セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
11/6追記
少し本文の説明を追加(ストライク・ガンナーについて)
キャノンボール・ファスト当日。
会場となっている市のISアリーナは超満員、空には花火も上がっている。
今日のプログラムだが、2年生、1年専用機組、1年訓練機組、3年のエキシビション・レースという順になっている。
1年だけ2つに分かれてるのは、それだけ1年の専用機持ちが多いのと、単純に専用機と訓練機で性能差があり過ぎるからなんだとか。
そんで、今は2年生のレースの真っ最中。ピットの中にまで、観客席の歓声が聞こえて来る。
ピットに備え付けられているディスプレイには、先頭組による抜きつ抜かれつのデッドヒートが映っていた。
「あれ? このサラ・ウェルキンって人、もしかして……」
「はい。わたくしと同じくイギリスの代表候補生の先輩ですわ。専用機は持っていませんが、優秀な方ですわ」
「なるほど。この人がルイーザさん達に色々情報を流した人か」
そんなこともありましたわね、とセシリアは困り顔をしつつ、ブルー・ティアーズの最終チェックをする手は動いたままだ。
俺も俺で、サイレント・ゼフィルスを展開して機体チェックを行っている。とはいえ、素人でもできる簡易チェックなんだが。
「高速機動では、普段の飛行なら問題ないことでも問題になりますから、ちゃんと見ておくことが肝要ですわ」
「ああ、分かってる。それが原因で事故って墜落したくないからな」
そんな俺達以外にも、ピットにはワンサマーとハーレム達、それにヴィシュヌも控えている。
あちらさんも各々ISを展開して、パッケージや増設スラスターのチェックをしているようだ。
さらにこの世界線では、打鉄弐式が完成している更識さんも参戦。更識さんには申し訳ないが、出来れば織斑ハーレムと潰し合ってくれたらいいなぁ。
「それにしても、なんかゴツいな、鈴のパッケージ」
「いいでしょ。この『
ふんっ、とワンサマーに向かって胸を張る鈴の甲龍は、増設スラスターが4基付いていたり、衝撃砲が真横を向いていたりと、ガチのキャノンボール・ファスト仕様のようだ。
こうなると、増設スラスターを間に合わせに追加しただけの俺やシャルロット達はもとより、エネルギー配分の調整をしただけのワンサマーや篠ノ之は後塵を拝してると言わざるを得ないな。
同じパッケージ組のセシリアですら、本来の『ストライク・ガンナー』は強襲用のパッケージで用途が違うからな。
「むむむ……今回、中国は気合を入れてますわね。悠人さん、さすがにこれは、ワンツーフィニッシュは難しいと言わざるを得ませんわ」
顔にも『無理かも』と書いてあるセシリアを見て、俺は軽く笑って頭を撫ぜた。
「まあ、何とかするさ。我に秘策アリ、ってな」
「秘策……先日山田先生にお願いしていた、
「そう、
本番前最後のIS実習の時間、まーやんにお願いしていたことがあるのだ。
もっとも、頼まれたまーやんは
『はあ、構いませんけど……何に使うんですか?』
と、しきりに首を傾げていたが。
「ふん。戦いは装備だけで決まるものではないことを教えてやろう」
「戦いとは流れだ。全体を支配した者が勝つ」
「みんな、全力で戦おうね」
「うん」
「そうですね」
篠ノ之とボーデヴィッヒが勇ましいことを口にし、シャルロットが綺麗に締め、更識さんとヴィシュヌがそれに同意する。
「みなさーん、準備はいいですかー? スタートポイントまで移動してくださーい」
まーやんののんびりボイスが響くと、各々マーカー誘導に従ってスタートポイントまで移動を開始した。
さて、あとは本番あるのみだ。
亡国機業が無いこの世界線では、サイレント・ゼフィルスの襲撃は起こらない。なにせ俺が現在進行形で乗ってるからな。
そうなると、残った懸念点は篠ノ之博士の介入があるかどうかだな。
(まあ、なるようにしかならんか)
『それではみなさん、1年生の専用機組のレースを開始します!』
アナウンスが響く中、俺達は各自スタート位置に着いた状態でスラスターを点火した。
そしてバイザーをハイスピードモードにして、シグナルランプが3つ全て赤く点灯し、そして――
――赤から緑に変わった
「っ!」
急加速で一瞬景色が飛ぶ。すぐにハイパーセンサーの補助で視界が追い付くが、その時にはすでに先頭集団から少し遅れていた。
(先頭はセシリアとシャルロット。そのすぐ後ろを鈴とボーデヴィッヒ、それに更識さんとヴィシュヌ。ワンサマーと篠ノ之は……俺とほぼ横並びか)
最悪俺がビリってことも考えていたから、まだマシな滑り出しか。
いや、スラスターを増設したにも関わらず、ワンサマー達と同じってところを恥じるべきか。
そしてヴィシュヌのIS、普通に飛べるのかよ。いや、ISだから飛べない方が珍しいんだが、意外と早くて驚いたというか……。
「くそっ、やっぱみんな早いな!」
「何を弱気なことを言っているんだ! 男なら、このくらいの逆境に勝てずしてなんとする!」
「けど、ここでエネルギーを使い過ぎたらゴールまで持たないって。紅椿だってそうだろ」
「そ、それはそうだが……」
お前ら、そんなラブコメするぐらい余裕なんだね~。死ねばいいのに。(自分棚上げ)
心の中で悪態をついていると
その時、不思議な事が起こった
「箒!?」
「これは……!?」
篠ノ之の乗る紅椿から、黄金の粒子が溢れ出したのだ!
