました。ですが、今後は彼への干渉はご遠慮ください』

 

 と、オブラートを何重にも包んだ言葉で釘を刺されてしまった。やっぱりセシリアちゃん(英国)に丸投げしておけば良かったわ~……。

 簪ちゃんの誤解も解けたけど、

 

「何でも秘密にして、自分勝手に動こうとするからこうなる。悔い改めて」

「はい……」

 

 お昼休みが終わるまでガチ説教を受けて、もうお姉さんの気力はゼロよ。

 

 ……一夏君と箒ちゃんの特訓、明日からにしましょう……。




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……久々にただのギャグを書いたよばっちゃ。
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