セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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キャノンボール・ファスト編、終了のお知らせ。
そして今回もイチャラブ成分薄め。申し訳ないです。


第45話 クソ政府の華麗なる我田引水

――キャノンボール・ファスト終了後の夜

 

「それでは、キャノンボール・ファスト訓練機部門優勝を祝して、かんぱーいっ!!」

 

「「「「かんぱーいっ!」」」」

 

 学生寮の食堂で、1組の面々が手に持った紙コップを掲げた。

 相川さんが乾杯の音頭で言っていた通り、1年1組はキャノンボール・ファスト訓練機部門で優勝したのだ。

 専用機部門と違って、訓練機部門は完全なクラス対抗戦になるから、クラス対抗戦と同じように優勝クラスには景品が出ることになっていた。

 

「デザートフリーパス、とうとう1組もGETしたんだよね~」

「のほほんさん、嬉しいのは分かるけど、食べた分のカロリーはフリーじゃないからね」

「わ、分かってるよ~」

 

 夜竹さんに指摘されたのほほんさんが、ダボダボ袖からガッツポーズをする。

 ……その割には、大皿に乗ったホールケーキを一人で食べようとしているんだが、本当に分かっているんだろうか。

 

「それにしても、織斑さん達は欠席ですか」

「ああ。今頃織斑の家で、中学時代のダチと誕生日会をしてるんじゃないか?」

「そういえば、いつだったかの食堂でそんな話をしておりましたわね」

 

 そう。この場にはワンサマーを始め、ハーレムの面々の姿は無い。

 今頃織斑邸には、五反田兄妹等の連中も集まっているんだろう。

 

(そういえば、のほほんさんは"あっち"に行かなかったのか)

 

 原作では上記のメンバーに加え、生徒会メンバーも織斑邸に行ってたはずなんだが、この世界線では変わっちまったのか?

 という疑問を(色々誤魔化しながら)のほほんさん本人に聞いてみると

 

「かいちょーとお姉ちゃんはおりむーのお家に行ったよ~。私はみんなとケーキ~♪」

「さよけ……」

 

 その食った分、全部胸に行くんだろうなぁ……と言うとセクハラになるから、心の中に留めておく。

 

「それにしても、今日の織斑さんにはやられました……」

「仕方ありませんわ。まさか篠ノ之さんが、ワンオフ・アビリティを使えるようになるなんて誰も想像してませんでしたもの」

「そうだな。しかもチートに近い性能だったし」

 

 だからヴィシュヌ、今回のは事故だと思っておいた方が良いぞ。

 少なくとも、俺がお前の立ち位置だったら間違いなく落とされてたと断言できる。それぐらいあれはヤバい。

 

「エネルギーの増幅と、それを利用した零落白夜の無制限使用……まるでセット運用が前提のようですわね」

「実際そういうコンセプトなんじゃねぇか? そう考えれば、白式の燃費の悪さも説明が付くし」

「ですが、それでは紅椿と白式を作ったのは……まさか」

 

 口にした言葉を途中で止め、ヴィシュヌが驚きの表情をする。

 確証はないが、何となく察したようだな。"白式を作ったのは、本当は誰なのか"を。

 

「やはり、そうなりますか……」

「セシリアさんは気付いていたのですか!?」

「わたくしも何となくですが、臨海学校の"あの一件"、篠ノ之博士がどうして紅椿を推していたか引っ掛かっておりました。ですが、今回の件を踏まえれば腑に落ちると思いまして」

「なるほど……確かに」

 

 機密が絡むからか、セシリアもボカシて話を進め、その内容に対してヴィシュヌも頷く。

 

「つまりあの件は、白式と紅椿の連携を促進するためにあったと?」

「でなければ出来過ぎてますわ」

 

 偶々臨海学校の日に、偶々篠ノ之博士が妹にISを渡し、偶々軍用ISが暴走する。限りなくゼロに近い確率だろう。……誰かの作為が無ければ。

 俺は原作知識持ちだから当然として、セシリアとヴィシュヌもそこにたどり着いたようだ。

 

