セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
勢いで教室から逃げ出した俺とセシリアだったが、廊下に出てすぐまーやんに捕まった。
「ああ、榊君。まだ校舎内にいて良かったです……って、あら♪」
「? どうしました?」
「お二人とも、仲がいいんですね」
「え……ひゃっ!」
あっ、教室から抜け出す時、ついセシリアの手を握ってた。それに気付いたセシリアが、真っ赤になった顔を手で覆い隠す。うん、可愛い。
「えっと、それで用件は?」
「そうでした。榊君の寮の部屋が決まりました」
そう言って、まーやんは俺に部屋番号の書かれた紙とキーを渡してきた。
この後の展開も大体覚えているが、一応聞いてみるか。
「前に聞いた話だと、部屋の調整で1週間は自宅通学だったはずでは?」
「そうなんですけど、事情が事情なので無理矢理部屋割りを変更したらしいです」
「なるほど。俺や織斑が通学途中で某国に拉致られないようにするための措置、ですか」
「あはは……」
俺の予想が正しかったのか、まーやんは肯定も否定もせず苦笑いだけ返してきた。
「それで、寮に入るのは了解したんですが、荷物を実家から取りにいかないと……」
「安心しろ」
視界外からヌルッと織斑先生が現れて、俺の目の前にボストンバッグをドスンと置いた。
「お前の親御さんに連絡を入れて、着替えや充電器等の生活必需品を用意してもらった」
「あ、はい」
つまりこのバッグを持って、さっさと寮に行けと。
「それじゃあ、今日から寮の部屋に行ってくださいね。夕食は寮内にある一年生用食堂で取ってください。それと、寮には大浴場もあるんですが……」
「いやいや、そこで言い淀まないでくださいよ。女子ばっかの寮の大浴場に行くとか、完全に犯罪者じゃないですか。部屋にシャワーぐらいはあるんですよね?」
「は、はい、あります。なので申し訳ないですが、大浴場の時間割調整が出来るまでの間、榊君と織斑君はシャワーで我慢してもらいます」
「分かりました」
それについては、原作知識が無くても分かりますって。というか、原作主人公はどうしてああなった。
「寮の場所ですが――」
「それでしたら、わたくしが案内しますわ」
「そうですか? ではオルコットさん、お願いしますね」
「承りましたわ」
そして織斑先生とまーやんは、教室の中に入っていった。おそらく、ワンサマーにも同じ説明をするんだろう。
「では、わたくしが責任をもって悠人さんを案内しますわ。それで……」
「どうした?」
さっきまで自信満々な顔をしていたセシリアが、視線を下にしたかと思うと
「……手を、繋いでいきませんか?」
そろーっと伸ばしてきたセシリアの手を、迷いなく握った。恋人繋ぎで。
「あっ……それでは、案内しますわ」
「ああ、頼むな」
「はい!」
恋人繋ぎに一瞬驚いたセシリアだったが、すぐに満面の笑顔に。その笑顔が眩しいんじゃ~~!!
そうして俺は、恋人繋ぎでセシリアと肩を並べた状態で、学生寮に向かって歩き出したのだった。
「お、織斑君っ、女子とお風呂に入りたいんですか!? だ、ダメですよ!」
「い、いや、入りたくないです」
「ええっ、女の子に興味ないんですか!? い、いえ、教職者として、同性愛を否定するわけには……」
「なんでそうなるんですか!?」
教室内の被害については、見て見ぬフリをしておこう。
そんなこんなで寮にたどり着いた俺とセシリア。
寮の中に入ると、まーやんが言っていた食堂が目に入った。
「先に夕食取った方がいいだろうか?」
「そうですわね……」
セシリアが腕時計を確認する。
「夕食は六時から七時の間ですから、確かに今食べてしまった方が良いかもしれませんわ」
「ならそうするかな。セシリアは?」
「もちろん、お供いたしますわ」
食堂は食券式らしい。それにしても種類があるな。さすが各国から入学希望者が後を絶たないIS学園、料理も国際色豊かだ。
俺が何を食べるか悩んでいると、隣でセシリアも唇に指を当てながら悩んでいた。
「本日のパスタセットなんですが、AとBどちらを頼もうか悩んでしまいまして……」
Aセットがカルボナーラとシーザーサラダ、Bセットがペスカトーレとカプレーゼか。
「カルボナーラが食べたいのですが、サラダはカプレーゼの方が……」
「ああ、そういうことか」
セットメニューで、食べたいものがちょうどバラけちまったのか。
「なら、俺がBセットを頼むから、セシリアはAセットを頼めばいいな」
「え?」
「それで、サラダを交換すれば問題解決だ」
「で、ですがそれでは、悠人さんの食べたいものが」
「俺は平気だぞ。ペスカトーレもシーザーサラダも嫌いじゃないし」
「……それでは、お願いできますか?」
「おう」
上手く折り合いをつけたところで、それぞれ食券を買って料理を注文、うまい具合に二人席に着くことが出来た。
「そんじゃ、カプレーゼとシーザーサラダを交換な」
「はい、ありがとうございます」
俺がカプレーゼの乗った皿を渡そうとすると、セシリアがシーザーサラダにフォークを刺して……あれ、それ食わないんだよな?