「エネルギーが、回復していく……!?」
「し、白式もか!?」
(おいおいおいおい! ここで『絢爛舞踏』とか卑怯すぎません!?)
説明しよう! 『絢爛舞踏』は紅椿のワンオフ・アビリティであり、機体のエネルギーを増幅させることで、事実上、無尽蔵のエネルギーを供給することが出来るのだ!
こんなんチートやチート!
「さあ、行こう一夏!」
「お、おう!」
十分以上のエネルギーを得た二人は、さっさと俺を置いて先頭集団に向かってん飛んで行ってしまった。
こうなると、俺の上位入賞は無理筋……と思うかもしれないが、俺はまだ諦めていない。むしろ、
「やっと見せてくれたか、その手癖を……」
絢爛舞踏の恩恵を受けたワンサマーの左手が、開いたり閉じたりしているのが見えたのだから――
ーーーーーーーーーーーーー
先輩と管制室に詰めていた私は、今見た光景に驚くしかありませんでした。
「織斑先生、これは……!?」
「ワンオフ・アビリティだと? まさか、束が……?」
「篠ノ之博士、ですか?」
「いや、何でもない。とにかく、篠ノ之の紅椿がワンオフ・アビリティを使ったのは間違いないだろう」
それには私も同意します。というか、同意するしかありません。なぜなら、紅椿と白式のエネルギーが満タン状態まで回復しているのですから。
そして目の前のディスプレイでは、先頭集団にいたデュノアさんとボーデヴィッヒさんが、白式の零落白夜によってコースアウトする様子が映し出されていました。
更識さんとギャラクシーさんも、紅椿のレーザーによってコースアウト済み。凰さんとオルコットさんは何とか回避していますが、その隙に織斑君と篠ノ之さんが二人を抜いてトップに躍り出ました。
榊君も後方にいる以上、これは二人のどちらかが――
「一夏め……またやらかしたか」
「織斑先生? 一体どういうことですか?」
「あいつの左手を見てみろ」
先輩に促されて織斑君の左手を見ると……開いたり閉じたりしてる?
「あいつの昔からの癖でな。あれが出ると、大抵しょうもないミスをやらかす」
「はぁ……そんなことも知ってるなんて、さすがご姉弟ですね~」
「ま、まあ、一応あいつは私の弟だからな」
照れてますね、あれは絶対照れてます。
ですが、それを指摘するとヘッドロックの痛みが待っていることは、代表候補生時代からよく知っています。なので私はこれ以上、何も言いませんでした。
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「くぅっ!」
「一夏ぁ! それに箒も! なんなのよそれはぁ!」
鈴さんが怒鳴りたくなるもの分かります。
篠ノ之さんのワンオフ・アビリティでエネルギー回復? そして零落白夜が使い放題? どう考えても反則級ですわ!
「ははははははっ! 私と一夏が揃えば最強だ!」
「えーっと、鈴、スマン」
「むがーっ!」
鈴さんに謝る織斑さんですが、目を見たら分かりますわ。完全に勝利を確信して浮かれていると。
ですが、お二人に頭を抑えられた上に、この最終コーナーを超えたらあとはゴールまで直線のみ。ここから逆転は――
『セシリア! 織斑に向かって牽制射撃!』
「っ!」
突然プライベート・チャネルから聞こえてきた悠人さんの声に、わたくしの体は反射的に動いていました。
ストライク・ガンナー用に調整されたロングライフル『ブルー・ピアス』を織斑さんに向けてトリガーを引くと、レーザーは真っ直ぐ非装甲部分に
「当たるかよぉ!」
バシュンッという音とともに、零落白夜による迎撃でレーザーは立ち消えてしまいました。ですが
「この瞬間を待ってたぜぇ!」
わたくしの視界を横切るように飛んで行ったのは
安全ピンが抜かれた状態の、80mm
「なぁ!?」
その手榴弾が、織斑さんの目の前に到達したところで
――ドガァァァァンッ!!