「そうなると、今後ますます博士の介入がありそうですね」

「だろうな。多分だが、今回のキャノンボール・ファストについては結果に満足してないだろうな」

「篠ノ之さんと織斑さんが入賞していないから、ですか?」

「あくまで俺の予想だがな」

 

 原作通りなら、次のイベントは『全学年専用機持ちタッグマッチ』、そして無人機の乱入だ。

 クラス対抗戦での無人機乱入は、この世界線では発生しなかった。だが、次のイベントも無いとは言い切れない。

 

(面倒事が満載だなぁ……俺はセシリアとイチャラブしたいだけなのに……)

 

 女性権利団体も亡国機業も無いはずなのに、どうしてこんなに事件が起こるのか……あの兎耳だけで、もう腹いっぱいだよ。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 デザートフリーパスを存分に使用した翌日、1年1組の教室は平常運転に戻っていた。

 ワンサマーも昨晩は亡国機業のエージェントに襲われること無く、いつも通りに登校していた。

 いや、本来はそれはそれで問題なのだが……

 

「日本政府はクソですわ!」

「こらこらセシリア、英国貴族がそんな下品な言葉を使うなって」

「ですが、あれほど露骨な会見、あり得ませんわ!」

 

 セシリアが激怒している原因。それは今朝のニュースで流れていた、日本政府の記者会見にあった。

 

 昨日のキャノンボール・ファストで、ワンサマーはスラスターの破損でリタイア扱いになった。

 そうなると、業界内で日本に対する不信感が出て来る。『あの国は専用機の整備もまともに出来ないのか』と。

 それを、国際試合じゃないとはいえ、公式の場でやってしまったのだ。当然、白式を用意した日本政府は何かしらの声明を出す必要に迫られる。

 そして翌日……つまり今朝、大方の予想通り、日本政府が記者会見を開いたわけだ。

 

 ただ、会見の内容は予想外にも程があったが――

 

()()()()()()()()、篠ノ之箒さんが乗るIS『紅椿』のワンオフ・アビリティの性能は、皆さまが見た通りになります! そして同じく、()()()()()()()()である織斑一夏君が乗るIS『白式』のワンオフ・アビリティ、その二つが合わさることで、他の追随を許さないほどの力を発揮したのです!!』

 

 なんと日本政府は会見中ずっと、白式と紅椿の性能を褒めそやすことに終始したのだ。もちろん、ワンサマーが白式のメンテをしなかったことについては一切触れずに。

 しかもいつの間にか、ワンサマーと篠ノ之が日本の代表候補生になっていた。君達、ワンサマー達を使ってちゃっかり自分達の功績も増やそうとしてる?

 さらにさらに、国内のメディアが印象操作を頑張った(ブリュンヒルデに忖度しまくった)おかげか、ワンサマーのスラスター破損の件は話題に上がることが無くなり、それに巻き込まれる形で、俺とセシリアの専用機部門優勝の話もされることが無くなったという。

 

「頭に来ますわ! しかも当の織斑さんが、そのことに全く気付いていないというのが……!」

「落ち着けって。セシリアが怒ったところで、織斑相手には暖簾に腕押しだ」

「のれんにうでおし? 意味は分かりませんが、怒るだけ無駄だというニュアンスは伝わりましたわ……」

「それに、イギリスの方ではちゃんと評価してくれてただろ?」

「それは……そうですが……」

 

 そう、昨晩部屋に戻った際にイギリスから連絡が来たのだ。そこでルイーザさん達からは優勝を祝福され、ヴィッカース社のお偉いさんからは『我が社のISでよくやってくれた』とお褒めの言葉をもらっている。ちゃんと見てる人はいるんだよな。

 

「それに、おこなセシリアも可愛いが、やっぱり笑ってるセシリアの方が俺は好きだな~」

「はうっ!……悠人さん、ズルいですわ……」

「そうだぞ~、俺はズルい男だから、こんなこともしちゃうんだぞ~(ほっぺたムニムニ)」

「や、やめてくださいまし~❤(嫌とは言ってない)」

 

 

「優勝の話題がされなくて、落ち込んでいるかと思えばこれですか……はぁ」

「どうしたのヴィシュヌさん?」

「いえ、なんでもありません。私の杞憂だったようですから」

「?」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

――???