「……」
フォークに刺さった葉野菜が、俺の方に向けられる。これって、もしかして……
「あ、あ~ん、ですわ……」
(マジっすかぁぁ!?)
セシリアさん積極的すぎません!? これも特典の影響!?
そんなことを考えてる間にも、顔を赤くしたセシリアはフォークを引っ込めたりしない。
「んっ……うん、うまい」
食うしかないでしょう男なら!
「それじゃあ俺も」
「へ?」
「はい、あ~ん」
スライストマトとチーズを一緒にフォークに刺し、セシリアの前に。
「あ、あわわ……! あうぅ……あむっ……」
逡巡していたセシリアだったが、意を決したように、力いっぱい目を瞑ってトマトとチーズを口の中に。うむ、可愛い。
この後も俺とセシリアの食べさせ合いは続き、気付けばパスタもお互いのものを食べていた。別々に頼んだ意味なかったな、うん。
「明日の放課後、剣道場に来い。一度、腕が鈍ってないか見てやる」
「いや、俺はISのことを教えて欲しいって――」
「見てやる」
「……分かったよ」
ちょうどワンサマーと篠ノ之のやり取りが食堂で行われていて、女子達の視線はみんなそっちを向いていた。
そのおかげもあって、俺達の食べさせ合いは誰にも見られることなく無事終了したのだった。
夕食も食べ終わり、腹いっぱい(胸いっぱい)になった俺達は食堂をでた。
さて、俺の部屋は……っと。
各部屋のドアに罹れている番号と、まーやんから渡された紙を見比べながら通路を歩いていく。
「あ、ここか」
「え? ここ、ですの?」
「ああ、ほら」
手に持っていた紙を渡す。
セシリアは紙の中身を見てワナワナと手を震わせたかと思うと、どこからかキーを出して
――ガチャッ
目の前のドアの鍵を開けた。……え?
「えっと、今のって……」
「そういうこと、ですわ」
俺の部屋の鍵を、セシリアが持っていたキーで開いた。つまり……
「セシリアと、同室?」
「はい」
本日何度目かの、顔真っ赤セシリアがそこにいた。やっぱり可愛い。
ーーーーーーーーー
は、はわわ~!
わ、わたくしと悠人さんが同室!? つまり、おはようからおやすみまで一緒ということですの!?
に、ニヤけてはいけませんわわたくしの顔ぉ! 英国淑女が、殿方と同じ部屋で寝泊まりすることになって喜ぶなんて!
「あの、大丈夫かセシリア?」
「だ、大丈夫ですわ!」
「お、おう」
と、とりあえず、悠人さんを部屋の中に案内して――
「……寝袋必須か」
「はい? 寝袋?」
悠人さん、突然何を言い出すんでしょう?
視線の先には、わたくしが寝ているベッドが……あっ。
(わたくしのベッドが、部屋を占領しているではありませんのぉぉぉぉ!!)
ほ、本国にいた時と同じベッドを持ち込んだせいで、元あったベッド2つが置けなくなって……どうせわたくしだけだからと……。
つまりこのままだと、悠人さんを床で寝させることに……?