爆発を起こし、その衝撃で織斑さんは体勢を崩しますが
「こんなの、山田先生との模擬戦で慣れてるさっ!」
「いいぞ一夏!」
「ちぃ! 仕損じたか!」
「ああ……」
いつぞやのように、そのままコースアウトするまでには至りませんでした。
確かにこれは悠人さんの仰る通り、秘策となったでしょう。ですが、今回は織斑さんの方に勝利の女神が微笑んだようで――
――バキンッ!!
「「えっ?」」
「「はっ?」」
「はい?」
その音が聞こえた時、その場にいた5人全員の目が点になっていました。なぜならその音は
――織斑さんの白式、その
「嘘だろぉぉぉぉ!?」
「う、うわぁ! い、一夏! どうしてこっちに来るんだぁぁぁぎゃふんっ!!」
一対になっていたカスタム・ウィングの片方だけを失い、コントロールが狂って錐揉み状になる織斑さん。それに巻き込まれる篠ノ之さん。
お二人はそのまま、コースの緩衝壁に激突してしまいました。絶対防御が効いているはずですから、大丈夫だとは思いますが……
「セシリア、今の内に行くぞ」
「ゆゆゆ、悠人さん!?」
「……ああっ! あ、アンタ達ぃ!?」
鈴さんが呆気に取られている間に、わたくしは追いついた悠人さんに手を引かれる形で、最終コーナーを突破。そのまま――
『ゴォォォォォォォル!! 1位は1組の榊悠人君とセシリア・オルコットさんが同着! 3位は2組の凰鈴音さんという結果になりましたぁ!』
アナウンスが流れても、しばらくわたくしは実感がありませんでした。ですが、少しずつじわじわと事実が追い付いていき、そして……
「や、やりましたわぁぁぁぁ!!」
もはや本能に近い形で、わたくしは悠人さんの胸元にダイブ。コースの上をグルグルと回るように抱き着いておりました。
「アンタ達、学園外でもその調子なの……」
鈴さんから冷たい視線が飛んできますが、今のわたくしには効きませんわぁ!
IS学園に入ってから、ようやく手に入れた実績らしい実績に、悠人さんとのワンツーフィニッシュ。最高ですわぁ!!
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いやー、冷や汗ものだったぁ。
グレネードを凌ぎ切られた時には、万策尽きたと思っちまったよ。
けど、まさかあそこで白式のスラスターが破損するとは、思いもよらなかったぞ。
「織斑ぁ! お前ちゃんと白式の整備はしていたのかぁ!?」
「そ、それはぁ……」
そしてピットに戻った俺達を待っていたのは、阿修羅の如く激昂している織斑先生と、それを前に目を泳がせているワンサマーの姿だった。
「ただでさえお前の白式は、IS実習の時に墜落したりしてダメージを負ってたんだ! しかも2回も! 普通なら開発元にオーバーホールを依頼するところだぞ!」
「いやでも、開発元の倉持技研は……」
「その倉持技研の一部が政府直轄のチームとして再編成されたから、今後はそこにメンテ等の依頼を出すように通達していただろう、が!!」
――ゴキンッ!!
「げはぁ!!」
うわー……いつもの出席簿じゃなくてグーパンが脳天に落ちたよ。見てるだけでも痛そうだ。
だが、今回はそのワンサマーのミスに助けられたな。とはいえ、次も同じことを期待するのは虫が良過ぎるな。精進せねば。
「せっかくワンオフ・アビリティが使えるようになったのに……」
篠ノ之は篠ノ之で、絶好の勝機を逃したことでorzっていた。
あのワンオフ・アビリティの発現、絶対あの兎耳の仕業だろうなぁ……。これで奴さんに敵対したって思われないと良いけど。
「ゆうとさぁぁん❤ もっと撫ぜてくださいまし~❤」
「おっと、そうだったそうだった」
今回のワンツーフィニッシュに貢献してくれたセシリアのおねだりで、俺は今セシリアを膝枕して頭を撫ぜるお仕事に従事してるんだった。仕事は仕事でも、とっても楽しい仕事だがな。いいだろ~?
だから目のハイライトが消えたシャルロットやボーデヴィッヒがこっちを見てても、なーんにも気になりませーん。
更識さん? もはや我関せずで、拡張領域に入れてたらしいポッ○ー食ってるぞ。なんか鈴とヴィシュヌも相伴にあずかってるし。
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……途中でヴィシュヌがいないことに気付いて、慌てて追加したよばっちゃ。