 

「と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!」

 

 秘密ラボの床で、束は頭を抱えながら、陸に打ち上げられた魚のようにビッタンビッタンと跳ね回っていた。

 

「せっかく紅椿の絢爛舞踏を使えるようにして、零落白夜使い放題にしたのにぃぃぃぃ!!」

 

 悠人の予想通り、紅椿のワンオフ・アビリティが発現したのは束の仕業であった。

 目的は当然、箒にキャノンボール・ファストで優勝させるためである。一夏とワンツーフィニッシュを決めれたら尚良という考えも込みで。

 しかし実際には、白式は整備不良でコースアウト、紅椿もそれに巻き込まれてしまった。大天災、痛恨の誤算である。

 

「ぐぬぬぬ……! い、いいもん! まだまだ二人を活躍させる機会なんて、沢山あるんだからね!!」

 

 まるで負け惜しみのようなセリフを吐きながらも、椅子に座り直してカタカタとキーボードを叩きまくる束。

 そのままキーを叩き続けることしばし、ディスプレイに映し出されたのは、真っ黒な装甲板で作られた、女性のマネキンのようなものだった。

 

 ゴーレムⅢ。『見た目が良くないからパス!』という理由で試験が見送られたⅠ型を発展させた、無人型IS。

 右腕に巨大ブレード、左腕に超高密度圧縮熱線を放つ砲口を持った、各国の第3世代機と互角以上に戦える性能をもった代物である。

 

「本来は惑星探査用に作ってたゴー君(無人機)だけど、試験がてら箒ちゃん達に嗾けて、良い感じで活躍してもらおう!」

 

 福音の時と同様のマッチポンプ。しかも今回は、敵役を最初から束が用意するという徹底ぶりである。

 

「来月には専用機持ちだけのタッグマッチがあるみたいだし、そこにゴー君を乱入させて、いっくんと箒ちゃんが倒す……これでいこう!」

 

(あとは邪魔になりそうな連中……いっくんのおまけ(セカンドマン)と金髪ドリルを戦闘に参加できないよう、適当な理由で遠ざけて……っと)

 

「束さま」

「お~くーちゃん、どうしたの?」

 

 声を掛けられて振り向いた束の目の前には、銀髪の少女が立っていた。

 くーちゃんと呼ばれた少女――とある人体実験を行う研究所を束が文字通り潰した際、生き残っていた唯一の被験体であり、後にクロエ・クロニクルと名付けられた――は、手に持っていたトレーを束に差し出した。

 

「お食事の時間です」

「おお~! 待ってましたぁ!」

 

 束は目を輝かせると、さっそくトレーに乗っているやや焦げたパンを掴んでかぶりついた。

 

「うーまーいーぞー」

「束さま、正直な感想をください」

「いやいや、本当に美味しいって。腕を上げたねぇくーちゃん」

 

 実際束の言う通りであり、前月出された、半分以上が炭化した真っ黒パンに比べれば雲泥の差である。

 口の中のパンを咀嚼しながら、束は確信した。『女の子は料理の一つも覚えないといけないよ!』と、クロエを拾ってすぐの頃に言ったのは間違いではなかったと。

 

「あの、パン以外もご用意しています」

「マ・ジ・で!?」

 

 よく見れば、トレーの上にはポタージュのようなものが入った皿も乗っていた。束、感激である。

 

「このままくーちゃんの手料理を立ったまま食べるなんて勿体ない! 食堂に行こうそうしよう! あ、くーちゃんの分もあるんだよね? 一緒に食べよう!」

「分かりました。私の分も用意してきます」

 

 

 そうして二人が出て行ったラボの灯りは消え、ディスプレイがとある文字列が表示したまま、薄暗い光を放っていた。

 

 『ブルー・ティアーズおよびサイレント・ゼフィルスのオーバーホール依頼』




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……この作品、未だ落としどころが見つかってないよばっちゃ。
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