(それはダメですわぁぁぁぁぁ!!)
どこの世界に、殿方を床で寝させる淑女がおりますの!? そんなことしたら、完全に関係破綻案件ですわ!
こうなった以上は……!
「悠人さん!」
「お、おう?」
「寝袋は必要ありませんわ!」
「いや、そしたら俺、どこで寝れば……」
「わたくしと一緒のベッドに寝ればよいのですわ!!」
「what!?」
……あれ? わたくし、勢いに任せて、またトンデモナイことを言ってしまったのでは……?
悠人さんと一緒のベッドで寝る……同衾……~~っ!!!
(や、やっちまいましたわぁぁぁぁぁ!!)
淑女の方から同衾を誘うとか、何やってますのわたくしぃぃぃ!!
「セシリア、本当に大丈夫なのか?」
「あ……えっと……」
悠人さんが顔を赤くして訊いてきます。あちらからしても、まさかの展開なはずですわ。
どうしますの? ここで『やっぱり無しで』と言いますの? ですが……
(悠人さんと一緒に、手を繋ぎながら寝るわたくし……)
「英国貴族に二言はありませんわ!」
……英国貴族のセシリア・オルコットは、胸の奥から湧き上がってくる欲望に負けました……。
食堂での『あ~ん』はいいのかですって? お、思い出させないでくださいまし! いえ嘘です、とても幸せだったのでいつでも思い出したいですわ。
この日、わたくしは悠人さんと一緒のベッドで寝ることに。
「あの、悠人さん……手を、繋いでいただけますか?」
恥ずべき欲望垂れ流しなわたくしのお願いにも、悠人さんは嫌な顔をせず、
悠人さんの手、温かいですわ……。すごく幸せな気分になってきて、今なら良い夢が見れそう……です……わ……。
ーーーーーーーーー
セシリアと同じベッドで、セシリアの手を握りながら横になっている俺だが、正直寝れる気がしない。
(セシリアと一緒に寝るとか! 途中で鼻血を出さなかった俺の鼻! 褒めて遣わす!)
オルコッ党員の俺からしたら、今の状況は鼻血ものだ。
握ったままのセシリアの手柔らかい。横を向けば、整った顔立ちのセシリアの寝顔。マジ幸せ。
「んん……ゆぅとさぁん……」
「ファッ!?」
突然の出来事に、普段より2オクターブぐらい高い声が出た。
せ、セシリアが寝返り打って、俺の上に掛布団!? ダメだ、語彙がおかしくなってる!
原作でも言及されていた均整の取れた体が、寝間着越しに俺の体に当たる。
慎ましやかと言われている双丘も、俺の胸板に押し付けられて……鎮まれ俺の中の野獣ぅ!!
「んん……頭撫でてくださいましぃ……」
夢の中の俺は頭を撫ぜてくれなかったのか、セシリアの顔が拗ねたものになる。拗ねた顔も可愛い。というか、セシリア可愛い。
代わりに現実世界の俺が、手を繋いでない方の手で、セシリアの頭を撫ぜてやる。
さらさらの髪を梳くように撫ぜてやると、ふにゃりとした笑顔に変わる。セシリアって、こんな顔も出来るのか……可愛い!!
(普段のセシリアなら、絶対見せない顔なんだろうな……やべぇ、優越感が半端ねぇ)
さて、幸福度が青天井になってる状態だが――
「俺、今日寝れるのか……?」
明日も普通に授業があるし、寝ないとマズいのは分かってるんだがなぁ……。
結局俺は、ほぼ不眠のまま翌朝を迎えてしまった。
「んん……ん~……?」
まだ寝ぼけてるのか、セシリアが俺の胸板に顔を擦り付けてくる。すげぇ男冥利に尽きる光景だ。
「おはよう、セシリア」
「ん~……ゆうとさぁん……?」
ゆっくり顔を上げたセシリアの目が徐々に開く。そこからさらに時間が経つと、セシリアも今の状態を理解したのか、ボンッと顔が赤くなって
「みゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
悲鳴まで可愛いやん。最高かよ。
もし本作が面白いと感じていただけましたら、高評価や感想をよろしくお願いいたします!
……本当に評価や感想がもらえたよばっちゃ。